開幕戦 レイカーズvsウォリアーズ

いよいよ開幕です。どちらも大きな補強をしたけれど、プレシーズン全勝のウォリアーズと全敗のレイカーズ。仕上がり具合には差があるように見えるぜ。勝負はプレーオフだから、現段階なんて関係ないけど、とはいっても開幕戦なんだから気になるよね。

◎序盤の攻防

レイカーズはADとジョーダンを並べるツービッグ。イメージの違う入り方をしてきました。ウォリアーズは珍しくルーニーをスターターにしており、ドレイモンド、ウィギンズもいるので高さに対抗する手段は出来ています。ただ、そこは弱点のチームなのは間違いなく、カリー&プールのアウトサイドが強みという点も含めて、両チームは真逆の特徴を持っています。

試合は3Pを打てるので順当なウォリアーズだけど、そんなに決まらないスタートです。つまりはレイカーズの流れだ。でも、レイカーズもトランジションに行けないから、ハーフコートになってシュートミスが目立つ。唯一、レブロンだけが全アテンプトを決めていくので、なんとなく試合にはなっている。

なお、初めに目立っていたのは「やっぱりスプラッシュばかり見ているドレイモンド」で、ルーニーが空くけど見落としているぜ。でも、なんで空くかっていうと「ポジショニングとオフボールが下手なジョーダン」という構図なので、レイカーズのミスでもあります。そこが空くなんて、簡単には気が付かないのもよくわかるよドレイモンド。

で、空いちゃう違う理由でもあり、ドレイモンドが機能しているとは言い難い理由は「カリーとデートするウエストブルック」の構図でもあります。思ったよりも熱烈デートしているね。

さすがに5分も経過するとウォリアーズ全体が気が付いたので、カリーが引き付けてインサイドへのパスなんてシーンが増えるのですが、そのアンストラクチャーな状況でレブロンのブロック炸裂。レブロン、AD、ジョーダンと並んでいるインサイドなので「空いている?だからどうした?」状態で、一瞬遅れても追いついて高さで仕留めてしまう。

ってことで、序盤は3Pを打てているウォリアーズの流れかなーって思いましたが、次第にレイカーズのディフェンスが効き始めました。プレシーズンでウエストブルックがエースキラーするのを見れなかったのでムリかと思ったのですが、ひとまずエースキラーしていたことでレイカーズが盛り返した感じなのでした。

っていうかさ。やっぱりシーズンは違うね。ワンプレーの気合が違いすぎ。面白いというか濃密なのでした。

◎濃密

ルーニーが下がったところで、ビエリッツァとイグダラ登場。これでスモール気味になり、展開が変わります。見事にインサイドを使えなくなったウォリアーズが止まってしまった。プレシーズンでも感じたけど、一見すると「3Pが打てて良い」のはずが、ドレイモンドが入っていると、そこだけシューティングポイントにならないので、思ったより機能しない。なお、インサイドにカッティングで合わせるのは良い感じ。

ただレイカーズも選手が交代し、ウォリアーズはロンド近辺で崩せそうな雰囲気。いや、「マッチアップを考えるとロンドが一番崩しやすい」が正しいな。ヴォーゲルはシーズンが始まったら、やっぱりディフェンス優先な起用法でウケる。ベイズモアがスターターで、次にロンドが登場。そりゃあエイブリー・ブラッドリーが欲しいわ。

レイカーズは高さの利を生かしたいのでAD勝負。ここにトスカーノ・アンダーソン。こちらも保守的な起用法。「現実的な」の方が正しいか。でも、耐えきれるはずはないので、レイカーズが少しずつリードしていきます。ロンド→ADのアリウープさく裂でタイムアウトに。

カーメロの3Pにイグダラが3Pで返しますが、フィジカルなマークに苦しむカリーでレイカーズがリードを広げていきます。ところがカーメロがカリーの3Pに突貫ブロックでファール。何してんだよ。さらにカリーがロンド&カーメロのディフェンスコンビから崩していき、最後はビエリッツァで残り1分で2点差に。

ADが決めたら、カリーがドライブで返しとね。止めていたはずなのにモンクやカーメロを起用し、ディフェンダーが減ったら、わかりやすくやられてしまったよ。わかりやす過ぎるだろ。34-32でした。

うん、濃密。良くも悪くも濃密。なんで開幕戦から、プレーオフみたいな重たいことしてんだレイカーズ。もっと楽しませようぜ。でも、それがレイカーズってことか。連携が悪い?ハードなディフェンスの方が重要さ。

◎バタバタ

カリーが下がったウォリアーズですが、注目のイグダラ・ビエリッツァ・OPJのトリオで問題なくオフェンスが展開されます。ちょっと3Pが決まらなかっただけでフリーで打てているぜ。これでレイカーズが重たいオフェンスをしなければカウンターの速攻も増えるんだけど、インサイド重視で攻めてくるからトランジションにも行けないのが厳しい。

それでもイグダラ&ビエリッツァがレブロンからスティールし速攻を生み出して同点。「カリーとドレイモンド一辺倒なのがダメ」が昨シーズンでしたが、2人ともベンチにいて機能するのが今シーズンになるのか?

