ホークスvsサンズ

2021/3/30

ナゲッツ戦で「HC交代のショック療法が切れた」気がしたのでホークスを見てみましょう。今日の相手はサンズなので、ナゲッツよりも上位にいる強豪です。ディフェンスの良さとワンポゼッションのプレーをしっかりとこなすことで勝っており、ホークスの状態を確認するには良い相手かもしれません。

◎ホークスの状態

ホークスはHC交代からヤング&コリンズ頼みを辞めて、5人がフロアに広がって個人アタックしやすいようにしました。これで消えていたガリナリが個人技で点を取ることが増え、カペラなんかのアタックも出てきました。ボグダノビッチも自分が勝負するためのパスが出てくるようになったので、仕掛けやすくなっています。ただボグダノビッチについてはスターターになったので、ヤングの相棒シューターになるかもしれません。

これらの事は当初はバランスアタックになったものの、やっぱり突破しきれないことも多く、次第にヤングのひらめきパターンが増えてきています。それは純粋に後者の方がオフェンス力が高いからです。言い換えると【ディフェンスで耐えていたから成立していたバランスアタック】が、守り切れなくなるのでオフェンス力不足に陥りそうな感じ。連勝の時はロースコアでも勝てていたからね。

そのディフェンスについてはスネル・コリンズ・カペラで相手のキーマンを止めていくのが機能し、チーム全員のディフェンス意識も高まっています。「ショック療法が切れた」のは後者の部分で、気合も入っていた当初よりもディフェンスの激しさは失われがち。モチベーションの問題。

一方で前者については、最近がウエストのロードなので、単純にウエストのチームは「キーマンを止めに来たら他の選手が決める」形になっているので止めきれない。9連勝は弱い相手も多く、ヤングのディフェンスを隠せたけど、そんな甘くねーよ。ナゲッツ戦はMPJとゴードンのカッティングに粉砕されたしね。

ってことで、クラウダーの3Pが何本も生まれ、ミカルのターンシュートが決まれば、合わせのエイトンへのアシストも華麗に通り、サンズがイージーシュート連発で19-11となったところでホークスがタイムアウト。

サンズとナゲッツのオフェンスの違いこそあれど、ホークスのやられ方としては同じ。クリス・ポールやブッカーといったハンドラーを止めに行っては周囲の選手にパスを出されて決められる。これが出来るからウエストの上位にいるんだしさ。そしてマッチアップがヤングになったら、すかさずポストアップするミカルなので弱点を隠すことも許さないぞ。クリス・ポールのポストアップに対してはパスカットしたヤングだけどね。

◎そういうこともある

快調だったサンズですが、1Q中盤からシュートが決まらなくなります。そういうこともあるさ。それでも素早いトランジションディフェンスで穴を作らず、ディフェンスで耐えておき、ブッカーが決めればいいわけだ。

しかし、ヤング&コリンズのパス交換からカペラのダンクに繋げられるなど、サンズディフェンスもホークスの連携に苦しんでしまいます。ヤングのミスから速攻でレイアップを決めるシーンはあったけど、ブッカーがミドルも3Pも外してしまったこともあって反撃されてしまいます。

ベンチメンバーが増えてもクレイグのパスアウトからワイドオープン3Pになる等、形は作れているけど決まらず。リバウンド争いをしたサリッチの自殺点なんかもあって点差が縮まると、ハーターの3Pで残り1分で同点に。それでもクレイグがコーナーからドライブダンクを決めたので3点リードで1Qが終ります。

ところでクレイグ。ガリナリのマークマンとして何もさせないディフェンスを見せれば、スイッチしてハーターも守っており、ディフェンスリバウンドをしっかりとキープしました。ハードワーカーっぷりを発揮しているだけでなく、オフェンスではコーナーからのカッティングやドライブ。そしてパスアウトもしっかりとやるナゲッツ仕様。サンズにフィットしまくっています。

うーん、クレイグを起用しないのにタッカーなら解決するっていうのは意味不明。インサイドファイトが重要ならともかく、ヤニスがいるのに「クレイグじゃダメ」っていうバックス理論を全否定するかのようなプレーをしていました。タッカーはオフェンスでコーナー3Pとリバウンドくらいしかしないのに。

◎戻りゆくホークス

クレイグがカットプレーでリバースレイアップを決め、変わらずインサイド側も攻略していくサンズは、次第に3Pも当たりはじめサリッチの3Pで2Q開始3分で42-29と13点差になります。同点になってから15-2のランだよ。

