さようならネッツ’21

今シーズンのネッツには多くのドラマがありました。デュラント&アービングがついにデビューすると圧倒的なパフォーマンスをみせた一方で、新人HCナッシュがチームを整備出来ておらず、勝率5割程度でいったりきたりのスタートに。でも、これはまだ初期段階だから、そんなに問題ではなかったんだけどね。

しかし、時を同じくしてハーデンが「ロケッツから出ていくもん!」と言い出し、明らかに「ネッツに行きたい」というオーラを出しました。なんせ後から「オフにハーデン、デュラント、アービングで機能するか、3人でプレーしていたんだ」なんて言い出す始末。

幸か不幸か、望んだのか致し方なかったのか。ショーン・マークスの心のうちはわからねど、育て上げた若手たちと未来のドラフト指名権を大量放出して、ハーデンを手に入れました。

そもそも前任が優勝のためにセルツからピアースやガーネットを未来の指名権と引き換えに手に入れ、その結果として「弱いのにドラフト指名権がない」という『史上最悪の再建』とすら呼ばれた状況を引き受けたショーン・マークスが、自らも未来の指名権に若手有望株を放出するとは考えもしていなかったんじゃないでしょうか。真実は知らん。
錬金術師ケニー・アトキンソンと袂を分かった昨シーズン。そして今シーズンはハーデンと引き換えに様々なものを失いました。自分が築き上げてきた成果がデュラントとアービングを引き寄せ、その2人が自分が築き上げてきたものを壊していくのだから、ショーン・マークスの気持ちは複雑というか、むしろ後ろ向きだったんじゃないでしょうか。

ハーデンを手に入れたネッツは、本物のPGの良さを堪能することになります。ある意味、これなら「アービングじゃなくてディアンジェロを残していれば・・・」と考えずにはいられない内容だったのですが、きっとみんなそんなことは1年の間に忘れている。あぁそういえばディンウィディがケガでシーズン絶望になったことも「ハーデンすげー」に繋がっています。

一方で強烈に薄くなったベンチメンバーには、バイアウト市場からの補強で埋めることになりました。オルドリッジとグリフィンという2大巨頭を手に入れたわけですが、これも絶対に「バイアウト前から決まっていた」であろう動きなので、もうメチャクチャです。ただしオルドリッジは不幸な健康上の問題で引退を選びました。

さらにアライズ・ジョンソンなども獲得したわけですが、なによりも開幕時はセカンドユニットにも入れなかったブルース・ブラウンの有用性が発揮されたことで、ネッツは何とかなってしまいました。ちょっと、さすがにブルース有能すぎです。

一方で何故かデアンドレ・ジョーダンが試合に出なくなりました。この動きは何だったのかよくわかりません。徹底して試合に出されないけど、ちゃんとベンチには入ってチームに帯同しているので、わけわからん。

以上で今シーズンのネッツ振り返りは終わりです。普通なら、それぞれの要素をしっかりと書いていくところなのですが、書きたいことがありません。理由は
①選手の加入放出で変化しただけで、それ以上のことは何もないから、事実を並べればOK
②ケガが多くてチームの進化状況がさっぱりわからん

こんな感じです。「ハーデンのゲームメイクがすげー」といっても、加入当初からシーズン最後まで変わんなかったしな。

シーズン中にビッグ3が揃ったのはわずかに8試合のみ。一気通貫できなかったチーム作りと、その時々で対応していっただけのナッシュ。シーズン通じてチームが変わったんじゃなくて、単なる選手の違いでしかなかったです。だから書きようがないし、事実だけ並べてもねぇ・・・。

しかし、ブルース・ブラウンだけはPGだったはずがセンターになり、最終的にはポイントセンターみたいになりながら、ミドルトンへの強烈なディフェンスをしていました。1人で何役こなしたのかわからないスーパーな貢献ぶりと、それがチームにとって重要だったのは明白なので、ブラウンだけは書くことがあった。

