ブレイザーズvsキングス

2021/10/19

変わらなきゃ!

といいつつ変わったのか不明なブレイザーズと、何かした雰囲気じゃないけど変わってきたかもしれないキングスの対戦です。プレシーズンを見る限り苦しそうなブレイザーズと、好調のキングスという対戦でもあります。

◎3PG

キングスは昨シーズンと同じスターター。ハークレスとハリバートンがスターターなのは同じなのか、変わったのか何とも言えないけどさ。ダビオン・ミッチェルはベンチスタートって事だけは確かです。

開始からハリバートンコントロールなので、やっぱりフォックスにスコアリング仕事を増やしたい想定にみえます。一方でリラードのマークをハークレスが担当しており、いつぞやのブレイザーズみたいな構成になっています。

お互いにトランジションミスが多めのスタートですが、ハリバートンから組み立てられてパスアウトが決まるキングスがフォックスの3Pで8点リードして初めのタイムアウト。つまり、ハーフコートオフェンスが良い感じなキングスです。単純にウイング2枚でバランスもいいしね。

ヒールドとトリスタンが入ってくるとオフェンスはヒールドがアグレッシブに打つ以外は大きな変化はなく、バランスも悪くないけど、ディフェンスは悪化。特にホルムズと違ってインサイドのリムプロテクトが弱いので、ドライブが決まるようになってしまいます。

代わりにダビオン登場でリラードにプレッシャーをかけ、フォックスもパスカットに飛び出すのでアウトサイドは強化された。まぁでも、そんなにスティール出来るわけじゃないからね。リラードのドライブも出て、トリスタンのゴール下ミスもあって点差は縮まります。

で、1Qの中で再びトリスタン→ホルムズで戻ってくると急激にインサイドが強くなりました。相手がゼラーになったこともあるんだけどさ。ちなみに誉めていたら、ゼラーにダンクを食らったよ。そしてサイモンズにドライブフックを食らったよ。マカラムのドライブでブレイザーズが逆転。

まぁそんなわけで、よくわからなかった。ヒールド出て来てから個人技が増えたな。フォックスのステップバック3Pが決まらなかったこともあって、得点が止まったんだけど、むしろ「ハリバートンがいなくなったらハーフコートオフェンスが止まった」って気がしました。プレシーズンではダビオンが3P決めまくっていたんだけど、それが出なかったことも大きかったかもね。

3人のPGっていうことについては、特に何もありませんでした。「ハリバートンの控えにダビオンを加えた」に留まった感じです。ただディフェンスも強化されたので、そこはプラスだね。

◎変わったのか、どうなのか

基本的に変わったように見えないブレイザーズ。別に悪い意味ではないよ。

リラードが広くスペースを作り、マカラムがオフボールで動く。コビントンとパウエルがアウトサイドから狙い、ヌルキッチはハイポストから飛び込んでいく。これで成立しているからね。

ただ、なんともいえないけど「変わらなきゃ」もあるから、リラードがおとなしく始まったので、ビハインドなスタートでしたが、ベンチメンバーでナンスとゼラー、そしてリトルが出ている意味は大きく、ディフェンスは安定しました。スターターは変わらないけど、ベンチはディフェンス力アップは明確ね。

2Qになるとダビオンにマークされたマカラムが苦しみます。マカラムがハンドルしているってことでもあり、もっとパッシングしてオフボール勝負させれば良さそうなのですが、ウイング見るとパスが回りそうにないもんな。代わりにちょっと楽そうなサイモンズがドライブダンクを決めますが、インサイド陣との合わせが機能していないので、だんだん離れていきます。

ちなみにデニス・スミスは出てこない。プレシーズンのお試しだったのかな。

外が決まらない事もあってビラップスも悩んだのか、リラード・マカラム・サイモンズを並べて点を取りに行くのですが、なんかイマイチ。「なんか」なんだけど、それが開幕だからエンジンがかかっていないのか、自分たちが重たくなったからなのか、現時点ではなんともいえません。レイアップミスも多いな。

それでもポジティブな要素は、3人のオフェンス担当を並べているけど、ヌルキッチとナンスも同時起用すると、そこそこ守れている事。ゼラーも含めてギリギリまで手を出すインサイドで助けられている。全員の意識を高めるって話だったけど、確かにイージーな失点は減った印象があります。イージーが減ったって程度だけどね。

