2021/1/8
勝てないラプターズ。不調の原因は守れない・点がとれないと両面にありますが、ディフェンスレーティングは109なので普通レベルかな。もちろん、ディフェンスの良さがラプターズの強さだったので、これではいけない。でも1勝6敗なのに109なら、随分と良いレーティングだよね。
問題はFG43%のオフェンス。特にビッグマンがズタボロ。シアカムが決められないからインサイドに収縮させられず、結果的に3Pも確率が悪い。そして、そこからカウンターで失点するシーンが多い。それで109なんだから、守れているともいえます。
ニック・ナースはラウリーの代役としてパウエルをスターターに。そしてべインズの代役にレンをスターターにして臨みます。が、やっぱり開始からシュートミス→カウンターのセミトランジションが連発です。ディフェンスはオフェンスから。終わり方の悪さが足を引っ張ります。
◎カウンター
選手のやりたいこととHCの指向が合わなかったデビッド・イェーガー時代のキングスは、その問題とは裏腹に「選手が得意なトランジションゲーム」と「HCが得意なハーフコートオフェンス」をミックスさせて成り上が等としました。
ルーク・ウォルトンになって「選手もHCもトランジション」になったことで大失敗したのが昨シーズンです。今シーズンはACが入れ替わって成功し始めていますが、この試合はラプターズのオフェンスの悪さから得意のトランジションでリードを得ていきます。
加えてガード陣のハイプレッシャーディフェンスからスティール速攻も出ます。このディフェンスはACカラミアンになっての特徴ですが、ガマンが効かない若手たちの性格にもあっているのかも。もちろん、しっかりとカバーを用意しているよ。
こうして攻守に機能すると気持ちも良いよね。ハーフコートになってもアウトサイドでボールを回し、ハリバートン、ジョセフ、バーンズと連続で3Pを決めていき、8分経過で35-19と16点リードです。35点は凄いけど、19失点は普通なので、上手くオフェンシブな特徴を出せています。点差は3Pが決まっただけ。でも、こうしてリズムを掴みたいのがキングス。
どうにもならないラプターズは渡邊雄太が出てきます。藁にもすがりたいようなチーム状況。なんとか守ろうぜ。しかし、そこでハリバートンのドライブからバグリーがアリウープダンク。ヒールドの3P、
しかし、ここからキングスの3Pが外れ始め、連続でラプターズのカウンターになります。次々とカウンターを発動していくラプターズ。ハーフコートになったらダメダメなので、カウンター頼み。
そんな時に立ちはだかるのがハリバートン。お前は一体何なんだ?
立ちはだかり方も「連続3P」っていうね。チームが苦しくなり始めた時に決めちゃうのか。プレーメイカーかと思いきや、こういう時間にはスコアラーになる。ジャスト・イン・タイムな活躍で、少ないボールタッチでも試合を支配しています。
1Qは43-35と、”わずか”8点リードに。ハリバートンがいなければ逆転されていたかもしれません。
◎渡邊>シアカム
プレシーズンで良いプレーをした渡邊雄太。でも2ウェイ契約でした。なんでだろうね。そしてシーズンが始まると、何故かスタンリー・ジョンソンが先に出てくる試合もあったよ。
スタンリーはディフェンスの良い選手ですが、自分のマークマンを止める能力が強く、カバーとローテを繰り返すラプターズ流にフィットしきれていません。ニック・ナースの考え方なら渡邊優先のはずですが、ちょっとズレてきているよね。
しかし、この試合の1Q終盤からの反撃は、いかにもラプターズらしいカバーディフェンスでのスティールから生み出されました。スターターはアヌノビーのみで、スイッチも連発。何よりもトランジションディフェンスが劇的に良くなって無駄な失点が減りました。ラプターズっぽい。
「ラプターズっぽい」というのがスターターの時間に出てこなくなったのが問題なんだよね。
