20180109 ネッツ vs ラプターズ

ロケッツの失速によりリーグ2位までレーティング差が高くなったラプターズ

◯ラプターズレーティング
オフェンス 111.0(3位)
ディフェンス 103.2(6位)

攻守に高い順位にいてデータの上ではイースト最強のラプターズなのですが、強いチーム相手だと競り負ける傾向があります。

その特徴はラウリー&デローザンを中心とする形は変えずに、ベテランを放出して若手のロールプレーヤーに切り替えて成長させている事。

 

若さも溢れるのにリーグ2位のレーティングというのは尚更素晴らしい。



 

放出されたベテランの1人はキャロル。

ネッツに経験とディフェンスと貴重なドラフト指名権を運んできてくれました。何だか未来への構想が抱けそうになってきたネッツ。なお、キャロルはお休みでオシャレな感じでベンチに座っています。

ガードの得点能力に活かし得点していくのがネッツスタイル。リンもラッセルもケガしたけど、ディンウィディーもアレン・クラブもラベルトもいます。

タレントも経験も足りないので安定して勝てるほど強くはないけど、しっかりと構成されているため当たれば強さを発揮するネッツです。

 

レーティング差は△3.0
昨季は△6.1なのでチームは順調です。

あとは、もう少し勝てるように頑張るだけ。

レーティング差は十分だからしっかり勝ちきりたいラプターズ
レーティング差を向上させて勝てる機会を増やしたいネッツ

イースト上位と下位のゲームです。



 

◉インサイドのディフェンス

お互いにディフェンスでプレッシャーをかけていく中で、ネッツがインサイドの合わせから打つシュートをイバカ&バランチューナスがブロックで叩き落とします。

対してラウリー&デローザンからのパスに合わせたイバカのレイアップに珍しいバランチューナスの3Pが決まり、早々にラプターズペースになります。

お互いにガードが中心なのですが、合わせていく選手の質には差があります。

ネッツのセンターはゼラーですが、攻守に負けてしまうのでルーキーのアレンが出てきます。能力はとんでもないけど、スキルはないアレン。

しかし、高さで有利になっていたラプターズには嫌な交代で、少し展開が落ち着いていきました。



ラプターズはデローザンを残してセカンドユニットになります。今季はチームとして3Pを増やしプレーメイクが上手くなったデローザン。

そんなデローザンにプレッシャーをかけていくラベルトが奮闘します。ネッツがディフェンスのイメージはないのですが、色んな変化もみえてきます。

ネッツは若いので個人は頑張ってもスクリーン1つで簡単に剥がされたりしますが、アレンのブロックヘルプがあるので少しはマシになっています。

そうやって増やされたアウトサイドシュートは得てして決まらないもので、序盤の良さに反して得点を伸ばせなかったラプターズ

7点のリードで1Qが終わります。



◉オカフォーとネッツ

ネッツのセンターはオカフォーに変わります。守れない事で有名ですが、対するポエルトにミドルがないためゴール下引きこもっても守れるネッツ

またも増えたのはシアカムの3Pですが、全く決まらないラプターズは得点がとれません。

ネッツのオフェンスはラベルト中心なのですが、こちらは守れるシアカム&ポエルトにリムプロテクトされます。

ただ、オカフォーの個人アタックは止められません。そこを活かしたいネッツなのですが、ここまでのシーズンでセンターに攻めさせるなんて設計は全くなかったので良いセットを作れません。

お互いにディフェンスが良いというよりも攻められない2Qスタートになります。



タイムアウト明けにディンウィディーが戻るとオカフォー中心に攻めさせて攻略し始める巧みさを見せたネッツ。オカフォーに寄せてディンウィディーやホリス・ジェファーソンがドライブしていきます。

怪しいスキルも多いけどキープして起点になれるオカフォーは良いアクセントになっています。

しかし、ラウリー&デローザンが戻ると速さに対応出来そうになかったオカフォーは直ぐに交代で再びアレンに。予定されたローテーションか対応かはわかりません。

お互いにスターターが戻ると珍しいラウリー&デローザンの凡ミスが続く間にクラブが連続3P、ベジテーションドライブからアシストで追いつくネッツ

そこからは4Q終盤のようにラウリー&デローザンvsディンウィディー&クラブというワンポゼッション毎の構図が続き、拮抗した展開で前半が終わります。



◉あれ?ラプターズ

今季のラプターズらしさが微塵も出てこない展開になりました。それは大きく言えばキックアウト3Pとベンチの若手が躍動するチームオフェンスです。

◯前半の3P
チーム 4/18
CJマイルズ 0/4
シアカム 1/4

上手くシアカムに打たせたネッツとも言えますが、マイルズにも打たせているからラプターズが外したという方が正しいかな。
◯前半のベンチポイント
ラプターズ 7
ネッツ 15