残り3分。マカラムの3Pに続いて、ゼラーのパスアウトからコビントンも3Pが決まり、やっとリズムが来た感じのブレイザーズ。だけど、ファールが増えてしまったディフェンスでボーナススローを与えてしまい、逆に点差が離れていきました。フォックスのスピードについて行けずに後ろからファールしたパウエルってのもあって、点差は二桁に。

フォックスのピック&ロール→キックアウトでヒールドが3P、最後もフォックスのドライブにマカラムがファールしてボーナススロー。結構、ディフェンスを頑張れていた印象はあるけど、前半の終わりに一気にファールコールで吹きこぼれてしまった感じがします。

前半は62-49でキングスがリード。なんつーか、ホルムズがいるかどうかが全てって感じもしたな。攻守にホルムズがいるとキングスが優位になっていく。

◎リトルとホルムズ

ハリバートンのドライブにリラードがドライブで返す後半のスタート。どうも決まらないフォックスだけど、バーンズが3Pを決めてキングス優勢は変わりません。攻めあぐねているブレイザーズですが、リラードが本気出していない感じはします。シンプルにディープ3Pを打っていないしね。

でも、そうこうしている内にバーンズが追加の3Pで点差は17点に広がってタイムアウト

ここからヌルキッチを使ったピックプレーが増えてオフェンスは改善し始めます。ウイングへパスを出すことでバランスアタックしようとして失敗し、ハンドラーを空ける形に修正したのかな。なんだけど、守れないから点差は縮まりません。いろいろと元に戻っていったな。

空いちゃうからバーンズに3Pを決められ、間に合わないからフォックスに抜かれ、オフェンスでギアを上げたことで、ディフェンスのインテンシティが落ちた気がするよね。そしてキングスはフォックス以外は3Pを決めていくので、セーフティリードを保ちます。

お互いに決めあい、ちょっと変わりそうにない試合展開が続いた中で、違いを生み出したのはブレイザーズのリトル。オフェンスリバウンドに飛び込んで連続でキープすると、自らコーナー3Pを決めます。突如でてきたハードワーカーが流れを変えてくれたぜ。オフボールからのミドルまで決めて、いけるぜリトル!

点差が一桁になりそうな中で、今度はキングスのハードワーカーが踏ん張ります。再登場のホルムズがパスの中継点になれば、インサイドで踏ん張ってのダンク。さらにショットクロックオーバーになりそうなところで3Pを決めてしまい餡巣。デカすぎた3P。最後は残り5秒でバーンズがこのQで4本目の3Pを決め、100-85と15点リードに戻して終わったのでした。

いかんぜブレイザーズ。試合運びでキングスに完敗しているような。

◎キングスの改善点

ヒールドの3P、ホルムズのフローターで余裕な空気すらあるキングス。よし、まとめるか。ちなみに結果知ってから見ているので、ここからブレイザーズが追い上げることを理解した上でキングスをまとめよう。

3人の有力なPGを揃え、ロスターにセンターが多い構成のキングス。それは「何か変わったことをしてくるんだろうな!」という空気なわけでして、注目していたわけです。ところがフタを開けると、普通のバランスで試合をしているから肩透かし。

フォックス、ハリバートン、ダビオンのローテ
ハークレスとダビオンのエースキラー仕事
バーンズ、ヒールド、テレンス・デイビスのローテ
ホルムズとトリスタンのローテ

ほぼ、こんな感じでして、むしろ「ユニットのバランス重視で戦った」感じがします。一番の違いは2つ目だね。ハークレスとダビオンのローテでエースキラーさせるのは、相手がブレイザーズってこともあって非常に有効でした。それ以外はマジで単なるバランス。

強いて言えばヒールドとデイビスがウイングに回っているので、実質的な3ガードにはなっており、そこのディフェンス不安は大きいのですが、こちらもブレイザーズに高さ勝負の概念がないから意味はなかった。そんでもって唯一、リトルにやられたってのがここでもあるね。

一方で戦術的にも「バランス」は印象に残りました。これまでのキングスはフルアタックモードのことも多く、カウンターを食らいがちですが、全体のトランジションディフェンスも良かったし、タフショットがある代わりにカウンターは食らっていなかったよ。