ブシェイが出続けていたのでシアカムと交代。そのシアカムがディフェンスでボールを叩いたのにファールコールされます。シアカムが激しくクレームするので、チャレンジ成功・・・なんだけど、チームは反撃できている時間帯に、チャレンジを使う意味がどれだけあったのか。ガマンできない選手が増えると上手くいかないのは、あるあるだよ。
渡邊がリバウンドに絡みまくり、流れを掴んだラプターズがフリンのフローターで3点差まで縮めます。見事なセカンドユニットのディフェンスでしたが、流れも切れたのでスターターにスイッチ。
するとスターターも流れにのって、ハードなディフェンスから、フリーになったシアカムの3Pで追い付きます。決まればカウンターも食らいません。渡邊がオフェンスリバウンドにも絡みまくってから、機能し始めたラプターズディフェンス。
そんなラプターズの流れを止めたのは、またもハリバートン。速攻に行くヴァンブリードのパスをスティールし、逆に自分たちの速攻にします。こいつ、なんなんだ。流れが変わりそうな場面で顔を出しまくるぞ。
さらに、ここで本日が誕生日のグレン・ロビンソンが出てくると、同じくハードなディフェンスでラプターズを止め、コーナーから3Pを決めます。この2人がコーナーから効果的にオフェンスに参加するのが印象的なキングスです。
そして、ヒールドを全く抜けないシアカムのミスから、ハリバートン→フォックスのダンク。シアカムにヒールドだけでなく、フォックスがブシェイを守ったりして、スモール戦略で上回ったキングス。どうにもならないぜラプターズのスターターは!
ラプターズも残り1分半で渡邊を戻し、スーパースモールにします。一番大きいのが渡邊。これで再び流れを取り戻したラプターズ。インサイドのスペースが広がってフォックスに切り裂かれまくるシーンもありましたが、74-71と3点ビハインドで前半が終わりました。
◎渡邊とスタンリー
後半はレンを辞めたラプターズ。そりゃそうか。そこにブシェイを入れたのはローテ的に良いのかどうか。ヴァンブリードの3Pで追い付くスタートです。なお、シアカムも悪いけど、プルアップ3Pばかりのヴァンブリードもなかなかの悪さです。サラリーに対してね。
しかし、問題はディフェンス。再びスターターになって守れなくなります。ただしくは「守れない」ではなく「ラプターズにしては足が止まっている」です。普通のディフェンスになっている感じ。
ラプターズが不調の隠れた理由は日程かもしれません。あのディフェンスを毎試合やるのは苦しく、しかも負けが続いているので、なおさらアグレッシブにいけないのかも。
ってことで、アヌノビーがファールで止めるしかなくなり、2分半で渡邊が登場しますが、早速フォックスの1on1にやられました。そんなに上手くいく事ばかりじゃないよね。フォックスの個人技で加点していくキングス。ただ、その後で渡邊はバーンズをブロック。
しかし、シアカム&ヴァンブリードもオフェンスを個人技で取り返します。やられてばかりじゃいられない。パウエルも3Pで続いて逆転のラプターズ。
ハリバートンがコーナー3Pを決めるも、ヴァンブリードがプルアップ3P
ヒールドも3Pを返すも、ヴァンブリードがドライブレイアップ
今度はヒールドがドライブフローターに、ヴァンブリードが3Pで返す
お互いにオフェンスが止まらなくなりました。特にラプターズ側はちょっと苦しくなってもブシェイの高さを使って決めきりますが、キングス側はそこに苦しみ少しずつリードが広がっていきます。
しかし、ベンチメンバーの火力はハリバートンとグレン・ロビンソンがいるキングスが上回るはず。そんな中でスタンリーも登場すると、渡邊と2人でハリバートンとグレン・ロビンソンを封鎖しに行きます。厄介なハリバートンは止めきれないものの、それでも見事に2人でキングスオフェンスを停滞させていく!