もうちょっと見たいユニットだったんだけど、時間なので交代。するとトランジションが増えてはミスをするウィギンズによって、再びレイカーズのリードに。何してんだお前。

んーでも、今度はレイカーズもお付き合い。ロンドのパスミス、ADのアリウープパスミス、ハワードがスピンムーブでエアボール、ロンドがトランジションでエアボール。

そしたらカリーがダンクミス。レイアップはベイズモアがブロック。

まぁなんか2Qはバタバタしていた。それはウォリアーズ側に良い傾向なんだけど、プールが思ったよりも決まらなかったのと、インサイドフィニッシュの弱さで波に乗れなかったな。

残り1分半。カリーのレイアップで3点差にしたけど、ADがフェイダウェイで戻す。ドレイモンドのレイアップには、カーメロが3P。最後はカリーのドライブをADが止めて、59-53でレイカーズがリードの前半でした。

初めはカリーにウエストブルックのシーンがあったけど、ほぼベイズモアとロンドに変わっていました。それが何かはわからないけど、インサイドが空いてはパスを通すけど、決めきれないウォリアーズというか、思ったより3Pが決まらないからインサイドヘルプが間に合ってしまうというか。

レイカーズの方がやりたいオフェンスは出来ていたんだろうな。クソ重くて爆発はしないけど、だからこそ強引でもパワーで押し切っていた。カウンターも食らいにくいし。ただミスも多い。

◎シーソー

後半早々にゾーンで仕掛けるウォリアーズ。1-2ー2でトップにウィギンズを置き、サイドはゆるめ。いわゆる「外から打ってください」のゾーンです。正しいね。打ってくれればカウンターも作れる。ADにボールが渡ったら3人で囲んでたし。

見事に攻めあぐねたレイカーズに対し、プールの3Pがやっと決まって同点。

連発すれば一気にきそうだったけど、続くプール、ウィギンズ、カリーの3Pが決まらず逆転にはならないでいると、レブロンがハイアーチのフェイダウェイ、速攻から最後はADのダンク。再び、リードはレイカーズ。うーん、もったいないウォリアーズ。

せっかく追い上げても、フリースローのリバウンドからレブロンに速攻を食らってしまいます。でも、そんなプレーの後にプールが3Pで返すから、大きなビハインドにもならない。

事前の予想としては「どこかで3P連打したら、レイカーズのオフェンスはついてこれない」だったのですが、とにかく連打しませんでした。もちろんハーフコートではレイカーズのプレッシャーが強いので仕方がないんだけど、トランジションに持って行ってはミスしていたのがね。走って連打が出てこないぜ。

残り3分。ADがミドルを決めると、ディフェンスリバウンドをもぎとってトランジションに持っていきベイズモアのミドルで10点差。このリードを守っ・・・カーメロがフリースローでフェイクしてバイオレーションだと!

その後、前半同様にメンバーチェンジでディフェンス強度が落ちたレイカーズによって、ウォリアーズが3P打たなくてもオフェンス構築できるようになり、ビエリッツァのプットバックなんかも出たことで、5点差にしたウォリアーズ。最後にカリーの3Pにロンドがファールして85-83になって3Qが終わったのでした。

とにかくカーメロ、モンク、ロンドになって守れなくなっているレイカーズ。ルール変更されたのにカリーに自分から飛び込んでファールしているしな。なんか変な3Qでしたが、それが開幕戦って事なんでしょう。流れを掴んでも、押し切れないかった両チームでした。

◎ビエリッツァとブラッドリー

再びジョーダン・プールの3Pによって逆転。一方で3Pを打っても打っても決まらないレイカーズ。今度はビエリッツァからダミアン・リーの3Pですが、ここでレブロンが3Pでお返し。しかし、タイムアウト明けにOPJが3Pで4点リード。

待ち望んでいたリズムがやってきた感があるウォリアーズ。またもカリーのいない時間に、イグダラ・ビエリッツァ・OPJ・プールで逆転か。このユニットで優位に立っているよね。3Pが決まったことでディフェンスが広がり、イグダラとプールのドライブも成功!

