ナゲッツvsジャズ

2021/1/31

連勝が続くジャズ。11連勝の中で最も苦戦したのがナゲッツ戦でした。なお、連勝は対戦相手にも恵まれているのでね。そのジャズに負けた後で5連勝したナゲッツ。前の試合ではスパーズに負けたけど、強さを発揮しつつあります。

◎MVPヨキッチ

試合開始から両チーム合わせて8本の3Pが全て決まります。軽やかなるボールムーブオフェンス。この中でキーになっているのがヨキッチのマッチアップ。ジャズはゴベアーではなくボグダノビッチを選択し、アウトサイドまでチェイスしました。これが上手くいって、簡単にはオフェンスにさせず、ナゲッツの3Pは難しいものが増えましたが、マレーやバートンが決めてしまいました。

そんなわけでインサイドでのヨキッチの押し込みも決まってナゲッツがリードします。マブスはゴベアーの高さをかなり意識してシュートミスしていたイメージですが、関係ないって感じのヨキッチ&マレー。ミルサップはダンクをミスしたけどね。

先にゴベアー&コンリーを休ませるジャズ。ここでフェイバーズが登場するとヨキッチは外でも中でも自由自在にシュートを決めていきます。フェイバーズでこんなにやられたら、どうすればいいんだよ。その後でゴベアーが戻ってきても関係なくペイント内を攻めたしね。

〇1Qのヨキッチ
22点
2P6/8
3P3/3

MVPヨキッチ。らしくないほどに打ちまくって、ナゲッツは43点まで伸ばしました。チームとしても、なんと3P8/8です。今シーズン1つのクォーターで最高得点。それをジャズのディフェンス相手に達成するかね。

ジャズの方も悪くはなかったのに、あまりにも決めまくるナゲッツによって霞んでしまいました。12連勝を止めるために、序盤からラッシュしたのかな。14点リードとなります。

◎止まらなかった2Q

未だNBAルールに慣れていない感じのカンパッソが3Pをミスするも、速攻で見事なアシストをMPJに通します。そのMPJはコンリーのチェックを無視するような3Pを決めて流れを継続します。バートンもゴベアー相手の3Pをヒットして20点差。

あまりにもやられるのでゾーンに変更すると、ジャマイカル・グリーンがハイポストでフリーで持てるものの、展開力を欠き始めます。今シーズンはさらにゾーンをするチームが増えたので、ポイント系ビッグマンが必要不可欠になってきたね。

ナゲッツの勢いに押されまくっていたジャズですが、自分たちの堅実なオフェンスは崩さなかったので、ゾーンで3本くらい止めれば点差は縮まります。15点差になったところでマレー&ヨキッチを戻すと、ゾーンを辞めるジャズ。ヨキッチだと厳しいからね。するとマレーが3P。どっちにしてもダメだった。

今度はナゲッツがアーリースイッチでゾーン気味に守って止めていきます。ドノバン・ミッチェルからマレーがスティールし、速攻でミルサップのダンク。これで再び22点差。一回は推し戻したジャズでしたが、マレー&ヨキッチの登場から一気でした。

ジャズは比較的マッチアップが楽なボグダノビッチの個人技で得点を繋いでいきます。MPJが相手ならドライブして、バートンが相手なら高さで3P。それぞれファールドローも交えているので、ここのマッチアップだけは強気に行けます。

そして再びゾーン。ヨキッチにゴール下を攻め込まれ、ミルサップに3Pを食らってしまいますが、なんとかマレーには打たせなくなりました。でもヨキッチには更に3Pを食らい、点差が縮められないジャズ。

〇前半のナゲッツ
2P14/27
3P15/17

決めすぎのナゲッツ。79-54と前半を圧倒しました。3Pだけで45点って・・・。ヨキッチは33点、バートンは5本の3Pをノーミス。この試合に賭けてきたような気合のいれよう(?)でした。

ジャズはドノバン・ミッチェルがいなかったマブス戦は、横断パスが少なく、その代わりショートパスの連続が目立ちましたが、この試合から戻ってきたことで、ボールムーブは止まってしまった気はします。そこに問題があるかは割と微妙なのですが、復活した横断パスが合わないことが多く、トータルではどう考えてもマブス戦のショートパスの方が良かったです。

