さようならボブ・マイヤーズ

◎始祖だが開祖ではない

スプラッシュブラザーズを結成させた張本人であり、「シューティングチームは勝てない」という常識を打ち破り、3P時代を到来させたマイヤーズ。デュラントの獲得により、さらにパワーアップしたシューティングチームとなりました。多くのチームがウォリアーズを模倣し、シューターの価値が高まっていった時代でもあります。偉大なる戦術革命も始まった。

ところが、当のマイヤーズはシューターを重視しないチームつくりをするのだから、先見の明がありすぎました。スーパースターを揃え、史上最強のチームを作ったのはマイヤーズだけの成果ではないかもしれませんが、ウォリアーズを単なるシューティングチームにせず、見事なチームつくりをしたことこそがマイヤーズの真価です。

73勝したシーズン。ウォリアーズはリーグ最多の31.6本の3Pを打ちましたが、そのうちスプラッシュ2人で19.3本も打っており、3番目に多かったのはなんとドレイモンドの3.2本です。シューティングチームとしてもてはやされたウォリアーズですが、3Pを打ちまくっているのはスプラッシュだけであり、周囲は他のプレーを担当していました。

(ちなみに今だと31.2本のナゲッツでリーグ25位だ。3Pとはこれくらいがちょうどよい説も出てくるな)

特に初期のウォリアーズは、イグダラ&リビングストンだけでなく、ボーガットにデビッド・リー、スペイツと多様なビッグマンもいたし、リーアンドロ・バルボーサなんかもいました。

マイヤーズは常に「多彩な武器を持ったチームにしたい」というスタンスで動いています。スティーブ・カーはシューター系を並べたがりますが、同じポジションに異なる特徴の選手を連れてくることで、スプラッシュ戦術を中心にしながらも、いろんな変化が可能になっています。

マイヤーズの作ったウォリアーズ王朝は、3Pを中心とした戦術革命のスタートにいましたが、当のマイヤーズは3P担当を揃えることよりも、スプラッシュを支え、異なる武器をもたらす選手を探していったのです。

そんな選手たちの中には「ウォリアーズでしか活躍しなかった」選手も多くいます。1人4連覇したパトリック・マコー、何故か異様な評価をされていたアルフォンソ・マッキーニーなどを代表に、ハードワークをベースにしながら、ディフェンスの戦術力が高く、マルチな選手は期待とは裏腹にスプラッシュのいない世界では思うような貢献ができませんでした。

一方でマイヤーズにとっては、そのような選手を発掘することと、ベテランミニマムで有力者を集めることが仕事になっていきました。

最大のスティールはOPJの激安契約。マックスサラリーだった選手をミニマムレベルで獲得するというウルトラCは昨シーズンの優勝をもたらしました。ベースが固まっているからこそ、それぞれのシーズンでどのような選手を安く仕入れるかが成績に直結していました。

サラリーキャップの奇跡から始まったマイヤーズの仕事は、次第にミニマムサラリーのかき集めとなり、ウォリアーズというブランド力こそが重要になっていきました。ひょっとしたら元エージェントとしては、選手を見極める眼力よりも、サラリー調整が仕事になって嫌になったのかもしれません。

さようならボブ・マイヤーズ” への2件のフィードバック

  1. 11年前からのGSWファンですが、BIG3の旧システムはもう通用しないので、今のうちにうまく再構築して欲しいです。
    具体的には、ドレイとクレイを放出して(必要なら一部の若手と指名権もつけて)、万能ビッグマン+αを獲得してカリーとの新体制を期待します。

  2. 確かに、マイヤーズが優れていたのかどうか?は結構疑問もあると思います。
    再構築のためにも出して欲しいと思っていたので、オーナーの決断には賛同します。
    ただ、ドレイモンドを出すことに失敗すれば、カーの負担が増えて失敗につながるかもって思います。

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