プレーオフ①ヒートvsバックス

ゲーム3

連敗スタートとなったヒート。特にゲーム2は一方的にやられてしまいました。2試合続けてバトラーがバックスのマンマークに封殺され、アデバヨがミドルレンジを決められず、オフェンス面でのトラブルが顕著でした。そこでスターターにドラギッチをいれてきたゲーム3です。予想された内容ですが、そこはホリデーとマッチアップするので、どこまで効果的かはやってみないとわかりません。

なお、ヒートは大差だったゲーム2の3Qにドラギッチを加えた形を試しています。その時、もう1つ試していたのはアデバヨとデッドモンを並べる形。その理由はヤニスにアリーザだとポストアップでやられたため、そのうえでミドルトンも止めることを考えると、ツービッグも選択肢に入ってくるからです。

ツービッグにはしなかったものの、ヤニスにマッチアップするのはアデバヨ。ゲーム2で止められなかったモンスターにモンスターをぶつけました。ただし、ブルックにはアリーザを選択しました。そのブルックには早速ポストアップを食らっています。

◎エースは止める

本日もミドルレンジが自由なアデバヨ。打たされているけど、打って決めないと意味がない。ドラギッチのアシストを受けて2本目を決めたので悪くないスタート。しかし、やっぱりバトラーは止められています。6分経過したところで、やっとジャンプシュートを決めたけど、トランジションでの予想外のミドルだったので、うーん、微妙。

一方でバックスはやっぱりゲーム2みたいに「ヤニスが使われる」ことにはなりません。リードしてから出てきた形だし、初めからやれるってことじゃないのかな。しかし、ブルックがバトラー相手のターンシュートも決め、ヒートディフェンスの弱みは使えています。バックスらしくない。

6分経過時点では12-6なので、ディフェンス面は悪くないけど、オフェンスが問題でした。ドラギッチを入れた意味があんまりないじゃん。ダンカンもフォーブスも3Pが外れており、両チームが流れを作れない展開です。

ヤニスもアデバヨも下がってベンチメンバーが増えてきた中で、ヒーローがミドルを決めるも、ここからフォーブスとポーティスの3Pがヒット。先手はバックス。ホリデーのプレーメイクが効いていて、ドラギッチを先に出したのになぁ・・・って感じです。

10分経過してイグダラの3Pでやっと二桁になったヒートですが、ホリデーがドライブファールドローに、3Pで追い上げさせず。せっかく守りきってもタッカーが連続オフェンスリバウンドで繋ぎ、最後はポーティスがプットバック。

バトラーがまたも予期せぬタイミングで3Pを決めたけど、26-14とバックス12点リードになった1Qでした。

ヤニス対策は効いている。やっぱり「使われる」にならないヤニス。FG1/3で2ターンオーバーでした。なお8リバウンド。
バトラー対策も効いている。7点はとったけど、ほぼトランジションでブロックの外から打った形。タッカーはそこは守れない事もあってね。しかし、プレーメイクは全くできていません。

そういえばこのシリーズは典型的な「エースを止めろ」対決になっています。お互いに止められた中ではヒートが優位かと思いましたが、ホリデーの存在が大きく、バックスが上回っています。

◎タフショット

アデバヨがドライブからバトラーに見事なパスを通しゴール下を決めるも、とにかく3Pが決まらないヒート。ヒーローが強気に打っては外し、得点が伸びません。一方でヤニスはイグダラに止められ、でもカナートンがバンク3Pを決めて対抗しているバックス。

しかし、バックスはヤニスがベンチに下がってからゾーンに変えたヒートを攻めあぐねています。基本的に頼るのが個人技なので、オフェンスの組み立てに困る。ヤニスがいるなら、合わせの怖さもあるけど、それがないから個人技でミドルを打つくらいしかない。

でもそれをミドルトンとホリデーが決めちゃいます。強引なミドルなんだけどね。それが決まるからスターだし、それが決まらないバトラー&アデバヨ。そしてトランジションでゴール下にポジションを取ったブルックが、3人に囲まれながら&ワンで18点差に。

タイムアウトのヒートはバトラーがパス交換からコーナーに移動しての3Pを決めると、さらにドライブも決めます。しかし、ヤニスのカバーを考えすぎたバトラーの逆を取ってカッティングを決めたタッカー、バトラーがオフェンスで倒れている間に走ったブルックのゴール下で取り返します。

どっちも固いディフェンスで戦えているのですが、ちょっとしたスキを突いているのはバックスでした。お互いにハーフコートを組み立てて、アタックしていくのは難しい中で、こういうちょっとした得点が差をつけるといわんばかり。

前半は49-36と13点差。固いディフェンスが主たる中で、タフショットを決めるのはバックスだったし、ヒートが決めた後に取り返してもいました。こうなると、ほぼ個人の頑張りの差なのかなー。

◎変わらない後半

展開的に書くことはいろいろとある3Qですが、内容的には前半とほぼ変わらず。互角の内容だし、バトラーもヤニスもインサイドに飛び込むプレーは殆どさせてもらえない。固いディフェンスの戦い。

