セルティックス2-0ラプターズで迎えるゲーム3
ゲーム2はラプターズのペースで進んだものの、クローズする能力が足りなすぎて、試合を決めに行った3Q終盤、スマートの反撃に対抗できなかった4Q序盤、クラッチのアイソが完敗の4Q終盤でした。それで接戦だから勝ち目はあるし、それでも勝てないんだから勝機が見えないとも言います。
特に苦しいのは3Pが決まらないこと。ディフェンスの良さはもちろんだけど、ちょっと以前のラウリーに戻っているのが気になるぜ。そんなゲーム3を見ていくのですが、手元にPCない状態で前半を見ていたので、かっ飛ばしていきます。
◎テイタムを上げるシリーズ
テイタムの評価はそこまで高くありません。1つにはそもそも常にエースじゃなくても良い環境にいるので、ブッカーやトレ・ヤングなんかとは背負っているものが違うよね。本人の責任ではないからこそ厄介なのだけど、ゲーム2もスマートが試合の流れを決めるプレーをし、ケンバが締めくくっているわけで、エースだけど背負わなくてよい部分が多い。
もう1つの理由はフィニッシャーとしては優れているけど、プレーメイカーとしてはイマイチなこと。これだけのメンバーが揃っているけど、テイタムはあくまでも自分で決めきるのがお仕事さ。気が付いたらPGやらざる得なかったブッカーとは違うぜ。
しかしゲーム2ではスマートの3P連発をアシストしていたのはテイタムでした。その前にもラプターズのテレパシーディフェンスに対して、シュートモーションに入る前の早めのパスで、コーナーに、ゴール下にとパスを振りました。それはまるでヘイワードみたいなパスアウト。
そしてこのゲーム3の前半はテイタムがFG4/12で10点に留まった一方で、テイタムから始まるオフェンスはコートを広く使うパスでラプターズディフェンスが困っていきました。テイタムを上げるシリーズに。
ただテイタム自身は相変わらずのタフ3Pを打っているし、決めているのでプレースタイルがヘイワードになったわけでもありません。ヘイワードとテイタム2人分の役割をしている感じのテイタム。
そしてそのスペースで恩恵を受けるのはエースのケンバ。どっちがエースなんだ論争はあるけど、ヘイワードとの共存ならケンバが上回っていたよね。3P3/4と高確率で沈める上に、前半の最後もロング3Pでリードを10点に広げて終わらせました。21点。
うざったいラプターズディフェンスによってチーム全体の確率は落とされても、テイタム、ケンバ、ブラウン、スマートと並ぶ中で、誰かが当たりだせばOKって感じのセルティックス。この前半はケンバ。それで十分。
なんせディフェンスが良いからね。
◎戻っちゃったラウリー
16-17シーズンのラウリーは22点、7アシストを記録するバリバリのエースでした。しかし、翌シーズンから自分のプレーを抑え気味にして、デローザンやレナードを際立たせ、新たな戦力となるヴァンブリード、シアカム、アヌノビーにプレーを促していくリーダーになっていきました。
その変化はスタッツだけが重要ではないことを大いに示してくれたし、優勝という結果にも繋がったわけです。当時のラウリーは熱くなりやすい性格は隠せず、シュートが決まらないほど、意地になって打っていくような一面もありました。よくいえば「怯むことなく強気な姿勢を崩さない」のですが、ラウリーの場合はそれが延々と決まらないことがあるから問題でもありました。
今シーズンはレナードがいなくなったこともあって19点まで平均得点を挙げていますが、リーダーとしての2シーズンを経て、1人でやりまくることも熱くなりすぎることもない印象でしたが、どうもこのシリーズは違うよね。打っても打っても決まらないけど、打ちまくる。
このゲーム3もラウリーが強気に行きまくるシーンが目立ち、しかし4本の3Pすべて外しました。もっとクールにリーダーシップを発揮してほしいのですが、これまた難しいのはシアカムが止められるはファールトラブルになるわ、セルティックスディフェンスに完璧に捕まっていること。なんとかアヌノビーはキックアウト3Pを決めているけど、全体的には突破できるポイント不足です。
ラウリーは1on1が強いタイプってわけでもなく、それでいてガソルやイバカはピック&ロールが上手いわけでもない。だからラウリーの選択の是非は難しく、トランジションでチャンスがあれば強気に行きたい気持ちはとてもよくわかります。
「冷静に考えて、ディフェンスが整う前に攻めるべきだ」
「強気に攻めまくるから熱くなっている」
