12人が発表されたよ
以前に書いた記事の答え合わせをしてみましょう。「オリンピックが1年遅くなったことで篠山が損をした」と書きましたが、まさか竹内ツインズまで損をするとはね。竹内世代の集大成だと思っていただけに、感情論としては残念でした。日本バスケを支えてきたツインズが、2人ともオリンピックを経験しないでキャリアを終えることになりそうです。
◎ポイントガード(3人)
田中 大貴 (SG / 192cm / アルバルク東京)
富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
ベンドラメ 礼生 (PG / 186cm / サンロッカーズ渋谷)
【メンバー漏れ】
安藤 誓哉 (PG / 181cm / アルバルク東京)
まぁここは予想通りですね。富樫か安藤かってところでしたが、いまさら富樫を落とせなかったのか何なのか。そして安藤が漏れたことは『必殺アルバルクアタック』が使えなくなります。もっとも竹内譲次も漏れたので、どっちにしても無理ですが。
◎ウイングアタッカー(3枠)
比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
田中 大貴 (SG / 192cm / アルバルク東京)
渡邊 雄太 (SF / 206cm / トロントラプターズ)
馬場 雄大 (SF / 198cm / メルボルンユナイテッド)
ここは全員選ばれるのが当確だったので、そのままです。(田中はハンドラーの人数に入れている)
考えるまでもなかったのですが、問題はこれが次のシューターに関係してくるわけです。PG3枠とウイング3枠を使ったので必然的にシューターは1枠になりました。
◎シューター(1枠)
金丸 晃輔 (SG / 192cm / シーホース三河)
【メンバー漏れ】
辻 直人 (SG / 185cm / 川崎ブレイブサンダース)
安藤 周人 (SG / 190cm / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
これも意外といえば意外なんですけどね。金丸本人も言っているように「ディフェンスが大事」なわけで、周人とどっちがよかったのか勝負って気がします。てっきりそれをユーロ3か国との対戦で見極めるのかと思っていました。
ラマスが先週あたりの会見で突然「3Pが大事」とか言い出したのは、金丸を選ぶための前振りだったのかな。あとは単純にポジション的に金丸をSFにしているので、そこも関係しているのかどうか。
周人は金丸よりも得点パターンが多かったですが「渡邊と馬場のドライバーとしての能力に期待している」とラマスが言い出した時点で、よくわかんなくなったな。
◎ビッグマン(5枠)
エドワーズ ギャビン (PF / 206cm / 千葉ジェッツ)
八村 塁 (SF / 203cm / ワシントンウィザーズ)
張本 天傑 (SF / 198cm / 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
シェーファー アヴィ 幸樹 (C / 206cm / シーホース三河)
渡邉 飛勇 (PF / 207cm / カリフォルニア大学デービス校大学院1年)
【メンバー漏れ】
ロシター ライアン (PF / 206cm / 宇都宮ブレックス)
竹内 公輔 (PF / 207cm / 宇都宮ブレックス)
竹内 譲次 (PF / 207cm / アルバルク東京)
んーここは意外な結果でした。まずロシターだと思っていたらギャビンになりました。とはいえイランとのテストマッチでは2人に大きな差があったので、現時点で選ぶならギャビン一択だったでしょう。問題は海外組が加わってギャビンの得点力が必要なくなった時にどうするかでしたが、その前にメンバー決めちゃうとはね。
もっとびっくりしたのは渡邉 飛勇が選ばれたこと。単純な強さでは竹内ツインズよりも上だと思うけど、ここにはもっと気の利いたプレーをしてくれる譲次だと思っていました。ってことは、譲次の役割はギャビンになって、ギャビンだと思っていたのが渡邉 飛勇になったイメージかな。ビッグマンを整理しなおすと、
【プレーメイク担当】
エドワーズ ギャビン (PF / 206cm / 千葉ジェッツ)
八村 塁 (SF / 203cm / ワシントンウィザーズ)
【ゴール下ファイト担当】
シェーファー アヴィ 幸樹 (C / 206cm / シーホース三河)
渡邉 飛勇 (PF / 207cm / カリフォルニア大学デービス校大学院1年)
こうなるのかな。天傑はシューターじゃないけど、金丸側に移った感じか。シュート力が欲しいか、ハードワーカーが欲しいかで変えてくるのか。っていうか、そもそも渡邊雄太と馬場がいるから、どっちでもできるバックアッパーなのか。
◎感想
うーん、なんかさ。ちょっとラマスっぽいくない気がする選出でした。それは簡単に言えば
得点力重視の選考だったな
なかなか不思議でした。どうやってペイントタッチするか、5人で連動できるのか、得点以外の仕事をどうするのか。そんなことを考えて選手を組み褪せてきたようなラマスだったのに、オリンピック直前になったら、直接的に得点を取る選手を重視してきた。
ギャビンとロシターのところは差が大きすぎたのでわかるけど、これだと誰がダーティーワークを引き受けるんだろうね。イマイチよくわかんない。本当は全部渡邊にやらせればいいんだけどさ。
あと、前回に書いたのは「Bリーグみていないので教えてください」だったわけですが、こうして実際に並んでみると
Bリーグでやっていることは関係ないぜ!