えーっと、この記事ってこんなにあからさまな表現はしていなかったんだけど、表題と1つのセンテンスが加わったことで「ビッグ3は不要」になっていますが、まぁ実際に「ビッグ3にはブルースが必要」だったよね。

ということで、今回の「さようならネッツ’21」については何を書くのか迷いましたが、タフスケジュールで健康が重要になったシーズンという事もあって、

もしもビッグ3が揃っていたら、ネッツは優勝できたのか

というテーマで妄想してみることにします。結論は「出来ない」なのですが、バックス戦を見る限りは出来ちゃうよね。それは周囲もケガ人が多いから、マジで出来てしまいそうな匂いがするっていう違う問題もありました。「去年なら優勝できなかった」が正しいかな。変な感想だ。

◎3人が元気だったら

そもそもの大前提が「ビッグ3が揃っていたら」なわけですが、むしろこんな感想があるわけです。

絶対に誰かしらはケガしただろう

これです。なんせ今シーズンは「タフスケジュール」「ケガ人が多い」というリーグ全体の感想があるため「ネッツもケガが多かった」になっていますが、実際にはケガ人は例年と大差ないというデータもあるらしく、それ以上に実感として感じているケガの多さは

昨シーズンのプレーオフを戦った選手にケガが多い

これです。サンズにはケガ人が少ないし、ホークスもレフリーが足を踏ませなければ元気です。シクサーズはフルメンバーで戦えたし、ニックスはそれで躍進した面もあります。一方でナゲッツとクリッパーズとレイカーズはケガ人に泣きました。昨シーズンにファーストラウンドで負けたジャズは微妙ですが、基本的にはセカンドラウンドに進んだチームがケガ人に困っています。

ネッツの場合はデュラントはシーズン全休、アービングもプレーオフ不出場、ハーデンはファーストラウンド敗退です。とはいえ、ハーデンについてはチーム内の負荷も大きく、昨シーズンだけではなく、長年の勤続疲労があるので、仕方ないかもね。

つまりネッツは「ケガ人が多い」といいつつも、それを単純に「タフスケジュールだから」とぶった切って良いのかどうか。ディンウィディみたいな案件は毎シーズンどこかしらで起こるアンラッキーな出来事なのですが、チームとして勤続疲労ではないのにケガ人が多すぎたのはネッツ特有の問題した。

なによりも「もっと苦しいはずのバックスよりもケガしている」のは忘れてはいけない大事な事実です。ミドルトン頑丈すぎる。ホリデーはケガしちゃダメだよ。

もともとケガが多過ぎるアービング。このプレーオフで9試合出場しましたが、キャブスでファイナルに進んだ16-17シーズン以降で言えば
17-18シーズン 0
18-19シーズン 9
19-20シーズン 0
20-21シーズン 9

ってことで、4年で18試合しか出ていないんだぜ。ファーストラウンドが4勝1敗だったから、そんなに疲弊していないはず。ケガしたのはアンラッキーな形ではあるけど、アービングにケガはつきもの。それをマネジメントしていたかっていうとさ。

〇プレータイムと最終スコア点差
【セルティックス戦】
①37分 11点
②28分 22点
③41分 △6点
④41分 15点
⑤38分 14点

【バックス戦】
①45分  8点
②34分 39点
③45分 △3点
④17分 △11点

プレーオフだから仕方がないといえばそれまでですが、プレータイムはかなり長くなっています。大差で勝っている試合だけが短めになるだけで、基本は41分以上です。だから「遅かれ早かれケガをした」可能性が高いのがアービングです。

ハンドリングスキルとフィニッシュスキルの怪物であるアービングですが、左右の切り返しに隙間を抜いていくクイックネス、そして空中でのアクロバティックな動き。これらは若い頃は耐えられたけど、もう身体が悲鳴を上げてしまうようにも見えます。