レイカーズは堪らずADを戻し、インサイドで頑張ってもらう。というかアウトサイドまで追いかけられるビッグマンだな。さらにここでブラッドリーも初登場したので、ヴォーゲルは苛立っていたな。ディフェンス何とかしろ!

で、そのブラッドリーが3Pで反撃です。まさかのオフェンスかよ。オットポーターのドライブも止めて4点差になってカリーが戻ってきます。

今度はブラッドリーからADへの合わせで2点差にすると、カリーに密着するブラッドリーで守り切り、なんでブラッドリーをウェイブしちゃったんだ状態。あっ!逆転するかと思ったら、パスミスしてくれたブラッドリー。

残り5分。スターターからジョーダンを外し、そこにブラッドリー。ウエストブルックのキックアウトから3Pのブラッドリー。カリーのキックアウトからビエリッツァの3Pでお返し。ビエリッツァはレブロンも止めて攻守に奮闘します。カリーのドライブに合わるとファールドローして働くビエリッツァ。

〇ビエリッツァ
15点
FG6/7
11リバウンド
4アシスト

さて、残り4分ですが110点に到達したウォリアーズに対して、101点のレイカーズ。問題はオフェンスにありそうです。レブロンだけは決めていくんだけどさ。

エース頼みになってきたレイカーズと、カリーへのマークが苦しい中でビエリッツァなウォリアーズ。そのビエリッツァのパスからダミアン・リーのゴール下に、ウィギンズの3Pが決まって残り2分半で12点差に広げて勝負が決まったのでした。

うん、突然な文章だよね。実際、なんか突然だったけど、試合が決まったんですよ。ほぼビエリッツァです。レイカーズオフェンスが耐え切れなくなったとみるか、ディフェンスが耐え切れなくなったとみるかは難しいけど、間違いないのは「センターが弱点」のはずなのに、インサイドの優位性を失ったオフェンスには問題がありました。

◎ビッグ3

レイカーズは皮肉にも「ビッグ3は成立しない」という形でした。ポジティブに言えばロールプレイヤーの役割に徹していたウエストブルックであり、徹しすぎて「だったらKCPの方がいいじゃん」でした。シュートミスだらけだしさ。

レブロンとADで49本もアテンプトがあって、ウエストブルックは13本。バランスが悪いというか、ビッグ3の意味はなかった。打たされもしなかったけど、有効に絡んでもいなかったね。なお得失点差が△23なので、やっぱりKCPで良かったな。

ハードワーカーな良さはあったけど、攻守トータルで考えるとどれだけ意味があったのかね。まぁでも、この敗戦が1人の責任ではなくて、もちろんレブロン&ADの責任でもなくて、チーム全体の問題でした。全体っていうか、ヴォーゲルっていうか。

レブロン、AD、ウエストブルック、ベイズモア、そしてブラッドリーについては、いろんな良し悪しはあれど、「ディフェンス優先」というヴォーゲルなコンセプトに合っていたとは思います。しかし、どうしてもモンクとカーメロ、ついでにロンドが組み合わさると、シンプルに崩されていたね。

まぁ崩されることもあるので、気にしても仕方ないんだけど、気にしているのがヴォーゲルかな。というか、オフェンスに問題があるから、守れなくなると一気にやられていた感じです。このオフェンス問題が解決するのかどうか。そこそこ時間がかかると思うぜ。

ただ、もっと点差が離れると思ったけど、やっぱりディフェンスの強みがあったので、そこまで苦労はしないかも。ブラッドリーがいなかったら苦しい気がするけど、マジでラストに加わってくれてローテが増えたね。

そんなわけで相変わらずGMとHCの発想は噛み合っていない気がしたのでした。

◎プールとベンチメンバー

ウォリアーズについては注目ポイントがいくつかありましたので、振り返ってみましょう。

①3P打ちまくり → 39本

プレシーズンで平均53本も打っていたので、どうなるかと思ったら、レイカーズも徹底マークしていたので普通の範囲に収まりました。それだけインサイドは楽にいけそうだったけど、決めきれないかったのは個人の問題かな。やっぱりセンター弱いな。

②MIP候補プール → 20点、3P4/11

打ちまくったプール。仕事をしたぜ。なんというか「入らないから、なんだってんだ?」くらいの感覚で打ちまくり、最後に帳尻を合わせてきました。途中までは確率悪かったんだけどさ。結局はプールが効いて一気に流れを持ってきたので、マジで3人目のスプラッシュだ。

③イグダラ、OPJ、ビエリッツァ+スプラッシュ

今日はカリーではなくプールが混ざりましたが、このユニットが強い。とにかく強い。インサイドの不利があるからどうなるかと思ったけど、ここで追い上げて勝った試合でした。ってことで、このベンチユニットの強みがシーズンでどうなっていくのかな。