負けたらほぼ終わりのヒートはアデバヨがオフェンスリバウンドを頑張り、インサイドで存在感を発揮し始めますが、ヒートが上回ったのはそれくらい。

タフショットが多いのは同じだけど、そのタフショットを決める能力は少しだけバックスが上。昨日のニックスvsホークスみたいなもんだな。フォーブスがダンカンより先に3Pをヒットすれば、ミドルトンもタフ3Pだし、カナートンもタフ3P。そしてホリデーもタフ3P。

決してインサイドを攻略できていたわけではなく、苦しいことには変わりないけど、個人の強さというか、2-0で勝っているチームの余裕というか。単なる戦力差なのか。37点とったバックスに対して、ヒートは24点。ちょっとずつの差だけど、大きな差になっていきました。

4Qはビエリッツァを起用し、ストレッチ4で3Pを打って行きました。鬱憤をはらすようにビエリッツァは3Pを決めていきましたが、ディフェンスで狙われまくり。ヤニスがvsビエリッツァにすればアンパイとばかりにアタックしていきます。

ビエリッツァを通して知る「ヒートディフェンスがここまでどれだけ頑張っている」のか。ビエリッツァくらいヤニスにやられるのは普通なんだけど、本当にやらせていなかったな。でもオフェンスを考えたら、簡単にやられるって事だ。

◎おしまい

〇バトラー
19点
FG7/17
8リバウンド
6アシスト

〇ヤニス
17点
FG6/12
17リバウンド
5アシスト

今日も今日とて止められた両エース。ヤニスのリバウンドはハイパーだけど、やっぱり自分で行くと苦しいし、今日はアリーザじゃなくてアデバヨの時も多かったから合わせることも出来なかった。総じてゲーム2からヒートの方が修正できたことになります。

〇ドラギッチ
8点
FG3/14
2アシスト

しかし、満を持して起用したドラギッチが機能しませんでした。ホリデーとブレッドソーでは同じディフェンダーでも頭の中が違いすぎたので、手玉に取れなかったドラギッチでした。

正直、ヒートのオフェンスはドラギッチに尽きるとも言えます。プレーメイカーが足りなかった中で、増やしたけれど、結局はマンマークに潰されてしまった。FG%が低いことも問題なので、ドラギッチを起用したことそのものは良かったのですが、やっぱり本質はバトラーがマッチアップ相手を倒せないことにあったのでした。

〇アデバヨ
17点
FG7/14
8リバウンド
4アシスト

ゲーム2よりは頑張ったものの「モンスター」ではなかったアデバヨ。まぁヤニス番もあるから、ディフェンスリバウンドを増やしにくかった。が、バトラーと違って「抜かなくてもプレーメイク出来る」のがアデバヨなので、もっとアデバヨ起点にしてドラギッチと絡ませるべきでした。後の祭りだけど。

ビエリッツァが3P3本決めて14点取ったのもビッグマン同士の絡みにバックスが対応できなかったことも関係しています。そんなことも含めて、アデバヨ起点の方が、バックスディフェンスのミスを誘いやすかっただろうなー。

ゲーム2までも「ミドルレンジを打たせる」対応をしていた気がするバックスですが、ポーティスがアデバヨのマークになったときに、ミドルレンジでマークしていたのに、アデバヨがボールを持った瞬間にわざわざ下がったシーンがあり、間違いなくバックスは狙ってアデバヨに打たせています。ゴール下だけは塞ぐよ。

さて、シーズン前半を熱心なブログファンに思い出していただけると、管理人は「もっとアデバヨが得点を狙うべき」としていました。当時はアデバヨしかいなくて、負担がデカすぎたのですが、それでもアデバヨが行くべきということです。

そしてこのプレーオフになって、昨シーズンと違ってアデバヨの得点力が弱点扱いされています。毎シーズンシュート能力を向上させてきたアデバヨですが、プレーオフの3試合でミドルが1/7と決まっていません(シーズンは42%)

ペイント内のショートレンジも含めて、もっと自分の武器として決め切らないと勝利が見えてこないファーストラウンドになってしまいました。それでも打ち続けてはいるのですが、ドラギッチの衰えと共に合わせのプレーだけでは許されなくなってしまったので、もう少し頑張らないといけません。

〇ミドルトン
22点
FG8/16
5アシスト

タフショット大好きミドルトン。バトラーよりも劣る選手だけど、タフショット能力で言えば圧倒的に上。ハードなディフェンス勝負の中で、関係なく決めてしまう能力が差をもたらしたといえます。オープンでも同じくらいの確率だったりしてね。

今日のデータがまだ出ていませんが、ゲーム2まででタフショットが11/15も決まっています。変わり者のミドルトン。でも、ミドルトンの存在が

ディフェンスの戦いだけではヒートが勝ち切れない

こんな状況を作っている気がします。一見、バックスオフェンスは機能していたように見えて、そうでもないので、違いはタフショット決めちゃうかどうかでした。

そして1年前を思い出すと、0勝3敗で迎えたゲーム4はヤニス不在の中、ミドルトンが1人で奮闘してバックスが一矢を報いました。ヒートが4連敗するのであれば、ミドルトンに抗えなかったシリーズとして記憶に残る気がします。

〇ホリデー
19点
12アシスト
FG7/10

でもMOMはホリデーです。予想はされていたけど、ホリデーの差が1年前との差でした。うーん、厄介。

逆にヒーローは沈んだままだし、とにもかくにも個人の戦いで完敗し続けて3連敗のヒートなのでした。

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