アービングはわかりやすい例ですが、とにかくナッシュはビッグ3をコートに出し続けました。バックスとのシリーズでムリヤリ復帰したようなハーデンはゲーム5以降のプレータイムが

⑤46分
⑥40分
⑦53分

ハーデンはシーズン終盤にケガしていたので、ファーストラウンドでは比較的休みを貰えた方ですが、それでも40分近いです。ハーデンのケガとアービングのケガ、どっちかは仕方がなかったとしても、2人ともケガしているのはマネジメント能力の低さであり、タフスケジュールじゃなかったとしても、同じようにケガをしたでしょう。

実際問題としてプレーオフのスケジュールそのものは、こんなもんだよね。ファーストラウンド終了後に3日のオフもあったしさ。

なお、プレータイムの長さについてデュラントは言わずもがな。もう一切の交代をさせてもらえませんでした。もしもゲーム7に勝っていたら、今頃はケガをしてホークスがファイナルに進んでいたでしょう。

ビッグ3は絶対に誰かはケガをしていただろう

「もしもケガがなかったら」という【たられば】を考えずにはいられませんが、その結果は「誰かは絶対にケガをしていた」という矛盾なのかなんなのか。タフスケジュール関係なくネッツはケガをしているので、それを言い訳にするのは違うのでした。

ビッグ3の良さは「プレータイムをシェアできる」はずなのですが、シェアするどころか全員を出し続けることに。だったらビッグ2を起用し、その負担を軽減すべく周囲には働きまくって助けてくれる選手の方が良かったんじゃないか。

◎HCナッシュ

エースを長時間起用するのは他のHCでもありがちですが、新人HCナッシュの起用法はビッグ3に負荷をかけまくるだけではありませんでした。これがとっても難しくて、何がしたいのか・・・はわかりやすいんだけどさ。

〇ブルース
⑤13分
⑥ 5分
⑦52分

〇グリーン
⑤35分
⑥36分
⑦13分

〇グリフィン
⑤29分
⑥31分
⑦40分

ゲーム3で38分プレーしたブルースは、その後プレータイムを減らしたものの、役割としては明確に持っていたのですが、ゲーム6ではほぼ起用されませんでした。ところが「やっぱりミドルトンを止めてくれー」となったゲーム7では52分とほぼ出ずっぱり。

ゲーム5で勝利の立役者になったグリーンは、そのままゲーム6でも起用されるけど、ゲーム7になったら「ヤニスは全部グリフィンが担当ね」に代わってしまいました。実はそれだけではなく、グリフィンとグリーンの同時起用も辞めました。ブルースよりも3Pが決まるから重用されていたはずが、「やっぱり3Pはいらない」に代わったのでした。

グリフィンについてはゲーム7がファールトラブルだったので表面上は短いですが、ブルース並みに起用する雰囲気でした。まぁグリフィンの件は安定して起用している中での変化って程度かな。

シンプルに言えばゲーム6はオフェンス重視だったのに、ゲーム7は極端にディフェンス重視に振り切りました。さらに、ゲーム5では「スペーシングオフェンス」をしていたのに、ゲーム6では丸っきり消えてしまい、ゲーム7で復活しています。その理由が「ブルースがいないゲーム6はグリーンにスクリナーさせて失敗」なのだからワラエナイ。

他にもゲーム3の終盤に足を痛めたブルースが、もう全くついて行けなくて抜かれまくっていたのに起用し続け、ホリデーに実質の決勝レイアップを決められたうえ、ラストオフェンスも起用したからレイアップミスになりました。ちょっと試合を見えていなかったよね。

ナッシュの選手起用は極端だった

ビッグ3が長ければ、ロールプレイヤーも極端な起用法だったので、かなり問題があるように見えました。バックスが正面衝突してくれるから助かっているし、バックスも主力しか起用しないしで目立たなかったくらいかな。それこそリバースの方がよっぽどベンチメンバーを使ってきます。

