プレーオフ①サンズvsペリカンズ

ゲーム2

ゲーム1はクリス・ポール&エイトンを止めることは出来ず、またバランチューナスがエイトンに抑え込まれてしまいました。ただし、バランチューナスは13のオフェンスリバウンドを奪っており、ペリカンズも「エイトンを引き出せば」インサイドでイニシアチブを取れています。どちらもハンドラーがビッグマンを引き出すのが重要っぽいです。

◎ブッカー、ブッカー

やられたところは当然おさえたいわけで、クリス・ポール&エイトンに対して周囲がカバーに来たペリカンズに対して、見事なキックアウトをしたクリス・ポールでしたが、これをクラウダーが決められないだけでなく、ヘイズにブロックされるスタートです。その後もクラウダーは空きやすい状況が続きますが、あまり決まらない。ドライブは&ワンにしたけどね。

代わりにミカルの3Pに、ブッカーのエースムーブで点を取っていくサンズ。しっかりと出来ているぜ。エイトンのハンドオフから、フリーになったブッカーも3P。クリス・ポールがミドルを外したのが目立ってしまうほど、ペリカンズの出方に対して適切な処理をしています。さすがNo1シード。

でもNO.9もマカラムが問答無用のプルアップ3Pでエースムーブで上回れば、イングラムがミドルの形でエイトンを引き出して、ゴール下のバランチューナスのフィニッシュに。ってことで、オフェンスで対抗しているペリカンズ。序盤は拮抗した展開です。

エイトンがツーメンゲームからロングフローターを決めれば、バランチューナスはゴール下でプットバック。互角なのは同じですが、サンズにしては珍しくファールが増えてしまいます。ブッカーはリバウンド時にこぼれ球争いでアクシデント的なファール。クリス・ポールは見えないようにイングラムを引っ張ったのがバレてのファール。

そんな中、ペリカンズはツービッグからナンスのワンビッグにし、イングラム、マーフィー、ハーブと小さくないスモールになります。これでスイッチしてでも追いかけるディフェンスと、全員がアウトサイドに開くオフェンスになったので、先に変化してきました。

これでオフェンスにリズムが生まれます。リムプロテクターがいなくなったインサイドへ、イングラムとグラハムがドライブを決め、それでいてコーナーに位置するマーフィーがキックアウトを受けてからのドライブ⇒展開とスペースをしっかりと保っています。本人はなかなか決められなかったけどね。

イングラムはマークがクレイグになると、押し込めないのでちょっと嫌そう。オフェンスファールもしてしまいました。でも、スイッチさせればペインが相手になり、そこから綺麗に展開していきますが、サンズもローテが早くて早くて、そう簡単には決められない。そして24秒ギリギリで苦しくなったところで、マーフィーがタフ3Pをヒット。

一方のサンズはマギーがミスマッチになることが多いけど、どうしてもインサイドが使えません。エイトンとの差がデカいぜ。それでもそこはブッカー。MVP候補に選ばれなかった60勝チームのエースは、連続でプルアップ3Pをヒットすると、最後は流れながらのブザービーターミドルを決め、30ー28と2点ビハインドに追い上げて1Qが終わります。

困ったときに出てくるブッカー、ブッカー、またブッカー。チームの半分以上となる16点を1人で稼いだのでした。

◎またブッカー

そういえばマカラムとクリス・ポールってプレーオフで対戦したことあるのかな。調べてみると16年にブレイザーズとクリッパーズが対戦しており、クリッパーズが2連勝したけどクリス・ポール&グリフィンが両方いなくなってブレイザーズが4勝2敗で勝っているね。それから6年、ウエストの顔ぶれも大きく変わったけど、この2人はいつもプレーオフに居ながら、対戦していないってのもスゴイね。

さて、2Qはベンチメンバーって事もあってサンズの方が優勢っぽかったのですが、ナンスがマギー相手のフェイダウェイに3Pで対抗します。局地戦でやっているような雰囲気。ただタイムアウトからヘイズを投入し、ツービッグに戻したので、どこまでが狙いなのかわからんな。

そしてエイトンが戻るタイミングでバランチューナスも戻しており、やっぱりエイトン相手には2人並べたいのかも。単なるローテかもしれないけどさ。この形になったので、やっぱりキックアウト3Pが生まれますが、決めきれないサンズ。一方でファールドローしているマカラムのフリースローです。なんか珍しいサンズ。