なので「キングスは良くなったぜ!注目したいぜ!」とは感じないんだけど、リスキーすぎた戦い方は整理されている印象です。ある意味でニックスの影響なのかもしれない。

ただ「ホルムズが重要」と感じたのは、言い換えればワンビッグでのトリスタンの厳しさが目立ったって事でもあります。3ガードに近い中でワンビッグならば、純粋なセンタータイプじゃないと厳しいんだよね。まぁそんな印象のキングスでした。もう少し試合を見ていかないとさ。

◎反撃のブレイザーズ

さて、前述の通り、ブレイザーズの反撃が始まります。きっかけを作ったのはマカラムの個人技で、そこには「ハークレスとダビオンのエースキラーが良かった」のが通じにくくなったことが関係しています。そりゃあずっと止め続けるのはムリなんだらさ。ましてやマカラムを延々と止められるわけがない。

4Qはじまって4分で15点を奪ったブレイザーズ。(11点はとられたけどね)
これで一気にオフェンシブな戦いに持ち込みます。うん、3P連打して追い上げてワンチャン作ってしまう、この2年と似ているぜ。自分達さえ決めていけば、どこかで相手は3Pを外すはずだ。

そして2on3でも飛び込んでファールドローしたパウエル。キングス側にも落ち着きがなくなってきたので気が付いたら7点差になっています。残りはまだ7分もあるので、十分に射程圏内だ。

しかし、本日決めまくるバーンズが3Pで突き放すと、フォックスも速攻で切り返します。なんで決めまくっているバーンズが空くのか謎というか、いつものブレイザーズ。それをマカラムがタフショットで返すのも通常だな。リラードもドライブで点差は一けたに戻る。

珍しくホルムズのフローターが外れ、ヌルキッチがレイアップを決めて6点差。フォックスをマカラムが守り切って、リラードがディープ3P・・・は決まらず、残りは3分。

ここでもフォックスをコビントンが守り切り、再びマカラムのアタックから、最後はパウエルの3Pで3点差。もう逆転の流れは出来ているな。

バーンズのドライブをマカラムが守り切り、そのマカラムの突破からリラードの3P・・・は決まらず。いかん、リラードが決まらんぞ。

ここでまたもバーンズを空けるブレイザーズ。コーナー3Pがヒットするんだ。どう考えてもパスを出したフォックスをドフリーにすべきだったのに、どうしてこうなるんだろ。

〇ハリソン・バーンズ
36点
3P8/11

キングスはディフェンス要員としてダビオンを出すんだけど、止められないしオフェンスミスしたし。さらにドライブしたフォックスの靴が脱げてバランスを崩し、しかもドリブルが脱げた靴に当たるっていう不運。

マカラムがトランジションに行ってリラードにパスを出すと、ここに絡んだダビオンで打てず。最後は何とかヌルキッチがオフェンスリバウンドで望みをつないだけど、残り24秒で3点ビハインド。リラードの時点でシュートに行けていれば、28秒くらい残っていたのに・・・。ファールゲームのフリースローをヒールドが2本とも決めて5点差。

タイムアウトからマカラムが3Pは打てずにドライブを決め、そこからオールコートディフェンスでハリバートンを捉まえたマカラムがリラードに繋いで、まさかの1点差。残り11秒。

再びカット狙いのディフェンス。ヌルキッチがスローインにプレッシャーをかけ、全員でプレスに行くと・・・あれ、またバーンズが空いたぞ。何故か、この試合はバーンズが見えなくなる試合らしい。残り8.8秒3点差。

ノータイムアウトのブレイザーズはリラードへ。プレッシャーはハークレス。いつものディープ3Pを打ったリラードですが、これが決まらず開幕戦を落としたのでした。

〇ダミアン・リラード
20点
3P0/9
11アシスト

リラードは試合を通して3Pが1本も決まりませんでした。うん、でも1本決めていれば勝っていた気もするから、運が悪かっただけともいえます。リラードがこんなに決まらないなんて考えにくいし、プレシーズンも含めてコンディションがまだなのかもね。

〇マカラム
34点
FG14/24

4Qだけで13点3アシストのマカラム。そんなこともあって良くも悪くもブレイザーズらしかった試合です。最後に見事な追い上げを見せ、リラードが決まっていれば勝っていた感じじゃん。それは選手が変わっても、やっていることはかわんなかったって事なのか。

