レイカーズｖｓウォリアーズ

２０２１／１／１８

１Ｑからハイライトプレーが多く出ていて、なかなか面白い試合になっていきました。でも、全部触れたらキリがないよ。雑感スタイルだ。

◎シュルーダーが止められない

レイカーズはミスマッチを次々につくっていきました。ＡＤに高さのミスマッチを作るための動きをすることで、結果的にはシュルーダーのスピードのミスマッチが連発されます。とにかくシュルーダーのスピードを止められないウォリアーズ。

加えてレイカーズはワイズマンとガソルのマッチアップを狙ってきます。ルーキーごときにガソルの上手さは止められないだろ。まぁガソルはシュート外すんですけど。でも、ここも使ってマッチアップミスを誘導していく動きが多い。

そんなわけでウォリアーズはレブロンとＡＤを何とか止めることを考えているのに、そのほかでやられまくるからどうにもならない１Ｑでした。あまりにも困るのでゾーンにしてハーフラインからプレッシャーをかけてイニシアチブを取りに行きましたが、それも最後はハレルやＡＤのゴール下合わせで攻略された。

唯一、レブロンだけはウーブレイやリーが止めて、そこだけはなんとかなっていた。言い換えればレイカーズはウォリアーズディフェンスの狙いを上手く外していきました。

その一方でウォリアーズはカリーが決まらない。最優先で守るべきカリーを最優先で守って成功していたレイカーズ。ただし、ウォリアーズはベースラインの合わせは機能していて、ウーブレイもワイズマンもディフェンスの死角にはいって合わせるので、パスが出てくれば良い感じ。

カリーはブザービーター３Ｐを決めてなんとか１４点差に収めてくれたけど、警戒されている時には違うマッチアップからアタックしたかったね。クレイがいないことで注目を一手に集めていたカリー。

シュルーダーほどのオフェンス能力を持った３番手がいないウォリアーズなので、致し方なかったのかな。ウィギンズがもう少し頑張ってくれないと難しいのだけど、そもそもドレイモンドからパスが出てこないしなぁ。

◎スモール戦略

２Ｑのウォリアーズはパスカルのワンビッグ。つまりはスモール戦略です。アタック能力はあるけど、どうも使いにくいパスカルに引っ張らせるのは良い案ですが、ここにウィギンズを合わせなくなったのね。

パスカルのスピードはビッグマンには怖いってのもあって、少し収縮しているレイカーズディフェンスに対して、効果的にアタックしたのがウーブレイ。単純にマークのモリスをスピードで振り回せるってのもあります。

今度はウォリアーズ側がスイッチさせてのミスマッチ誘導を繰り返し、モリスを狙ったワナメイカーのドライブや、マシューズを狙ったパスカルのフィジカル推しで得点します。マシューズが押し負けているのも珍しいけどね。

レイカーズはレブロン、クズマ、マシューズ、モリス、ハレルのプチ・ビッグラインナップを敷いているので、ウォリアーズのスピードに振り回されてしまいました。だからといって高さの利を使える感じでもなく、レブロンがポストアップしたらワナメイカーにターンオーバー誘発されてしまうしさ。

そんでもってレブロンがディフェンスをサボっている。珍しいね。珍しくなったよね。レブロンがアウトサイドをチェイスしないから、パスを回すとワイドオープンを作りやすくなっています。お疲れなのかもしれないキング。攻守に精彩を欠いています。

これで５点差に持って行ったウォリアーズでしたが、レブロン→ＡＤになると、ＡＤはさっそくファーストプレーでパスカルをブロックし、そのままオフェンスではカルーソの３Ｐをアシスト。そしてポストアップからのターンでファールドローして、再び１０点差に。スモールなウォリアーズ相手にＡＤ無双。

ドレイモンドを戻すけど、パスカルが良い感じだからかそのまま残してみたウォリアーズ。２人並べたことでＡＤに簡単にやれることはなくなり、パスカルのパスアウトからドレイモンドの３Ｐもあって、ここまでは良かった。なお、ルーニー５分しか出ていない。

でも、ワイズマンを戻すと、またも狙われます。ここまでイマイチすぎたレブロンもワイズマンが相手ならスピードでイージードライブ。っていうか、気が付いたらミスマッチ作っているんだよね。

タイムアウトから今度はガソルでワイズマンをつり出しておいて、インサイドにレブロンのカッティングパターンを使うレイカーズ。上手いよね。１つに固執せず、でも連続性のあるオフェンス。ワイズマンをスイッチ誘導からスピードで振り回し、スイッチさせなかったらインサイドを空けて利用する。

