ペリカンズvsグリズリーズ

2021/2/16

5割に届かず、8位に入れない両チームですが、今シーズンはプレーイン制度なので、ウエストはウルブズ以外は激しいプレーオフ争いが展開されています。直接のライバルをたたくだけでなく、実際にプレーインで戦うかもしれないし、いろんな情報を手に入れたいよね。

◎準備

開始からモーラント→バランチューナスでドフリーのゴール下が2本生まれるグリズリーズ。お得意の中央でのピック&ロールに対して、モーラントを警戒していくペリカンズですが、あまりにもあっさりとバランチューナスがフリーになっています。対策を何も考えてこなかったのか?

そしてモーラントはロンゾしかこなかったらイージーにファールドロー。3人目が来たらコーナーのブルックスへパスアウトして3P。ほぼピック&ロールだけで崩してしまうグリズリーズにタジタジのペリカンズです。準備不足じゃん。

一方でザイオンがポストに立つとパスを入れさせないために前にでるグリズリーズディフェンス。そこでザイオンはお得意のターンでアリウープパスを狙うのですが、これを逆サイドにいたバランチューナスがカバーするのでパスを出せないペリカンズです。準備しているわけじゃん。

ただし、アダムスが個人の強さでゴール下から加点すれば、ブレッドソーがドライブからパスアウトでイングラムが簡単に3P。これが2本決まると、今度はブレッドソーのドライブにヘルプが足りず簡単にレイアップです。戦力的に充実しているのはペリカンズって感じの立ち上がりなのでした。

シューターとなっていたイングラムですが、ザイオンとアダムスの両者がベンチに下がるとエースを始めます。両方下げてエルナンゴメスを起用するようになっているペリカンズ。カイラ・ルイスもローテに加わっており、ドライブと3P中心のオフェンスに切り替わります。豪華戦力ってこともあって、ここの多彩さはペリカンズのストロングポイント。まぁ終盤になってイングラム→ザイオン、ブレッドソー→レディックになると何をしたいのかわからなかったけどさ。

ドライブに対してはぶ厚いカバーで止めていくグリズリーズですが、エルナンゴメスへの合わせパスを通されまくります。つまり、この変化には対応できていないわけだ。ティルマンとクラークが並ぶのでカバー要員は揃えているけど間に合っていない。

ただ、ここでパスアウトしてフリーで打つコーナー3Pが決まらなかったペリカンズ。得点が伸びませんでした。形はちゃんと作れていたぜ。そして、終盤は形関係なくザイオンがモンスターアタックしたら得点出来ていたぜ。個人アタックを全面に出した方が強いっていう皮肉。

1Qはグリズリーズが32-29でリード。戦略的なのはグリズリーズだけど、個人能力によって戦術が複数用意されているのはペリカンズ。ただし使いこなせてはいない感じだけどね。

◎ザイオンとストレッチ

グリズリーズは次第に得意のペイント内を使えなくなっていきます。ザイオン、アダムス、エルナンゴメスとビッグマンを揃えているのでぶ厚くカバーするし、モーラントがコートにいないとピック&ロールでの崩しもイマイチ。カイル・アンダーソンがスティール速攻を持って行くくらいで、ちょっと苦しくなってきたのでタイムアウト。

そうなってくると3Pが頼りです。インサイドを厚くカバーする代わりに3Pを打たれまくるのがペリカンズディフェンスの特徴。ただ、ここにJJJがいればビッグマン同士のマッチアップで3Pを打てるけど、グリズリーズの場合はストレッチ系のビッグマンが不足しており、普通にガード陣が打つ形だからディフェンスのチェックが間に合っています。なお、そんなことを書いていたらバランチューナスのワンビッグにして、シアン・マクダーモットが出てきました。誰だ?