って感じでしたね。この表現はちょっと難しいけど「Bリーグでどんなプレーをしているか」ではなく、「Bリーグで点を取っているかどうか」だったような。だからBリーグで活躍している選手を選んではいるけど、それは誰が見てもわかりやすいスタッツなのかなー。
海外組が1カ月しか参加できないから、連携よりも個人技を選んだ
という解釈も出来ます。実際に3人が中心になるだろうから、3人の連携の方が大事かな。ところで同じ海外組といっても馬場はWCでは渡邊と八村の2人とは物凄く離れている存在でした。それがどれくらい縮まったのか。「縮まった」というのは選手としての能力ではなく、渡邊&八村のNBAテンションに乗っかってプレーできるかどうかってことです。WCの時は周囲は棒立ちって感じだったし。
個人的にはイラン戦も1Qしか見ていないので、ハンガリー戦から何が起きるのかを知ることになります。ちょっとラマスのイメージとは違う選考だったし、事前のインタビューも違う事を話しているし、かなり違う内容を見せてくるのかもしれません。
なお、ライブ配信する予定ですが、地上波の解説に篠山が出るらしいので、そっちを聞いた方がいいかもね。
全く予想が外れてしまいましたが、ラマスの頭の中をコメントから整理してみようと思いました。whynotさん御用達「BASKET COUNT」と、会見でのコメントを追いかけます。
6/27 イラン3連戦終了時 https://basket-count.com/article/detail/82002
以下引用
―ラマスヘッドコーチが言うシステムとは、4人をアウトサイドに置き、1人をインサイドに置く『4アウト1イン』という形。ラマスヘッドコーチは「コーナーの2カ所とウイングの2カ所でできるだけクリエイトするようにしているので、自然と3ポイントのシチュエーションは増える」と説明した。そして、渡邊と馬場の特性をドライブと話し、このように続けた。
「馬場と渡邊のドライバーとしての能力を生かしていかないといけない。3ポイントシュートの能力も高いが、彼らのドライブの能力を買っている。特にバスケはスペースが大事で、他のペリメーターの選手が3ポイントシュートを打つことが理想」
また、ラマスヘッドコーチは「3ポイントシュートの能力が高い選手はそこにいるだけで脅威で、このチームには必要」、「オフェンスやディフェンスのどちらかに偏ったことはなく、両立して良いチームを作りたい。両方を最大限に引き出すのが私の役目」と発言している。―
この記事ではこの後に丸山氏の解釈が添えられていましたが、もう少し踏み込んでいきたいです。
7/5 12人発表時 https://basketballking.jp/news/japan/mnational/20210705/326423.html?cx_cat=page1
以下引用
―「(張本)天傑が3・4番として使えるし、渡邊雄太も同様に3・4番で起用できるのでそこは安心している」
ラマスHCは張本、渡邊をインサイドでも起用する考えを示したが、直近のFIBAアジアカップ予選と国際親善試合を通じて張本の成長を実感しているようだ。
「天傑は3番という役割の理解度と吸収力が高い。彼の背中を向けたプレーだったり、リングを正面に向けたプレーだったり、幅広く起用できるのがすごく魅力的で、5番目のビッグマン、3番としても起用できることはすごく大きい」―
以上の発言から考えられることは、以下の3点でしょうか。
1 スモールボールの採用
2 ドライブでのペイントタッチ
3 シューターはスポットアップ
12人の選考に大きく影響したのは、システムの変更=1ビッグの採用でしょう。
4アウト1インというよりは、スモールラインナップといった方がいいのかもしれません。これはOFというより、DFの都合でしょう。OFシステムとは言ってませんからね。2ビッグにしてインサイドを高さで防ぐのではなく、1ビッグにして機動力で守ることに軸足を置いたイメージです。これが、渡邉 飛勇が滑り込むに至った唯一の理由だと思われます。高速ヘルプができるビッグマンとなると、ギャビン渡邉飛>ロシター竹内兄弟ですかね。
12人のポジション発表後、田中のポジションをSG→PGに「わざわざ」変更しました。ここから推測するに、ポジション概念を揃えるならば、4アウトは「1ガード(PG) 3ウイング(SG/SF)」を並べ、1インは「1ビッグ(PF/ C)」なのでしょう。
そうなると、ガード3、ウイング6、ビッグ3のバランスになります。むしろウイングが3ポジションを6人でローテするキツイ形になりますが、馬場渡邊雄八村は30分コースでしょうし、逆に丁度いいのでは。
