拝啓、ジャナン・ムサ殿

まさか、こうして、あなたへの手紙が書く日が訪れるとは夢にも思いませんでした。それも、NBAを去ってから、こんなにも早く。

ユーロバスケの開幕にあたり、注目選手を挙げたかった中で調べてみたところ、スペインリーグで得点王とMVPに輝いていることを見つけ、しかもWC予選でフランスを破ったことで、「今大会で最も注目すべき若手」と勢いで書いてしまいました。

正直に言えば、活躍を確信していたわけではないどころか、かなりギャンブルな記事でした。確かに得点王だし、フランスを倒す立役者であったものの、弱いチームだからこそチーム戦術は関係なく、打ちまくっているだけなのかという不安は拭えなかったです。

しかし、ユーロバスケでの活躍は、不安を払しょくするどころか、想像の上を行くパフォーマンスでした。それは言い換えれば「このレベルの選手がプレータイムすら得られずに去っていくのか」とNBAの怖さを再認識するパフォーマンスでもありました。

少なくとも(ドンチッチを除けば)、ユーロバスケに参加したNBAのガード陣と比較しても遜色ないどころか、上回るほどのパフォーマンスでした。

安定したシュート能力
ビッグマンを引き出してのプルアップ3P
柔らかなタッチで高確率のフィニッシュ
タイミングが読みにくいコーナーへのキックアウト
ディフェンスの逆を取るカッティング
何よりも隙間をすり抜けていく軽やかな身のこなし

NBAでも珍しき能力を携え、多彩な得点パターンと冷静な視野の広さで見事なハンドラープレーでした。なぜ、これだけの能力の持ち主が、わずか49試合、527分しかプレーすることなくアメリカを去らなければいけなかったのか。

19歳から21歳という最も伸ばすべき時期を、NBAという世界最高峰のリーグでムダにしてしまったことが残念でなりません。

それ以上に、これだけの時間をムダにしながらも、22歳からの1年間でスペインリーグMVPへとジャンプアップし、NBAプレイヤーを上回るパフォーマンスをみせたユーロバスケになったことは衝撃以外の何物でもありません。

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拝啓、ジャナン・ムサ殿” への2件のフィードバック

  1. ムサへのお手紙心に沁みました
    あの時のネッツは好きだった自分も彼がこうやって活躍をしている姿を見せてくれるのは嬉しいです

    次はクルッツくんへお手紙を出す時ですね

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