WCSF④ロケッツvsレイカーズ

ロケッツ1-2レイカーズで迎えるゲーム4

ゲーム1を落とした後、ゲーム2から大きく変えてきたフランク・ヴォーゲル。ゲーム3は見ていませんが、まぁ大体同じでしょう。その1つは

ロケッツに合わせたスモールラインナップ

ですが、遂にゲーム4ではスターターをマギー→モリスにして、開始からADのワンビッグに変更しました。試合を通してセンターは起用せず、マギーもハワードもダドリーもベンチに座り続けました。ダドリー期待しているのは管理人くらいですが。

復帰したロンドがプレータイムを伸ばしていき、あとはクズマとカルーソがベンチから出てくるので、ほぼガードばかりを並べています。クズマが便利で良かったって感じでしょう。そしてこの試合はTalen Horton-Tuckerも起用されました・・・って誰だよ!!

今シーズンのレイカーズディフェンスを強固にしていた自慢のビッグマンを並べるラインナップにはせず、2巡目指名のルーキーを突如として起用してくるくらいにロケッツを強烈に意識したヴォーゲルの戦略は結果に繋がっているのでした。

◎ゾーン

ロケッツの試合は「シュートが決まった」「外れた」という感じで進んでいくので、あまり書くことがありません。1Qもそんな感じでした。なお、これは悪い意味ではありません。レイカーズがロケッツに合わせることを選んだように、基本的にダントーニが採用している戦術は、自分たちの強みを存分に発揮すればOKとなっています。

ゲーム2からゾーンで成功しているレイカーズですが、正直「ゾーンディフェンスが効きまくっている」という印象はありません。そしてダントーニは大きな戦術は変えないけど、プレーコールの違いでディフェンスを攻略できてしまうのも強みです。実際、ゾーンに対してはそんな感じで、コーナーをうまく利用していたロケッツ

ゲーム4のスタートはハーデンをダニーが守るマンツ―。ウエストブルックにはADが対応してドライブはさせるけど、最後の一歩は譲らない姿勢です。つまり、ゾーンに拘っているわけではないヴォーゲル。

ただし、ゾーン的な守り方は見せていて、フリースローラインと3Pラインの間にディフェンダーが並ぶことが多く出てきます。マイクロボールはウイングへのパスと、トップからの崩しが見事で、そこにディフェンスが吸い込まれたらコーナー3Pで攻略するのが基本。

しかし「ゾーン的に守る」の中に、トップからリングに向かってくる選手へのパスを止めたい意向があり、レイカーズのディフェンスはサークルの近辺に集まる傾向があります。1Qでダニーがスティールしたときがこんな配置

赤いゾーンにスペースがあるのでロケッツは狙っているのですが、青いゾーンのように一列に並ぶようなレイカーズがパスカットを狙いました。なお、結果的にパスは通っています。

で、ゾーンが効いていない理由は、この真ん中を使ってくるロケッツに対して、スティールもあるけど、利用もされているってことです。赤いゾーンでボールを持つとADが飛んでくるのでパスアウトします。

なお、このシーンは次にコーナーに出そうとしたコビントンのパスアウトが適当だからダニーがスティールします。ただのバカです。ダントーニの責任には出来ません。問題はこの後です。

赤い三角のように部分的に3on2になる上に、真ん中がセンターの選手ではないからパスアウトが効くのがマイクロボールの良さ。レイカーズはこれを止めることが出来ているわけではありません。その一方で青いゾーンだけみれば、レイカーズには速攻のチャンスが生まれています。

カットできなければ3on2
カットできればカウンター速攻

わりとわかりやすい構図です。ロケッツのマイクロボールは素晴らしいのですが、トップから選手がいなくなること、両コーナーに選手がいることの両面からカウンターを発動しやすいわけです。ゾーン(とゾーン的なマンツ―)の狙いはここにあると思います。

〇1Qの速攻
レイカーズ 6
ロケッツ 0

これで26-22でレイカーズがリードしました。ロケッツがミスればミスるほど、レイカーズはカウンターのチャンスが増えます。それはウエストブルックがミスをしても、マイクロボールが勢いずくという変なリズムに困ったゲーム1からの修正なのだと思います。