マクミランは5人全員をベンチメンバーにしており、ハーターとガリナリで崩すことを考えているわけですが、単純に個人のディフェンス力で止め切られてしまいました。9連勝中の相手なら何とかなったけど、それじゃあオフェンスにならないぜ!特にウエストだと話にならないのだ。そんな課題を突き付けられた感じです。

ハーター以外をスターターに戻すと、そのハーターの3Pやヤング&コリンズで得点は動き始めます。ディフェンスで耐えれていればバランスアタックで良かったかもしれないけど、二桁点差だし、個人技は止め切られているから、やっぱりヤングからのオフェンスにせざる得ない。

でも、そのヤングの弱点であるディフェンスを狙って攻めていくミカル。うーん、見事に狙いを外されている。普段は3Pとカットプレー中心のミカルにヤングを当てたのに、この試合ではポストアップして狙ってくるんだもんな。ドライブしても高さを生かしてノンフェイクでジャンプシュートだ。

こうしてホークスがサンズ全員を守らないといけなくなったら、ブッカーがドライブフローターにカッティングレイアップ。エースが空いてしまって全く守れていないホークス。でも、ヤング中心に点は取れるぜ。ボグダノビッチのオフボールムーブで崩してしまうこともあり、ヤングのパスから軽やかです。

カペラとヤングがゴール下を外さなければ点差が縮まったかもしれないくらいオフェンスは頑張ったのですが、バランスアタックで崩されているので、サンズは楽にシュートまで行けます。そして残り1分、クリス・ポールのスティールから速攻でミカルのアリウープダンクが決まり、サンズが64-52と12点差で前半が終ります。

そんなわけで分かりやすい内容の前半でした。ホークスが抱える問題点と、最近勝てない事情。単純に言えば「サンズが強いからうまくいっていない」ですが、その中身はパワーで押されたのではなく、戦術的な理由で攻略されてしまったのでしたとさ。ただし、スターターのオフェンス力について言えばホークスも十分に対抗できるよ。

◎試合はわからん

もう後半はいいかなー、というくらいホークスは確認できましたが、ボグダノビッチのスティールからスネルが速攻を決める意外なスタートだったので続けてみてみましょう。左足のねん挫でコリンズじゃなくてソロモン・ヒルが出ているので、もう少し平面で抑えたいのかな。クラウダーのカットプレー&エイトンへの合わせで鮮やかに崩されているのは同じですが。

サンズは少しブッカーの割合が高くなります。これもナゲッツのマレーと同じだな。ホークスのマークが強い前半はパサーな感じだけど、後半になるとエースが増える。クリス・ポールもジャンプシュートを決め、でも時折ミカルのポストアップも混じり、もう「止めどころ」を失っているホークス。やっぱり後半は見なくてもよかったかも。

あとはサンズのシュートが外れることが勝機を見出せる方法かな。するとエイトンがゴール下ミスしてくれ、ブッカーのステップバック3Pも外れたので、ボグダノビッチとソロモン・ヒルが3Pを決めたので6点差に縮まります。間違いなくホークスの方により問題はあるけど、だからといって負けるとは限らない。

ハーターがアグレッシブにプレッシャーをかけていくディフェンスが成功し、トランジションが増えていったホークス。3Pも好調で一気に反撃します。ガリナリのドライブにナイトが合わせてダンク、ハーターのパスでディフェンスと入れ替わったナイトはファールドローで残り1分4点差まで詰めます。

劣勢になっても各Qの終盤で決めていくのがサンズですが、ギャロウェイのワイドオープン3Pが外れると、ボグダノビッチにドライブを決められます。それでもペインがミドルを決め、最後のホークスオフェンスを守り切って、なんとか4点差で終わらせた3Qでした。

ポジティブに言えばホークスのベンチメンバーがディフェンスを頑張り、攻守の切り替えを早くして反撃に成功したことになります。点の取り方もヤングはベンチなので関係ない。本当はこういうことがやりたいし、やれたから追い上げることが出来ました。前半とは違ったね。

全然関係ないけど、ブッカーのパパはガリナリとイタリアで一緒にプレーしていたという情報が出ました。ブッカーとガリナリの記念写真。コービー路線じゃん。

◎ラスト1分の攻防

サリッチがナイト相手に3Pを決め、ハーターが相手になるとポストムーブと使い分けていきます。ホークスはサンズの攻め方に対応できているわけじゃないからね。でもガリナリが3Pファールドローで取り返し、打ちあいの様相。いつまでも耐えられるわけじゃないので、ガリナリがワイドオープン3Pを外してしまったところで、ホークスはヤングを戻します。

