ナゲッツvsジャズ

2021/1/17

この対戦カードって楽しみにしていたのですが、コロナで無観客になってしまい、そういう興味は薄れてしまいました。プレーオフの激闘は言わずもがな。あれを受けて、両チームのファンがドノバン・ミッチェルとジャマール・マレーに、どんな反応をするのか楽しみにしていたのに。

あとジャズについてはホームゲーム初戦でフェイバーズがどんな迎え入れ方をするのかも楽しみだったのですが。残念ながらTwitterでの反応をみれば十分になっているのでした。

さて、そのフェイバーズを加えたジャズは、圧倒的ではないものの堅実にチームを浮上させてきました。個人的な感想としては「同じことを続けすぎている」なので、課題も多いのですが、まずは予定通りにフェイバーズ効果が出て、ベンチも含めた安定感を発揮しているといえます。

なお、今シーズン最大の特徴はドノバン・ミッチェルの時間・・・ではなく、コンリー&ゴベアーをセットにすることで、攻守に圧倒的な威力を発揮していることにあります。スターター、セカンドユニット①、セカンドユニット②みたいな3つのローテが上手くいっている感じ。

逆に上手くいっていない代表格がナゲッツ。理由は超シンプルに「守れない」ってことです。予想通りも予想通りすぎて笑えない。

〇ディフェンスレーティング
昨シーズン 110.4
今シーズン 112.5

これだけみると大したことないのですが、今シーズン最大の問題はスターターが守れていないこと。昨シーズンの数字が悪い理由が「ベンチメンバーになると極端に悪い」ことであり、ヨキッチ&マレーは108前後でした。

昨シーズンは試合展開に応じて、自慢のディフェンダーを並べることで、接戦に勝てるチームでした。つまり、トータルでは数字として守れていないけど、ディフェンスにパワーを入れる手段があった。それが今シーズンは、さらにオフェンス力を高めることで、なんとかしようとしています。何とかなってはいません。

〇ニコラ・ヨキッチ
25.0点
FG57%
11.4リバウンド
10.3アシスト

リーグでMVPに最も相応しいスタッツを残しているヨキッチ。オフェンスレーティングは120を超えています。でも勝率が5割にみたなきゃダメだよね。MVPに最も重要なのは勝つことさ。それも今のナゲッツだとリーグ最多勝が必要かな。

◎ハリスとボグダノビッチ

あのシリーズでドノバンが点を取りまくった理由の1つがゲーリー・ハリスの不在でした。ゲーリーじゃなくてギャリーの方がいいのかな。

最後に試合を決めたハリスのスティールもありましたが、本日もドノバンにドライブを許さないスタートになります。ファールコールされることもあったけど、自由自在に抜いていき、ディフェンスが下がったら3P決めまくっていたドノバンはおらず、抜けないし打てないスタート。

ドノバンが点を取りまくった、もう1つの大きな理由がボグダノビッチの不在。セカンドエースがいないことで、ハンドラーがとるしかなかった。ってことで、ドノバンは行かないけどボグダノビッチがドライブでねじ込んだり、フェイクからの3Pでジャズが先行します。

さらに、あのシリーズで好調だったけど、最後にシュートを落としたコンリーが、リベンジとばかりに丁寧な3Pを次々に沈めていきます。ディフェンスをベースにしながら、3P中心に得点を重ねて、良い感じのジャズ。

しかし、そのコンリー&ゴベアーがベンチに下がると、ボグダノビッチのところからミスが出てナゲッツに反撃されます。

うーん「クラークソンとコンリー両方ってのはキツイ」と書いていましたが、ここで起きている問題はプレーメイカー不足。イングルスがいないこともあって、ドノバン君スタートじゃないとオフェンスがしょぼくなります。でも、そこはナゲッツだって要警戒。超警戒。

それでも起点をドノバン君に戻すと、シンプルなパスからオニールの3P、さらにペイント内のフェイバーズに「ヨキッチばりの」パスを通すとフェイバーズは落ち着いて逆コーナーでフリーになっていたボグダノビッチにアシスト。

なお、ドノバン君は見事にドライブで抜いたらフリーのレイアップを外していた。ここから3Pの打ち合い。マレーが決めれば、ニヤングが決め返し、ドジアーが決める。

〇1Qの3P
ジャズ 7/11
ナゲッツ 5/7

なお、ジャズの4つのミスのうち2本がドノバン君。2点のみ。マレーはFG5/7の11点。でもボグダノビッチとコンリーが8点ずつを奪って32-31とジャズが1点リードでした。

プレーオフのお返しとばかりに、ドノバン君を止めたナゲッツでしたが、戦力の厚みが違うぜ。みたいな。

◎ガード過多

2Qのナゲッツはカンパッソ!
モリス、ドジアー、ジャマイカル・グリーン、ハーテンステイン、

3ガードラインナップですが、これが守れない要因でもあるよね。クレイグとジェレミがいなくなって3ガード。なお、MPJがいません。ボルボルも含めて、やろうと思えば大きな構成にも出来るんだけどね。