まぁ実際にはミスを減らしていたゲーム3だったので、ロケッツ側も対応してきているのですが。

なお、1Qのロケッツは3P1/5、FT5/8でした。決まらなかったから得点も伸びなかったよ。多分その程度の話。でも、レイカーズとしては少しでもシュートを落とさせるためには動き回れる選手が必要だ。そこのせめぎあい。

◎マイクロ・レイカーズ

レイカーズがスモールラインナップと書いたけど、実際にはスーパーなADがいるからスモールではありません。ビッグマンを2人並べないというだけ。それに対してADを休ませる2Q前半こそがスモールの真意になってきます。

当然そこにはレブロン無双。インサイドにレブロンが侵入してくると、苦しすぎるロケッツ。だけど、囲むよね。囲むんだよ。だからパスアウトするレブロン。カルーソがオフボールで上手く合わせ、ダニーは3Pを狙い、ロンドはセカンドガードとしてレブロンに似たようなことを

・・・まるっきりロケッツじゃん。だからレブロンみたいなウエストブルックのブロックも飛び出します。似たことしている両チーム。

だから負けるわけにいかない時間帯なのですが、ここでレイカーズの方が3Pも決まってリードを広げます。ロケッツはなんだかんだで、スモールのメリットを生かせないと、時にオフェンスが失敗しがち。ハウスがいないことで、オフボールも足りないし。

逆に薄くしたインサイドでのオフボールでモリスやADがフリーになるシーンもあってスイッチングディフェンスのスキを使ってきたレイカーズ。マジか。そこにパスを出せるロンドってのも重要。重要なんだけどゲーム1では「無理やり」だったのに、ゲーム4ともなるとチームでちゃんと作っているぜ(ロンドの個人技ってわけではない)

さらにインサイドを固められるとタッカーが3P。それがロケッツじゃなくてレイカーズのタッカーさ。インサイドアウトが効いているのがレイカーズ。タッカーはさらに3Pフェイクからドライブレイアップ。誰だお前は。

レイカーズがロケッツして二桁リードになった2Qです。

ちなみにレイカーズディフェンスには変化がもう1つ。ゲーム3を見ていないのですが、同じなんでしょうね。ゲーム2では53本の3Pを打ったロケッツ。それはゾーンが増えてインサイドカバー優先で起きた現象です。

しかしゲーム3は30本でした。レイカーズディフェンスはコーナーへのパスアウトの方が嫌なようで、ゴール下にアタックされた時もパスカット狙いの選手がいます。そしてゴール下はハーデンvsタッカーのみにもなっていました。チームとしてインサイドでやられることを厭わない選択をしています。

〇2Qの3P
レイカーズ 11
ロケッツ 8

レイカーズがロケッツする時間が長かった2Qは、レイカーズの方が3Pアテンプトが多かったです。それは作戦の差というか、守り方の差でした。マイクロボールのロケッツは素晴らしいディフェンスローテでインサイドをカバーする日常。レイカーズはマイクロボール対策でキックアウトを減らそうとしていました。

〇2Qのフリースロー
レイカーズ 3
ロケッツ 10

それはフリースローの本数に響きましたが、頑張ってシュートを止めるシーンもあったので、レイカーズが31-19と引き離すことに。スモール合わせで19点しか取れなかったロケッツ。なんとなく元気がなかったぜ。レイカーズの方がプレータイムシェアしているんだよね。

◎変なスタッツ

3Qは29-29と同点。どうしてもオフェンスが爆発しないロケッツと、守っているレイカーズの構図は変わりません。まぁ29点だし、すっごく守れているわけじゃなんだよね。

ロケッツはマクレモアが登城するとオフボールから3Pチャンスを作って2本ヒットしてくれました。この役割をしてくれるのがマクレモアとハウスなので、1人の離脱が大きく、それは選手層の薄さではなく、バランス崩れた時の対応が弱いともいえます。

またゴードンがファーストラウンドのように活躍できないのですが、本当はロング3Pを決めて欲しい。かつてはライアン・アンダーソンもいましたが、「3Pでこじ開け担当」がいないと成立しない雰囲気。こじ開けてくれるとハーデンとウエストブルックがアタックするわけですが、逆になっているからうまくいかないのかな。

だけどそれってレイカーズも同じじゃん。3Qは3P1/8と決まらなかったぜ。そんな時はADの出番さ。高さという違う武器も持っているのがロケッツとは違う。3Q13点のADはチームに安定をもたらしてくれます。

