20180110 レイカーズ vsキングス

割と勝っているキングスと、勝っていたけど失速していくレイカーズです。

◯最近10試合
キングス 4勝
レイカーズ 1勝

ネッツで感じたのは負けが多くて、しかも接戦を落とす事も多いのに誰も気落ちしないでプレーしている事。最近のレイカーズは全体に当初のエネルギーがない気がしています。

じゃあキングスは勝っているし元気なようでいて、誰もが活力あるかというとそうでもない。役割を担えていない選手は意気消沈気味。

◯3P
キングス 38.2%(3)
レイカーズ 32.8%(30)

◯フリースローアテンプト
キングス 17.2(30)
レイカーズ 23.8(7)

大きな違いがこの辺り。HCの経験を考えると意外な傾向なのですが。

イメージとしては

『堅実なシュートを決める方法』を若手に刷り込むキングス

『積極的にアタックする方法』を若手に刷り込むレイカーズ

連携を伸ばす事を重視するか、個人を伸ばす事を重視するか。それはペースの差にも現れています。

◯ペース
キングス 96.6(29)
レイカーズ 103.9(1)

遅いキングスと早いレイカーズ。同じ若手中心なのにね。



◉高速化されていく理由

レイカーズの3P、キングスのフリースローで始まるデータと逆の立ち上がり。更にレイカーズは2本の3Pが決まるいつもとパターンが異なる得点方法

タイムアウト後も更に走って得点していくレイカーズ。この理由が高速化の典型的なパターンでした。

 

キングスにはランドルフがいるので戻るのが遅い。特に誰かがドライブして流れながらシュートを打つとその選手とランドルフが遅れます。

そのためアーリーでコーナーに開くイングラムやランドルが頻繁にフリーになります。

走るのはハイスコアにするためではなく、相手のディフェンスに後手を踏ませるためです。準備出来ているディフェンスを崩すのは簡単ではないけど、その前に仕掛ければミスマッチも生まれやすい。

 

レイカーズが良かった以上に、悪いキングスの欠点をついたレイカーズ

ハーフコートでもロペスが外に開いてランドルフを無効化しています。インサイドが空いたのでドライブも決まるよレイカーズ

あっという間に18点差

 



キングスのオフェンスはランドルフを経由します。そんなオフェンスして将来どうするのか?

コーリーステインが同じプレーをしようとしても失敗します。ランドルフが25歳なら評価出来るけどね。

苦しい流れをボグダノビッチが変えます。この選手はワガママ過ぎて全く評価していなかったのですが、観るたびに洗練されてきている印象

セットオフェンスでスペースを気にし過ぎるキングスの中で、唯一ダイナミックに動き、ドライブで収縮させてからパスを使います。

レイカーズのディフェンスが動かされる。そうなると走るのも簡単ではなくなるわけで。

そしてランドルフがベンチに戻るとトランジションが良くなったので、レイカーズは益々走れなくなります。走れないとクズマしか得点できないレイカーズのベンチ

動けるビッグマンのラビシエリが高さではなく速さでオフェンスリバウンドに絡んでいき、プットバックするシーンも。

結局は18点差が4点差まで縮まって終わった1Qでした。キングスも動くメンバーの方が良い雰囲気



◉繰り返すスターター問題

あっさりとキングスが追いつきます。そこにあるのはロンゾとボグダノビッチのPGのプレーメイク力の違い。

 

ボールを動かしながらスクリーンを使ってギャップを作っていくボグダノビッチは、レイカーズがヘルプに来ないので頻繁に自分がフリーになってミドルを打っていきます。これが決まります。

 

ロンゾは決定的なパスを狙う以外は、自分で3Pを狙っていきます。これが決まらないわけですが、それはシュート力よりもフリーの状況を作れていないプレーメイクの問題。

 

最後がミドルでも連携からフリーなのと、プレッシャーは少ないとは言え振り切っていない状況での3Pでは流石に前者が勝ります。

全く効果的ではないレイカーズのハーフコートオフェンス。



イングラムが戻ってくると自らリングへアタックして打開するので少しだけオフェンスが形になるように。更にスターターが戻るとロンゾがボールを持つ時間が減り、良くなっていきます。

そしてキングスはボグダノビッチが下がると単に動かないだけのオフェンスに戻ります。プレーメイクはフォックスだけどシュートが決まらない事もあり、離されて守られています。

 

加えて走れないスターターが戻ると繰り返される立ち上がりの悪夢。

動かないから簡単に守られるし、走れないからレイカーズの速さに全くついていけなくなります。

速攻ならば大得意のロンゾの卓越したパス能力

ちなみにコートで1番速いのはフォックスで、ゴール下が空いた時にはロンゾを置き去りにしてレイアップを決めています。

でも、いつもはそこにランドルフとコーリーステインが立ち塞がっています。ユニットの組み方を間違えているキングス。



そんなわけでせっかく逆転したのに、ボグダノビッチが下がると何も出来なくなったキングスが再びビハインドを背負って前半が終わります。

2年目の評価の記事で期待外れとしたキングスのヒールドはやっぱり期待外れ。

なんせシューターなのに、シューターとしてはまったく活かしてもらえないオフェンスです。インサイド攻めて、空いたら回されるだけの待ちのシューターなのでオフェンスの中核は担えません。

