セルティックス3-2ラプターズで迎えるゲーム6
ゲーム6です。負けたら終わりのラプターズです。ゲーム5も観てますが、感想あげてなかったな。短くて書き足そうとして、でも急激に忙しくなってムリでした。
大差がついたゲーム5なので、開き直るのは簡単ですが、代わりに何すれば良いのか分からなくなるのが大敗でもあります。ニック・ナースが叫べどもラウリーとアヌノビーくらいしか踊ってくれないラプターズなので、難しいんだろうなーと思ったら大胆なんだよねナース様
どうも開始からケンバにヴァンブリートが密着するボックス&ワンっぽいラプターズ。ボックス&ワンの目的って大きく分けて2つです。シューターに持たせないか、エース相手にマークをつけた上でカバー徹底。
確かにケンバは怖いかもしれないけど、ラプターズがドライブに困っている印象もないし、あまりにも密着するヴァンブリートの意味がよくわかりません。
なんせガソルがいて4人のボックスっていうと、コートを広く使うセルツに対抗しきれない。だってテイタム&ブラウンだっているんだぜ。しかもコーナー使うのがうまいセルツなんだから、ボックスが殆ど効かない。
〇1Qのセルティックス
3P 5/14
2P 3/12
とてもじゃないけど守る気があったとは思えないラプターズ。好きなように3Pを打たれた印象です。ケンバ以外に。そんなことを気にするケンバでもないしなぁ。ゲーム5で特別ケンバにやられた感じもない。全員がやられたからさ。「起点のケンバを潰せばリズムが乱れる」だって、別にケンバが持たなくてもいいし、PGスマートだしさ。
普通に考えてガソルがいてのボックスは愚策。でも愚策なのに考えたくなるのがナース様とブラッド様という魔力でもあります。で、なんとなく思ったのは「ラプターズの1Q」という問題
ラウリーの奮闘で何とか過ごしていたゲーム4までに対して、ゲーム5はついにラウリーを潰しに来たブラッド様とスマートに封じ込まれました。だから何かしないといけないナース様。大胆な策をとった理由は、本当にそのままで
「大胆な策を取りたかった」
のではないかと。選択肢を絞ることで選手がプレーすることを簡単にする狙いです。これだと3P打たれても仕方ないよね。それでいいじゃん!みたいな。特に開始直後は3Pが決まらない傾向があるシリーズなので、だったら大胆にやろうぜ。
プラスしてレイカーズのように速攻に移行しやすいのも狙いだったかも。走るのはアヌノビー。もちろんガソルは走らない。ゾーンから走ると選手の配置が決まりやすい。しかも3P打たせまくっているから、ロングリバウンドが増えているじゃん。
1Qは25-21でセルツでした。ナース様の作戦は成功したとは言えません。だけどゲーム5は11点しか取れなかったわけだから、それよりはマシじゃん。同じ事やっていたら負けるだろうとの予想の元で、大胆に行ったナース様。それは大胆であることに意味があったんじゃないかな。
これが2Qになるとブラウンがミドルレンジのジャンパーを連発するから、さらに正しかったナース様にも見えてきます。ミドルを打つ理由がなかったボックス。3P打たせておいた方がマシ。ボックスの方がマシ。まぁ偶然だろうね。
◎スモール合わせ
そしてシリーズ通じて好調ながら、ゲーム5には打たせてもらえなかったイバカが連続3Pで対抗します。これは何なんだろうね。ラウリーがタイスにスクリーンかけてシューターみたいにフリーにしてあげてたけどさ。
毎試合2Q終盤が働き場所のマット・トーマスですが、お呼びがかかるのが早く、試合に登場すると、シアカムのポストアップを中心に残りはシューターみたいになります。イバカ含む。どうしようもないエースにインサイドのスペースを与えることで復活させたそうです。
〇2Qのシアカム
0点 3アシスト
ダメでした。ダメでしたが、パスアウトは機能していました。あとマット・トーマスはマイボールになるとコーナーめがけてダッシュ。ボール奪われたらコーナーから全力で戻る。攻守に切替早ければ、運動量も豊富。アヌノビーと共にラプターズのエネルギーになっています。
そしてイバカがベンチに下がってもシアカムのワンビッグは継続。大胆だぜナース様。これでリズムを掴み始めます。タイス守っているアヌノビーがポイントなのですが、明らかにガソルより守れているよね。
この形はたまに出てはいましたが、あまり使えなかった理由は「テイタム担当はアヌノビー」というのがあったからです。ここではラウリーが担当していますが、基本はどっちかがテイタムであり、アヌノビーが止めてくれていたから、スモールラインナップは使いにくかった印象です。
2Qは27-27の同点。スモール合わせで同点。どう思うかは難しい。
セルツはゲーム5の成功もあるので、特別何かをしてはいなかった感じです。ちゃんとラプターズのやり方に対応はしていました。ただ、押さえ込んでいたはずのラウリーとイバカが普通のプレーの中でリズムを掴めてきた感じなのが、嫌な空気だったと思います。
◎シンプルに出せ
後半はガソルの3Pから。なんとシリーズ初の3P成功だそうです。マジでガソルがこんなんじゃなかったら、ラプターズがシリーズ終わらせていたかもね。決まらな過ぎたガソル。ラウリー、イバカについでガソルまでリズムを戻して来たら、ゲーム5と6の間にナース様は何をしたってんだ?