そんなわけで爆発待ちのロケッツ。でも、3Pの方を優先的に抑えに行きたいレイカーズのディフェンスもあるので、うまくいくはずもなく。かといって3Qも速攻が0のマイクロボール。

〇ターンオーバー 
レイカーズ 16
ロケッツ 16

〇スティール
レイカーズ 9
ロケッツ 10

〇速攻
レイカーズ 19
ロケッツ 2

おかしいよね。どうみてもおかしいよね。なんで、互角なのに速攻が17点も違うのか。それもマイクロボールが本職のチームがゲームを通して2点しか取れませんでした。ロケッツが守れていないわけでもなく、レイカーズが圧倒しているわけでもない。

ただ、カウンターを発動するための走り出しがレイカーズの方が早く、トランジションディフェンスもレイカーズの方が遥かに優れている。

ただディティールで言えば、レブロンとADで堅実なことを選ぶシーンがあるレイカーズに対して、そういう選択肢はないのがロケッツ。だからもっと走らないといけない。無理してでも走らないといけない。走れてはいない。なんでこうなっているのか、よくわかんないけど、お手上げとしか言いようがないロケッツです。

で、まぁ書くことがないんですよ。シュートが決まらないわけではなく、ラッシュが生まれるわけでもない。レイカーズも頑張っているだけで、特別何かは仕掛けてこない。勝っているんだから当たり前。波乱さえ起こさなければOKさ。

◎守り切った

110-100でレイカーズが逃げ切りました。終盤にこそ追い上げられたけど、まぁなんか普通にこなしてしまった。守り切った形ですが、ロケッツもディフェンスの良いチームなので、同じような感じです。つまりはマイクロボールで守り切ったんじゃないか。

ロケッツはやっぱりフロアの真ん中でボールを受けられるけど、そこでジャンパー狙わないのがレイカーズ的には楽だった気がします。ダントーニ否定だな。ADはそのポジションで打つし、アデバヨも正確に決めていたね。

要するに「プレーオフになるとミドルが大事」なんてことを言いますが、お互いが良いディフェンスをしたゲーム4だったので、ちょっとしたチャンスをものにする気持ちの差だった気がします。レイカーズは守り切った。ちょっとだけ守りやすかったから。

ロケッツに合わせることになったヴォーゲルでしたが、マイクロボールはあくまでもディフェンスのため。レイカーズはディフェンスのチーム。それを崩さないことを狙ったのかもしれません。

前日のナース様がそうだったのですが、よくわからない感じだけど、個人が貢献できるように仕組んでいるよね。カルーソだけはカルーソ個人で素晴らしいって感じだけど、他は特別なプレーはせず、だけど効果的。

ところでゲーム1は、そのカルーソがファールトラブルで、ロンドのプレーが悪いと評されたよね。だけど、一方でロケッツはタッカーにしろ、コビントンにしろ奮闘していたわけだ。ゲーム4になると、ここが逆転した感じです。働けていないぞタッカーとコビントン。疲労が溜まってきた気がするのでした。

◎3連敗のダントーニ

レイカーズのゾーンはヤバいと思ったゲーム2ですが、その理由が「ゾーンが効いている」わけじゃないから、とっても厄介。マイクロボールの性質上、そしてハーデンとウエストブルックの性質上で発生する問題をカウンター速攻されちゃうので、マジでダントーニには打つ手がない。どうにもできない。

ただし、だからといってロケッツが勝てないというわけではありません。最大の問題はマイクロボール合わせの時間帯に負けてしまうこと。単純に言えばもっとハーデンが頑張らないとダメ。でも頑張るのは苦しくなっているのかもしれません。

マイクロボールそのものはオフボールでの動きが加わり、ディフェンスも向上して戦術としての機能性があると思います。そこは否定しちゃいけない。実際、レイカーズだってマイクロボール化して対抗してきたわけだし。でも、ちょっと限界になってきてしまった。

なので、やっぱりロケッツが負けたらダントーニは出ていくんじゃないかな。ちゃんと出来ているけど限界みたいに見えてしまう。もしカペラがいたらどうだったかな。違う選択肢もあったかもしれないね。

