キングスvsブルズ

2021/1/6

とっても苦しそうだったブルズ。新HCなので作り直しで仕方ないよね。というところでウィザーズに勝つと、そこから連勝です。何かが上手くいったのか、弱い相手にでも勝つことでリズムを手に入れたのか。

とっても苦しそうだったキングス。しかし好調なスタートです。キングスファンに教えていただいたところによると、ACにレックス・カラミアンが来たことで、ディフェンスマネジメントがハッキリし、守れないヒールドでも成立するようなチームディフェンスを手に入れ始めているとか。

◎これがキングスか?

でも、キングスってバグリーのパパが「トレードしろ」と要求し、そこにフォックスのパパが「あいつをトレードしろ」と乗っかったとか。バグリー近辺の動向が怪しいらしいです。万能タイプのビッグマンを持て余しているのはルーク・ウォルトンらしいぜ。

そんなこともあってかPF起用です。噂はいろいろありますが、ホルムズがアウトサイドに引き出されても、バグリーがゴール下を固めており、ツービッグにしているのが、ディフェンス構築には役に立っていそう。さらに1Qからゾーンプレスみたいなことをしています。

おそらく「アウトサイドをしっかりとチェイスする」ようにして「抜かれてもカバー」を徹底なのだと思います。ホワイトサイドを補強しているし、ツービッグのメリットはそこだね。

ホワイト&ラビーンに外からシンプルに打たれてしまう事はあるし、インサイドで待ち構えてブロックに飛んでいるはずなのに、全く役に立っていないバグリーなんてシーンもあるので、「守れている」とは言い難いのですが、ラインナップの意味はしっかりと出ています。

もしも、このアウトサイドに良いディフェンダーがいれば、違いを生み出してくれるのでしょうが、スルスル抜かれているのも事実。代わりにオフェンスを頑張れよ、とね。ただし、ハリバートンはポジション万能なので、結構守れそうですね。

そのハリバートンはバグリーと交代で出てきます。ワンビッグになってしまったよ。そしてフォックスがジョセフと交代すると、そのままロッカーに戻り、戻ってきませんでした。右足のモモ裏を抑えています。これでスモールラインナップになりました。

ここからキングスとは思えない信じられないディフェンスになります。オフボールでのカバー&ローテが連続して繋がります。

ラビーンにはジョセフがマンマークを強めておき、ハリバートンやヒールドが細かくポジション調整を繰り返し、ペイント内とボールサイドの人数を厚くします。「これはホワイトサイドには苦しいのでは」と思ったらホルムズ→バグリーでした。それだけ平面でのカバー&ローテを重視しています。

ところが今度はビエリッツァも出てきます。うーんツービッグではないけど、ツービッグ気味。するとやっぱり2人がペイント内のカバー役で、3人がアウトサイドをチェイスしています。基本ルールは変わらないのだけど、選手のタイプに応じて重視するポイントを変えているのかな。

そんなわけで1Q観てビックリ。キングスらしからぬディフェンスの連動が発揮されました。マジビビるぜ!!

オフェンスはハリバートンとビエリッツァが目立ったくらいです。こちらは後半にでも触れましょう。フォックスいないので、ハリバートンがより目立っているのかな。スカウティングビデオでは「ドラフトで最も良いPG」の印象でしたが、そのままのプレーをSFのポジションで実行しています。それも驚きだ。

◎ホワイト&ラビーン

前回ブルズを見た時の感想は、サディアス・ヤングとガフォードの合わせによってチームが機能していくってことでした。ホワイトとラビーンがハンドラーとしてドライブでもパスでもプレーメイクしていくならば、欠場中のマルカネンよりもインサイドで合わせる選手の方が機能していました。

プレシーズンのホワイトは「良いプレーを構築する」ことを意識しまくっており、それが適度に自分のプレーを混ぜられない形になっていましたが、さすがに10試合近くなると、バランスを見つけ始めるのかな。あとマルカネンがいないと、ラビーン以外にはパスを出す必要が低くなったのも大きいかな。

そんなわけで2人を中心にしながら、インサイドを上手く絡ませていきます。やっぱり、あの試合で感覚を掴んだのかも。ベンチからはサディヤス・ヤングのワンセンターにして、インサイドを広めにすることで、ドライブアタックも成功していきます。

ただし、今度は「ちょっとホワイトがやりすぎ」でもあります。ラビーンがボールに触れないオフェンスが何度も続くのは、さすがにどうかと思うよ。そう思ったらラビーンがPGやり始めた。自分自身でもボールが欲しくなったんだろうね。

ラビーンはジョセフを抜けずに苦労している一方で、抜くことに拘ることもなく、シンプルなパスアウトをしていきます。・・・なんか気が付いたら、ハイポストでパスを経由するプレーは激減し、ラビーンのドライブ&パスアウトとホワイトの個人技連発になっていきました。