そしてあっさりと9点差にされます。3ガード以上にハーテンステインがどうにもならなかった。ガードの突破→合わせのパスを繰り返しても決められないんだもん。

仕方ない。苦しいからマレーを戻そう。交代したのは・・・ハーテンステイン。なんとジャマイカルをワンビッグにしたスモールラインナップです。

マレーとのコンビから、そのジャマイカルが3P。ストレッチするセンターにしたことで、流動的なオフェンスになりました。それは良かった。良かったのだけど、マレーの突破を中心にしているから、カンパッソの意味がない。単なるコーナーシューターになっていました。

ちなみにカンパッソはディフェンスを頑張っていたのだけど、ファールコールが怖い(慣れていない)からか、手を出すのを躊躇うシーンがいっぱいありました。ナゲッツの4ガードは足を動かして、実はそんなディフェンスが悪かったわけではないのですが、このスモールだとボールを奪いに行けないと苦しいね。

結局、ほとんど意味をなしていなかったガード過多のユニット。ジャマイカルのセンター起用はパスゲームのナゲッツには合っていて面白いけど、やっぱりウイングで固めたいぜ。ピストンズでジェレミがやっているようなアイソでもいいから混ぜたい。コーナーにはクレイグを置きたい。これは無いものねだりなのか?

残り5分になる前に、丸々スターターになります。こうしなければ耐えられないって感じのナゲッツ。ユニットの組み合わせが柔軟だった昨シーズンが懐かしい。

しかし、こうなると強いぜ。全然決まらないドノバンにも助けられ、タフショットを決めるマレー、セカンドチャンスを押し込むヨキッチで同点。そしてドノバンの3Pが外れたのに対して、マレーは3P&ワンで逆転。

マレーは更に残り40秒からステップバック3Pを決め、前半はナゲッツが58-53と5点リードでした。やっぱりフルメンバーだとナゲッツの方が強いかな。

〇前半の得点
ドノバン 2点 FG1/10
マレー 24点 FG9/16

圧倒したマレー。あのプレーオフの続きとしてはマレーが上回っている前半でした。しかし、あのプレーオフは「チームとして苦しい方が、個人で得点する必要があった」のでした。それはこの前半も同じだったかもしれません。マレーで行くしかなかったナゲッツ。

後半開始2連続シュートミスのマレー。「連続でミス」が放送席で話題になってしまっている。代わりに珍しくハリスが3P決めてる。しかし、ここからハリス、マレー、ハリス、ミルサップ、バートンと連続で3Pを外しまくり。1Qに決めまくった反動か。

でもボグダノビッチは決める。ディープ3Pも移動してのコーナー3Pも決めるから、3Pフェイクでディフェンスが集まりゴベアーへのアシストも決まる。これでジャズが逆転します。

困ったのでヨキッチ&マレーになるナゲッツ。簡単に再逆転するナゲッツ。ゴベアーが相手なのでリングから離れたところで決めていくヨキッチ。なお、ヨキッチはオフェンスリバウンドも取りまくり。っていうか、そこのマックスサラリーのDPOYの人はディフェンスで働かなければ、どこで働くんだい?

違いを作っていくヨキッチはマークがフェイバーズに変わるとゴール下に押し込んで決めます。ミルサップもインサイドプレーで続くのだけどハリスの3Pはやっぱり決まらない。そしてドノバンにファールドローされてベンチへ。

ここから楽になってきたジャズ。シュートが決まらなくて困ってはいたけど、シンプルに突破から崩せるし、ドノバンの3Pにマレーが飛び込んでくれてファールドローだし。逆転するよ。でも時間が来たから交代でベンチへ。

残り2分はヨキッチ劇場。疲れてしまったのか、凡ミスが出てきて、ディフェンスリバウンドのポジションが悪かったり、ボックスアウトしたのにゴベアーに奪われたり。その一方でミドルと3Pをしっかり決めて取り返すんだぜ。

最後にブザービーターを狙ったヨキッチの3Pが決まらず、ジャズが2点リードで3Qが終わります。苦しい方がエースが活躍するので、ヨキッチが活躍した3Qってのはジャズの方が良かったって事だろ。

再び4ガードのナゲッツ。今度は明らかに高さ不足の展開に。守れているのにニヤングにフローターを食らったり、リムプロテクターがいないからクラークソンのゴール下にやられたり。逆にカンパッソのレイアップはゴベアーの存在感によってミス。マレーのミドルはゴベアーがブロック。

そしてインサイドに侵入されるとファールで止めるしかないぞ。コンリーがフリースローミスしてくれたり、ドノバンが変わらず不調で助かってはいるけど、崩されてしまうナゲッツ。そんなこんなで、おかえりヨキッチ。戻ってきたら簡単に決めるし、ジャマイカルのダンクをアシストするし。

それにしても酷いぜドノバン・ミッチェル。1人でミスのオンパレード。マークが強いとか関係なく、パスはチームメイトと呼吸が合わず、ドライブすると半歩はいりすぎてディフェンスに引っかかります。ジャズが抜け出せそうなときに、エースがミスで点差が開かない。

