ブレイザーズの雑感

ｖｓロケッツ

ブレイザーズサイドから語ってみましょう。１つの記事が短くなりますが、本当は２つで１つなので許しておくれ。

ブレイザーズといえば、ファンの方が毎回コメントしてくれるのですが、いつも辛らつ。「そこまで辛らつじゃなくても・・・」と思うのだけど、指摘していることは正しいから、これまた何ともね。

そのファン曰く、「良い補強をしたけど、プレシーズンの内容は怪しかった」そうです。まぁでも、プレシーズンと本番ってどこのチームも別物じゃん。いくつか試して、本番はちゃんと調整してくるよ！って思っていたのですが、そうでもなかったよ。辛辣な意見は正しかったようなロケッツ戦でした。

ってことでマカラムの４４点により勝利したのに、ネガティブに書かれてしまうよブレイザーズ。期待していたからこそ、どうなってんのか疑問に思ってしまうわけだ。

◎ジャイルズを出せ！

お気に入りのジャイルズはＤＮＰでした。トレントも途中離脱したので、この試合におけるセカンドユニットは、それはそれは酷いものでした。それは個人の問題ではなく、チームとしての問題でした。

〇プレータイム
リラード　４１分
マカラム　４４分
ヌルキッチ　３５分
コビントン　３８分
デリック・ジョーンズ　３６分

カーメロ　２０分
カンター　１９分

オーバータイムにもつれたことでスターターのプレータイムは非常に長くなりました。まぁそれは仕方がないのですが、昨シーズンのスターターだったカーメロが２０分に抑えられています。もっと上手くローテ出来なかったのか疑問が残りました。

それは、まるまるベンチメンバーにするセカンドユニットの構成にも課題がありました。途中からマカラムが混ざるようになりましたが、そうなると更に変なことになっていったのです。

サイモンズ
（トレント）マカラム
フッド
カーメロ
カンター

なかなか豪華なメンバーです。だからこそブレイザーズは推したくなるチームですが、トレント離脱によって「どうやって守るつもりなんだ？」というのは誰もが疑問に思うでしょう。サイモンズを起用する必要はなかったと思います。ジャイルズ出せよ。

ただ、ディフェンス面については、わかっていることですし、それ以上のオフェンス力を発揮してくれるなら問題ありません。セカンドユニットだし、火力で押し切るのも１つの戦い方だ。

ところが、このメンバーは「個人で得点できる選手が揃っている」のですが、その一方で

誰がプレーメイクするんだ？

というメンバー構成にもなっていました。マジで全員が個人技中心の選手じゃん。マカラム登場により、目も当てられなくなりました。っていうか、マカラムが攻めていくので「周囲に個人突破できる選手を置く意味って何？」って感じでした。宝の持ち腐れだったセカンドユニット。

カンターのプレーそのものを否定することはありません。しかし、カーメロやフッドを両ウイングに置き、そこにマカラムも加わるのであれば、ＰＧトレント＆Ｃジャイルズが適切としか思えません。攻守にそっちの方が機能するはず。

とにかく「豪華なのに、強力ではない」困ったユニットになりました。ジャイルズを起用しなくてもリラードとヌルキッチを中心に、選手を交代させていく形ならばプレーメイカーになってくれたはずです。せめてベンチ＋リラードにしてくれ。

その結果としてスターターのプレータイムが伸びてしまったブレイザーズ。前途多難な開幕になっています。

◎逃げ切れなかった４Ｑ

前半最大１６点のビハインドがありながら、４Ｑに逆転し、残り２分２３秒に最大６点リードまで広げたブレイザーズでしたが、そこから追いつかれてしまいオーバータイムにもつれ込みました。見事に勝ち切ったからよかったものの、この４Ｑもいろんな問題がありました。

まず残り３２秒でヌルキッチがフリースローを２本ともミスしました。おいおい。

そんなシーンも含めてヌルキッチにはバブルのような気迫が欠けており、ウッドにはスピードで振り切られまくっていました。まぁバブルの気持ちになるのは難しいけどさ。１２６点奪われたのは、どうも番人的な要素をヌルキッチが醸し出せなかったことも関係しています。

