まさかファイナルまで中2日だとは思いませんでした。イマイチ感想のないイーストのファイナルでもあったので、まとめるよりもファイナル展望が先な気がしていたところ、こんなコメントを貰いました。
プレーオフだけ見てる人間からするとヒートは、3敗しかしてないスーパーコンテンダーチームにしか見えないのですが、一方でレギュラーシーズンは5位だった訳で、RSとPOでのヒートの違い、成長してきた部分はどこに感じますでしょうか?
なるほど。なるほど。このテーマは「ヒートが勝ってきた理由」にもなり、ファイナルの展望にも繋がります。まずはイーストのプレーオフについて、相手の事は考えず100%ヒート目線で捉えてみましょう。なお、レイカーズで同じことはしません。
ただし、かなり不思議な結論が出てきます。
・ヒートの強さには論理的な理由がある
・シーズン中からやってきたことをプレーオフで表現した
・ラッキーで勝ったわけではない
こんな項目が並んだ挙句、それでも結論は
なんで、こんなに勝ちまくったのかはわからない
だったりします。おそらくヒートファンも同じことを考えていると思います。驚くべき要素は何もなく、シーズン中からしっかりと準備したきたことで戦ったとはいえ、いくらなんでも結果は出すぎています。
ちなみに、管理人の感覚的には今シーズンで最も多くの記事を書いたのがヒート。それだけ興味深い要素が多かったからです。
逆に書かなかったのはナゲッツ。これは「プレーオフになったら書きまくるから」という理由で控えていました。ナゲッツがプレーオフで勝つことを信じていたわけです。ファイナルに進めよ!
裏を返せばヒートはそこそこで負けると思っていたからシーズン中に書きまくっていたわけだ。間違いなく『面白い戦術・戦略』を用意していたヒート。それらをいかんなく発揮したプレーオフでしたが、だからといって勝ちすぎです。
◎多彩であること
ヒートが勝利した理由はこれが全てです。とにかく多彩でした。
これはヒートに限らず、今シーズンのプレーオフで明確になった「プレーオフで必要なこと」でした。プレーを読みあうプレーオフでは、弱点があると負けるし、そのためには多彩さは欠かせないってのは、過去からありますが、かつて・・・といってもレブロンキャブスの頃は、
ピック&ロールでスイッチさせてアイソレーションというプレーさえしておけばOK
でした。ほんの3年前くらいまでの話です。しかし、今ではそんなことで勝てないことはハッキリしています。主としてディフェンス戦術が個人・チームともに劇的に進化したからです。
この話をすると、長くなるので割愛しますが、とにかくヒートは多彩なオフェンスをしてきました。そして多彩であることは
・ディフェンスの弱点を利用する
・相手にプレーを読ませない
この2つが達成できたわけです。前者はバックス相手に効果的にヒットし、後者はセルツ相手に効果的にヒットしました。
多分、本当に、ただこれだけです。
バトラー、ドラギッチ、ヒーローと確かに個人の力で違いを作りましたが、それはヤニスやテイタム・ブラウンと比べて圧倒するほど上回っていたかというと、そういうわけではありません。圧倒的な個人で勝利したわけではないヒート。
一方で個人も3人が仕掛けるので多彩でした。これは意外な結果でしたが、やっぱりシーズン中もやっていた事なので「驚愕」とかではありません。
チームオフェンスが多彩
個人アタックが多彩
ただただ、多彩なだけで勝利したようなヒート。それは多彩なプレーの過半数が成功した不思議さもありました。ただし、
唯一の例外がアデバヨの存在
結局のところ、ヒートをマネしたくてもアデバヨがいなければ無理です。多彩なオフェンスを成立させたモンスターというアドバンテージをフルに活用したヒートでした。
では、そんな多彩さについて触れていきましょう。
ところで、思い出されるのは2年前のジャズ。優勝してもおかしくないくらい強かった理由は強固なディフェンスに加えて「ストーリー仕立てのオフェンス」にありました。これが今のヒートとよく似ています。ヒートについても試合開始からの多彩な形で考えていきましょう。
◎オフェンスストーリー