ここでカム・ジョンソン、クレイグ、ミカルを並べてディフェンスを強めるモンティ。スネルのマークマンがペインになったんだけど、普通にコーナーに立っているスネル。そういうところが違うんだ。

しかし、サンズは強めたディフェンスの効果がなく、ヤングが3Pを決めるとガリナリも3Pで続きます。その後、ガリナリとスネルにワイドオープン3Pがあったけど、こっちは両方外れた。もう3Pオフェンスになっているホークス。ナゲッツ戦でもやっていたよね。

サンズはワイドオープンなら打つけど、基本は堅実な2Pを目指すチームなので、ゴール下への飛び込みをしていきます。ファールで止めるしかないホークスなのだけど、エイトンのフリースローミスで点差は離れず。しかもクリス・ポールが信じられないハンドルミスのターンオーバーしてくれたし。そのため4点差前後で推移していきます。3Pと2Pなので行ったり来たりはしているけど。

残り4分。ボグダノビッチのドライブからカペラのダンクが生まれると、ブッカーのキックアウトを受けたクリス・ポールの3Pが外れ、ディフェンスリバウンドからヤングが走ってファールドロー。これで同点になります。

前半を考えると信じられないような同点劇ではあるけれど、ちょっとサンズは3Pをミスりすぎたね。3Qの追い上げはホークスが良かったけど、4Qはサンズの問題って感じです。

タイムアウトのサンズはクリス・ポールのミドルを選択し成功。すると即タイムアウトのホークス。こちらはヤングのドライブからカペラのダンクで残り3分同点のまま。リードされてすぐにタイムアウトで取り返しに行ったので、マクミランは先行して終盤を迎えたい気持ちがありそうです。

しかし、珍しくカペラ相手にパワームーブして決めたエイトン。さらにクラウダーがヤングからスティールして速攻に行きます。でもここは必死のホークスが止めきります。さらにクリス・ポールに対してカペラとヤングで囲み、タイムアウトを強いるディフェンス。

試合終盤になったことでディフェンスのモチベーションが高まったような集中力とアグレッシブさでした。ディープ3Pじゃなくても勝つ方法を見つけないと!

ところがタイムアウト後はミカルがハンドオフとみせかけてのドライブ。サンズの作戦勝ちです。ホークスはせっかくタイムアウトに追い込んだのにスローインから2秒で得点されてしまった。
ボグダノビッチが3Pで返すと、ブッカーのレイアップを守り切ったホークスですが、今度はエイトンにプットバックされてしまいます。カペラがヘルプに出るとゴール下ガラガラなので、コリンズがいないことが響いた。

残り1分3点ビハインドのホークスは、タイムアウトからヤングがドライブするもエイトンのブロックを前にシュートミス。時間を使ったサンズはクリス・ポールのキックアウトからクラウダーが3P&ワン!

ということで最後も「ハンドラーを止めに行って周囲にやられる」という試合開始直後と同じパターンで沈んだホークス。何も迷うことなく周囲に打たせているサンズ。そしてサンズのディフェンスはヤングを止めに行きながらも、周囲も空けないことで凌ぎ切りました。

ウエストの上位チーム相手には戦術的な側面で通用していないことを感じさせてしまっている最近のホークスでした。イーストだともうちょっと楽なんだよね。サンズはずーーーっと勝っていないシーズンを過ごしてきたけど、常にこの環境にさらされていたわけで、これが西高東低を生み出していくんだろうな。勝ったのにロッカーに向かう間にブッカーとエイトンが何か言いあっているしさ。

ホークスvsサンズ” への2件のフィードバック

  1. クレイグが来たのは、かなり大きいです。
    ブリッジズとクラウダー以外にもストッパーが出来て、ディフェンスがぐっと締まりました。
    クレイグは、PGクラスからPFクラスまで守れるので重宝しますね。
    オフェンスは、あまり期待していませんでしたが、スリーも今のところ合格点以上、カットも上手いし、コーナーのプレイも上手いですね。
    すごくフィットしているように感じます。
    ネイダーがベンチから頑張っていましたが、膝のケガで休みがち。
    その穴を埋めて余りある働きをしていますね。
    ここのところ、シャリッチも研究されて来て、あまり得点を取れなくてなっていましたが、今日はスーパーダリオでした。
    個人的には、オルドリッジが来てくれればと願っていましたが、夢叶わず。
    それならばジェーンはと思うものの、それもダメ。
    ホワイトサイドは?ないですかね。笑

    1. ホワイトサイドは辞めておきましょう。
      スピードなさ過ぎて悲惨ですよ。

      ダミアン・ジョーンズがダメだったりとセンターについては、なかなか拘りがありそうなモンティなので。

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