さらにシアカムのポストアップからヴァンブリートの3P。こちらは明確に改善を図った様子で、ブラウン相手に正対してドライブを止められているシアカムには、「もっと楽にパスアウトしろ」というプランにしている感じです。
そして開始6分で3P5/6と決めまくったラプターズが逆転します。
ここでセルツはケンバとテイタムの個人技を出していきます。もうボックス&ワンなんてされていないケンバですが、あれからリズムを掴めないのか、あまり攻撃的になれず。一方のテイタムはまたも止められていくのですが、それでも辞めzにアタックしていくと、次第に得点になっていきます。
3Q3つのターンオーバーをしたテイタムですが、9点3アシストも記録。ミスしても行くってのは大切なことだ。さらにアウトサイドからグラント・ウィリアムスが決めてくれるので、ラプターズの流れになってからも何とかついていきます。
ちなみにシアカムは自分で行くとやっぱり決まらない。だからパスを増やしました。テイタムはアヌノビー相手だとやっぱり決まらない。だからスイッチさせて勝負していました。どっちもシンプルな改善ですが、内容が異なった3Qは、ラプターズが4点リードで終わります。
多分それよりも、あんなに外しまくっていたガソルが決めたことが大きかったんだろうね。そして決まらないはずのグラントが決めまくっているプレーオフです。
そのガソルは残り2秒のオフェンスでイバカと共に登場するのですが、スクリーンでオフェンスファール。これが5つ目となりベンチに下がることに。それってセルツにとってメリットあるのかな?
◎ケンバとアヌノビー
4Qをスターターユニットで始めるブラッド様。なんとここから交代なしで4Qを終えました。かなり珍しい起用法ですし、あんなに決めていたグラントはプレーさせずにタイスを選んだことになるわけです。
オフェンスはケンバのスピードから最後はコーナーのブラウンが増えていきます。そのためにはスクリナーのタイスが必要という判断なのかもしれません。ブラウン、ブラウン、スマートと全てコーナー3Pで追い上げると、そのコーナーからブラウンがドライブキックアウト→テイタム3Pであっさりと、驚くほどにあっさりとセルツが逆転します。
完璧な4Qスタートを作ったブラッド様。4Qの攻防は大体ブラッド様が制しているシリーズ。抗えるのはラウリーくらい。またもクローズ負けしそうな匂いがしてくるわけですが、実はこの時間帯に休んでいたのがアヌノビー。
広くスペーシングして攻めるセルツ
広い範囲をカバーするアヌノビーが不在
まぁなんかこの影響が大きかったです。ガソルがいないから追いかけられるのかと思ったら、そうでもなかった。なんなら1Qのボックスの方がコーナーをチェイス出来ていたかもね。そう考えるとケンバのスピードを封じたボックス&ワンは論理的にも正しかったのか・・・。
アヌノビーが出てくると、その役割はタイス担当のセンター。イバカも下げてスモール対応にしたナース様。コートを広く使われまくっていたので、とにかく全員でチェイスすることにしました。見事にチェイスしていくぜ。
チェイス&ローテを繰り返したスモールはリバウンドに弱いわけで、それはシーズン通してラプターズはわかっていることですが、ここでもアヌノビー。4Qだけで7リバウンドでタイスを無効化しました。エースキラーやったりセンターやったり忙しいディフェンダー。昨シーズンのレナードそのまま。
だけど得点が取れないぜ。そう思ったらラウリーが個人技のプルアップ3P連発で救います。スモールの意味がオフェンスではあまりなく、ただの個人技。ディフェンスは効きまくるってのがラプターズらしさ。
◎ゲーム3
残り5分を96-94とラプターズ2点リードで迎えると、ここからひたすら守りあいます。