またスタンリーと渡邊はリバウンドやルーズボールに絡みまくります。ハードワークとエースキラーで9点リードになったラプターズ。スタンリーが居場所を見つけてくれるならうれしいぜ。ハリバートンありがとう。
残り2分で渡邊→シアカム。これでどうなったかというと、シアカムのミスから流れがキングスへ傾きます。トランジションで、シュートフェイク→パスフェイクで、スタンリーがはずれた瞬間に3Pを決めたハリバートン。さらにスティールから速攻へ。
それでも「ここが仕事場」とばかりにハリバートンに食らいつくスタンリー。ファールっぽいけどシュートミスを誘い出すことに成功し、3Q最後はシアカムが1on1を決めて、111-103と8点リードで終わりました。
渡邊の活躍もあったけど、必殺エースキラーの仕事をしたスタンリーの活躍が印象的でした。でも、ハリバートンを書きたい管理人にはありがたくない活躍でもありました。
◎劣勢で崩壊するキングス
マラカイ・フリンの3Pで10点差。キングスがこういう時にどうやって打開するのかは、まだ見れていない部分でした。キングスのオフェンスは
ポジティブに言えば「選手の距離を保ち、ボールがまわる」
ネガティブに言えば「ボールは回すけど、個人技頼み」
しかし、フォックス、バーンズ、バグリー、ハリバートン、グレン・ロビンソンとボールが回っている中で、アタックできる選手が揃っているので、形としては機能しています。ヒールドやビエリッツァには少し苦しい形です。
でも、このオフェンスって「苦しい時にチームで打開する」ことが出来ません。まぁエースが踏ん張れば良いのですが、フォックス君、そこはどうなの?
そして1Qとは逆の現象が起きます。次第にボールも止まり始め、個人で仕掛けたキングスオフェンスの終わり方が悪く、トランジション気味になったラプターズオフェンスにフリーが生まれ3P連発。さらにピックアップミスでアヌノビーがフリーでダンクに(ファールドロー)19点差まで広がってしまった。
フォックス君は、ここまでFG9/11なのですが、この場面ではベンチに下がります。で、またハリバートンが3Pです。こんなにシューティングが良い選手だとは思いもしなかったよ。
しかし、シューティングの良いルーキーガードといえばマラカイ・フリン。あっさりと決め返します。これに対してヒールドが3Pを連続ミス。さぁまとめるか。
◎リバウンドの戦い
この試合はお互いにシュートが決まりまくる試合になりました。でも、そんな印象はない試合になっていて、お互いのディフェンスがハイプレッシャーで戦い、その結果として抜かれるシーンが増えた感じです。
言い換えれば「待ちのディフェンス」では抵抗できないと感じでアグレッシブな守り方に移行していったわけです。特にラプターズは、もともとそんなディフェンスが持ち味だったので、自分たちのやりかたを思い出したような試合でした。
そうやって激しいプレッシャーをかけながら、リバウンドをキープできるかどうかが試合のキーポイントだったと思います。お互いにスペースを取って動くオフェンスになっていたので、リバウンドをキープ出来ればカウンターを発動できる。カウンターなら高確率で決まるよね。
そこに渡邊雄太の活躍は極めて重要でした。後半になって出てきたスタンリーも続いたので、ルーズボール&リバウンドで圧倒したのがラプターズの勝因だったと言えます。
言い換えるとラプターズのスターターはそれが出来ていません。なお、キングスのスターターも怪しいですね。
一見すると、ガソルとイバカの離脱が大きく思えますが、小さくはないけど、それだけで致命的になるはずもなく、ハードワークのカルチャーが消えている事の方が問題だったと思います。後半開始自でも思い出せていなかったので、深刻な問題であり、同時にこの試合で思い出すきっかけを得たかもしれません。
ラウリー、アヌノビー、ベンブリー、渡邊、スタンリーと、そんな部分を頑張れる選手を好んで集めているラプターズ。そういえばACがペイサーズに行きましたが、チームカラーは似ているもんね。
しばらく渡邊の出番はありそうです。
キングスは、どうみればいいのでしょうね。ハリバートンが大事なシーンで顔を出しまくり。ベンチからの大活躍がありながら、これで5割を下回ってしまった。それも3Q終盤から一気にやられました。多分、こうやって劣勢になった時間が問題なのでしょう。