◎反撃とヨキッチ

3Qで縮めておかないと絶望的な点差なので、ナゲッツのシュートが落ちることも祈りながら点を取りに行かなければいけないジャズ。でも後半開始からシュートが決まらず、なかなか追い上げられない上に、バートンにドライブを許し、ヨキッチにはオフェンスリバウンド、ミルサップにもゴール下で押し込まれてしまいます。28点差まで広がってしまう。

ナゲッツはジャズオフェンス対策をしています。4人がワイドに広がるジャズは、ドライブが多いチームではあるものの、個人技で仕掛けていくのは少なく、ピック&ロールを使って、スペースを構築し、ドライブとパスアウトを繰り返すのが特徴です。

ただゴベアーがスクリナーなので、ポッププレーは怖くない。インサイドにカバーを用意すればショーディフェンスを使って止めやすくなります。しかし、ジャズはここから両サイドの選手とハンドオフプレーが始まり、ディフェンスポジションをずらしていきます。ローテを連続させることで乱しておいて、さらにドライブとパスアウトに繋がっていくわけです。

このハンドオフに対しての対処を明確にしていたようなナゲッツ。ためらうことなくスイッチしていました。インサイドにはカバーが必要なので、当然、1人は空く選手が出てしまうのですが、そこを逆サイドに設定し、オフボールでのローテもお手の物。本来のジャズはドノバンから逆サイドに横断パスが出てくるのですが、本日は合わない。他の選手はいまいちパスが出てこない。

現象としてはプレーオフと同じ。じゃああの時のジャズはどうしたのかといえば、スーパーエースがスーパーエースをしていたわけです。ところが今日はスーパーにならない。パスアウトも読まれてバートンに奪われる。

まるでバートンのリベンジショーみたいになっている試合です。あの試合にいなかったバートンが攻守に効いてリードをキープするナゲッツ。しかし、3Q中盤からドノバンが3Pをヒットすると、ハイポストでプレーメイクに参加できるフェイバーズからコーナーのオニールにパスアウトで3P。ジャズの方も当時にはなかった武器で反撃すると、点差が縮まり始めます。

フェイバーズは前半にやられたヨキッチのアタックを止め、さらにイングルスとのピックプレーから合わせてダンク。3Pから崩して、インサイドでもフィニッシュ。ナゲッツのディフェンスが少しずつ遅れ始めてしまいました。あとMPJがちょっと反応遅くて・・・

これで10点差まで辿り着き、ジャズにも勝機が生まれてきます。23-6のラッシュ。

しかし、ここでヨキッチがポストアップからフェイバーズのファールを誘い出す。ファールには見えなかったけど、4つ目になって交代。ゴベアー相手のローポストからフリーになっているカンパッソをみつけてパスアウト3Pのヨキッチ。

ゴベアーもオフェンスリバウンドを取り返してファールドロー。コンリーのドライブからコーナーのクラークソンが3P、さらにクラークソンはもう1本3Pで取り返すのだけど、またヨキッチがローポストからファールドロー。今度はマレーとのピックプレーからハイポストドライブでレイアップ。

37-24と反撃した3Qでしたが、さらにいけそうなところでヨキッチによるポストアップで堅実に加点したナゲッツが12点リードを守って3Qが終ります。とりあえず追いつける範囲にまで持ってきたジャズだけど、そんなときに決まりまくっていた3Pではない形で展開しちゃうナゲッツも嫌らしい。

◎スモールとヨキッチ

ナゲッツのセカンドユニットはノービッグ。それをゴベアー相手にやるのはギャンブル的要素もありますが、ジャマイカルのコーナー3Pで幕を開け、さらにマレーがゴベアーを引き出し、裏のスペースに走りこんだジャマイカルへのアリウープ。見事にマッチアップの違いを使います。

一方でゴベアーはオフェンスでゴール下を支配します。ファールでしか止められないナゲッツ。こんなにオフェンスで目立つゴベアーって珍しい。フリースローの確率がイマイチだけど、ビッグマンだともっと下手な選手も多いしな。