「そもそもラウリーの個人技だったじゃないか」のラプターズはマジでオフェンスがどうにもならない。アヌノビーがショートレンジ決めたくらいで、シアカムの1on1はブラウンとスマートがシャットアウト。どうにもならん。
クラッチに強いブラッド様ですが、今シーズンはケンバ&テイタムに託すのが基本。ヴァンブリートにチェイスされるケンバは自由がないし、テイタムは動きに乏しい上に何故かアヌノビー相手にしちゃうから攻められない。決めたのはそのアヌノビーがカバーに出ていったときにインサイドのタイスを使ったスマートのパスと、タイスのオフェンスリバウンドの2つのみ。
これで残り2分で98-98に。
当然ラウリーをぶ厚く守りに行くセルツなので、ラウリーはヴァンブリードにアシストパスを通しますが、ヴァンブリードは決められず。リバウンドをアヌノビーがキープしたけど決められず。そしてタイムアウトからのシアカムレイアップもブラウンの前に落ちます。
セルツはケンバがハーフラインまで下がってスペースを作り、逆サイド側までもっていきながらの長い距離を使ったドライブでヴァンブリードを抜いてレイアップに行き、混戦の中でファールをアピールするけどノーコール。
残り2.2秒でスローインはラプターズ。ゲーム3の再現はせずスロワーはガソル。うーん、よくわからんぜナース様。その選択ってすごい話だよね。これがアヌノビーのアリウープになりかけるのですが、空中でテイタムがファール。シューティングファールにならなかったのでナイスファールとなり、残りコンマ8秒で今度こそゲーム3の再現したら「本来ボールを持つはずだった」シアカムが放り投げることになり決まりませんでした。普通です。
ということで残り5分が4-2というスーパーな守りあいであり、決めきれなかった個人技でオーバータイムに行きます。
セルツはゲーム3にシアカムに持たせればよかったのにね・・・
◎オーバータイム1
オーバータイムもメンバーは同じ。スターターを伸ばすぜブラッド様。だからアヌノビーをセンターにするぜナース様。タイムアウトではイバカから守り方をレクチャーされています。
ラウリーとのミスマッチを使おうとするテイタム。抜こうとしたときにラウリーがファールでボールをこぼさせると、テイタムが振り払ったひじがアヌノビーの顔にあたってテクニカル。これでラプターズが先制します。
逆にラウリーもケンバとのミスマッチ(?)で押し込んでターンシュート。またラウリー。ほぼラウリーしか決めてないぞラプターズ。パスアウトしたら迷って3P打つから決まらないシアカム。
セルツはブラウンがドライブからダブルクラッチレイアップをねじ込むと、ケンバはスピードで振り払ってゴール下のタイスのダンクに。ケンバとテイタムから始めるのは良いけど、パスを出した方が確率が高いセルツ。そう思ったら、ケンバがステップバックミドルで残り2分3点リードにします。
戦力差でセルティックス。そんな空気がしたオーバータイムですが、ヴァンブリートがドライブから逆サイドのコーナーにキックアウト→パウエル3P。今度はコーナーからドライブしたパウエルがファールドローして、残り1分半でラプターズが2点リード。
テイタムのドライブはぶ厚いカバーに阻まれるとパスアウトも読まれて奪われます。ヴァンブリートの3Pが外れて得た次のチャンスはケンバが3P。これも決まらず残りは40秒。
決めれば勝てるラプターズはヴァンブリードがケンバ相手に仕掛けて、リングにあたりもしないレイアップ。はい?
このリバウンドからブラウンが持っていってシアカムのファールを引き出します。まだボーナスじゃないので、タイムアウトのブラッド様
残り19秒のスローインは4Qのラプターズと似たプレーでブラウンへのアリウープ。これをファールしたラウリーですが、今度はシューティングファールのジャッジです。うーん、正しいジャッジにも見えるけど、奇妙にも見えます。ボールキャッチ前に押したらフリースローじゃなくて、キャッチ後ならフリースローなの?
