1年前、ブルズにドラフト38位で指名されたドスンムですが、その後のFA解禁ではデローザン、ロンゾ、カルーソと次々にガードを獲得していくチーム事情では、チャンスが少ないかと思われました。
しかし、1年経った現在はホワイトが放出候補に挙がるなど、ドスンムはチームの中心選手に定着しています。
むしろケガも多いカルーソの方が不要なんじゃないかと思わせるドスンムの活躍は、ブルズがプレーオフチームへと浮上する重要なピースでした。ただ、その活躍ぶりはシーズン序盤と後半では大きく異なっています。
◎ハードなディフェンダー
HCがビリー・ドノバンに代わってからブルズは急速にハードワーカーが重視されるようになってきました。気合と根性のボイレン時代と似ているようでいて違ったのは、サイズは関係なくファイトする選手を好むことで、ドスンムはそんなドノバンスタイルにハマるルーキーでした。
とはいえ、2順目ルーキーが当初の計算に含まれているはずもなく、迎えた開幕当初、10月のドスンムは11分程度のプレータイムに過ぎず、ローテには加わっているものの、若手にもチャンスが与えられているだけでした。
しかし、開幕5試合目でパトリック・ウィリアムスがケガで離脱してしまい、少しプレータイムが伸びます。
ここはブルズの特殊事情になっており、PFのパトリック・ウィリアムスなのに、代役はガードばかり。むしろ、ポジションに関係なく守れるファイターが目立つようになったかもしれません。なお、11月にはブーチェビッチも離脱した試合があり、極端なスモールラインナップは通常営業でした。
当初プレータイムを伸ばしたのはジャボンテ・グリーンとデリック・ジョーンズでしたが、ドスンムもディフェンス力を生かした活躍が増え始めました。ただし、ガードにはホワイトが戻ってきたこともあり、ローテの一角に滑り込んでいる程度でした。
〇プレータイム
10月 11.0
11月 17.2
12月 25.6
1月 32.2
それでも与えられたチャンスで結果を残したことで、12月には完全にローテに定着し、1月以降は30分を超える主力へと昇格しました。
それはロンゾとカルーソの離脱によってガードも薄くなったことが関係しています。度重なるケガ人はブルズにとって大きな悩みでしたが、離脱した選手のポジションに関わらず、何故かドスンムのプレータイムが増えていく不思議なシーズンでした。
ポジションに関係なくケガ人のカバーに奮闘し、主力へと昇格したドスンム
193センチと完全なガードサイズにもかかわらず、多くのポジションを守れるドスンムは便利なディフェンダーでもありました。91キロと体重は重い方でフィジカルな戦いにも一歩も引かないハードワーカーは、ドノバンらしいし、典型的な「2順目から這い上がる選手」でした。
〇12月までのドスンム
18.5分
6.2点
FG53.2%
3P40%
FT55.6%
2.0リバウンド
1.2アシスト
0.9ターンオーバー
3P成功率が高いものの、平均1.6アテンプトと少なく、何よりフリースローの確率が悪すぎて偶然としか思えませんでした。得点も速攻中心という事も含めてオフェンス面の信用は低かったです。
ディフェンスを中心にした活躍は「典型的な2順目指名の選手」なだけに、管理人もドスンムをテンプレートに当てはめていましたが、ドスンムの真価はNBAに慣れ始めたシーズン後半になって発揮されることになります。
面白い考察でした。
アヨのディフェンスは素人目に見ると、スピードで振り切られるのが目につき、やや過少評価してしまっていたのですが、ここまで被3PFG%が良いとは。自分の目が節穴だったと痛感しました。
ブルズのディフェンス戦術は(けが人が多かったことも含めて)かなり雑に感じてましたが、その中でアヨは確実に貢献していたのですね。
主力の大幅な変更を伴わない今季、より洗練されたブルズで、アヨの落ち着き・IQが光ることを祈ってます。