昔の王朝ウォリアーズのように、ビッグマンの使い分けでアクセントが付けれそうです。全員が高速ヘルプできる前提で、簡単にOFの得意プレイを分けると、ギャビン=ピック&ポップ、シェーファー=ピック&ダイブ、渡邉飛=ローポスト というイメージです。
こうなると、八村が完全にペリメータープレイヤー扱いになっているので、ウィザーズと日本の(ブルックスとラマスの?)差が浮き彫りになりそうです。いい意味で、になることを期待します。八村がペリメーターでエースムーブをかますシーンが見られ…ないでしょうね。
馬場と渡邊雄も、この1年はクリエイトする役割を担ってこなかったのに、急に代表で違う役割をどの程度の遂行できるのか。3人ともステップアップが必須ですね。楽しみです。
おぉ!その通りですね。なるほど。
ラマスの会見内容がちょっと変な今日この頃
そしてやけに「ポジションがどこ」に拘るようになってきました。
3Pを増やす発言といい、3ウイングということで頭の中が変わっているなら納得です。
まぁ結局は海外組3人をどうやって活用したいのかでバランスが大きく変わってきますもんね。
そこんところを明日から確認しないといけないのかな。
私も色々考えたあげく、WCとはシステムが違うことを強調している点が気になりました。システムというのは、OFやDFのセットやパターンというよりは、どちらかというとアライメントのニュアンスでラマスは使っているように思えました。さらに、WC後に成長した強力な3人の海外組を同時に使うことが最優先と考えれば、自ずと導き出されるのは3ウイングかな、と。
そう考えれば、ウイングの控えの構成も納得です。比江島=スラッシャー/アタッカー枠、金丸=シューター枠、張本=ハードワーカー枠
ラマスの発言でいうところの3番をウイング、5番をビッグに置き換えてもらうと、皆さんにもわかりやすいかと。
沖縄では馬場と八村が不在なので、ここで2ビッグの形をどれくらい試すのか、が今は一番気になっています。私の解釈が当たっていれば、比江島と金丸がスターターになるでしょう。ただ、2ビッグの可能性も否定はできません。オプションとして持っておくべき形だとは思うからです。
まだ対戦国の分析までできてはいませんが、スペイン・アルゼンチン・スロベニアはどういう構成でくるのでしょう…時間帯によっては、ギャビンとシェーファーを併用しなくてはならない5分間が来るのかもしれません。ただし、歴史的1勝を、スロベニアにターゲットを絞っているなら、ドンチッチをどう守るかの1点に尽きるからこそ、極論は第3戦以降のクリッパーズになるべきですよね。本番で田中金丸馬場渡邊雄八村なんてラインナップを期待している私がいます。
ラマスと富樫とA代表の話をしたいんですが。『ラマスも代表も富樫のスピードの絶対性を活用する意図はない。』この感想は正しいでしょうか。
富樫は数多くハンドルする一方、アタックスペースが与えられたのは3回だけです。プルアップスリーは0回でした。田中にビラップスの振る舞いをさせるのは正しいけど、富樫にパスアウトやスキップパスを求めるのは齟齬だと思うんです。1億円はドライブやプルアップスリー等の自己完結的な素晴らしいスコアリング能力に当てがわれているはずですから。
上述の3回だけのスペーシングでは、見事に切り裂きました。局面の強さは間違いない。高ネームバリューのチームメイトが3人いるのだから、ウィークサイドを突破したり、逆に富樫シフトの手薄なところを渡辺が攻めたり。
そうはならず高い位置でのプレーに終始しているんですよね。
PGらしく扱われているんでしょう。富樫にラウリーハーデンさせるなら他に適任がいただろうと思うし。
それとも俺の感想間違ってますか。富樫のスピードの脅威に基づいて、日本はスコアしてますか。
地味に渡辺が大きくスペース消費するんですよね。
スピードの概念ですが、フルコート走るわけじゃないので、富樫のクイックネス自体は利用すると思いますが、正直、あれで切り裂くのは相手の守り方によっては不可能なので、富樫は「相手に応じて起用する」だと思います。
ちょうどハンガリー戦はコートを広く使いたいときに2ガードにして、富樫も3回のアタックがありました。
だから主軸ではなく、オプションなんだと思います。
御回答文中の『あれで切り裂くのは』なんですけど。
富樫はスピードの優位性は持ってるけど、絶対的ではない、という意味なのか、シャックも囲めば無効化できるように絶対的スピードなんて守備陣形でいくらでも阻害できる、という意味なのか、あるいは両方ですか。
富樫のアジリティはA代表のテーマではない、これはわかりました。富樫の優位性のもとで構築するバスケではないと。
オールコートで先頭を走らせないのは被ブロックが予想されるからなんでしょうが、富樫なら間に合うのでは。誰がパスするのか、そもそもポゼッションを奪えるのか、というのもありますが。