正面からぶつかってKOできるデュラントがいるから勝っているけど、戦い方としてはメチャクチャ危険でした。一番の問題は「ロールプレイヤーを使い分け出来なかった」と見えた事です。プレータイムが長いことよりも、どの場面で誰を使いたいのかが不透明だった。

ナッシュで優勝できたのかは怪しい

こんな感想の一方で良い面もありました。それが前述のゲーム5でデュラントに49点取らせた「スペーシングオフェンス」です。

◎スペーシングオフェンス

オフボールのスクリーンを使ったり、ハイピックでディフェンスを剥がしたりと、とにかくデュラントを輝かせることを狙ったオフェンスでしたが、

スペーシングが良く、バックスは分厚いヘルプを用意できなかった

こんなことを強く感じました。でもゲーム6はスペーシング出来ずにヘルプに潰されたんだけど。あれが一番意味不明だったなぁ。

ネッツは確かにビッグ3に頼る構図ではありますが、シーズン前半に「ハーデンのゲームメイクすげー」だった頃とは違い、チームオフェンスとしてデュラントやアービングの個人技を生かす形を作れていました。ダントーニっぽい流れですが、ハーデンとクリス・ポールに突破させていたのに比べると、デュラントとアービングの方がより高確率で突破できます。

そのうえでハーデンのゲームメイクもあるので「ビッグ3の機能性は高かった」とも思っています。理想的にはハーデンは個人で常に複数の選択肢をキープしながらプレーメイクできるので、ベンチメンバーでもオフェンスが立派に成立しており、逆にアービングとデュラントにはブルースのスクリーンがあって効率性が増すので

ハーデン+ジョー・ハリス
デュラント+アービング+ブルース

こんな感じのツープラトンにしているのが最も強かったと思います。でもね、ナッシュはビッグ3が元気だったら、出来るだけ3人とも使うんだよね。そしてこんな事情もあるからビッグ3よりもビッグ2の方がロールプレイヤーを入れ替えて戦いやすく、強いでしょう。

とはいえ、これはあくまでも理想論。そんな理想を振り回す必要もなく、デュラントさえいれば決めまくってくれるし、仮に止められてもアービングにハーデンまで止めきるのは不可能。だから

オフェンスは優勝できるポテンシャル

これは間違いないと思います。相変わらず『史上最高のオフェンスマシーン』をみせつけたデュラントがいれば、大抵のことは何とかなるしさ。最後は実質1人になったけど関係なかったもんな。

◎ディフェンス

オフェンスに対して非常に悪いとされるディフェンスですが、実はこれも戦術的にはかなり改善されました。ただ、リムプロテクターはいないし、ビッグ3のプレータイムが長いのでインテンシティを保てず「凄く良い」にはなりません。

あとベンチメンバーがタイラー・ジョンソン、シャメット、マイク・ジェームスなんかで構成してきたから、ここが非常に悪い。クラクストンに全てを助けてもらっていた印象すらあります。なんでTLC起用しないのか、わけわからん。

バックスとのシリーズはディフェンス力で勝ったようなもので、レーディング104.5とどこのチームよりも良いディフェンスをしました。もちろん、「ヤニスを個人で止められる」グリフィンの存在がかなり大きかったわけですが、それは言い換えればディフェンス戦略をしっかりと遂行できたわけです。ちなみにグリフィンは誰に対しても守れるわけじゃありません。スピードアタックやシュート対応は苦手だし。

ミドルトンを止めるのが得意なアービングなんかもいて、個人のディフェンス力の足し算が出来ていました。致命的に崩壊することはなく、リスクマネジメントなディフェンスだったと思います。なんかこれもダントーニロケッツっぽいんだよね。プレーオフでは最終的に個人同士のマッチアップに委ねるのはありがち。

そして個人を守る形から、ゴール下には便利なデュラントとグリーンの高速ヘルプがあります。ジャズのように「ゴベアに追い込む」ようなことはないけれど、マンツーをしっかりとやっておけば、仮に抜かれても誰かは助けに来てくれる。