敗因は「バーンズを空けた事」なのですが、担当はコビントンになっていてカバー要員でもあります。だから3Pが空いたわけだけど、だったら初めからパウエルに担当させておけよ。ハークレスとダビオンを使い分けてリラードを止めに行ったルーク・うぉりとんとの差を感じさせてしまったビラップス。なんてデビューだ。

〇ホルムズ
21点
FG9/10
11リバウンド

20点14リバウンドのヌルキッチなので「ホルムズに負けた」とは言わないんだけど、チームとして見た時にインサイド陣のディフェンス仕事が多過ぎたことで、バーンズとホルムズにやられた気がします。なお、得失点差が+20となっており、キングスから見ると「ホルムズがいれば勝てる」状態でもありました。

気が付いたら27点取っていたフォックスと、ベンチから17点のヒールドは、まぁ通常営業でしょ。バーンズ&ホルムズの57点が勝利をもたらしたキングスでした。

ブレイザーズvsキングス” への6件のフィードバック

  1. ロスターバランス悪いだろと思っていたキングスでしたが、今日は上手いこといってましたね。
    ブレイザーズは、リラードの不調で片付けられる初戦だったのかもしれないですが、4Q追い上げてリラードの最後の一本が決まらず敗戦。
    長いシーズンの1試合目とは言っても結局変わってないじゃん…
    ブレイザーズらしいといえばそうですが、そのブレイザーズらしさで今まで勝ち上がれなかったことを考えると、ブレイザーズの先行きが不安でしかありません。
    そんなチーム状況でリラードもモチベーション上がらず、メンタル面の調整不足から来る不調。考えすぎですかね…

    1. プレーオフ後の発言がなければ、なんてことはない開幕戦なんですけどね。
      補強の成果そのものは出ていたので、ここからどうしていくのか。
      スターターのメンツは変わっていないわけで、起用法で変化を突けないといけません。

  2. キングスには秘密兵器のバグリーさんがいるのでまだ本気ではありません。嘘です。
    まぁかなりブレイザーズの仕上がりの悪さで勝たせて貰った感がアリアリでしたね。
    相変わらずホームズ君におんぶにだっこ状態なのは変わらずですが、最後もっと早く彼を戻して欲しかったですね。結果30分未満でしたし。ともあれ勝てたのは自力が上がった証拠だと思うので、ホームズ君が怪我なくやっていけたら5割りは割らないと思ってるノーテンキなキングスファンです。

    1. 勝率100%なんだから、ノーテンキで正しい!

      もっと崩壊してしまうイメージだったのが、最後まで耐えきれたので、良い開幕だったと思います。
      ホームズ君を戻していれば、もっと楽だった気もしますけどね。
      バーンズ決めすぎ!そりゃあバグリーの出番はないよ。

  3. オフェンスはその内に調整されて、リラードを含め戻るので心配していません。問題はディフェンスですね。何も変わっていない。ガードコンビがイージーに抜かれるからカバーディフェンスが必要になり、コビントンがカーバーするとウイングがフリー、間に合ってもパスを回されれば、どこかがドフリーです。一番簡単なのはCJを6THMANにしちゃうことで、パウエルをGで使い、リトルやスネルをスターターにしちゃう。4QはGコンビが同時出場になっちゃうのはしょうがないけど、そこまで接戦ならどうにでもなるでしょう?カバーに行かずやられても、それ以上に得点する力が2人にはあるから、最後の最後は点の取り合いでも勝てる。問題は如何にそこまでもっていくかだよ。スネルが戻り、ナンスがチームに慣れてきて上手くディフェンスが回るのを期待するしかない。今シーズンも代わり映えしないね。シモンズがあんなに酷くなきゃ、CJとのトレードもありだと思っていたけど、あそこまで酷いとどのチームも獲りにいかないよね。

    1. オフェンスはね。ビラップスが変えたがっていたディフェンスが、プレシーズンから特に変更なく来てしまいました。
      コビントンのカバー範囲が広すぎて大変そうでした。特に3ガードにしてしまうと厳しい。

      でも、まだスネルがいましたね。もう1枚のディフェンダーがいれば、試合終盤はなんとかなるかも。

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