一方で既に疲れている雰囲気のマレー。だから、またもヨキッチ。スーパースターが2人いる強みだよね。1人が疲れても、1人を残しておけば終盤まで持つ。完全にヨキッチ頼みのオフェンスになっているナゲッツ。

そんな中で、この試合初めてドノバンがタフショットを決めると、今度は2人寄ってきたのでフェイバーズに見事なアシスト&ワンで残り4分半5点リードに。全然シュートが決まっていないドノバンに2人も行く意味が分かりませんが、ナゲッツは怖くて仕方がないんだろうね。ジャズだってマレーは怖いもんな。

ナゲッツはヨキッチ以外がマレー、ハリス、モリス、ドジアーとスモール戦略のゾーンを敷きます。プレッシャーディフェンスが効くのですが、またもドノバンがドライブからタフレイアップ。それに対してマレーが倒れこみながらのゴール下。

ドノバンの3Pは外れるもゴベアーがリバウンドを抑えて飛び込んできたドノバンがダンクをアシスト。ヨキッチがアシストでドジアーのゴール下をアシスト。ヨキッチは更にゴベアー相手にミドル。

そしてハリスの3Pが決まって残り1分で1点差に。ちなみにこの間のジャズはゴベアーとコンリーが連続でフリースローミスでした。

当然のドノバン。ドライブは完璧に止められながら、ステップワークから見事なフェイダウェイを決めます。さらにオニールのドライブに間に合わなかったヨキッチがファール。このフリースローはちゃんと決めたオニールによって残り23秒5点差。

急ぐナゲッツでしたが、マレーの3Pは決まらず。ドジアーがオフェンスリバウンドをとったので、もう1本になった3Pは2人に囲まれながら決めるマレー。残り7秒2点差になったものの、スティールを狙ったディフェンスはオニールが見事に逆を取るパスを通し、ジャズが接戦を制したのでした。

〇ドノバン・ミッチェル
18点
2P7/13
3P0/7
4ターンオーバー

これしか出来なかったドノバン君。それでも勝ってしまったジャズ。現時点で両チームの力の差がみてとれるような活躍しないエースでした。試合後にマイク・マローンがドノバンに長くアドバイスしていたよ。

◎マレー&ヨキッチ

うーん、素晴らしかったね。よく頑張っていたぜ両エース。でも、やっぱり「頑張らないといけない」感じが強かったです。ダラダラと試合していた1年前が懐かしい。あの頃はダラダラしているのに勝っていたんだぜ。今はきびきびして勝てない。

悪い意味でスーパースターの誤魔化しが効いているナゲッツ。ディフェンス力不足だけでなく、オフェンス面でもチームオフェンスでどうしていくかが薄れています。ヨキッチがいればチームで連動して崩すし、マレーがいれば個人技で崩せるんだけど、そういうことじゃないじゃん。

以前はプラムリーに渡しておいて、オフボールムーブで崩したり、コーナーにいたクレイグがカッティングしてきたり、ビーズリーをフリーにするためのスクリーンがあったり。

今はハンドラータイプのガードが多く、オフボールプレーが少ないだけじゃなくて、スクリナーも少ない。それを誤魔化せてしまうスーパースターがスゴイといえばそれまでですが、物足りなさが残るね。

5割に届きかけていたので、そろそろ調整が終わったのかと思っていましたが、全然そうではなかった。ガード過多のロスターが失敗しているとしか思えないのでした。とはいえ、その割には良かったけどね。もっと酷いかと思いきや、カンパッソ以外は自分の仕事を明確に持っていました。

ジャズはまぁいいか。オニが面白い身体の特徴を持っているので、ディフェンダーとして開花するといいですね。オニールがオフェンス面でも、とてもよくなってきていますが、ディフェンスがPF担当にせざる得ないケースが多く、エースキラーやらないのはどうなんだろうか。

ベンチの安定感があるし、そこにはコンリー&ゴベアーに引っ張らせることで、良い感じにもなっています。ドノバン&フェイバーズ側のオフェンスはまだまだです。

中断を最初に引き起こしたこともあってか、対策が進んでいそうで、チームとしては割と健康なので、今のうちに勝っておきたいところです。その意味では大事な1勝になりました。

ナゲッツvsジャズ” への3件のフィードバック

  1. 別の試合ですが、NYKがBOSに30点差つけて勝ってました。一度もリード渡すことなく、完勝してて衝撃的でした。あのニックスが、、

  2. オニ君には超期待しています。去年のドラフトの2ndラウンドピック3人組から、サマーリーグで3p決めまくりで唯一本契約されましたし、今シーズンはイングルスが休みの時はプレータイム貰ってますし、The Salt Lake Tribuneによるとディフェンスのお勉強中らしいので、ダニグリさんみたいになって欲しいです。

  3. レポートお疲れ様です。ここ数シーズン、ハリスのスリーポイントの確率が低調なのが不思議です。ディフェンスにエネルギーを使い過ぎているのでしょうか。

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