ハリバートンを楽しみに観た試合でしたが、スタンリーと渡邊によって封じ込められたことで崩壊したのか。それともフォックスが復帰したことでハリバートンのプレーメイクが減ったことが問題だったのか。
もう少し観察したほうがよさそうですね。
3ピリでの停滞ですが、ハリバン・ホームズ・バグリーを並べるとペイント内が渋滞していたのが痛かったです。
バグリーを使うならホームズとハイロー、ハリバンを使うならスモールでフィニッシュ役にしたいです。
バランサーとしてビエリツァ、ゴール下のアンカーでホワイトサイドの時間を増やしたいですが、二人とも構想外な雰囲気なのが苦しいです。
(ユニットが悪い→スペースが無い→タフスリー、TO増加→停滞)という流れなので、ローテーションの改善は急務だと思います。
あとバグリー、ペイントのど真ん中でポストアップするの、本当に止めて欲しいです。バグリーをウッド化(ロールとポップのみに)したいですが、その気の無いHCです。
テレンスデイビスがディフェンスのローテーションミスを何度もやっていたことが気になりました。強度もさることながら、過密スケジュールだと戦術理解度も
向上が難しいのかもしれませんね。
テレンス・デイビスは今になって何してんだ?って感じですが、どうもチーム全体としてやりにくそうなディフェンスローテになっていました。
ある意味、渡邊がめちゃくちゃでも追いかけるのと、逆に自分のマークマン以外は追いかけないスタンリーってのがわかりやすいのかも。
トレーニングやディスカッションする時間も足りないのでしょうね
基本的にはバグリーとホルムズを別にしていますが、確かにバーンズも含めて2人にした方が良さげですね。
ただそうなるとハリバートンをスターターにするから、ベンチのやりくりが厳しいのかな。
ビエリッツァの使い方が悪く見えていて、本来はヒールドと同時起用で役に立つタイプ。
選手はいろいろいますが、組み合わせるのって難しいですね。
キングスはヒールドのハンドラーとバグリーのポストアップ。この2つがマイナスすぎるのでそれを辞めることが大事だと思いますね。
ヒールドはFG%.3P%共に35%でFGAは15本、対してタイリースはFG%.3P%共に50%以上でFGAは8本。バグリーはFG%が41%でFGAは12本、対してホームズはFG%が69%でFGAは8本。このバランスを変えないと厳しい。ホームズを活かせるタイリースをコーナーに張り付かせずにセカンドユニットのメインハンドラーに昇格させないと厳しいです。今日も2Q以降は3Q残り3分台までタイリースのハンドラーは無かったと思います。そこもクロックが苦しくなって渡されたのをホームズにアリウープで決めきりました。全部が判断の早さによるものですがそこに歴然とした差が有りますよね。
メインハンドラーの指標としてよりセカンドハンドラーの指標として良いと思うA/TOもヒールドの1.6に対してタイリースは7.3も有ります。ディフェンスもタイリース&ホームズの圧勝。どこからどうみてもプレー内容でも数字でも優先する選手が逆なのを示しています。ヒールドはシューター特化にしてバグリーはビエリツァと交代でベンチ要員に。ビエリツァならスペースは潰すことはないですから。バグリーはポストアップしようとするが全くポジションを取れずに時間だけを浪費します。ヒールドもP&Rの成功率が低すぎて話しにならない。フォックスの得意なスネークを真似てやろうとするんですがそもそも右利きだしスピードも無いドリブルも高いのでしょっちゅうディフレクションされます。この4人の序列を明確にしないといつまでもヒールドとバグリーのマイナスで5割りを越えられないでしょうね。
強いムーブを押し付けることでヒールドやバグリーが活きてくる筈です。
プレシーズンではヒールドのハンドラー化を辞めたのに、また復活してきていますね。
ヒールド用のスクリナーは絶対に必要で、それはバグリーやビエリッツァの仕事だと思います。
ところが、そういうセットがないので、選手任せなんだろうなーって感じ。
この中でチームオフェンスを作ってしまうハリバートンは化け物ですが、そこに頼っていると、なかなか勝率は上がらないですね。
オンボールキャラを増やしすぎたのが最大の問題なので、やっぱりどこかでトレードかな。
ヒールドの価値を自分たちで下げてしまったので、それも難しそうですが。