しかし、ディフェンスのインサイドが薄くなったのでザイオンにアタックされまくります。モンスター感を出していくザイオン。上手くいっているからかSVGはユニットを代えずに戦っています。ほぼザイオンのモンスターアタックというオフェンス。

カイルがディフェンスでボコられているのは珍しいですが、オフェンスでは逆にインサイドでファールドローしまくって、何とかリードを保ちます。ペリカンズはペイント内に4人くらいいるのにファールで止めちゃダメだろ。上手くいっているようで上手くいっていない微妙な空気。

そしてついにマクダーモットのコーナー3Pが出たので気が付いたら10点リードになります。ザイオン相手が苦しかったディフェンスだけど、そこを気にしすぎることなく、ストレッチ4で攻略したわけだ。王道だけどマクダーモットを信じた結果じゃん。

しかし、ペリカンズがスターターを戻してくると「使われる」ザイオンであっさりと点差は縮まります。イングラムがショートドライブでディフェンスを寄せてパスを出せばザイオンのダンク。外れたシュートはアダムスが競り合ってバランチューナスのテンディング。

さらに守ってもモーラント→バランチューナスの合わせをロンゾがカットします。何度もやらせるわけにはいかないよね。そしてイングラムのドライブからコーナーにキックアウトし、ハートの3Pで逆転するペリカンズ。

グリズリーズはモーラントがディープ3Pを決めれば、アダムスにマークされたティルマンをコーナーに置いて、クラークとのピック&ロールで再びドフリーを作るなど、モーラントによってオフェンスは改善したものの、イングラムのミドルなどで加点したペリカンズが63-58とリードして前半が終ります。

イングラムが8点4アシストでしたが、むしろ無理のないプレーで周囲に得点を促したのが光りました。ブレッドソーも4アシストと複数の起点を用意し、パスを受けたハートが15点、個人技も目立ったザイオンも15点。チームとしてはバランスの良いアタックになっていったよ。

◎ディフェンス問題

ハーフタイムでバランチューナスが空いてしまう件を修正してきたペリカンズ。必ず+1人がフォローに入るのかな。イングラムやザイオンがカバーしていくぜ。その結果、アウトサイドへのパスアウトから3Pを打たれまくります。でもゴール下でダンクされるよりはマシ。ワイドオープンだからといって決まるとは限らないわけだ。

イングラム、ザイオン、アダムスと次々にバランチューナスへのパスをカットしていきます。グリズリーズはいくらなんでも狙いすぎ。ディフェンスは完全にそこを気にしているのにね。

それでもカイルがコーナー3Pを決めるとモーラントは2人に囲まれながらプットバックで得点していきます。でも、ペリカンズもイングラムのパスアウトからロンゾの3P、ザイオンまで3Pを決めるし、ブレッドソーはドライブから鮮やかなパスをアダムスへ通します。

そしてイングラムの見事なスピンムーブで10点リードになるペリカンズ。グリズリーズ的にはオフェンス以上にディフェンスがズタズタになっているのが問題っぽいな。最大の懸念は単純に個人のマッチアップでやられていること。カバーにいってはフリーが生まれてしまいます。ってことでゾーンに変更しますが、やっぱりザイオンにやられてしまう。

ザイオンもイングラムも特殊な武器を持つ選手なので難しいのは事実。ザイオンにはカイルやクラークはスピードについていけず、仕方なくブルックスをつけるけどパワーで押し切られるし。とはいえ、やっぱりクラークが頑張らないとダメだよね。10回の勝負で5回やられるのは仕方がないとして、今日は10回やられている感じです。

頭が痛そうなタイラー・ジェンキンス。手を打ちたくても手持ちのコマでは限界がある。そして残り1分からレディックに3Pを連続で食らって101-81と20点差まで開いてしまいました。

◎戦力差

点差が開いたので、ここで1回勝負をかけるグリズリーズは、ほぼスターター。一方のペリカンズはヘイズをいれて楽勝モードにしています。ちょっと早いよ。案の定、バランチューナスに押し込まれるのですが、ザイオンがドライブ&ワンで取り返してくれます。さらに速攻からアリウープダンク。乗りまくりのザイオン。