トランジションで走っていたヘイズが、ゴール下でクリス・ポールとの勝負になり、この試合初めて高さの利で決めきるも、クリス・ポールの3Pに続いて、ミカルも3Pでサンズが逆転します。結局、デメリットの方が大きかった気もするツービッグ。

さて、スターターが戻ってきますが、守り切ったサンズ・・・と思いきやリバウンドでファールコールされるエイトン。さらに次のオフェンスでもファールコールされてしまいます。なお、コールしたのがスコット・フォスター。クリス・ポール・キラーによって珍しくファールが増えているぞ。

それでもブッカーがミドルで取り返すと、スティールから誰よりも早く走っているミカルがファールドロー。そしてブッカーはワンフェイクでマカラムを飛ばすと、キレイに3Pをヒット。やっとミドルを外したと思ったら、リバウンドをとったエイトンからブッカーの3Pです。

ブッカー、ブッカー、またブッカー。止まらないエース。止められないペリカンズ。ここはハーブが頑張ると思ったけど、ハーブがマークしていないケースが多いぜ。

タイムアウトのペリカンズはセンターをナンスにスイッチし、ボールムーブからマカラムの3Pで反撃しますが、サンズはまたブッカー。なんでMVP候補にすらなれなかったんだい?

しかし、凝りもせずブッカーを空けてしまうペリカンズ。やっと外してくれたんだけど、またオフェンスリバウンドから最後はミカルのプットバックダンクです。それでもマカラムが3Pを決め返し、そのマカラムにダブルチームが来たらマーフィーも3Pで続き、2点差にします。取られたら取り返せ。

前半最後は、またブッカーがオープンになってのディープ3Pを打つと、これまたリングに吸い込まれ、サンズが5点リードで終わります。

〇ブッカー
31点
3P7/10

4本の3Pを決めて15点のマカラムを霞ませてしまったブッカー。どうなってんだって確率で決め続けたブッカー。懐かしいくらいブッカーだらけだったサンズ。ペリカンズはナンスを活用する作戦は機動力アップで当たったし、クリス・ポール&エイトンにはやらせないのも上手くいったけど、ブッカーにボコられてしまったのでした。

◎ビッグマンカウンター

エイトンがミドルを決めれば、バランチューナスはスピンからのフェイダウェイで決め返し、後半もセンター同士のところから攻めこんでいきます。ただ、クリス・ポールがシュートを外したのに対して、イングラムはクリス・ポールにファールされながらミドルを決めてハンドラーのところはペリカンズ優勢。またリバウンド争いでもファールしたクリス・ポールが3つになります。

そこを攻めるようにトランジションで迷わずアタックしたハーブがレイアップ。イングラムはスピードで抜けてのレイアップ。そしてマカラム⇒ヘイズ⇒イングラムで3Pをヒットし、ペリカンズが逆転します。わお!

タイムアウトのサンズですが、シュートが外れた瞬間に素晴らしいランニングをしたヘイズのワンパス速攻。さらにミカルがドライブダンクに行ったのを逆サイドからきたヘイズがブロック! そしてアイソ1on1を仕掛けてきたブッカーにシュートすら打たせなかったヘイズ。

サンズはクリス・ポールの3Pファールドローに、ミカルが走り返しての速攻で取り返しますが、またヘイズが走ってワンパス速攻ダンク。バックスのビッグマンカウンターを思い出すヘイズの走りに抵抗できないポイントゴッド。ただ単に上のパス通されているだけだもんな。

3点ビハインドの場面ですが、サンズはクリス・ポールもブッカーも下げます。前半は出てこなかったシャメットが登場。その後、エイトンやミカルも下がったので完全ベンチメンバーにします。

ここは先手を取りたいペリカンズは、イングラムのパスアウトからマーフィーが3Pをヒット。マーシャルはカム・ジョンソンをブロックし、グラハムはシャメットの3Pをブロック。ナンスはミドルを決め、マギーへのロブパスをカットしたイングラムがトランジションを押し込みます。

サンズはシャメットの豪快なダンクに、ペインのドライブに合わせたカム・ジョンソンがファールドロー。ペインもドライブを決めます。しかし、ペインを狙うイングラムがドライブからファールドローし、90-83でペリカンズがリードし3Qが終わります。22点しか取れなかったサンズ。ブッカーも0点。