おそらくネッツのディフェンスを完全に攻略できるのは、ポストアップするヨキッチから展開できるナゲッツやレイカーズくらいだったかと。それもグリフィンの頑張り次第か。あとはクリス・ポールとブッカーからエイトンに出てくるパスを封じられなかった可能性もあるかな。

素晴らしくはないが、完璧に攻略するのは難しいディフェンス

こんな感じだったと思います。基本的にオフェンスで勝つチームなので、これが出来れば十分かと。開幕当初は1か所崩壊すると次々に連動して崩れていましたが、デアンドレ・ジョーダンを使わないことも含めて、変にバランスを崩さない組織が出来てきました。

これに加えてインサイドにグリフィン、アウトサイドにブルース・ブラウンというエースキラー役がいました。グリーンはそこまでエースキラーにはなれないんだよね。その代わりピック&ロールされても問題なくスイッチできるマルチディフェンダーです。

ジョー・ハリスにはインサイドになってもフィジカルに奮闘するアトキンソンイズムが残っているので、スイッチングディフェンスもこなしていました。アービングも意外とポスト守るの好きだよね。

なお、ルバートとアレンがいた頃は、2人がコートにいると普通に良いディフェンスになりました。エースキラーのルバートとリムプロテクターにしてスイッチOKなアレンがいたら、もっと守れたわけだ。ほんとね。理想はハーデンとアービングのトレードだったんだよなぁ。

イメージとしてはエースキラーとヘルプ担当がもう1人ずついれば、ネッツのディフェンスは大きく改善したと思います。それをするにはビッグ3のサラリーがジャマなのですが、ネッツの場合はディンウィディのケガとジョーダンの謎という2点もあり、実現不可能ってわけではありません。

ハーデンとのトレードはアービングじゃなかったとしても、ルバートとアレンを残して、ディンウィディとジョーダンを放出していればねぇ・・・。それも無理だな。でもロバーソンやアライズ・ジョンソンなんかもいたわけで、ちょっとズレていたよなぁ。

ロスターの話をすれば、ビッグ3がいる以上は周囲はディフェンスの良い選手やハードワーカーを集めるべきでした。シーズン中にケガが多かったこともあって理想的には動けなかったとは思いますが、それにしてもベンチが貧弱じゃなかったか?

優勝は見越せるディフェンスだったが、もうちょっとディフェンダー揃えろよ

オフはディフェンスの良い選手を集めましょう。オフェンスはスクリーンをしっかりできるとか、スポット3Pをしっかり決めてくれれば十分です。・・・あれ、思いっきりダントーニロケッツだな。そもそもダントーニロケッツは豪華戦力のウォリアーズに勝つために「エースの力を最大限に活用するためにはどうすればいいか」で考えられていたので、ネッツのように個人技主体で攻めていくなら同じなんだよね。

ところで、このサポートキャストについて不思議なことは「GMがショーン・マークス」ってことです。これまでのショーン・マークスはディフェンスの悪い選手は好みませんでした。あるいは多少の弱点はアトキンソンがなんとかしていた感じもします。必要な時はPFばかり並べていたし。

うーん、どこか再建したいチームはショーン・マークスに声かけたら意外と応じてくれるかもよ。なんか変だよネッツのフロント。いや、でもあれか。TLCやロバーソンを嫌ったHCナッシュの問題か。HCを連れてきたデュラントの問題か。

◎優勝できたのか

答えはNO,ですが、今シーズンに関しては多くのチームが軒並みケガでダウンしており、チャンスは十分にあったと思います。でも、前述の通り「タフスケジュールによるケガ」はネッツには当てはまらない事項なので、せいぜいハーデンとアービング両方が同時にケガしたのがアンラッキー程度です。プレーオフでセカンドラウンド以上に進み続け、WCも出ていたヤニスとミドルトンの頑張りに負けちゃダメでしょ。