最後もシュルーダーがスピードで振り切ってワイズマンからファールドロー。６４－４８とレイカーズが１６点リードで折り返します。マッチアップミスを作っておいて、スピードで振り回し、その上でインサイドの強みを発揮したレイカーズ。

ウォリアーズが対抗できたのはスモールの時でしたが、それだとスピードに振り回されないから、まだマシって感じでした。ただ、ガッチガチの勝負をするときにドレイモンドのワンビッグで対抗するのは難しい。便利なデュラントもイグダラもいない。せめてバーンズだけでも取り戻そうか。

◎大人のレイカーズ

後半もワイズマンを手玉に取るようにレブロンがチャージドローして始まります。ガソルはワイズマン相手のターンシュートを決めるし、狙っているよね。でも決まったのにレフリーにクレームしてテクニカルくらっている若いガソル。

その次のオフェンスではポストムーブをワイズマンに止められたけど、速攻に来たワイズマンからチャージドローしたガソル。これで５つ目のワイズマン。怒りを椅子にぶつけているぜ。ルーニー登場。

さて、これはレイカーズにとって良い状況なのでしょうか？
ワイズマンを狙いまくって成功し、スモールになると苦戦していた前半のレイカーズ。狙うべきワイズマンが出てこないとなれば苦しいんじゃないか？

後半開始からハッスルプレーで一方的な展開になりそうなのを救っていたウーブレイ。ＡＤのジャンプシュートに触り、シュルーダーのドライブをはじき出し、ルーズボールでガソルを追い抜いてマイボールにし、ドライブで抜け出してレイアップを決める。

ここで耐えていたことで、ワイズマンの交代から一気にウォリアーズが追い上げます。ルーニーのコーナー３Ｐなんてオマケもついて、点差を縮めると、ウィギンズのポストアップからパスアウトでカリーが３Ｐ。何故か誰もマークについていなかったカリー。細かいルーニーのスクリーンが効いています。

４分で１７－２のランを食らったレイカーズ。いろんな要素が混じっていたよね。特にシュルーダー。カモにしていたワイズマン相手のドライブがなくなったのに、ミスマッチを作らないままアタックしてしまいます。集中力を欠き始めたプレーというかガマン出来ないプレーでウィギンズ相手のドライブを失敗。ウィギンズのポストアップにはフロッピング。さらにルーニーとカリーのハンドオフプレーにもガマンできずに手を出してしまいファールコール。

アンラッキーもあったんだけど、こういうところで大人のバスケをするのがレイカーズの良い部分じゃん。代わりに若さで爆発みたいなことはないけど。でも、落ち着けなかったことで、乱戦に持ち込まれていきます。

ＡＤに対してもルーニーがマンマークでインサイドに侵入させず。代わりに目の前にドライブしてきたカルーソを無視していたけどね。とにかくＡＤにはリングから離れてもらっていました。それでもハレルがゴール下に入ってくるレイカーズなので、簡単には止められない。

３Ｑ残り３分でもレブロンとＡＤを並べたヴォーゲル。じっくりとハーフコートを作ることで、再び落ち着きを取り戻し、大人なカルーソのドライブからパスアウトでクズマが３Ｐ。クズマはさらにコーナーでタフな３Ｐも決めて再び１１点差に広げます。

うーん、完全に崩壊しそうな展開だったのに、自分たちを取り戻してしまったレイカーズ。大人。シュルーダーはちょっと甘ちゃんだけど、シーズン終盤には、こんな対応を身に着けるのかな？

ウォリアーズもカリー＆ルーニーのチャンピオンリングのコンビで取り返しましたが、逆転できそうな勢いは止められてしまった。最後も慌てないカルーソとレブロンのピック＆ロールで９２－８１と１１点差の３Ｑでした。

◎３Ｐ

再びパスカルのワンビッグでスモールなウォリアーズとプチビッグなレイカーズ。ただし、今回はカルーソがいてモリスは出さない。前半の内容を受けて修正しているヴォーゲル。

しかし、やっぱりパスカルを止められない。動き回ってからパスが出てきて、次々に得点していくパスカル。似たようなタイプ相手に苦戦するハレル。まぁデカいマルヤノビッチなんかを守るのも苦手にしているけどさ。前半同様に動き回るウォリアーズを捕まえきれないレイカーズ。３分でＡＤを戻してきたぜ。