ヒートのオフェンスもストーリーを語るように、順番に攻略していく事で効果を倍増させています。多彩な戦術をもっていたところで、効果的にヒットさせるためには、上手くつないでいかなければ意味がありません。
隣り合う戦術が効果的に違いを作り、ディフェンスを困らせる。それが終盤になって止められない形になっていくのが理想的。ジャズはドノバン・ミッチェルの個人能力に頼って構築していましたが、ヒートの場合は最初から最後までチーム戦術で構築されています。
では順番に見ていきましょう。毎試合恒例のダンカン・ロビンソンから始まります。
①オフボール&3Pのダンカン・ロビンソン
・動き回るダンカンを止めるのは難しい
・ディフェンスを広げる
・チーム全体の動きを活発化
②インサイドへのカッティング
・広がったディフェンスの穴を使う
・ボールを止めたドライブではなく①と並行して狙える
③ドライブ&ビッグマンシューター
・ベンチメンバーと交代
・オフボール中心からオンボールプレーに切り替わる
・ドライブ用にインサイドを空ける
・ヒーローの個人アタック(+ドラギッチ)
・シューターがオリニクに変更
(最近はイグダラで代用)
④アデバヨ&バトラーのインサイド合わせ
・ドライブ活用は変わらないが、合わせ方が変更
・アウトサイドシューターよりもインサイド合わせ
・アデバヨとバトラーが交互に飛び込んでくる
ここまでが前半の大きな流れです。ベンチも含めて個性の違うスペシャリストを上手く組み合わせてチームとしての違いを作っています。
後半開始は①②をミックスさせることが多いですが、プレーオフになってドラギッチがスターターになったことで、少し違う形も増えてきました。王道路線が混じってくるのです。
⑤ドラギッチ&アデバヨのピック&ロール
・2つの起点を有効利用し、2人が近づいてプレーする
・ミスマッチ利用を増やす
・周囲はスポットシューター
⑥警戒が薄くなったマッチアップ利用
・いろんなパターンを使ってきているので、ディフェンスが抑えたいポイントは試合によって変化
・バトラー、ヒーロー、アデバヨ、ドラギッチのうち3人がコートにいると、どこか1つは楽なマッチアップがあるので個人技勝負
⑦クラッチバトラーとシューター
・終盤はバトラー中心
・ただし、シューター役がドラギッチ、ヒーローのため⑥も継続
大きな流れはこんな感じです。1つひとつもっと細かく触れたいわけですが、7つに分けたのを更に細かく触れたら、全体像が見えなくなりそうですので、辞めておきます。
いずれにしても、ヒートのオフェンスは極端に言えば「7つの異なる戦術」が1試合の中で登場します。ただし、②→③以外は隣り合う戦術が似ているし、併合されるので細かい選手交代やディフェンスの出方によって調整可能です。
また、この中で最も強力なのが①&②なので、ゲーム6では長時間カッティングばかりになっていました。ここを止めに来ない限りは、延々と同じことをやられることが多く、そこに1on1は存在しないので、チームディフェンスが出来ないチームや個人がいると崩壊されられてしまいます。
まぁ「戦術」っていうか「プレーコール」の違いでしかありませんが、ヒートはプレーを決めているタイプではなく、流動的に変更しているイメージなので、形を変えてくるオフェンスと位置付けています。
◎強いけど、強くない
これだけ多彩ならシーズンで5位は不思議かもしれませんが、こんなにいろんなことをやって常に成功するわけがありません。5位になった理由は「色んなことを試したから勝ち切れなかった」ということも挙げられます。
複数の戦術は「深さ」が足りないのも事実なため、読み切られると止められてしまいます。マレーやレブロンがいれば、最後は個人技で解決してくれますが、今のヒートにはそこまで頼れる個人はいません。いないからこそチーム戦術が伸びたともいえます。
特にイグダラとクラウダーを獲得した直後に負けが増えており、戦術が多すぎて新加入に理解が進まず、チームが機能しない時期もありました。
またプレーオフになって12勝3敗の割には、レーティング差が4.5しかありません。いろんなことをやって少しずつアドバンテージを生み出し、各試合で接戦を勝ち切ってきた結果の12勝3敗なので「圧倒」は出来ていないのです。ちなみに上位陣を並べると
〇レーティング差
レイカーズ 7.7
セルティックス 5.3