じゃあ、まとめかな。とにかくザイオンが凄すぎた試合でした。全米放送でモーラントvsザイオンがクローズアップされた中で、ザ・主役を演じまくったザイオン。止められないスピードと、飛び上がったら抗えないパワーで1人で違いを作りまくり。

〇ザイオン
31点
FG13/16

これにイングラムやブレッドソーのドライブ、アダムスのインサイド、ハートの3Pと組み合わさるのだから、攻め手が多いし、それぞれが強力だし。グリズリーズとは戦力の違いがあることをみせつけ、それがオフェンスパターンの多彩さになりました。

毎試合こんなプレーをしていたら、この順位にいるわけがありません。そんな簡単じゃないんだろうね。特にセカンドユニットをザイオンに任せている感じなのですが、ここを止められると苦しそう。今日はロンゾまでがスクリナーになって「ザイオン頑張れ」って感じで上手くいったけど、パスは正確ではないのでザイオンを止められたら苦しかったでしょう。

逆にこの試合で上手くいったのはザイオンが6アシストとパスを出してもオフェンスになったこと。多くの起点が作れたことでグリズリーズはディフェンスになりませんでした。

ここまでやりたいことが出来る試合も珍しいので、ペリカンズが目指しているものを確認するなら見るのをおススメするレベルです。そういえばハンドオフしないね。試行錯誤して、現在地がここなのかな。

グリズリーズはやることはやったんだけど、ここまで守れない形が出てしまうと苦しいわな。カイル・アンダーソンのディフェンスが通用しないとなれば、手が打てなかった。とはいえウイングを減らしたのはイグダラとクラウダーをトレードしてからなので、そこをどうやってカバーするのかが未だに決まらなかったってことだ。

クラークが2年目で思うように伸びていないことと、JJJはいつになったらコンスタントにプレーできるのか。ガベージタイムにNAWやメリが出てくるペリカンズがうらやましいだろうね。1人くらい譲って欲しい。

〇モーラント
28点
FG12/16
8アシスト

モーラントはスーパーだったし、チームとしてバランスよくアタックもしていました。ただ、強烈なペリカンズの戦力に押し切られたね。もう一段階上に行くにはタレントを何とかしないといけない匂いがしたのでした。みんな良い仕事をするけど、戦略ごと変えてくれる選手は少ないもんね。

ペリカンズvsグリズリーズ” への6件のフィードバック

  1. 4Qでヘイズを投入したのはアダムスが身体に異変を感じたからだそうです。リードが詰まれば戻せる程度のものだったそうですが、明日も試合があるので温存したとのことでした。

  2. いつも楽しく拝見しています。
    グリズリーズは、戦力が足りません・・・。今の状況で、WESTで5割近く勝ててるのは、なかなかすごいことだと思います。HCとモラントのおかげです!!とりあえず、ウィンスローが今月合流するようなので、それからどうなるか楽しみです。

    1. ですね。よく頑張ってはいますが、誰かしら補強しておくべきでした。
      そういえば今日はベインもいなかったですし、総合力を発揮できないと厳しいです。
      JJJはいつになったら?

  3. ペリカンも色々模索していますね・・・
    ザイオンもいまはPG化してますし、イングラムも然り・・この二人はその時のメンバーによって役割を臨機応変に変えているようで見ていて楽しいです。
    ロンゾは相変わらず守備はいいですし、これでもう少しハーフコートのゲイムメイクができればいいと思うのですが。トレードの噂も絶えないので悩みどころですね。年俸抑えられるのならあと3年は見てみたいです。

    1. ロンゾは役割少な過ぎるので、でて行きたいでしょうね。弟が活躍しているだけに。
      ハートもいるので、このオフを考えるなら動く気がします。

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