さようならボブ・マイヤーズ

◎サラリーキャップの奇跡

マイヤーズの歴史はサラリーキャップの歴史でもありました。

2011年4月にマイヤーズがウォリアーズのアシスタントGMに就任し、その1年後にGMへと昇格するまでの間、3年目のステフィン・カリーは56試合に欠場しました。成績は14.7点、5.3アシストと凡庸なPGであり、シーズン半ばに相棒のモンタ・エリスがトレードされるのですが、実はこの時、エリスではなくカリーの方をトレードしたかったものの断られたという話もあります。

そしてオフになりGMへと昇格したマイヤーズはカリーと4年44Mで契約延長します。当時としては悪い額ではなかったものの、この契約期間の間に2回のMVPと2回のチャンピオンリングをもたらした選手に対しては、あまりにも安すぎる契約でした。このカリーとの契約こそがサラリーキャップの奇跡を生み出した最大の要因であり、王朝を作り上げた最大の要因でもありました。

11年にクレイ、12年にハリソン・バーンズとドレイモンドをドラフトで指名すると、ボーガットも迎え入れ、史上最強チームの準備が整います。

14年のオフはクレイと4年契約、15年のオフはドレイモンドと5年82Mで契約延長しました。確かクレイはかなりの額だったはずですが、それは当時のサラリーキャップでの話。ここからNBAのサラリーキャップは爆上がりしました。

13-14 58M
14-15 63M
15-16 70M
16-17 94M
17-18 101M

たったの5年でサラリーキャップは倍近くに膨れ上がりました。11Mしかもらっていなかったカリーは、17-18シーズンから35Mに膨れ上がりましたが、その前年の16年オフにウォリアーズ王朝における最大の事件にして、サラリーキャップに空きが出来ていたことで、ケビン・デュラントの獲得に成功しました。

もしもカリーの契約が高ければ、クレイの契約延長が1年遅ければ・・・わずかなズレでも成立しなかったはずの史上最高のオフェンスマシーンの加入により、

サラリーキャップの奇跡が生んだ史上最高のチーム

こんなものが出来上がりました。マイヤーズが巧みだったのか、次代の奇跡だったのかは不明ですが、マイヤーズ成功の歴史はサラリーキャップの歴史でもあるのです。

さようならボブ・マイヤーズ” への2件のフィードバック

  1. 11年前からのGSWファンですが、BIG3の旧システムはもう通用しないので、今のうちにうまく再構築して欲しいです。
    具体的には、ドレイとクレイを放出して(必要なら一部の若手と指名権もつけて)、万能ビッグマン+αを獲得してカリーとの新体制を期待します。

  2. 確かに、マイヤーズが優れていたのかどうか?は結構疑問もあると思います。
    再構築のためにも出して欲しいと思っていたので、オーナーの決断には賛同します。
    ただ、ドレイモンドを出すことに失敗すれば、カーの負担が増えて失敗につながるかもって思います。

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