さようならボブ・マイヤーズ

終わりの始まり

73勝9敗。史上最高成績チームであり、NBAの戦術の歴史を変え、王朝を作り上げた偉大なるGMボブ・マイヤーズがウォリアーズを去ることになりました。まさか「さようなら」をGMで書くことになるとは思いもせず、この偉大なるGMについて触れないわけにはいきません。

同時に今シーズンは『ボブ・マイヤーズ、唯一のミス』ともいうべき、ジョーダン・プールへの高額契約が発生し、今オフはその処理に追われるはずでした。ドレイモンド・グリーン(PO)との再契約に、クレイ・トンプソンの契約延長の問題を抱える中、何かしらを諦める決断をするオフが始まる前にマイヤーズは去っていったのです。それはまるで

自らが作り上げた史上最高のチームを、自らの手で崩すことを拒否した

そんな見え方もします。そしてどうもプールの延長そのものもマイヤーズの本意ではなかったとさえ勘繰りたくなる状況でもあります。いずれにしても、今オフのウォリアーズはスプラッシュ時代に終わりを告げるのかもしれません。

https://basket-count.com/article/detail/150452

◎終わらないという儚き夢

ラプターズとのファイナルでデュラントとクレイがケガをし、さらに翌シーズンはカリーまでケガをしたところから、マイヤーズは『終わらない王朝』の準備にとりかかりました。サラリーキャップとドラフト制度が機能しているNBAでは定期的に戦力の入替サイクルが発生しますが、チームが低迷した2年間で若手有望株を揃え、現行スターを抱えながらも、次代のスターも用意しました。

ワイズマン、クミンガ、ムーディ、ボールドウィン。手に入れた若手たちに、まずは戦術の基本とハードワークを叩き込み、順応性のあるサポートキャストとして活用することを目指したわけですが、改善が見られなかったワイズマンと別れ、ロールプレイヤーであることに不満を持ち始めたクミンガ、「それなり」から抜け出せないムーディ、フィットしているけど出番はないボールドウィンと主力の一角としては誰も出てこれませんでした。

プレーオフではスターター+プールだけでなく、ディヴィチェンゾとペイトンが優先され、9人目としてムーディが起用されたまででした。1年前はOPJとビエリッツァが担っていた役割は3年目までの若手たちには荷が重すぎました。

誰もが夢を見たくなった『終わらない王朝』というサラリーキャップの魔術のようなトライアルは、ロールプレイヤーにはなれなかった若手有望株という図式で、儚く散りました。夢は夢でしかなかったことを思い知らされました。

プール、ドレイモンド、クレイの3人のサラリー問題だけでなく、クミンガの要望に応えるかどうかもオフの大きな決断になります。マイヤーズは『今の』決断だけならば引き受けたかもしれませんが、未来へと続くチームプランへの決断までは引き受けられなかったのかもしれません。ある意味で潔く、正直な人物なのでしょう。

未来の指名権を手放しまくってサヨナラするGMとか酷いもんだもんな。

さようならボブ・マイヤーズ” への2件のフィードバック

  1. 11年前からのGSWファンですが、BIG3の旧システムはもう通用しないので、今のうちにうまく再構築して欲しいです。
    具体的には、ドレイとクレイを放出して(必要なら一部の若手と指名権もつけて)、万能ビッグマン+αを獲得してカリーとの新体制を期待します。

  2. 確かに、マイヤーズが優れていたのかどうか?は結構疑問もあると思います。
    再構築のためにも出して欲しいと思っていたので、オーナーの決断には賛同します。
    ただ、ドレイモンドを出すことに失敗すれば、カーの負担が増えて失敗につながるかもって思います。

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