ゲーム2
「1敗してからがレイカーズ」ってことで、ゲーム1を経て大胆な変更をしてくるヴォーゲルの選択が気になるゲーム2です。結果を知ってから試合を観ていますので、逆算的な感想になっていきますが、ちょっと驚きの内容でした。
◎ドラモンド
ゲーム1 19分 → ゲーム2 24分
これまで基本的にスモールに移行することが多く、もっといえば相手のラインナップに合わせてきたヴォーゲルですが、逆にドラモンドのプレータイムを増やす決断をしました。ADは減っていないので、ツービッツの多様を選んだわけです。守れていなかったゲーム1なのに、なんでそんなことを選んだのか。
レイカーズの修正事項は「エイトンへの合わせを止める」のが最優先だったっぽく、ゲーム1では裏にパスを出されていたドラモンドがエイトン優先で守ることで裏パスを封じました。
なお、エイトン自身はプレーレベルが落ちたわけではなく、ちゃんと活躍しました。エイトンのポストアップに普通にやられたドラモンド。しかも、酷いフロッピングまでみせたので、ちょっと問題があったのですが、これを除けばゲームプラン通りに役割を果たしたドラちゃん。ほんと、フロッピングさえしなければ誉めていたのに。
しかし、裏パス優先で守るって事は何かしらのデメリットがあるわけです。ピック&ロールで崩してくるサンズに対して、ハンドラーを抑えに行ったゲーム1は狭いコースにパスを通してしまうクリス・ポールとブッカーに困ったわけで、「パスの方が厄介」と判断し、思い切ってハンドラーはやらせる選択が増えました。
ドラちゃんはセンターを守るのが下手で、代わりにスピード対応はそこそこ出来るという変人です。ドリブルしているハンドラーにちょろっと手を出して、すぐにエイトンへのカバーに向かう事で見事に抑え込みました。ドラちゃんの良い部分が出た守り方だったでしょう。
とはいえ、そんなことに惑わされるはずのないクリス・ポールとブッカー・・・のはずでしたが、クリス・ポールが酷かった。弱気なプレーでシュートに行かず、中途半端なプレーを連発。ゲーム1で痛めた肩の痛みが酷いのか。でもゲーム1ではフェイダウェイ決めてたしな。
ある意味、レイカーズの中途半端な対応が効いたかもしれません。どっちも狙えそうな中でパスを狙いすぎるクリス・ポールな。プレーイン前のモラントじゃないんだから。
また、どういう仕組みかわかっていませんが、ADが積極的にヘルプに出ていた印象です。普通はドラモンドがハンドラーに出て、エイトンをADがカバーするわけですが、ハンドラーの方にカバーに出ていることがありました。偶然の可能性も高いです。
そんなこともあってか、わりとコーナー3Pへはパスが出ていた気がします。前半でミカルは3P2/4と決めた。でもミカルしか決めなかった。確率も悪かったサンズなので、レイカーズディフェンスにハマってしまいました。
◎ガソル
ツービッグを選択したことでドラモンドと交代でもう1人のセンターが出てくるわけですが、これがハレルではなくガソルが選ばれました。ゲーム1の時点では「ガソルならパスコースを切るかもしれないし、高さに抗えずロブパスを食らうかもしれない」とギャンブル的な起用になりそうだったのですが、やっぱりスピード不足でドラモンド程はエイトンをカバーできませんでした。まぁ致命的にはならない。
〇プレータイム
ゲーム1のハレル 14.6分
ゲーム2のガソル 20分
しかし、ハレルよりもかなり長く起用されたのはディフェンスよりもオフェンスのメリットを取った感じです。ツービッグでADと合わせるのをガソルにすることで、ADの方をインサイドにしてきました。ゲーム1でドラモンドと同時にコートにいると迷子になっていたADなので狙いとしてはわかりやすい。
それ以上にワンビッグの時間帯がガソルなのが面白かったです。
レイカーズの狙いはガソルをPG的にして、インサイドではレブロンをポストアップさせたこと。サンズは運悪く(本当に運悪く)クラウダーが開始早々に2ファールになったことで、パワー勝負できるウイングがおらず有効なオフェンスになりました。
