ホークスは変わることが出来たのか
ホークスが遅いHC交代で残りシーズンをショック療法に賭けることにしたのはいいものの、そこで戦術家HCのスナイダーを呼んできても意味がない気もしました。その一方で戦術家ってことは明確に何かを変更したがるのも確かなので、そろそろ比較してみましょう。今回は便宜的に2月までのスタッツと3月以降のスタッツを比べてみます。スモールサンプルなので1試合の結果に左右されるし、これを書いているときに行われたペイサーズ戦では140点もとってしまった。
〇オフェンス
得点 116.9 ⇒ 123.2
アシスト 24.6 ⇒ 25.7
2Pアテンプト 61.7 ⇒ 63.5
3Pアテンプト 30.4 ⇒ 29.9
FTアテンプト 21.8 ⇒ 24.2
まず何よりもわかりやすく得点が増えました。2月までの平均116点は3月の13試合中10試合で上回っており、スモールサンプルといえども明確な改善になっています。ここら辺は近年のジャズらしさでもあり、守れないけどハイスコアで上回るというアンチゴベアなジャズになっていたよね。
しかし、ジャズらしくないのは3Pアテンプトが減ったこと。得点力アップはアシスト増・2P増・FT増から生み出されており、鮮やかなボールムーブからの3Pよりも、ドライブからの得点中心の改善に見えてきます。
〇得点
ヤング 27.1 ⇒ 24.8
マレー 20.8 ⇒ 17.9
ハンター 15.6 ⇒ 15.3
ボグダノビッチ 14.7 ⇒ 11.5
コリンズ 13.2 ⇒ 12.4
カペラ 12.0 ⇒ 12.4
しかし、得点の内訳をみてみると主力が軒並み得点を落としています。チームとして7点近く増やしたのに、主力6人の合計は9.1点のマイナス。ということで、そのほかの選手で16点ほど増えました。ただヤングは1桁の試合が2つあった事情も関係しています。
大きいのはオコングとサディック・ベイの得点増ですが、ベイはトレード加入なので比較しにくいね。いずれにしてもヤング・マレー・ボグダノビッチの得点が軒並み減り、ウイングとビッグの得点、それもベンチメンバーの得点を大きく増やしたのがスナイダーになってから最大の特徴です。
ベンチに並んだ優秀なウイング・ビッグの活用が進んだ!
こうみると、やっぱりシーズン開幕当初からスナイダーにしていればチームの戦い方そのものが違っていたでしょう。そしてマレーが良い悪いではなく、マクミランがハンドラー任せだからマレーは必要だったし、ウイングに点を取らせていくスナイダーであれば普通の控えPGがいればOKだったようにも見えます。マレー&ヤングでチームを作っていくならスナイダーって失敗という見方もできます。
〇パス数
チーム 250.8 ⇒ 249.6
ヤング 48.9 ⇒ 47.6
マレー 48.8 ⇒ 51.4
得点が多くの選手にシェアされ、アシストも増えた一方で意外にもパス数は落ちています。ヤング&マレーは変わっていないので、アシスト役ばかりがボールを持っていたわけでもない。
つまり、従来よりも1本のパスが効果的になったことに。これでヤング&マレーの得点も増えているならば個人技アタックが増えたってことになりますが、多くの選手が点を取りながらもチームとしてはパスを回さなくなったのは面白い。しかも3Pは減っているので簡単に打ちまくったことによるパス数減少でもありません。
1つのパスの意義が高まった
これは別に良いこととは限らず、ボールムーブが足りないのも事実です。ただ、もともとパスが少ないチームなので、そのパスが減ったのにアシストが増えているんだから比較すれば価値があることです。比較すればね。
こうしてスナイダーになってからはワンポゼッションにおけるチームの意思疎通がとれるようになってきました。ヤングはヤングだし、マレーはマレーなので、2人がボールをもっている時間は長いですが、それでもハンドラーのアテンプトは減り、ウイング陣へと展開すれば割とイージーに得点に繋げるようになっています。