ラプターズはラストプレーでなんとパウエル。相手がケンバなので面白い判断でしたが、3Pは決まらず。これが決まっていればゲーム3のアヌノビーに続く、すごい判断だったでしょう。ヒーローになり損ねたパウエル。ヒーローから外されたシアカム。
◎オーバータイム2
ダブルオーバータイムも同じユニットのブラッド様。全員が4Q開始から出続けています。ラプターズも似たようなもんだけどさ。なんかこういうところが今シーズンのブラッド様だよね。マジック発動しないで勝ちに行っている。パウエルを選んだナース様と対照的になってきた。
ブラウン相手にドライブを仕掛けるシアカムがあっさりとスティールされ、速攻でテイタムのダンク。うん、もうゲーム6だからね。シアカムはダメだよ。シュートにも行けない。かといってスイッチ誘導も出来ない。外しまくってもテイタムは行くけど、シアカムはいけない。
そのテイタムの仕掛けからタイスへのロブでダンクが決まりセルツが4点リード。ラウリーがドライブレイアップで返す。
当然のようにディフェンスがきつくなり、だけどダブルオーバータイムなのでファールトラブルも抱えています。5ファールのラウリーはブラウンのポストアップに怯むことなく、ボールをたたいてスティール。タイスはゴール下でゴリゴリに奮闘するも、なかなかファールコールしてもらえず。
ラウリーにディフェンスが集まったところで、パウエルへのパスアウト。そしてついにシアカムがミドルで超久しぶりの得点。
セルツは踏ん張るタイスがゴール下で押し込めば、スマートがコーナーから3Pでリードを譲らず。
しかし、ラウリーとアヌノビーのピック&ロールからキックアウト→パウエル3P。そして同じピック&ロールからアヌノビーが3P。
スティールからの速攻に走ったパウエルはスマートがファールで止めにくる中でオフバランスになっても打ち切って&ワン。これで4点リードに。
テイタムはパワードライブでラウリーを吹っ飛ばしながらフローター。これで残り30秒2点ビハインドに。
しかし、最後はやっぱりラウリー。ケンバ相手に押し込んでのターンミドルを決めてシリーズをタイに戻しました。
突然の打ち合いになったダブルオーバータイムですが、ヴァンブリード以外が得点したラプターズ。特にパウエルが10点。オーバータイムで勝負を決めるシュートは決めらなかったけど、ナース様の期待に応えたようなダブルオーバータイムでした。
◎戦力vsチーム力
しっかりとそんな構図になったゲーム6でした。ブラッド様にはあまり工夫がなく、ケンバとテイタムを信じて託し、ナース様はラウリーには託すけど他はチームでやるしかない。それでダブルオーバータイムまでいきました。
最後はちょっとだけ元気だったパウエルが決めた。もうただ、それだけでいいんじゃないかな。そのパウエルに託せたことをほめるしかない。
奇策から始まったような試合でしたが、行きつくところは決まっている。奇策では勝ち切れないよね。選手が期待に応えてくれないような一面があったラプターズですが、ナース様が何とかうまくやらせた采配でした。でもシアカムだけはどうにもならない。
さぁゲーム7だ。よくぞここまで残れたぜラプターズ。勝利は全てギリギリ。負けるときは豪快に負けている。戦力に劣るけど「勝ち方」は良く知っているラプターズ。
そしてラウリーね。ラウリーさ。年齢を重ねてレベルアップしていくポイントガード。ゲームも作る、得点もとる、勝負強くて、ディフェンスが一級品。ニック・ナースになってから同じプレーなのに別人みたいになってしまっています。
ゲーム7も接戦が続くぜ。シアカムは期待できない。ケンバとテイタムはそこそこやる。ラウリーは段違いにやる。
セルツはラウリーを止める手段を考えてくるしかありません。だからこそ奇策を使ってくるのがナース様。またも試合開始直後から、面白い攻防が行われるのでしょうか。
非常に面白い考察でした。
昨年のバンブリートがプレーオフ中に調子を上げたように、シアカムがどこかのタイミングで調子を上げることを期待するのみです。
ブラウンが相手じゃなければ、そこそこ決めているので、ファイナルまで持ち込みはしないと思いますが、それはゲーム7に勝てれば!ですからね。
まぁエースがシャットアウトされてるのに関係ないって凄いチームです。
お疲れ様です。
解説のマークジャクソンが指摘してましたが、4Q最終盤のテイタムのパスミスがナース目がけて投げたものだと気づいて、笑いが止まりませんでした。
天才である上に6人目の選手にもなってしまうナース様!
それは反則スレスレじゃないのか、ナース様!
できる気しないけど、シアカムにはそんなナース様の期待に最後くらいは応えてほしいですね。
まぁアレはクレームしたくなるかもしれないけど、通常だと選手が立っていることも多いんですよね。バブルだから1人目立っただけかも。
テイタムも腹は立つけどクレームしてはいけないと思っているかと。緑のポロシャツならテクニカルですけど