ベンチポイントが55-29で圧倒です。トスカーノを使うタイミングがよくわかんなかったのと、ダミアン・リーがクレイ・トンプソンになれば超強そうだった。当たり前か。

〇カリー
21点
FG5/21
10リバウンド
10アシスト

シュートは散々だったけど、トリプルダブルのカリー。まじかよ。リバウンドがね。

カリーが決めなくても勝てたことは昨シーズンとの大きな違いであり、カリーに寄ってきたところでビエリッツァが効いていました。そこから展開もするし、良い感じです。ベイズモアには苦しめられたけど、スクリーン使って剥がせればイージーになっていたな。

そんなわけで3P決めまくらなくても勝ったぜ。それが一番大きいかもね。ADの高さには苦しんだけど、それ以外は守り切れていたのも良かった。あとレブロンのシューティングには泣いたけどね。

〇ペイント内得点
ウォリアーズ 46
レイカーズ  34

実はこれが勝因でもあったかな。ペイント内失点を抑え込んむことが出来ました。弱みだと思うセンターですが、ディフェンス面では立派に対応できていた。もっと楽に勝てるかと思ったけど、楽じゃなかったからこそ、見えてきたものもある開幕戦でした。

開幕戦 レイカーズvsウォリアーズ” への9件のフィードバック

  1. 試合は前後半少しづつしか観ていませんが、なんかラスをラスとして生かす時間がもう少し観たかったです。おっしゃる通りロールプレイヤーになりすぎで、「確率の悪さ」だけが目立っていたような気がします。ベンチというかローテの問題なのか、今日のLALはDFの良さとレブロンの外が入ったから途中までリードできたけど、結局最後まではもたなかった、みたいな感じですかね。ま、まだ1試合なのでこの2チームがPOまでにどこまで強くなるのか楽しみですね。
    GSWもゴール下のフィニッシュ落としてる(LALだからかな?)の気になったので、まだまだよくなりそうですね。ていうかイグダラが働きすぎてびっくりしました。ヒートの時よりも元気じゃなかったですか!?

    1. イグダラ元気でしたね。水を得た魚というか「パスを出す先を得たイグダラ」でした。
      ボール持ってから出すまでが速い。

      逆にレイカーズはスピード感がなかったですね。
      走るって言ってた割に、イマイチ機能していなかったな―

  2. プールの覚醒感がハンパないですね。3Pだけかと思ったら、リムまで持っていけるフィニッシャーぶりにはびっくりしました。

    1. クレイとカリーの間くらいのイメージで、くねくね抜けていくのも上手いんですよね。

  3. 怪我さえなければGSWは反則レベルの層の厚さですよね
    インサイドの弱さが改善は未だにされていないのでワイズマンに期待はしてるんじゃ無いかな〜って感じますね

    1. わかってはいたものの、それでもイグダラなんかが、こんなに機能するとは!
      ウィギンズの立場がなさすぎた試合でした。

  4. いやー、3Qか4Q序盤だったか忘れましたが、GSWいい感じの流れのときにAD入ってきて、あーこれまたインサイドきつくなるなーなんて思ってたら、コーナーディフェンスに寄り過ぎてるAD見てすぐにトップからのドライブを選択してダブルクラッチ気味に決めたプール、強気だなー!!と感心してしまいました。メンタリティ!!
    ビエリッツァはあんなに上手いと思わなかったです。ハンドオフフェイクからのドライブ、カッティング、そしてペイントでは無理せず動き回る味方に捌きまくり。
    ウィギンズはビエリッツァのアシストで最後救われましたね。でもそのきっかけはウィギンズのオフェンスリバウンドだから活躍できないなりにハッスルはしていたかも!
    開幕戦面白かった!リーグパス更新した甲斐があった!

    1. ウィギンズはビエリッツァに救われましたね。
      ただシューターが増えた事もあり、役割そのものがディフェンス主体に移った印象です。
      もう少しハンドラー仕事を出来ると良いのですが、イグダラ加入により必要性も薄まってしまった。

      プールはシュートよりもハンドリングの良さが目立ちます。
      バランス感覚が良いから、体がズレても戻して打てちゃうんですよね

      1. そう言えばKDが入る前のハリソン・バーンズも、スターターではあったけどイグダラがいて、ハンドラーではなくシューター兼ハッスル要員的な感じだったかも。そのポジションに今のウィギンズは似た匂いを感じますね〜
        二人とも別チームではMAX契約だったけどGSWでは霞んでしまう…

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