ネッツで一番変わらなければいけないのはHCナッシュです。そしてそれは最も期待できる変化です。考え方が変われば済むわけで「ハーデンがハードワークする」ようになるよりも簡単な変化です。HC1年目どころか、コーチもやってこなかったナッシュなので、いろいろと起こったシーズンを振り返って反省してくれればね。

ダントーニにはHC就任の噂もありますが、ACはサンズ路線とは違うACにした方がベターでしょう。今シーズンである程度はダントーニっぽくなったので、違う要素を加えた方が良い。ペイサーズがHCカーライルにロイド・ピアースというタイプが違うACを加えたイメージがありますが、その方がいろんなことが実現できます。

ディンウィディがオプション破棄してFAになり、現状では契約が残っているジョーダンも放出するのでしょう。一方で来シーズンもピストンズから多額のサラリーが支払われるであろうグリフィンはミニマムレベルで残留してくれます。おそらく残留を選ぶでしょう。

そうなるとブルース・ブラウンやジェフ・グリーンを残すキャップスペースも構築できそうです。でも、それだけじゃどう考えても選手が足りません。シャメットとクラクストン、アライズは残りますが、他は全員がFAです。

「ビッグ3に頼りすぎないように」したくても、頼らないと選手が足りないっていうね。いかにしてミニマムレベルで働くロールプレイヤーを集めるかがキーになります。こんな時に指名権もないのでトレードも出来ないしさ。ジョーダンで3人ぐらい連れてこれればいいんだけど。

似たような悩みはバックスも抱えていますが、レイカーズやクリッパーズはもう少し柔軟にロールプレイヤーを集められます。それがビッグ3とビッグ2の違い。アービングでシモンズとサイブル連れてきたら面白そうだけど、今度はスペーシングオフェンスじゃ成立しなくなるし、ナッシュには難しいだろうね。

ネッツには優勝するだけのポテンシャルがあります。なんてったってデュラントいるしね。でも「デュラントがいるならビッグ3じゃなくてもいい」気がしてきてしまう。そんな禅問答みたいな考えがグルグル回るのでした。

ケガに泣いた今シーズンだけど、他のチームと同じ理由だとは思ってはいけない。ビッグ3であることが引き起こすトラブルをいろいろと感じたプレーオフでした。ビッグ3のメリットは同時起用での火力なのか、それともプレーシェアなのか。ブルースがいるなら後者、いないなら前者。でもブルースが3人いるならビッグ2で十分。そんな感想が残ったのでした。

さようならネッツ’21” への10件のフィードバック

  1. デマーレ・キャロル、エド・デイビスなどなど→ブルース・ブラウン、ジェフ・グリーン。開けてびっくりブレイク・グリフィン。
    いいサポートキャストは相変わらずうまいこと拾ってくるのに、やっぱりもう1枚、オフェンスに振り切るならレギュラークラスのガードが欲しかったなあ…という1年に見えました。
    特にパサー&コントローラーとしてディアンジェロを残していれば…。
    そんな中、PGとしてハーデンがあれほどマッチするとは思いもしませんでした。
    さて、ショーン・マークスはちょっとずつ貯めたカードを一気に切ることになりましたね。残りカードでどさくさ紛れにジャレット・アレンを買い戻せないものでしょうか。
    FAなどがどうなるのか細かいことは把握してないですが、ディンウィディも出て行きそうな気配ですね…。

    1. ディンウィディいるからディアンジェロ不要だったわけですが、ディンウィディの離脱から一気にショーン・マークスのプランが崩れたんでしょうね。
      タイラー・ジョンソンタイプじゃなくて、ネイピアーにしとくべきだったかな