それはとってもドノバンっぽい。サンダーでよく見ていたようなオフェンスだ。昨シーズンのサンダーっぽいフロアバランスで、主張する選手がアタックしていく形。

それにしても、ずっと出続けているぞホワイト&ラビーン。前半のホワイトは21分18秒出ていました。アーチディアカノとサトランスキーが欠場しているせいですが、ケガ人が目立つシーズンなので、若手に過負荷はダメだよ。

前半のブルズは59点のうち33点がホワイト&ラビーンでした。2人でFG14/22だよ。決めまくったことで3点ビハインドで済んだ前半。ブルズは形になってきたけど、ちょっと行きすぎちゃっている感じです。さすがに2人に託しすぎ。

◎プレーメイカー

エンドラインのスローインでボールを受け取りに来たヒールドに対し、嫌そうにしていたバーンズ。それくらいハリバートンに任せたかった。後半はPGハリバートンでスタートします。

SF起用が多いハリバートンはオフェンス時にコーナー待機が多いです。しかし、シンプルなピック&ロールでインサイドに素晴らしいパスを出すし、ディフェンスが寄ってこなかったら華麗にフローターを決めてもいます。プレーメイク担当の方が向いています。

そしてジョセフと2人同時起用になると、キングスのオフェンスはチームになっていきました。おそらくフォックスと同時に出ている時も、そんな傾向なのでしょう。プレーメイカーが増えて良くなったのか。

コート全体を見えているハリバートン。ムリをするシーンが殆どなく、常にルックアップした状態で、こともなげにプレーしています。バグリーの3Pやホルムズのフローターをアシストし、リードを広げていくキングス。

ただし、ハリバートンのジャンプシュートは決まる匂いがしない打ち方。プルアップを打たされる形になると確率が悪そうです。ちょっとベン・シモンズっぽい。徹底してパスを出すようにしている。

そんなこともあってヒールドがプレーメイクすることも多く、展開的にはイマイチなのですが、ホルムズが柔らかいフローターで救っていました。その一方でブルズはインサイド合わせが皆無です。合わせていないのではなくパスが出てこないし、コンビプレーのパターンも少ない。

3Q7分が経過した頃にブルズはベンチメンバー+ラビーンみたいになります。ここでまたもサディアス・ヤングの合わせが連発。それまで消えていた連携が増え始めて、ブルズは逆転します。

キングスのディフェンスはカバー&ローテしているので、パスが2つ3つ連続で繋がると、どこかしらに穴が出来ます。ヤングはその穴を上手く使っている感じで、あまりにもアッサリとドライブを決めてしまうので、不思議なオフェンスに見えてきます。

さらに今度はカバーが出てきたところでホワイトのロブパスがガフォードのダンクに。ホワイトは自分でも浮かせたレイアップを決めていきます。3Q終盤はラビーンと交代で登場ですが、個人で突破させるとホワイトの方が上手いのかな。

キングスもグレン・ロビンソンがコーナー3P、ドライブからのアリウープパスと要所で効きまくって反撃。ベンチにも不安があったキングスですが、ハリバートンとグレン・ロビンソン、そしてビエリッツァとジョセフなので、かなり機能しています。

93-93で3Qが終わりました。どっちもベンチメンバーが出てきて戦えていますが、ハンドラーはホワイト&ラビーン頼みなのが苦しいブルズでした。対してキングスはウイングが上手くインサイドに合わせるパスを出していくんだよね。

ハリバートンとジョセフを並べるキングス。これで終盤に向けてローテが成立するのか?
ラビーンを休ませてホワイトに任せるブルズ。

プレーメイカー2人で構築されるのが苦しいと見たか、ブルズはゾーンにします。3Pフィニッシャー不足のキングスだったので、良い選択に見えましたが、ハリバートンがプルアップ3Pを決めてしまいます。早々にゾーンを辞めることになったブルズ。1本で決着させたぞハリバートン。

マンツーになってもハリバートン。緩急のドライブで常にパスを出すモーションから自分でレイアップ。

ブルズはホワイトの個人技ミドル。そしてヴェンデル・カーターがポストで粘ってダンク。ホワイトと交代したラビーンもドライブダンク。これでブルズがリードを奪います。

しかし、ここでもハリバートンがスティールから速攻ダンク。そして3Pで同点に。攻守にハリバートン。プレシーズンではコーナー待機だし、プレータイムもないしで、不運なルーキーだと思っていたのに、水を得た魚。ボールを得たハリバートン。

ハリバートン中心になっていくキングスですが、そもそも本人がパスを出していくのが好きなタイプなので、個人技で仕掛けているわけではなく、3Pも最後にボールが回ってきてのシュートでした。ハリバートンに吸い込まれていく試合です。