ただウォリアーズ側もハレルを止められない。お互いにハッスルプレーのビッグマンで押し込んでいくぞ。８点差前後で延々と続いていきます。４Ｑ半分の６分が経過して１０５－９７。カリーをベンチに置いた時間帯に互角以上に戦えたのはウォリアーズとしては良かったよね。

タイムアウト明けにワナメイカーが連続でレイアップ。目を離していたのはまたシュルーダー。代わりにカリーから３Ｐファールドローしたけどね。

しかし、レイカーズは３Ｐがパタリと止まります。パスワークからフリーで打てているけど決まらない。こればっかりは仕方がない。好調のクズマも５０％オーバーのＫＣＰも外してしまった。ＫＣＰなのに５０％オーバーがおかしいのかな。

そんなＫＣＰがキックアウトを打たずにエクストラパスしたら、レブロンが激おこプンプン。実際にはエクストラパスでフリーになったクズマと、その次のシュルーダーの迷いの方が悪かったと思うけどさ。いずれにしても決まらないし歯切れも悪くなってきた。

ウォリアーズもそんなに上手くはいかず。カリーの３Ｐが外れていきますが、ファールドローで食いつなぐ。残り３分には１０８－１０６になっていました。３分で２点しかとれなかったレイカーズの問題だな。

さらにフリースロー後のレブロンのスローインをウーブレイがプレッシャーをかけてマイボールに。この試合、働きすぎのウーブレイ。レブロンを止め、シュルーダーを止め、ＡＤを止め、その上でドライブを決めて２３点を奪いました。イグダラとは全くタイプが違うけど、エネルギーをもたらしてくれる。

そのウーブレイがドライブレイアップで同点。ドレイモンドもドライブで続いて逆転。ウォリアーズディフェンスはペイント内を固めているくらいなのですが、レイカーズは次々とアウトサイドから落としていきます。さらに連続パスからレブロンに回ってくるとトラベリング。

タイムアウトのレイカーズ。レブロンが３Ｐを外すもＡＤがプットバックして残り１分、ウォリアーズのリードは２点。ここでカリーがステップバック３Ｐをヒット。久しぶりの３Ｐだよね。

〇カリー
２６点
２Ｐ５／１０
３Ｐ３／１２
ＦＴ７／７

イマイチだったカリー。でもレイカーズが外しまくっている終盤に重要な１本を決めました。なお、次のオフェンスで試合を決めに行った３Ｐは外した。決めきれない。

これでラストオフェンスで逆転のチャンスが生まれたレイカーズ。何故かシュルーダーがボールをコネコネして全く抜けず、あわやターンオーバーになりかけたのでタイムアウト。でも残り２秒しかない。

レブロンの３Ｐに逆転を託したものの、ドレイモンドが追いかけてきて、横にずれたレブロン。そこまで強いプレッシャーじゃなかったけど、体幹がぶれての３Ｐは決まらなかったのでした。全体的にお疲れだったねキングはＦＧ６／１６でした。

〇４Ｑのレイカーズ
２Ｐ５／１０
３Ｐ１／９

最後はシュートが決まらなかっただけといえばだけのレイカーズでした。この試合２９本の３Ｐを打ちましたが、３Ｑまでは８／２０だったのにね。ただ、やっぱり試合の流れとして追い込まれちゃったから決まらなかったんだろうね。

〇得失点差
ワイズマン　△１９（１２分５１秒）
ルーニー　＋１２（１９分２１秒）

レイカーズの敗因はワイズマンのファールトラブルでした。そこまではゲームプラン通りのオフェンスが出来ていたのに、ワイズマンがいなくなってルーニーが出てきたら困ってしまった。スティーブ・カーはそれでもワイズマンに拘っているのだから面白いけどね。プレーオフで勝つためには、このままじゃダメだもんな。

１９点のパスカルにも助けられ、ウィギンズとウーブレイのディフェンスで粘れたウォリアーズ。開幕前とは雲泥の差があるくらい改善しているので、もう３レベルくらい向上させることが出来るのかどうか。どうせクレイ・トンプソンがいないので、成長も重視したいなーって思っているんだろうね。

レイカーズはホートン・タッカーの使い時だったと思います。キングがお疲れだったね。でも、全米放送がある試合だったし、それも出来なかったのか。あるいは序盤のシュルーダーが良すぎて変更しにくかったのか。

まぁこんなこともあるさ。その程度の敗戦でした。