残り5分からオールコートで守るロケッツは、動き回るウエストブルックのディフェンスで一気に反撃に出ました。いかにも平面で戦うチームらしい追い上げ方でしたが、走れるメンバーが揃っているとも言い難いのが現在のロケッツのロスター。

勝てるチームを作るって難しいぜ。ダントーニ御大もお年なので、違うチャレンジをしてほしいと思ってしまうんだ。そうならないためには、ゲーム5で運動量を上げるしかないぞ。

WCSF④ロケッツvsレイカーズ” への8件のフィードバック

  1. ダントーニ、レイカーズでオフェンスコーチやってくれたら理想のバスケで優勝出来そうなんですけどね。強くて守れるナッシュ(レブロン)と、守れて怪我がまだ少ないアマレ(AD)がいるんで。
    結局、同じ種類のバスケをやったら、選手の質と量で勝るチームが勝つという現実で、ちょっと萎えました。本当はコーチングで差ができるんでしょうけど、ヴォーゲルとダントーニに差はほとんどないですからね…

    1. このシリーズでレイカーズがマイクロボールしてわかるのが、ダントーニにAD欲しいってことですね。レブロンでもOKだけど、ダントーニならPGとしては使わない気もします。
      ハーデン&ウエストブルックも強力だけど、同じポジションだと幅がないですね。ヴォーゲルが上回る理由の1つがそこかもしれません。コーチングよりもロスター。その差がデカい。

  2. 第3戦ではウェストブルックのスピードにのったキックアウトはことごとくカットされましたが、ハーデンの緩急で通すパスはどうにか通っていました。ところが今日はそれも許してくれない。寄ってきたマーカーの膝の下や脇あたりを狙うパスが引っかかりまくりました。
    また一昨日は速攻対策で、なるべくハンドラーが1人でやり切る&他はハリーバック!なつまんねー攻撃を増やしました。しかしTOは減っても点は入らず、こういう悲しい結果で終了したので、今日はどうする?!と期待したのに…
    仰る通り、ハーデンが50点取るくらいじゃないと勝機はない!だけども何かが足りない。朝食パン1枚なのかってくらい覇気がない。ウェストブルックもだけど、ビッグへのアワセが選択肢にないのはしんどいんでしょうね。まあレイカーズを称えるべきでしょう。誰なんだあの5番は。

    1. なるほど。ウエストブルックは狙いやすかったのは事実でしょう。そしてロジカルにやらない方がウエストブルックは怖いっていうね。

      いくらレイカーズのディフェンスがよくても全てを守れるわけではなく、どこかでエースが強引に決め続ける時間があれば違うと思います。それがないとムリですね。ADには毎試合の様にそんな時間がある。

      ハウス不在で困ったロケッツと、誰かわからん選手で解決してたレイカーズ!

  3. キャブス時代の40分以上出るようなレブロンなら走り合いでの勝機はあると思いますけど、今は常に元気なレブロンが出てきますからね。レブロンは嫌うだろうけど。後3回も負ける姿は想像できないですね。ロケッツはお疲れのようですし。シーズン前は選手層の薄いチームだったのに、今ではリーグ上位の層の厚さですもんね。
    ヴォーゲルの評価が今シーズンでばか上がりしました。あのクセのある選手をまとめあげたのですからね。何か賞を挙げたいくらいです。

    1. その通りなんですけど、それでもペース上げるしかないと思います。
      このままスローに戦っていたら、一方的にカウンター食らうだけですし。
      レブロンよりもウエストブルックが暴れまわるようにしないと勝機は見えてこない。
      そうでなければハーデンにやらせて全員がハリーバックするリスクの低い戦いで、ハーデンに期待するしかない。

      ヴォーゲルに賞を挙げると共に、GMの集め方を批判しないと!

  4. チャンドラーの引退でセンター不在になる来季ロケッツ。誰かは取ってくるのでしょうが今のロスターで手をあげる有能なコーチはいるのでしょうか。ダントーニDNAのあるナッシュなら面白かった?

    1. モーローが何とかしてくれるのでロスター的には、ハーデンとウエストブルックでチームを作りたいHCなら手を上げると思います。
      でもGMの意向と合うHCを探してくるのは難しい気が。特にゴードンとの3人でサラリーキャップの大半を使っているので、「ゴードンをうまく使え」っていわれて首を縦に触れるかなー。

      HC後任よりも、GM後任の方が難しい気がします。

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