加えてガソルはトップにいて、クズマとモリスが飛び込んでくる形なので、センターを中心にしてディフェンス構築するサンズは困ってしまいました。おそらく本来の狙いはこっちだったと思います。エイトンをゴール下から追い出そう作戦。
なお、結構うまくいっていた作戦ですが、空気を読まないKCPが例によって3P0/4とキックアウトを無効にしたので、作戦の良さほど点差にはならなかったのでした。
リードをもたらしてくれたのはシュルーダー。それもインサイドに飛び込めたからこそ得点が増えたのかな。いずれにしても、負けて修正するヴォーゲルの作戦が機能しすぎた前半でした。
◎エイトンとサリッチ
これに対して、クラウダーのファールトラブルもあって、モンティも動きます。エイトンとサリッチを並べるツービッグにしてきました。短時間ではありましたが、かなり厳しいと判断したっぽいです。
この試合で10分程度ではありましたが、シーズン中に2人が並んだのは70分しかないのでエマージェンシーだったことがわかります。なお、カミンスキーと並べるのは日常だったのですが、さすがに避けたね。
ディフェンスのための起用だったと思いますが、オフェンスで機能しておらず、サリッチが3P1本でも決めていれば違ったかもしれません。ってことで課題としてゲーム3に持ち越しです。
特に後半早々にADとレブロンのハンドオフから2重のミスマッチ誘導があり、ADvsミカルでポストから押し込んだプレーを見ると、便利なクラウダーの方をベンチスタートにするかもしれません。
またエイトンのヘルプも難しくて、ドラモンドを見ていて逆サイドのヘルプに間に合わないとADに決められ、今度は早めにヘルプにでれる動きを見せるとレブロンに隙間を通されるパスでドラモンドのゴール下になりました。後半はこの形を連発してきたレイカーズなので、モンティは何か考えるでしょ。
なお、ドラモンド単体に対してはエイトンは対抗できているので、そこはゲーム1よりもかなり良かったです。ゲーム1はパワーで押し切られていた印象だけど、慣れてきたのか、耐えるようになっていた。
〇エイトン
42分
22点
FG11/13
10リバウンド
もっとも誉めたいのは42分もプレーした事。キャリアハイかな。ファールを4つに抑え、最後まで戦いました。ひょっとするとレイカーズはドラモンドを出すことでエイトンのファールトラブルも狙っていたかもしれませんが、見事に狙いが外れたわけです。
未だにファールトラブルに悩んでいるセンターよ。プレーオフを経験しているエイトンに置いて行かれるぞ。ニャー
◎追い上げるサンズ
いろいろ上手くいって3Qに最大15点リードになったレイカーズ。ここまではプラン通りだったわけだ。でも、そこからサンズが追い上げます。何があったのかな。
ブッカー、ブッカー、またブッカー。反撃ののろしはスーパースターのムーブでした。ブッカー相手にはKCPがそれなりに止めていたのですが、スイッチも含めて3連発されるとレイカーズがダブルチーム気味に仕掛け始めます。
これがディフェンスの穴を生み出すことになり、パスからスピード突破が効くようになりました。エイトンがドライブからのリバースレイアップなんてものまで見せれば、クリス・ポールと交代したペインのスピードについていけず。
ディフェンスではゾーンにしてドラモンドをしのぐと、レブロンとドラモンドが下がってガソルになったら、完全にスピードで上回っていき、こちらはペインやクラウダーがダブルチームを仕掛けてはターンオーバーを誘発していきました。
サンズの方が1人多いかのようなディフェンス。個人的にはガソル起用が失敗でホートン・タッカーにしておけば、ここまでスピードで負けることはなかったと思います。それはゲームプランで上回っていたヴォーゲルに対して、試合中の修正で反撃したモンティって感じ。