 

前半の最後にタフ3Pを連続で決めて1点差にしたのはヒールドの個人能力なので、能力はあるけどシステムに消されています。



レイカーズは相変わらずで。速攻は強力だけどハーフコートは酷い。ロンゾが出ている時はハーフコートの半分はロンゾが打っていた気すらします。

イングラムとクズマが目立たないのも気になる部分。ありがちなのはランドルとクラークソンの暴走だけど、そんな雰囲気でもなかったので、やっぱりPGの問題じゃないかな。

ランドルはディフェンス3秒の判定にクレームしてテクニカル。ベンチに下げられてもウォルトンに文句を言うなど酷い。



◉キングスの愚策

キングスは後半のスタートにヒールドを外してボグダノビッチを入れます。しかし、ボグダノビッチが足首を痛めて下がるとビンス・カーターが出てきます。

2本の3Pがあり8点リードしたキングスですが、ここからレイカーズの3Pショーが始まります。カリーみたいにアーリーで打っていくロペスが3本、KCPも決めて2分であっという間に4点リードに変えてしまいます。

ちなみにレイカーズは前半でファールを増やしたからか、ケガなのかイングラムは出ておらずクラークソンもクズマもベンチだったので、キングスはドライブを警戒する必要性が低かったです。

なのに3Pを簡単に打たれてしまうのは、単純にランドルフがロペスをフリーにした事だけの問題でした。

 

でもそんなロペスは5ファールでベンチへ。



ロペスがいなくなるとナンスjrが出てきます。3Pはなくなるけど更に速くなります。でもキングスはコートにベテランを増やしています。

 

周囲を走らせるロンゾのパスを中心に気持ちよく早い展開をしていくレイカーズ。

13点差になった残り3分でやっとヒールドとラビシエリが出てきて速さに負けなくなりますが、今度はインサイド推しの人材が足りないからオフェンスが悪くて、ボールの失い方が悪くなりました。

レイカーズは速さを出せないとフリースローでしか得点できませんでした。まぁ短時間のお話。
レイカーズ10点リードで4Qへ。



◉クズマ劇場が少しあっただけの4Q

ヒールドの3Pで得点差を詰めると、レイカーズはイングラムが出てきてアリウープを決めます。
えっ?ケガじゃなかったのか。
なんで出番なかったの?
ファールトラブル?3つしかしてないよ。

キングスはこの試合何度もレイカーズにバックドアされています。3Pは自由に打たれるは、裏はとられるわ。

一体、ディフェンスの狙いは何なのか?

 

ここからクズマ劇場が始まります。
スクリーンフェイクからリングに飛び込み、エクストラパスでナンスのダンクに繋げると、左右45°からウィークサイド側にドライブしてヘルプを寄せてインサイドへパスを通します。

トドメはゴール下に飛び込みハードコンタクトを受けながらもバランスを崩さず&ワン

基本的にボールをもらっても自分で仕掛けることには拘らず、ポンポンと繋いでいくので仕掛けた時の確率が高いクズマ。

でもランドルも出ているレイカーズはロンゾも含めて、みんなが仕掛けてしまうので、クズマまでチャンスが来ることは稀です。



 

4Qはこれくらいしか見せ場がなく終わります。ペースは早いのに15-12というロースコア。

キングスは全くシュートが決まらず、レイカーズはターンオーバー連発して、お互い何しているのか不明なオフェンスで終了しました。

それでもレイカーズはクズマがプレーメイクしているし、そもそも二桁リードを守りに行っているので分かります。

キングスはランドルフを使わず、ヒールドが1人気を吐きますが、他は何をしているのかよくわからず。ボグダノビッチも消えていました。

ディフェンス?別に良くなかったよ。

そんなわけで感想に行きます。



◉イェーガーはイェーガー

走れないキングスに走りまくるレイカーズは相性が悪かった。ヒルがいたらミスが減るし、1人で速攻も止めたはず。

そう言えばそれまでだけど、リーグ全体が高速化しているのに、無策すぎるキングス。というかイェーガー。せめてファールで止めろよと。

KCPはファールで止めたり、チェイスダウンブロックもしていたよ。キングスは誰かそんな事した?

 

ジャスは凄まじく遅いペースで成功したけど、そもそもトランジションディフェンスを優先してお互いに遅くする事で優位性を求めました。自分達が遅いだけでは意味がないし、リスクヘッジ出来ていません。

そして勝利している試合でも思ったけど、ランドルフ仕様のオフェンスして未来があるの?

