③ステップアップと課題の2年目
べた褒めのルーキーシーズンですが、それは主として突破力とメンタリティの話であり、ルビオにゲームメイク全てを任せていたように、スキル面では複数の課題がありました。
・3P成功率
・ターンオーバーの多さ
・判断力の悪さ
シンプルに言えば「プレーメイカーとしてはダメ」ってことで、アシスト/ターンオーバー率が悪く、それも得点専門家のわりにターンオーバーも多かったです。これがアシストも得点も全てを担っているドンチッチやヤングタイプだと、ターンオーバーが増えるのも仕方ないけどさ。
2年目のドノバンは、3Pについて確実な改善を見せました。30%を下回っていたプルアップ3Pが33%まで向上(これはそこそこ良い数字)し、キャッチ&3P40%と結果を残し「弱点」ではなくなりました。
〇2年目
23.8点
3P36.2%
4.1リバウンド
4.2アシスト
2.8ターンオーバー
2年目としてはかなり、というか相当優秀ですね。最近はドンチッチとヤングのせいでぼやけるけど、なかなかいないスタッツです。
そしてチームは49勝するのですが、これが期待外れでした。前年を考えると勝率を向上させると思ったのに50勝に届かなかった。エースは改善したのに、チームとしてはルビオの不調が影響し、また主力(ルビオ、ゴベア、クラウダー、イングルス、オニール、フェイバーズ)以外のプレーの質が落ちてきてしまいました。
迎えたプレーオフではロケッツとの対戦で、5試合中3試合でFG40%を下回り、唯一勝利した試合が43%だった以外は残念過ぎるオフェンスになっています。
ドノバンも21.3点を記録するもののFG32%に終わっています。そして、これがジャズにとって痛すぎるターニングポイントになりました。今回のトレードの発端は19年のプレーオフにおける惨敗と、そこから始まったチーム改革にあります。
その意味では2年目のドノバン・ミッチェルが課題だったと言えます。チームが酷くても勝たせるエースであるならば、どうにかして欲しかったね。
〇19年の動き
(一部デッドライン)
【放出】
ルビオ
クラウダー
フェイバーズ
コーバー
【加入】
コンリー
ボグダノビッチ
ジェフ・グリーン
クラークソン
FAでボグダノビッチを手に入れたのはポジティブでしたが、ルビオからコンリーにPGを変更し、クラウダーとフェイバーズを失いました。ディフェンス力低下は明確。
あと、地味に大失敗なのが前年のシーズン途中で1巡目指名権とのトレードで手に入れていたコーバーがいなくなったことで、この頃からGMの「シュート力が全て」路線が明確になって大きな問題が発生していきます。
〇ディフェンスレーティング
18-19シーズン 105.3(2位)
19-20シーズン 109.3(13位)
このシーズンを境に明確に「守れないチーム」になっていきました。逆に「3P打ちまくりチーム」としてリーグ最高のオフェンスチームへと移っていきます。GMのチーム作りは狙った方向の結果へと繋がり、チームは弱体化しました。
狙い通りでプレーオフに勝てないチームになるんだから救えない。
ちなみに守れないチームになった20年オフにゴベアと長期の大型契約延長をします。マジでこれがジャズが「間違えた」ことの全てって感じ。
シューター優先の守れないチームへと舵を切ったけど、ゴベアと大型契約をした
二律背反な方向性がゴベアとドノバンの間に大きな溝を作っていったと言っても過言ではありません。一気に仲が悪くなったのではなく、「徐々に」ってのはチームの責任も大きいと思うんだ。
ちなみに活躍しているボグダノビッチですが、PFにした使い方も間違っており、フェイバーズを残しておき、ボグダノビッチにはSFやらせていたら、ジャズはコンテンダーであり続けたと思うんだよね。
④FGが低いこと
ここでキャブスの話に戻りましょう。
ジャズにおける最大の失敗はチームがディフェンスからオフェンスに方針転換したことですが、それは少なからずドノバン・ミッチェルの問題にも繋がります。そしてキャブスからみれば
ディフェンスのチームと相性の良いスコアリングエース
なのでポジティブにも捉えられます。問題は「ディフェンスのチームで居続けられるか」ってことだけどね。
ここまでに書いた通り、2年目までのドノバンの仕事は「チームオフェンスが上手くいかない時の個人技担当」でした。それは強引にでもディフェンスを切り裂く仕事なので、ある意味で「成功率が低い仕事」でもあります。オフェンス力に傾倒せず、ディフェンスの良いチームが取れる手段です。
これは別に珍しいことではなく、近年の成功例でも
ヒートにおけるバトラー
セルツにおけるテイタム