ヒート 4.5
ナゲッツ △2.4
10勝7敗のセルツにも劣るわけです。ただ、ナゲッツが異常だったので普通に見えてしまうのが悲しい所。そのナゲッツも多彩さが売りなので
「プレーオフで勝てるチームは多彩であり、圧倒しないからシーズンで負けることも多い」
なんていう事実もあります。両チームに共通するのはシーズン中から上位陣に強く、下位チームから取りこぼしている事でした。特にヒートの場合はイーストのプレーオフチームの中で負け越していたのは1勝2敗のセルツだけでした。多彩さは武器にもなれば、自滅の可能性もはらんでいます。
こうしてシーズンで試したことを、本番のプレーオフで実践したわけですが、だからといってプレーオフになって成功しすぎです。結論的には「上手く行き過ぎた」だと思っています。ペイサーズをスイープしたことが全てだったとも言います。
◎ファイターと多彩
多彩なことは素晴らしい一方で、ヒートが集めてくる選手は基本的にファイターばかり。それぞれがトレーニングに妥協しないため、フィジカルに厳しい上に、戦術も細かくて多いヒート流をこなせたといえます。
だけど、バトラーを筆頭に「器用なタイプ」は少なく、多彩な戦術を使いこなせるのか?という疑問があります。実際、ヒーローはスコアリングという自分の役割としては強烈に活躍しましたが、ドライブからの判断は悪く、多彩からは遠い位置にいます。
その代わり、ファイターとしてプレーオフの舞台で自らの力をいかんなく発揮しました。苦しい状況でも力を発揮できる選手こそがパット・ライリーが求めてきた選手達だったと言えます。
ヒートの選手は苦しい状況で輝けるファイター
これがプレーオフを支え、その一方で今回のテーマはこなせないわけです。だから勝つ理由ははっきりしているけど、こんなに勝つのは信じられないわけです。
ヒートの選手は個人レベルでは多彩な戦術・役割をこなせない
この問題を解決したのは、偶然のような必然のような出来事でした。ヒートには例外として個人レベルで多彩な戦術をこなせる選手が3人います。
アデバヨ、ドラギッチ、イグダラは多彩な戦術・役割をこなせる例外
この3人の中でアデバヨについてはシーズン中からやってきたことであり、超特殊なのでここでは除外します。そしてドラギッチとイグダラはプレーオフになってからのサプライズでした。
ナンのケガ → ドラギッチがスターター
これがヒートに起きた変化でした。もともとナンについてはシーズンでも試合展開によってはベンチに下げるので、スポルストラとしても既定路線ではありました。
それでも多彩さをキープするなら選手も複数使った方がよく、なおかつ①②はドラギッチの判断力は関係ないので、ナンがケガしなければスターターは変更しなかったと思います。
「ペイサーズにスイープしたのが全て」と書きましたが、ドラギッチの大活躍がキーだっただけに、ナンがケガしなければスイープはなかったような気がします。いくらなんでも成功しすぎたのは偶然の要素もあったわけです。
加えてヒーローがシックスマンに格上げされたことは、ドラギッチを楽にしました。シーズン中は個人技アタック担当の部分が大きかったドラギッチなので、負担が大きかったのですが、プレーオフでは状況判断が主たる役割になりました。
ドラギッチはあくまでもゲームメイカーとしてプレーすればよく、バトラーとヒーロー、そしてアデバヨを操ってくれました。「多彩であること」に判断力のドラギッチは欠かせない存在です。より洗練されたチームに変貌したプレーオフとなりました。
しかし、ある程度の既定路線だったドラギッチと違って、イグダラが復活したのはスポルストラにとっても予想外の幸運だった気がします。だって、ずっとクラウダーばかり使っていて、セルツとのゲーム2と3は7分しかプレーさせませんでした。
クラウダーの不調 → 多彩なイグダラ
にもかかわらずゲーム4から突如としてアデバヨの代役ディフェンスをこなせる空気を出し、ゲーム5では代役ポイントセンターを引き受け、ゲーム6では試合を決める4本の3Pです。突然のオールラウンドな活躍には、もう意味が分かりません。
予想外のイグダラがもたらした多彩さ