それにしてもさ。若いサンズがこうやって対応できているのは凄いよね。バタバタ慌てて自滅していくのがありがちだし、っていうか今日のセルツは・・・。
そして3Qはブッカーがダブルチームされてパスを出したところでカム・ジョンソンのブザービーター3P。ヤングパワーのスピードと運動量で戦った3Qのサンズが、プレーオフらしいフィジカルな対応でも上回り、猛反撃したのでした。
いやいや、マジで凄いよ。なんでこんなチームを作れてしまうのか。メンタリティのスペシャリストがコーチ陣にいるんだろうね。
◎勝負の4Q
ゲームプラン通りか、変えたのか。レイカーズはドラモンドを出し、カルーソ、レブロン、クズマ、そしてここまで20秒しか出ていなかったマシューズでスピード負けしない形を選択します。こっちの方が試合前に予想されたラインナップだな。マシューズの件はゲームプラン外な気がします。
ペインの3Pで4点差にしたサンズ。レイカーズは攻守にドラモンドが怪しいプレーをしてしまいます。うーん、若いサンズよりも心が若そうなプレーオフで勝ったことがないドラちゃん。まぁドラモンドが悪いっていうか、インサイドを固めてくるサンズに対して、いまいちゲームメイクが出来ていないレブロンかもしれません。
サンズはブッカーを休ませるためにクリス・ポールを投入します。ペインが良かったから出番がグッと減ったって感じ。ここで働かなきゃ、どこで働く。
クリス・ポール→ペイン→クラウダーと繋いでのコーナー3Pにカルーソが思いっきり突っ込んでしまいます。カルーソまで飲み込まれているのか。これが4点プレーになり、残り8分で1点差。
ゾーンにしたサンズに対して、ボールを回しているだけのレブロン。このゾーンはゲーム3以降もポイントになるかも。普通に外から打てばいいのだけど、ツービッグだから3人のアウトサイドにはディフェンスが間に合うし、レブロンはインサイド狙いすぎているし。ドラモンド→ガソルにして3Pは決めてくれたけど、エイトンにやられまくることになりました。
一方のクリス・ポールもほとんど何もしていないけど、ペインが3Pで同点。ここでクリス・ポールを諦めてブッカー投入です。つまりはペインを信じることにしたモンティ
〇キャメロン・ペイン
19点
3P3/7
7アシスト
2ブロック
苦しかったサンズを救ったペイン。苦しかったサンズを救ったペイン。
2回書いてみたけど、凄い文書だよね。1年前にケガ人が出てバブルに選手が必要だったサンズに拾われるまでGリーグにいたんだぜ。それがポイントガードとして安定したプレーをしながら、レイカーズ相手に食い下がる要因になっている。
残り4分。レブロンがポストアップして4人が外で待つことにしますが、またも攻め切れないレブロンがパスアウトし、結果は24秒オーバー。盛り上がる会場。レイカーズはタイムアウトで遂にADのワンビッグに変更します。ちょっと遅かったね。
エイトンvsカルーソになったところを狙ったサンズですが、後ろからADがブロック。そして直前と同じ形でポストアップしたレブロンはとんでもないフェイダウェイをヒット。
さっきまで意味のないパス回しになっていたのに、タイムアウトで「お前が打て」と言われたのかな。続きオフェンスではレブロンのスクリーンを使ったシュルーダーからADの3Pがヒット。
そしてKCPはブッカーのドライブに対してボールを叩いてターンオーバーに。本日なんと0点のKCPでしたが、それでも起用される信頼のディフェンダー。ブッカー対応で結果を残したワンプレーでした。
で、これですよ。うーん、サンズが大逆転に向かっていたけど、終盤になってレブロン、AD、AD、レブロンで突き放してしまったレイカーズ。
残り3分から2人で14点を奪い取ったレブロン&AD。ブッカーは1人で10点奪ったのでスーパースターなのですが、人数で押し切られてしまったね。それはもうエイトンの伸びしろなのか、クリス・ポールの問題なのか。
◎大丈夫なの?