ナゲッツはカンパッソがジャマイカルとのスクリーンでマークをずらして勝負します。見事にゴベアーを引き出してゴール下へアシストしたかと思えば、プルアップ3Pで外からも決める。これで19点差に広がってしまいました。

ヨキッチのローポストで押し込まれていた3Q終盤から、ノービッグでアウトサイドに引き出されてしまうゴベアーは不運というか、そんな急激な変化で守るのは難しいわな。

フェイバーズと交代して・・・というか、ちょっと慣れたことでナゲッツの勢いも止まります。なお、ナゲッツはそうなったときにMPJが個人で得点するのが強みですが、バートンがいるとボールが来ないことが多い。

ただ、今度は3Pが決まらないジャズ。点差もあってちょっと慌てたのかっていうシュートも増えたし、お互いのシュートが決まらず、時間が過ぎていきます。カウンターをくらうところでドノバンがクリアパスファールをしてしまったり、もうひとつ大きな波を起こすに至らなかったジャズで試合はナゲッツが逃げ切ったのでした。

〇ニコラ・ヨキッチ
47点
12リバウンド
5アシスト
3P4/4

MVPヨキッチは3Pがパーフェクトでしたが、追い上げられている展開では打たず、インサイドでしっかりと得点していきました。大量リードがある中でベーシックなプレーに終始したことで、大ケガするのを防いだといえます。見事な逃げ切り。それにしても決めすぎだけどね。

序盤に3P決まりまくってリードしても、後半に溶かしてしまうのが通常営業のナゲッツですが、その代わり試合運びは上手くなっていったよね。そんな良さが存分に出た後半だったと思います。

やはりポイントは3Q終盤。ここで勢いを止めることが出来たので、ジャズはさらに追い上げるエネルギーが必要になってしまいました。セカンドユニットが4Q序盤に点差を離したことも含めて、総合力で上回ったナゲッツでした。

これでジャズの連勝もストップ。まぁこういう日もあるさ。「ドノバンがダメな日は、チームメイトが好調な時」っていうのが通例ですが、本日は普通にダメだったドノバン・ミッチェル。

〇ドノバン・ミッチェル
13点
FG3/12

復帰して悪いプレーして連勝止まるとか、笑えないですが、今日はコンリーもクラークソンも悪かったので致し方ない。チームで3P20/47なのでアウトサイドは悪くなったけど、インサイドに攻め込めなかった。それはドノバン・ミッチェルの仕事じゃん。

ってことでMVPレースだと考えるなら、ヨキッチが大きく上回った試合でした。

ナゲッツvsジャズ” への4件のフィードバック

  1. またナゲッツの試合だわーい
    ありがとうございます
    今シーズンは腫れもののように扱われてたバートンが躍動し褒められててうれしい
    でもバートンと一緒だとMPJにボールが来ないなとは思ってました笑
    あとこちらのブログではよく名前を見ていたジャマイカル、いい選手ですねー
    よくナゲッツに来てくれました。争奪戦とかにならなかったのかな?
    あとあと前試合でスパーズに負けましたが、スパーズのマレーはいい選手ですね
    速いプリンスというかバスケをするために生まれてきたような体で一気にすきになりました

    1. ジャマイカルは、いろんな選手が決まった後でのナゲッツ入りでした。
      役割的にナゲッツがもっとも重要なものを与えることになったんだと思います。

      バートンは毒にも薬にもなるから難しいなぁ

  2. ここまでチームを仕上げてきたコーチQには敬意しかないですが、ちょっとワンパターン化してきたというか、ブーデンフォルツァー化してきたというか、自分たちのバスケに固執しすぎな気がします。11連勝しようが首位に立とうが、プレーオフが心配すぎるジャズファンです。

    1. そうなんですよね。ちょっと単調な気が。

      ジャズの場合はディフェンスの動きを見たリアクションなので、単調だけど止めにくい点では悪くないのですが、これがプレーオフでどうなのか。
      判断間違える選手がいることも含めて、なんともいえません。

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