バックスのような弱点が多いチームと違い、セルツには大きな穴もなく、多彩なヒート相手にもアジャストしてきました。ところが突如として復活してきたイグダラによってゲーム6でシリーズを終わりにされたのです。
ここに関してはヒートファンも意外だったはず。最後の最後にジョーカーとして機能したイグダラはファイナル進出に大きな意味があったのでした。
ただし、イグダラを獲得した意味はオールラウンドな役割をこなしてもらうためなので、正しくは「最後の最後に予定通りの活躍をしたイグダラ」でもあります。
狙い通りといえば狙い通り。予想外といえば予想外。
◎多彩な個人アタック
7つ並べたチーム戦術の多彩さに対して、違う役割までこなせる選手は少ないものの、1つひとつの役割における個人のアタックもまた多彩なのがヒートの特徴です。そういう選手を集めたと言えます。
代表的なのは「シュートだけが役割」のダンカン・ロビンソン。やっていることはキャッチ&リリースのみ。しかし、しつこいくらいに繰り返すアデバヨとのハンドオフ、スクリーン利用で長距離ムーブ、スポットシューターなど、ありとあらゆる方法で3Pを打ってきます。
この動画で、その「多彩な3P」が紹介されています。役割は1つだけ。だけど多彩な形で役割をこなすわけです。
同じことはヒーローにも言えます。③、⑥、⑦で個人技アタックを求められるヒーローは、ある意味バトラーよりも個人で得点することを重視されている存在です。
3P、ドライブ、ミドルと多彩な得点パターンを持ち
ユーロステップ、ステップイン、サイドステップと多彩なステップワークで翻弄し
ストップジャンプ、ステップバック、フローターと多彩なフィニッシュスキルで決める
やれる役割は「個人技アタックでスコア」のみですが、その中身は多彩。だからこそヒーローが目立つことが多かったプレーオフでもあります。個人で決めきるから勝負強くて、素晴らしい。だけど、他のスコアラーたちに比べると役割が少ないってのも事実です。
ディフェンダーとしてのクラウダーやデリック・ジョーンズにも同じような特徴があり、「同じ2-3ゾーンなのに多彩」というヒート流のディフェンスに役立っています。ゾーンについては別の記事で展望しています。
この「個人技が多彩」にはバトラーも忘れてはいけません。
基本的にはほぼやっていることは同じのバトラーですが、さすがに役割は他の選手よりは多く、アウトサイドからのアタックもあれば、ディフェンダーとして止めきり、そして今ではオフボールのカッティング担当にもなっています。
ただし、バトラーの場合はひとつ1つが独立していて、その時々でやっている役割は1つです。今では「カッティング担当が最も怖い」バトラーになってしまったのですが、理由は個人技のヒーローと3Pのダンカンが得点で引っ張ってくれる事なので、自分スタートでプレーする必要性が低くなり、チームとしては上手に役割分担できています。こうして
「役割は1つ」だけど「1つの中でも多彩」なのがヒート
そこにドラギッチとイグダラという多彩さそのものが武器の選手による「判断力と柔軟性」が加わっているのがプレーオフのヒートです。それは全てシーズン中に準備されてきたものであり、上手く行き過ぎのプレーオフでもあるのでした。
◎戦術すら多彩にするアデバヨ
しかし、このモンスターだけは全てにおいて次元の違う存在として、ヒートをヒートとして成立させています。①~⑦までの中でアデバヨが登場しないのはベンチで休む③のみ。他は全てアデバヨが重要な役割をこなすのですが、これがまた「違う役割」を「多彩な個人技」で「高水準」に遂行しなければいけません。
①~⑦まででアデバヨがやっていることを併記してみましょう。
①オフボール&3Pのダンカン・ロビンソン
・ハンドオフでダンカンをアシスト
・スクリナーでダンカンをフリーにする
・ダンカンにアシストパス
②インサイドへのカッティング
・ハイポストでパスの起点
・ショートパスの交換でアングル変更
・パス&ゴーでカッティング
③ドライブ&ビッグマンシューター
・ベンチで休憩
・コーナー担当で高速カッティング
(プレーオフではやっていない)
④アデバヨ&バトラーのインサイド合わせ
・エンドラインの合わせ担当
・バトラーへのアシスト役
・ハイポスト起点&ゴール下空けておいてスピード合わせ