残り5分でキングスがリードを奪ったのはバーンズのドライブ&ワン。グレン・ロビンソンも3P。それをラビーンがドライブで返します。もうブルズはラビーンがもったら全部ラビーンが。ホワイトが持ったら全部ホワイトが。個人で好き勝手にやる感じ。

ホルムズがオフェンスリバウンドを粘りに粘って、エンドラインに倒れこみながら飛び込んできたバーンズにアシストし、6点リードにするも、今度はホワイトがドライブ&ワン。ホワイトは続けてドライブをねじ込み。

残り1分半でラビーンがドライブからファールドローして120-119の1点差でキングスリード。もう1Qと違ってキングスのディフェンスは機能していません。理由はあれを続けるのが難しいことと、純粋に抜かれまくるからです。ホワイト&ラビーンを止められない。

残り38秒。ホルムズのスクリーンを使ってプルアップ3Pのヒールド。後ろからブロックに行ったテンプルがファールで、4点プレーになります。

ハリバートン劇場だったキングスですが、残り5分切ってからはバーンズ、ホルムズ、ヒールドが負けじと決めていきました。特にホルムズのハードワークと堅実なショートレンジがキングスオフェンスを構築していた感じ。ハリバートンのパスによってホルムズのポジションが良くなり、それがチームメイトに波及しているかもしれません。

そして残り12秒。トドメはヒールドのパスアウトをうけたハリバートンがマークを外したプルアップ3P。最後はやっぱりハリバートン。3年前のベン・シモンズのような衝撃的な活躍でした。

◎変わりゆく

さて、キングスも変わったけど、それ以上にブルズが変わりすぎです。この「変わった」が開幕の頃と大きく違うって意味だからね。チームオフェンスを構築する気持ちが強かったホワイトが、昨シーズンみたいに自分でアタックしまくる形になってきました。

一体、なんでそんな風に心変わりしたのか。ホワイト本人よりもビリー・ドノバンの謎です。本人はケガ人も多くて、やりにくかったんだと思うよ。

しかしツーガードに頼りすぎなので、限界も大きい。サディアス・ヤングとガフォードがインサイドで踏ん張ってくれるのと、テンプルがいろいろ助けてくれるのに救われているけど、全体的にはツーガードがスーパーである前提です。ウエストブルック&ポール・ジョージみたいなね。

あまりにも(といっても数試合)負け続けたので、方針転換なのか。マルカネンがいないときだけなのか。あるいは、キングスのペリメーターが抜きたい放題だったからなのか。よくわかりませんが、これがブルズの目指す道ならば、パトリック・ウィリアムスは何をすればいいのだろうか?

1年前にハンドラー任せのオフェンスをしていたのがキングス。ヒールドまでハンドラ―にしてしまって、何がしたいのやら。ところが、フォックスが離脱した試合で堪能することになったハリバートンの存在が全てを変えてしまっています。

ちょっと興奮覚めないので、次戦もキングスを見ます。いや、ハリバートンを見ます。フォックスは大事をとって休んでください。興奮のハリバートンでした。

キングスvsブルズ” への3件のフィードバック

  1. めちゃ高評価ですねw
    開幕戦から観てるキングスファンは興奮しまくってます。欠場二試合で崩壊したディフェンスとセカンドユニットを復帰して即改善してしまいました。どこのスターかな?というプレー振りですよね。チームがガラリと変わってしまうほんと衝撃的なデビューです。
    去年はお笑いゾーンでしたが取り組んでいて良かったなと。
    24秒バイオレーションとか年一でしか見れないキングスですからねw

    1. ちょっとチームを変え過ぎです。
      初めはカラミアンでディフェンス改善が大きいかなーと思っていたら、どんどんハリバートンの存在が大きくなってきました。特にフォックスがいないことで、プレーメイクも増え、衝撃的な試合でした。

  2. 12/30のナゲッツ戦では、残り7:00で一度フォックスを休ませて、ハリバートンの時間にしてましたが、ホームズとのツーメンゲーム、バートンのアイソを止め、ミルサップからスティール速攻と、攻守に試合を繋いでいました。
    TO明けにフォックスにフェイスで付くバートンを見て、ホームズとのツーメンゲームでこれを攻略。
    3:20からはフォックス、ヒールド、ハリバートンのハンドラー3人にフェイスを仕掛けてきたDENでしたが、MPJの真上からロゴスリー。これで試合を終わらせました。

    DENのディフェンスを、ほぼ独力で攻略したハリバートンは、あまりに衝撃でしたし、フォックスを囮としても、クローザーとしても使うことができていました。彼がいると、戦術面以上に(選手の起用法が変わる)ことがハリバートン最大の魅力だと思っています。
    ファンとしては、怪我だけが心配なので、無理せずに頑張って欲しいです。

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