同じくバブルを思い出しましょう。あの時のブレイザーズは守れなかった。守れないけど、驚異的なクラッチ力で誰もがシュートを決め、リバウンドを奪っていました。そこにカーメロがいたことは覚えていますよね。

しかし、４Ｑ終盤にカーメロの出番はなく、オーバータイムも出てきませんでした。まぁハーデンとウッドを止めたかった考えは理解できますが、４Ｑ終盤の「ワンポゼッション勝負」ならば、オフェンスのシーンでカーメロを起用するのはセオリーなのでは？

カーメロがどうしようもなく守れないならともかく、今はそんなこともないので、この試合の４Ｑ終盤に起用しないならば、この先カーメロは勝負所をずっとベンチで過ごすことになってしまいます。

どうも思っていたのと違う采配をしているテリー・ストッツ。かつてのハークレス＆アミヌの時と同じように見えるのでは、戦力を揃えた意味がないぜ。

基本のローテーションも、終盤の柔軟なユニット構成も、どっちも課題がありそうな起用法でした。

◎コビントン

そんなストッツの考え方で、もう１つ危ないのがコビントンの使い方でした。この試合は基本的にハーデンをデリック・ジョーンズが担当し、ウッドをコビントンが対応しましたが、デリック・ジョーンズがいない時間帯にはコビントンがハーデンのマークにつきました。

「ディフェンスの良いコビントン」という言葉に騙されそうですが、ガード相手のディフェンスはあまり上手くありません。どっちかというとヘルプなどで効果的に助けてくれるし、ロケッツ時代はリムプロテクターになっていたコビントンなのに、使い方を間違えている。

原点にあるのはトレントが離脱したことではあるものの、そこまでエースキラー役に拘るなら、もう１人はディフェンダーを連れてくるべきでした。サイモンズやフッドをロスターに残している場合じゃないよ。

またブレイザーズは、この２人をエースキラーに当てていると、リラードとマカラムのヘルプディフェンスが重要になってしまいます。それはムリだよ。

ってことで、せっかくディフェンスの良い選手を連れてきたのに、なーんか消化不良の試合でした。ゾーンを多用してはハーデンに切り刻まれたし、チームとしての守り方が衰退しています。

かつてはハークレスをエースキラーに置き、アミヌにはヘルプ中心に万能に活用したことで、リラード＆マカラムのガードコンビでも、上手くチームで守れていたのに、バランスの悪さが目立ってしまったのでした。

◎続・プレーメーカー

セカンドユニットには誰もいなかったプレーメイカー問題ですが、実はスターターが良かったかというとそうでもなく。ただガードコンビの高いシュート力によって構築されていただけでした。

〇３Ｐ
リラード　５／１３
マカラム　９／１６

他にはコビントンが４本のアテンプトがあった以外、殆どがハンドラーによる３Ｐでした。それでも決めまくるから特別なガードコンビなのですが、オフェンスの形という意味では機能していませんでした。

ヌルキッチとリラードのコンビは、２人で上手いプレーを何度も見せていましたが、まだまだコンビプレーの段階。ヌルキッチからコビントンへの見事なパスもありましたが、オフボールプレーは課題だらけです。

この問題についても２年前のシーズン前半は酷かったのですが、後半になるとオフボールカットが通り始め、気が付いたらヌルキッチはポイントセンターに近づいてきました。時間をかけて調整するのが上手いテリー・ストッツを信じるしかありません。

◎強くなれるのか？

リラードもスゴイし、マカラムはスーパーだったブレイザーズ。個人個人は悪くないものの、チームとしては酷いシーンを多発してくれたロケッツ戦でした。勝ててラッキーだし、やっぱり重要なのは戦術よりも個人能力だと言わんばかりの内容でした。ハーデンの４４点１７アシストも含めてね。

今のところ期待していた補強効果は殆ど出ていません。選手の起用法しかり、組み合わせしかり。課題が多過ぎて、どうなっていくのか見えないので、時間を空けてから再確認したいです。

なにはともあれ「ジャイルズが観たい」のでした。