  2. 個人的にはキャンプに参加してないハーデンの怪我は偶然ではないと思います

    1. トレーニング不足でケガをし
      休養不足でケガをし

      ハーデンはどっちにしてもロケッツで気持ちが切れた時点でアウトだったと思うのでした。

  3. ネッツみたいに、BIG3の一人のスーパースターを自前で育てていないチームって、強いチームは少ない気がします。優勝したのは、セルツだとピアース、ヒートならウェイド、キャブスはカイリー(とレブロン)みたいな。
    みんな別のチームでエース張ってて、1から戦略的にチーム作るってすごい難しいと思います。で、戦略がないチームが優勝は出来ないよってねー。それでも、実績のあるHCならまとめられたのかもしれませんが、新人ナッシュHCには荷が重すぎ、そうなるとBIG3を長く出すよ!これで負けても文句ないでしょ!!みたいなチームになるのは、しょうがなかったのかなと。
    で、結局「BIG3揃ってると優勝できるほど強い!」っていうのが結局わからなかったのが、今シーズン一番の誤算かなと、シーズン中にでも3人揃ったら10連勝!!みたいな時期がないから、そりゃデュラント48分出せば強いよ、みたいな感想です。
    来シーズンどうするのかなー、よくわからない理由で欠場しまくるアービング出して、デュラントとハーデンのために働けるいい若手2~3人持ってくるのがいいのでは!?ジョーダンにはあまり市場価値を感じない・・・

  4. クラクストンとか、アリゼジョンソンとか、ブラウンとか。スターパワーの影でハッスル系の若手がどんどん出てきているのはすごいですね。ビッグ3以外は競争原理のなかで選んでチャンスを与えてるのが奏功しているんでしょうか。そこらへんはアトキンソン的なカルチャーの残り香を感じます。
    お金が無い分、ドラフトでどういうタイプを獲るのか。地味に27、44、49、59位の4枠を持っているので少し注目してます。

    1. 競わせているのか、それしかいないのか。クラクストン迄ずっとドラフトで当てまくってましたし、スカウト力高いですね。
      4つの指名権は確かに魅力ですね。そこそこ放出して欲しい選手2人くらいに突っ込むのかな。

  5. 本当デュラントが怪我しないで良かったとしか思えないCSFでした。
    バックス応援してたのもありますがもうBKN(デュラント)にオフをとしか思えないシリーズでした、、、

  6. 準備十分のサンズとほとんど準備期間の無かったバックス。
    この差は大きかったのでしょうか?
    バックスは、P&Rのディフェンスを変えて来ましたね。
    ビッグマンを下げて守っていたのを、スイッチにして、ロペス、ポーティスがサンズガード陣の餌食になりました。
    この変更は、どうなんでしょう?
    次戦は、またドロップに戻すんでしょうか?
    戻したら、今度はクリスポールとブッカーのミドルが待っています。
    ブーデンホルツァーのお手並み拝見ですね。
    戻さざるを得ないと思いますが。
    海外の解説者達は、スイッチはイージーだけど、それでいいの?みたいな論調でしたね。
    サンズは、ヤニスにはレギュラーシーズンでまずまず効果のあったエイトンを最初に当てて来ました。
    ファウルトラブルのリスクがあるので、ゲーム全部でとは行きませんが、グリフィンが止め切ったように、効果はありそうですね。
    サンズには、クラウダー、クレイグ、キャメロンジョンソンと、そこそこサイズのあるウィングが居るし、ヤニスには、フリースローという明らかな弱点があるので、ヤニスよりも警戒すべきは、ミドルトンかもしれませんね。
    ブリッジズもクレイグもかなり良いディフェンスをしていましたが、今日はタフショットを決められました。
    エイトンがヤニスに付くと、ミスマッチになるロペスも要注意です。
    レギュラーシーズンでは、サリッチがロペスをマークしましたが、サリッチはシーズンアウトっぽいですね⁉︎
    凄く痛いです。
    カミンスキーが代わりに出ましたが、どうしても狙われてしまいます。
    カミンスキー出すのなら、クレイグの方がマシのような気がしますが。
    シーズン中も、無難にビッグマン抑えてましたし。
    次戦で、バックスがどう出るか?ですね

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