期待外れになっていますが、それでも1点リードしているのは昨季までと変わらぬメンバーの強さの部分なのでラプターズが積み上げたものと新しい要素をミックス出来ている感じがあります。



ネッツはスターターのガードを中心とした強みにアレンを混ぜてディフェンスを強化するパターン

ベンチにオカフォーをいれて個人で突破出来るオプションを備えたのは分かりやすい調整です。

しかし、それぞれまだまだ融合しているとは言い難い状態。個人が伸ばさないといけない部分、チーム戦術として調整しないといけない部分の双方があるのでやる事はいっぱいですが、前を向けるだけでもネッツには素晴らしい事です。

そしてそれでも1点差なのはチームに地力が付いてきているという事なのでは。



◉バランチューナスとノゲイラ

後半も前半同様にシュートが決まらない展開が続きます。お互いにフリーにさせないので決まらないのですが、フリーじゃなくても決めるからNBAなわけで。

前半は沈黙していたホリス・ジェファーソンとゼラーがショートレンジを決めていくネッツですが、FG%なら堅実なバランチューナスが返します。

いまいちリズムを掴めない両チームの中でデロン・ライトの3Pで4点リードしたラプターズ



ネッツは再びアレンが出てきて豪快なダンクをバランチューナスの上から決めて&ワン
バランチューナスもアレンのブロックを交わしながら&ワンを返します。

ラウリーのキックアウトをライトが外すと、ホリス・ジェファーソンのキックアウトをハリスが決めて逆転するネッツ

一進一退ですが、先にチームファールが5つを超えたネッツ。ラプターズはフリースローで加点し易くなります。

そしてアレンへの対抗か似たようなタイプのノゲイラをいれるとラプターズの流れに向かいます。

ドライブに対してバランチューナスがヘルプに出ていくとすかさずアレンへのパスを通していたネッツですが、ノゲイラのヘルプはもう少し遅いのでドライブから自分で打つ事になります。しかし、そこにヘルプは遅くても跳ぶのは速くて高いノゲイラの手が伸びてきます。

ブロックこそなかったものの明らかにノゲイラの手がシュートを外させるシーンが続き、ネッツの得点が止まると、Q最後にイバカとマイルズが3Pをヒットし、ラプターズ7点リードで4Qにはいります。



◉強さをみせたラプターズと勝負強いネッツ

引き続きノゲイラを使うラプターズ。ドライブでノゲイラを引き出したリバウンドをとってゴール下を決めたアレンですが、ディフェンスでファールしてオカフォーと交代します。

ボールハンドリングと仕掛ける能力は遥かに上のオカフォーですが、強引にダンクをしてしまうような能力に欠けていて強さを発揮できません。ルーズボールに弱いオカフォー

 

さらにディフェンスも引きすぎるためショーディフェンスが出来ず次第にアウトサイドでフリーに打ち始めたラプターズが、ヴァンフリートの3Pで二桁リードまで広げます。

 

ラウリー&セカンドユニットにしたラプターズに対して先に手を打ったネッツ。

センターを使わないスモールラインナップにします。ノゲイラに悩まされていたので展開を早くすることを望みますが、あまり上手いこといきません。

早い展開には慣れているラプターズ。トランジションはさせません。



ラプターズはアヌノビーをヴァンフリートにしたスターターユニットで、バランチューナスとイバカの高さで押し込んでいきます。

押し込むとデローザンのミドルが決まり残り2分半8点差で、ほぼ完璧な雰囲気に。

 

しかし、ここからディンウィディーがいきなり打つ3Pをヒットすると、リバウンドから前を走っていたハリスにパスをしてハリスも3Pと勝負強さをみせて、あっさりと2点差に。

タイムアウト後でデローザンがドライブを決めるも、ディンウィディーもドライブから無理やりファールを引き出しフリースローを決めます。残り1分2点ラプターズリード。

デローザンがポストアップからスピンムーブで&ワンで5点差に。

エース同士のやり合いが続き、フリースロー時にはお互いに小さなMVPコールが。



タイムアウト明けのネッツはホリス・ジェファーソンがフリーの3Pを外しますが、オフェンスリバウンドからディンウィディーに繋ぎ3P

デローザンをホリス・ジェファーソンが守ると走ったクラブがヴァンフリートと接触しながらタフショットを決めて同点に。しかし、シュート後に倒れながら着地したところに上からラウリーが落ちてきてケガをしてベンチに。