など、この手のエースキャラには多い仕事です。もっといえば全権担当だったウエストブルックもディフェンスのチームでなければ意味がないっていうね。
ディフェンス力はないよりはあった方が良いに決まっていますが、「効率の良いオフェンス」をするには「タフショットを減らす」必要があり、
✖ 強引な突破から得点するスタンス
〇 強引な突破からワイドオープンの選手へパスを出す
という形で、プレーチョイスも変化してきます。前者はタフでも決める選手のチーム、後者はオープンを効率よく決められる選手のチームだ。そこにはチームスタンスの違いがあるぜ。簡単に言えば
オフェンス力のチームなら、エースもチームオフェンスの一部でなければダメ
ディフェンス力のチームなら、エースをオプションアタックに出来る
こんな違いがあります。2年目まで後者だったドノバンは、3年目から前者へと移行していきますが、キャブスなら後者で使うことが出来ます。それが最も大事なことであり、プレーオフで勝つために必要な事でもあります。
3Pが改善したドノバンはチームオフェンスの中ではシューターになり、あとはオプション担当ってのが楽です。基本の「チームオフェンス」はガーランドに頑張らせ、パスアウトを堅実に決めてもらいましょう。
2年目まで、ジャズでの仕事は「ワガママであること」でしたが、それがチーム方針の変更と共に、そうも言えなくなってきた。ジャズファン以外はこの辺がごっちゃになっているけど、2年目までと3年目からのプレーは別物になっていきます。
西ではグリズリーズの次にジャズをよく見ていましたが、アダムズとゴベアのIQの違いが前シーズンは如実に表れてましたね。
スクリーンで棒立ちすら出来ずにちょくちょく動いてファウルとられるゴベア、パス受けるとお手玉しがちなゴベア、小学生みたいなおふざけでコロナ感染を拡大させたゴベア、そりゃ愛想も尽きるわ。
しかしドラフトギャンブルやるよりも柱としてドノミチだけ残して再建する方が安全確実だと思うんだけどチームが先に愛想尽かされたのかなぁ。
相手がスモールになったときに、オフェンスで何もメリットを生み出せないのが致命的でしたね。
IQなのか、スキルなのか。なんなのか。
ドラフトギャンブルは、エインジがセルツで味を締めちゃったんでしょうねぇ。
ゴベアだけいなくなってもPOに絡んできそうだったので、ドノバン君がいなくなって、やっとジャズはPOに絡んでこないと安心しているMEMファンです。
「エースがファーストラウンドから全力ではPOは勝ち切れない」っていうのを踏まえて、昨季のモラントはファーストラウンドは抑え気味にしたのだと思っています。ただ、今年はルーキー増やしすぎて、戦力落としすぎたと思っているので、どうなるやら心配です。
ドノバン君の最近は、ハンドラーやりすぎてる感があったので、ガーランドとうまいことやって欲しいですね。キャブスのHCをあまり信じていないのでそこが不安ですが・・・
キャブスのHCさんは、コンリーをこんな風にした原因でもありますしね。こんな感じじゃなかった気がするのに。
普通にアヌノビーやマルカネンみたいな選手とドノバンを組ませたら面白そうでしたが、今って再建時なのかな?
モラント君はケガをしないように。
コンリーと4年契約を結んでサラリーダンプでフェアバースを放出したのがキツかったですね。
あとダニーエインジやんちゃすぎ。
1年は殆ど動かずに、突然やんちゃしすぎるから困りものです。
なんだかんだとイングルスの件から一気に、でしたね
ルビオがサンズに居たシーズンのブッカーとほぼ同じ役割が当てはめられそうなんですよね。
5年ほど前は、加速力で突破するミッチェルと、体幹の強さでシュートをねじ込むブッカーっていう印象でしたが、どっちもオフェンスの引き出しが増えることで持ってるスキルが似通ってきているように思えます。
どちらもルビオと組んでた時期はアイソレーション担当で、ルビオがいない時期にオフェンスの起点としてPG寄りの技術を身に付けていってたのも似てますね。
確かに似ていますね。
次にきたのが、クリス・ポールとコンリーの差なのか、それともエイトンとゴベアの差なのか。
なんかちょっとずつサンズの方が上だなぁ。
良いSGエースを育てるにはルビオを取れって事ですね
おもしろい記事でした!自分はドノバン3年目以降は見なくなったのですが、プレーはきれいになったけど面白くない、みたいな印象でした。プレーオフだけは見ましたが。1年目とかの3.4コーターの、なんだか理由もわからずディフェンスをぶっ壊していく感じのドノバンがまた見れるとしたら、めっちゃ嬉しいですね〜。ドノバンはもっと自分勝手にプレーしてほしいなあという感じがあります。