他に誰もあのプレーを出来ないじゃないか。

グリズリーズ時代に若手をロールプレーヤーにすら育てられなかったイェーガー。キングスに来ても何1つ変わらないよ。



じゃあこのオフェンスするのに、今後数年間任せられる選手ってリーグの中で誰なのか。そう考えると答えはカズンズなんです。ポストアップからプレーメイクさせたらリーグ1。

それがキングスから感じる最大の違和感。

スピードあるフォックスも、
シュート力あるヒールドも、
コーリーステインも、ラビシエリも、
自分たちの良さを活かしてもらえるとは考え難いシステム

彼らはそれでも使われているけど、使われずに活かされない若手はどうなのか?

結局はイェーガーはイェーガー。グリズリーズでやっていた事を、コンリーもガソルもいないけど、同じ様にやろうとしています。

 

時代も違えば選手も違う。
でもこれが最も勝てる道なんだ!

そんなイェーガースタイル。

 

ポポビッチに怒られるぞ。



◉レイカーズはロンゾのチームなのか?

走りまくったレイカーズ。

それはレイカーズの良さだし、ロンゾの良さだし、素晴らしかったと思います。でもキングスのおかげでもあるのですが。

◯速攻での得点
レイカーズ 35
キングス 8

この試合22分と試合全体の半分以下のプレータイムだったランドルフが出ている時間に30点を奪っています。
28分のコーリーステインは32失点。

 

つまりランドルフが遅すぎて得をしまくったレイカーズでもありました。

「レイカーズは良かったけど、それよりもキングスは酷かった」

と言いたくなるわけです。ちなみにペースは103.6とレイカーズの平均に近い高速ペース。

なお、速攻に行くけどその確率が高かったかというと微妙です。
普通は速攻を失敗するとカウンターを食らうのですが、戻りさえしないキングスがカウンターするわけがありません。

ちなみに若手が多かった4Qだけはカウンターしてましたが、全然決まらなかったです。



レイカーズのもう1つの勝因は3Pな訳ですが、ここには大きな問題があります。だって3Pのチームじゃないからね。

◯3P
チーム 12/35
ロペス 5/8
ロンゾ 1/7
KCP 2/7

ロペスが打ちまくったのは良く分かります。確率良く決まったし、ランドルフを虐めたし。

でもガード2人で14本はどうなのか。

サンダーの脇役であるファーガソンはレイカーズ戦で打ちまくりましたが、それはパスが回ってきた故の本数です。KCPの本数にもその意味合いはあります。

結局のところ、ロンゾは速攻では無類の強さを発揮しますが、ハーフコートでは3Pを打たないと何もプレーメイク出来ていません。
時にアシストしますがレイカーズ得意のセットばかりです。状況判断の良さでアシストしたのはイングラムへのアリウープくらい。

レイカーズにはイングラムもクズマもクラークソンもいます。だから、テンポ良くボールを動かしてあげればドライブチャンスが生まれるはずですが、それは出来ていません。

ちなみにシーズン前半は出来ていた気がするので、ロンゾの問題なのか、チームの問題なのか。

 

イングラムとクズマのプレータイムを考えるとウォルトンの起用法もよく分かりません。

 



◯この試合のレーティング
オフェンス 96.8
ディフェンス 82.0

忘れてはいけないのは、速攻を決めまくったのに、オフェンスレーティングは悪い事。

主にセカンドユニットと4Qの問題ではありますが、この試合のレイカーズはオフェンスで勝ったわけではありません。

おそらくトレード価値を上げるためにランドルを使っているのでしょうが、ランドルで停滞する事を除いても3Pを打つ以外にプレーの選択肢が何もないようなハーフコートオフェンス。

ドリブルから少しマークが外れると、あまりにも簡単に打っていくのはカリーみたい。
あれだけ気ままに打っていいなら、ロンゾよりも働くPGはリーグ中に沢山います。パス能力はトップクラスなのに、平凡な能力のシュートを選択しています。

ちなみにロンゾが唯一決めた3Pはボールが回ってフリーになったキャッチ&シュートなので良いセレクションでした。他はセレクションが悪すぎます。

確率よりも打ちすぎが大問題。

 

ハーフコートでは普通にイングラムとクズマを全面に活かせば良いと思うし、一時期はそんなシステムだったはずのレイカーズは、ロンゾ仕様になっていました。

 

そう言えば開幕当初のレイカーズを『ロンゾへの接待バスケ』と呼んでいましたが、それに戻ったともいえるのか。



そんなつもりじゃなかったのに、グチばかりになってしまった試合。

とりあえずキングスはランドルフにばかり頼っても仕方ないから、代役できそうなランドルを譲ってもらえばどうかな?

レイカーズはキングスで燻っているヒールドを貰えば良い。釣り合わないと言われたら、ジャスティン・ジャクソンやフランク・メイソンでも良いと思う。

ちなみにロンゾとフォックスも逆の方がお互いのためになる気もしましたが、それはきっと逆なら逆で不満があるだろうから、それぞれの立場で学ぶしかないのでしょう。

速さのフォックスが遅いキングスのハーフコートバスケを学び、
パッシングのロンゾが個人技アタックのレイカーズで学ぶ。

どちらがルーキーPGには有益なのか?

その答えはお互いのHCがクビになった時にわかる気がします。(クビになりそうというわけではありません)

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