タイムアウト明けのラストプレーは一旦ライトに預けて、当然のデローザン勝負なのですが、動き出しが遅すぎたため、ボールを持った時点で2秒しかクロックがなく、タフミドルになりエアボールでオーバータイムへ。

最後まで冷静にボールを回したネッツ。
そして勝負強かったディンウィディー&クラブのコンビでした。



◉ディンウィディーvsデローザン

クラブは戻らずラベルトのネッツ
バランチューナスではなくシアカムの機動力あるユニットを選んだラプターズ

先手をとったネッツ。ディンウィディーのダンク、ホリス・ジェファーソンのドライブが決まります。

ラプターズはライトがプットバックで返せば、さらにヘルプからブロックで引き戻します。ヴァンフリートにはない高さで起用に応えます。

デローザンのフローターで同点に。

 

ホリス・ジェファーソンがデローザンをアンクルブレークしますが高速で飛んできたイバカがシュートを落とさせると、更にディンウィディーのドライブをブロックします。これファールなのですが。

しかし、ラウリーがオフェンスリバウンドに飛び込むと、空中でエーシーとハリスに挟まれる形になり床に腰を叩きつけられて自力では歩けなくなりマイルズと交代



残り1分でお互いのエースが1人欠けた勝負は、デローザンが連続で外し、ディンウィディーが決めてネッツが2点リード

それでもデローザンが自らジャンプボールを制し、3回目のアタックで&ワン。ラプターズ1点リード

ネッツのターンは当然のディンウィディーですが、スイッチを促されマッチアップしたのはシアカムやイバカですが、2人が簡単にはやられない中で抜群のタイミングでブリッツしていくヴァンフリート。

ヴァンフリートが追い込んで、イバカがブロックに飛んできたことでタフショットになったディンウィディーのドライブが外れてラプターズが接戦を制しました。



◉細かいラプターズの対応

◯得点
デローザン 35
ラウリー 18
ディンウィディー 31
クラブ 20

両チームのガードコンビが得点能力と勝負どころでの強さをみせた試合でした。負けたけど1番勝負強かったのはディンウィディー。

ではなんでラプターズが勝ったのかというと、細かい選手起用でディンウィディーを追い込めたからでした。

ガードにはサイズがあるライトと小さいけど判断の良いヴァンフリートの2人が起用された場面でしっかりとディフェンスで働き、シアカムとイバカでスピードに対抗しました。

この辺の細かい選手起用と、それが可能な選手層がラプターズを勝利に導きました。ケーシーHCの勝利です。
昨季まではコマはいたけど、こんな風なポイントに合わせた柔軟性はなかったので、今季ならではの強さを感じます。

OGアヌノビーを楽しみにしていたのだけどなぁ。



◯インサイド
バランチューナス 13リバウンド
イバカ 12リバウンド 6ブロック

FG%が低い中で働いたラプターズの2人。バランチューナスは26分なので2分に1リバウンドと優秀

◯インサイド
ホリス・ジェファーソン 17リバウンド
エーシー 7リバウンド
アレン 5リバウンド
オカフォー 1リバウンド

逆にネッツはプレータイムが短いとはいえ、物足りないアレンとオカフォー。特にオカフォーはプレーの連続性が悪い。ヘルプにいったらまずリバウンドはとれない。

アレンとオカフォー。ディフェンスとオフェンス。役割は分かれますが、使われ方は面白いので個人技を伸ばして欲しいです。



前半はセンター陣の戦いが肝になり、後半はガードが争い、勝負を分けたのはラプターズのロールプレーヤーと見所たっぷりの試合でした。

ネッツはラッセルとブッカー、さらにキャロルがいないからか、特徴的だったコーナー3Pを利用したセットを使わなくなり、もっとドライブを利用するようになったけど、十分に戦えています。

これでラッセルが戻ってきたらディンウィディーとの関係をどうするのか。そう簡単にポジションをあげるHCではないよ。

ホリス・ジェファーソンとキャロルがいればいろんなユニットが組めるし、センターも色が出てきて非常に面白いチームです。

負ける試合が多いけど、全く意気消沈していない戦いぶりが何よりも良い!!

また観たくなるチームです。

 

 

あとこの試合のレフリーはミスがなかったとは言わないけれど、今季最高のレフリングでした。

それがまた好勝負に繋がりました。

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