⑤ドラギッチ&アデバヨのピック&ロール
・ロールマン
・ショートレンジジャンパー
・高さのミスマッチでポストアップ
・両サイドへのキックアウトパス
⑥警戒が薄くなったマッチアップ利用
・1on1
⑦クラッチバトラーとシューター
・リバウンド&インサイド押し込み
それぞれの戦術によってアデバヨだけは役割が大きく変わり、しかも全てにおいて中心的存在です。⑦はリバウンドと押し込み担当になっていますが、それは常時行っている事なので、ある意味⑦が一番やることが少ないです。
ただし、少ないって事はリバウンドを取りまくることも求められています。役割が多いのに、それぞれで高水準を求められ、こなしてしまうから異常なわけです。
・ポイントセンター
・スクリナー
・エンドライン担当
・ハイポスト担当
・押し込み担当
・ショートレンジ担当
・リバウンダー
・ハードワーカー
などなど、現代センターで定義できる役割のうち「シュータービッグマン」以外は全てをこなしてしまうアデバヨ。そもそもがヨキッチみたいなポイントセンターをしているくせに、セルツのインサイドが弱いと踏んだらADみたいに押し込みまくるんだ。強烈すぎるだろ。
ヒートの戦術は多彩だから勝ってきた
多彩な戦術はアデバヨの存在があって初めて成立する
モンスター・アデバヨ。これだけ称賛しているにも関わらず、その本質は一言も触れていないディフェンスにあるのだから、語りつくせない存在です。
試合を決めちゃうテイタムか、チームをレベルアップさせるアデバヨか。
そしてこの2人がやるべきことは「スター選手としてのプレーをする」ではありません。「スーパースターとして試合を支配する」ことが必要なわけです。普通の良いプレーじゃあ足りないぜ。
スーパーにスコアリングするテイタムとモンスター化して支配するアデバヨ
これがイーストファイナルの展望に書いた締めの段落でした。勝ったのはヒート。試合を支配したのがアデバヨ。バトラー、ドラギッチ、ダンカン、ヒーロー・・・そしてイグダラと活躍した選手は様々だけど、それはチームをレベルアップさせるアデバヨがあっての「多彩な主役の顔ぶれ」だったはずです。
計り知れない23歳のモンスター。
36.3点のドノバン・ミッチェル
31点、10リバウンド、9アシストのドンチッチ
3P45%のマレー
25点のテイタム
1.5スティールのブラウン
23歳以下のルーキースケール達が大いに台頭してきたプレーオフでしたが、ファイナルに進んだのは18.5点、11.4リバウンド、4.9アシスト「しか」記録していないアデバヨでした。
多彩な役割をこなし、しかも1つひとつの役割において高水準のプレーをする「最もレブロンに近い男」がファイナルに挑みます。
次のテーマはこれかな。『完全体になったレブロンと最もレブロンのプレースタイルに近い若手の対決』
最後の最後でそれまでやってなかったセミトランジションのアデバヨアタックを見て背筋が凍る感覚でした。あれでさよなら美紀男ならぬグッバイタイス。セルティックスの心がボキッ!と折れる音が聞こえました。
あの3つのオフェンスはアデバヨの脅威を完璧に表現していましたね。
ポキっ!バキッ!グシャ! って感じでした。
アデバヨの機動力はADすら超えてますし、お前一体どこまでオールラウンダーなんだと…
ただ役割が多いと、レイカーズ戦のヨキッチのようにスタミナ切れと勤続疲労がね。ヨキッチも最後の2試合はボロボロでしたし、PJタッカーもヌルキッチもボロボロになりました。
結局、レイカーズ以外ではインサイドの攻撃力とスピードとパワーを合わせ持ったインサイドチームがいないので、負担が段違いなんですよね。あ、バックスはそれに近いかな。でもレイカーズはAD、ハワード、レブロンと三人いるから。この3人からの圧力でアデバヨがボロボロになる前に、ヒートが勝負を決められるかですね。
ヨキッチの疲労はハワードの件以上に、ゲーム7ばかりやっていたことと、クラッチタイムに個人でもやらされることなので、アデバヨはそこまで心配しなくても良いと思います。
・・・というだけで、異常なタスク量には変わりありませんが・・・
次回、アデバヨVSレブロンです。テーマは進化するモンスター
すごく良い記事でした
ヒートはディフェンスが良いから強いのかと思っていましたが、それだけでは勝てないですもんね