〇クリス・ポール
23分
6点
5アシスト
3ターンオーバー
「肩痛いんだろ?」とレイカーズに投げかけられていたようなクリス・ポール。4Qも普通に出ているので、単にペインの調子の良さをモンティが買ったのかもしれませんが、大事なところでブッカーだけになってしまった。
〇レブロン
23点
2P5/7
3P4/9
FT1/1
9アシスト
4リバウンド
しかし、実はこっちも肩が痛いんじゃないか疑惑。アテンプトの半分以上が3Pになり、ファールドローも出来ていません。リバウンドも少なく、コンタクトプレーを避けていた疑惑があります。
ヴォーゲルの作戦が成功した前半でしたが「サンズ対策」ではなく「レブロンがヤバい」だったの可能性も否定できない。リバウンドを任せたら危険だったのかも。
ってことで36歳のスーパースター対決。36歳にして全盛期みたいだから逆に「ロートル対決」と表現していましたが、マジでどっちもプレーレベルが落ちています。うーん、苦しいね。
喜んでいるのはマブスなのか。サンズが成り上がるストーリーがあった今年のプレーオフを掻っ攫うチームはどこになるのかな。
サンズは、クリスポールを諦める覚悟が要りそうですね。
キャムペインで行くしかないでしょう。
クリスポールは、数試合欠場して、回復すればラッキーくらいな位置付けにするしかないと思います。
これだけ使えないクリスポールを20分以上使って、この接戦ですから、まだチャンスはあるような気はします。
ビッグラインナップには、シャリッチはもちろんカミンスキーも使うべきだと思いますが、如何でしょうか。
もちろん、ディフェンスのリスクはありますが、とりあえずサイズは必要でしょう。
最後の最後にはルーキーのスミスを見たいです。
クリスポールは休ませて、カーター、イートワン使う方がいいのでは。
シュルーダー対策にはカーターが効くと思いますが。
クリスポールもgame1よりはマシだったので、何試合か休めば、また使えるようになるやもしれませんし。
レブロンも全然調子良いとは思えないので、アウェイでも一つ取るチャンスはあるかと。
今の状態のクリスポールを使い続けるのなら、1-4でやられると思います。
それも一手ですね。スターターをカーターにして、ディフェンス対抗する中で勝機を探す。ゲーム3ならチャレンジしてもいい気がします。
普通に考えて、あれくらいのケガなら戻ってこれそうなので、1試合休ませるのも悪くないかと。
でもカミンスキーはボコられるから、辞めといた方が。それはオフェンスで勝負するかどうかですね。
ブッカーにはハーデンになってもらって、クレイグ、ミケル、クラウダーを並べてみるとか。クリポの代わりをペインに求めるだけでは3勝もできない。。。ブッカーのスーパーエース化に期待です。
スーパーエースやるとは思いますが、終盤勝負に困りそうだからスタミナは残さないといけません。それが難しいんですよねー
語弊のある言い方かもしれませんがエイトンにもプレイオフモードがあるというのは大きな収穫でした。
常々管理人さんが仰られているように彼は相手を叩きのめすタイプこそではありませんが、それでもしっかり集中して自分の仕事をこなし、ドラモンド相手に細かな対応を加えながら展開していったのは見事と思うほかありません。
レイカーズもしっかり修正してきたものの、サンズもそれに対応して戦えていたので、ここからが非常に楽しみですね。
確かに、強気なプレーとかじゃなく、より安定して押し込んでますね。
それにしても、あのドライブからのリバースレイアップはビビった!
本当はこんな事も出来るんだぜ、というのを示しました。