◎フルパワー

シャメットの3Pにミカルのレイアップで早々に2点差にするスタート。腕を組んで戦況を見守るブッカー。まさか、このまま戻ってこないとは思わなかったぜ。どこでケガしたんだろ。コンタクトなしでのハムストリングのケガはヤバいよ。

アルバラドのドライブと3Pで再びリードを広げるも、ミカルに続いて、カム・ジョンソンがスティールからのダンクでサンズが逆転します。ただし、言い換えれば4Q序盤からフルスロットルなのがサンズになっており、3Qがフルベンチメンバーだったのに、どうしたんでしょうか。

一気に決めたいところですが、バランチューナスがインサイドで奮闘します。得点ではなくハードワークでの仕事が目立ち、1人で3人に囲まれながらリバウンドをとり、なんどもスクリーンに行ってチームメイトを助けます。ハーブとアルバラドをコーナーにおいて3on3にして形作っていきます。

そしてマカラムが3P。つづいてイングラムのパスアウトからアルバラドがコーナー3P。チェンジオブペースからドライブを決めるマカラムで、サンズディフェンスは完全に崩され始めます。そしてバランチューナスとのギブ&ゴーから3Pのマカラム。7点リードの残り4分です。

サンズはカム・ジョンソンが3Pを返しますが、今度はイングラムが3P。クリス・ポールがドライブで返すも、その後のディフェンスに戻らず、何故か誰も反応しない速攻レイアップをハーブが決めます。なんか全員がタイムアウトに動いていたような中でカウンターだぜ。

〇速攻
ペリカンズ 16
サンズ 9

リバウンドからのワンパス速攻も含めれば、もっと多かった気がするよ。カウンターが機能して得点を増やしていったペリカンズ。どこまで狙っていたのかはわかりませんが、走るのは日常でも、そこに積極的にパスを出したマカラムとイングラムなので、作戦には入っていたと思います。

タイムアウトのサンズは狙った形でクラウダーのコーナー3Pで追い上げます。しかし、イングラムがクラウダーのチェックを受けながら3Pをヒット。クリス・ポールが3Pで追いかけますが、今度はポストアップからターンシュートを決めるイングラム。

そしてクリス・ポールが3Pを外すと、またもカウンターのワンパスでハーブがファールドローします。最後までこのトランジションに困らされ続けたサンズ。バックスとのファイナルから続く頭の痛い問題になりそうなのでした。

〇イングラム
37点
FG13/21
9アシスト

〇マカラム
23点
3P6/10
9アシスト

両エースが高確率でシュートを決めるとともに、共に9アシストでした。アシストがデカかった試合になっており、ハードワークするウイングたちの良さがガッツリと出てきたのでした。それってサンズみたいでもあるね。

〇3P
ブッカー 7/11
他    6/24

マカラム 6/10
他   11/20

そしてエース以外の3Pにも差が出ました。最後はオフェンス力で押し切ったペリカンズですが、全員の集中力が高い上に、3P57%っていうね。さすがにこっちは出来すぎです。最終的に125点まで得点を伸ばしたのでした。

ってことで、まさかのアウェイでの1勝を手にしたペリカンズ。そしてブッカーのケガという最悪のアクシデントにも見舞われたサンズ。なお、エイトンがいなくなる方が厳しそうってのは内緒だ。

「ブッカーがケガしなければ・・・」という試合ではありましたが、ペリカンズ側からすると「クリス・ポールは何とかした」というのは大事です。ここを困らせた事で、エイトンへのラインも自然と減りました。ブッカー1人を止めるより、コンビプレーを止めようぜ。

逆にマカラムにもイングラムにもやられてしまったサンズ。ゲーム2で最大の問題は単に負けた事ではなく、両者への対応に困っていた事です。本来は片方だけでも止めておけばOKなのですが、9アシストは厄介です。

さぁどうするゲーム3。史上最大のアップセットが待っているのか、シリーズは盛り上がってきました。

プレーオフ①サンズvsペリカンズ” への2件のフィードバック

  1. ブッカーがハムストリングスを痛めたのは、ヘイズの速攻ダンクを後ろからブロックしようと跳んだシーンのようです(3Q4:50あたり)
    12月にもハムストリングスを痛めて欠場をしていたようなので重傷でなければいいのですが…。

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