◎優秀なコマへ
DPOYスマートとブラウンのガードコンビは間違いなく「リーグ最強のディフェンシブガードコンビ」でした。オフェンス力だけ見ればファイナルへ行くほどではなかったセルツですが、ディフェンスの強さは特筆すべきものがあり、それもチームディフェンスというよりは個人のマッチアップで強みを発揮しました。
全体のサイズアップによりブラウンがガードを守るシーンが増えたことは、ガードエースが多い時代において極めて大きなアドバンテージでした。セスやラメロなどを止めに行くこともあれば、バレットやクズマのウイングまで柔軟に対応できるブラウンというのは大きなメリットで、スマートとブラウンの2人がコートにいると相手の3P成功率は32.9まで下がります。
〇被3Pアテンプト
5.7本 ⇒ 5.2本 ⇒ 4.8本
ガード相手のディフェンスが増えたはずが、被アテンプトは減りました。アウトサイドのディフェンス力があって、インサイドでホーフォードとロバートが待ち構えるのは強烈なブロックを形成したと言えます。
〇3PDIFF
△0.3 ⇒ △3.0 ⇒ △1.3
アテンプトに反して成功率は上がってしまいました。△1.3は非常に優秀なのですが、前年が△3.0なので意外と決められることが増えたともいえます。
強力なディフェンスコンビである一方で、主役のスマートが縦横無尽にヘルプに動き回ることもあり、ブラウンの方がシューター系をチェイスする役割が増えたともいえます。チームとしては役割分担が機能したのですが、ブラウンがスペシャルなディフェンダーとして評価されるには物足りなかったのも事実です。
19ー20シーズンの被3Pアテンプト5.7本は、シアカム、エイトン(!?)、ハーデン、ラウリー、ヴァンブリードに次ぐ6位でした。ラプターズが3人なので特殊なチーム事情を除けばブラウンはリーグトップといえます。
どこへでもヘルプで追いかけるシーンは減り、よりシューター対応に近づきマッチアップ相手のスタッツは向上したものの、チームディフェンスのコマの1つになったとも見えるのでした。
◎スペシャルではない
それでも強烈なマークマンであれば良かったのですが、やや不満も残るのが2Pへの対応でした。
〇被2Pアテンプト
7.4本 ⇒ 7.1本 ⇒ 7.5本
〇2PDIFF
△0.6 ⇒ △0.2 ⇒ △0.1
2Pに対するDIFFは進化が観られません。それでもマイナスなのだから悪くはなさそうですが、チーム全体で見た時に苦しくなります。
〇セルツの2PDIFF
△1.4 ⇒ △0.4 ⇒ △3.2
チームとして△3.2という驚異的なスタッツを記録したのに、ブラウン個人は△0.1なので、相対的に「チームディフェンスの足を引っ張っている」とすら見えてきます。
2Pの場合は特に個人が止めるというよりも、チームで止めるからスタッツが向上する面が大きいので、何故こんなに悪いのか不思議です。なお、スマートはもっと悪くて+2.8もあります。チーム事情といえばチーム事情ではある。
いずれにしても3年前のブラウンは「スペシャルなディフェンダーになれる素材」だったのに、なんだか当時から進展がなかったようにみえるわけです。
マンマーカーでも、ヘルプも含めた総合的にでも、どちらでもいいけどスペシャルにはなれていないよね。
ちなみに例を挙げるとポール・ジョージが(レナードみたいに)エースキラーをやったり、ヘルプ担当で危険地帯を潰したりと、マルチでスペシャルなディフェンダーとして使われているのですが、ディフェンス戦術の中核としてポール・ジョージで戦術が構成されています。残念ながらブラウンは戦術の中心ではないんだよね。
オフェンス面の仕事も多いけど、ディフェンスでも働くから、負荷をセーブされているし、それがセルツの強みでもありました。ディフェンスの主役はスマート、ロバート、ホーフォードだもんね。
だからセカンドエースとしてのブラウンは、限られた役割の中でディフェンス力を発揮してくれれば十分だし、セルツには適した存在なんだけど、ジェイレン・ブラウンという選手が個人としての可能性を求めるならば、せめて
ディフェンスの主役として獅子奮迅に「働かされる」チームの方へ行くべきではないか
それこそデュラントはブラウンほどのディフェンス力はないけど、1人でやるべき仕事が多く、ヘルプでもマンマークでも止めるべき時はデュラントが行くよね。特にカバーリングかな。多少のサボりは許されつつ、急所を止めるのがお仕事。
ブラウンの貢献度そのものは評価できるけど、3シーズン続けて考えると違う環境へ進むべきタイミングにも見えるのでした。セルツ側がそれを望むのは違うけどね。
タイトルと内容が合ってないですよ
これなら「JBは移籍するべきか」が正しいタイトルです
いいえ、これで合ってますよ
この記事はKDトレード案が話の前提にあるからです
どうしようかと思ったけど、どっちでも成立するかなーと思いやした
C’sファンです。JBにとって、もっと役割増やせばやれるのは分かっている一方で、昨年はゲーム後半にアタックして纏まった点を取る役割を任されて、着実にステップアップしていると認識しているので、その辺りはスタッツと印象に乖離がある気はします。もっとやれるっているのはその通りなので、可能性という意味ではファンにとっては頭が痛いところですね。