ヒーローの活躍が脚光を浴びていますが、紐解くと多彩で止めにくいオフェンス、それを支えるアデバヨなんですね
センターやPFもスリーを打てるようになれ、という流れのNBAに対してアンチテーゼみたいになってるアデバヨの存在は面白いです
「これからのセンターはヨキッチ基準で語られる」だったはずが、登場しちゃったアデバヨ。
ヨキッチも意外と3P打たないし、時代を書き換えていますね。
アデバヨが歳をとったらどうなるんだろう。という疑問がかねてよりありました。当初は「やはり身体能力ありき。シューティングという要素がなければキャリアが進むにつれ苦しくなるだろう。」と考えていました。
しかし、今回の活躍、そして管理人さんの記事、なによりレブロン御大(35)を見るに、「判断力が武器」タイプのアデバヨは形を変えながらモンスターであり続けると思えました。また、彼ならレブロン御大のようなフィジカル維持も出来るベースがあるように感じられます。
追伸 もしシューティングがあったら、、ということを考えると、ウォリアーズのグリーンのような緩いプレッシャーでボール回しが出来なくなる気がするのでシューティングがないのもまた武器かもしれないと思いました。
いつもお疲れ様です。
この記事を読んだ後、5月に書かれていたポイントセンター・アデバヨの記事を読み返しました。この試合の4Qでは、あの時から今POでステップアップしたことを感じられてとても興味深かったです。
レブロンに最も近い男と書かれてましたが、ネクストレブロンとして挙げられがちなシモンズドンチッチより、先にファイナルでレブロンに挑戦することになったアデバヨのプレーに期待したいですね。
あんなの書いてたの忘れてました。動画編集すると分かりやすいですね。アデバヨが正しい判断をするのがヒートにとって全てだと思ってます
良いサイズだけどショット成績がパッとしない2way上がりのロビンソン、強心臓だけどWSが短いヒーロー、鈍足で老兵のドラギッチ、8ヶ月近くプレイしてないイグダラ。開幕前・トレード直後はこんな評判だったのにピースがはまったのはバムの多彩性とバトラー仕込みのハードワークなんですかね。ファイナルに行くことまで計算して揃えたなら異常なスカウティングとしか言えないです。特にシーズンはバトラーにクロージング任せることが多かったのに、今ではそれほど目立たないのが通常営業になってしまって。たぶんそれだけヒーローの成長曲線が急激すぎたんだと思いますが。
「鍛えればこうなる」という先見性ですかね。ダンカンのNCAAファイナル見ると使われ方がちがいました。あそこからオフボールの達人になり、ディフェンスも穴にしないヒートのスゴさ。
スポルストラがすごくても、未だにパット・ライリーを褒めたくなるのは、こういう所ですね。先見性があるのは、ウエスト譲りなのか?
くぅー しびれるよーな記事ですね。わんニャン物語もあり、どストレートな分析&考察論 いやいや相変わらずワイノットさんにメロメロれす。フリ幅&深さのダブルパンチ。惚れます。
ヤニスは天敵アデバヨをライバルとして成長して欲しい。ブーデンフォルツァーじゃーハーデン化するだけの気がしますが。エンビートとKAT先輩は尻に火が付いてる事に気付いて欲しい。
HEATの「用意はずっとし続けた」事が東をうまく制覇できたのかな。アデバヨ まだ23か‥
23歳以下の若芽が蕾を大きくしている事の嬉しさと、35歳レブロン大魔王との戦いはおもしろい。大魔王に皆で挑戦だー!!!
お疲れ様です。
リクエスト応えていただきありがとうございます!
多彩と圧倒の比較は納得です。多彩だからこそ、失敗や取りこぼしがあると。
そして圧倒に最も振っているのがバックス…なるほどなあ。
ドラギッチの昇格もそうですが、グリズリーズとのトレード大きかったですよね。
クラウダーの3&Dはバックスを破壊し、イギーはセルティックスとのシリーズをクローズした。
こんなにシーズン中のトレードがハマった例ってあるのかな?って感じです。
管理されているレブロンも興味深いですが、圧倒的な個がなく、職人みたいなメンバー(しかも若い!)によるオフェンスを見せられると、ファイナルはヒートに肩入れしてしまいそうです。