そんな両面性を感じるラウリーのプレー。ナース様もファールトラブルも含めてマット・トーマスを起用してトランジションアタックを後押しする感じですが、熱くなっているように見える時点でマズいわけだ。だけど、シアカムはブラウン相手に完敗しているような空気。
前半はラウリーの活躍でなんとか10点差に収めた感じであり、ラウリーがゲームコントロールすることで、もう少しロースコアにしたかった感じもあり。57-47という得点は、「なんとか47点まで積み上げた」のと「57点取られるほどにペースアップしてしまった」面があったのでした。
◎シアカムとテイタム
そんなラウリーがアタックして決める3Q。コーナーからの3Pも決めて追い上げるラウリー。セルティックスもスマートをつけて自由にさせないことを意図したので、逆にボールを持つ機会が減って良かったかも。でもシアカムはシュートどころかドリブルすらブラウンに止められる。
ただ例によってゾーンディフェンスを効かせます。オフェンスはダメだけど、守り勝つしかない感じ。オフェンスでトランジションが減ったことが余計な失点を減らすことにもつながったかも。
真ん中に構えるアヌノビーがトップからゴール下までめちゃくちゃな範囲を守るゾーンですが、狙い通りに機能するし、アヌノビーはテイタムのアイソをスティールするし。でも、この速攻でヴァンブリードはドリブル着いたらスマートに奪い返されるっていうね。ラッシュを生み出せないラプターズのオフェンス。
それでもラウリーはハイポストからのジャンプシュートを続けて決め、逆転に成功します。ヴァンブリードも3Pは決まっているぜ。こんなに個人の戦いで負けていても何とかしてしまえるナース様とラウリー。ディフェンスですらパターンが多い。
じゃあブラッド様はどうするのか。答えはセンターの入替です。
ラプターズのゾーンは2-1-2だけど、真ん中の1はアウトサイドをチェイスするのが仕事。なのでローポストにカンターをいれて、局面の1on1(それもシアカムを狙う)にて得点することと、オフェンスリバウンドを狙います。なお、カンターがディフェンスでハイポストのラウリーを生み出したのも事実ですが。
マンツ―に戻ったらロバート・ウィリアムスに戻し、合わせでど真ん中からダンク。しかも、このダンクにシアカムはフレグラント1です。ファールトラブルなのに間に合わないダンクにファールしてどうするんだよ。
テイタムがシアカムを抜いてコーナーのワナメイカーへ。ドライブから&ワンを決めたと思いきや、金的膝蹴りをラウリーに見舞っていたのでレビュー。でもラウリーのファールだってさ。よくわかんねーぜ。いずれにしても、苦しくなった中でテイタムがヘイワード的に機能しているプレーでした。
これで再逆転したセルティックスが4点リードで4Qへ。うーんシアカムとテイタムの差が「エースムーブ」以外でも大きく響いてきました。チーム戦術的には完全にラプターズが上回っているゲーム3だと思いますが、どうしても戦力差が痛い。
◎ノット・エース
ヴァンブリードの3P連発で逆転するラプターズ。本日は良く決まっているのが救っています。なお、ラウリーもヴァンブリードも交代させることが出来ないナース様。対してワナメイカーのミスが目立つけど、ちゃんとケンバとスマートを休ませているブラッド様。
でも、そのヴァンブリードはイバカのブロックショットで生まれた速攻で、ケンバにチャージングして潰します。全然ラッシュにならないラプターズ。で、次のオフェンスでケンバがドライブ&ワン。またもクローズ力で負けそうな匂いがしてきます。
このシリーズはラプターズが個人のマッチアップで上回れるところが少なく、その中でヴァンブリードはケンバをギリギリ・すれすれで上回れそうだから、そこがキーだとしたのですが、ここまで完敗しています。理由が「ケンバのオフェンス」だったら致し方ないけど、「ヴァンブリードのオフェンス」ってのは苦しすぎるだろ。
パウエルの3Pもあってラプターズがリードを奪うのですが、ヴァンブリードは3Pを打つしか打開策がない感じで、かといってシアカムもポストよりもアウトサイドに出てきてしまう中で、クラッチタイムに向けてスターターが戻ってきたセルティックスがラッシュを仕掛けます。
95-95の残り4分。セルティックスはテイタムのアイソから、見事なパスをタイスに通します。さらにエンドラインでボールを持ったスマートから走りこんできたブラウンのダンク。ラウリーにドライブを返されるも、またもテイタムの個人技から空いたブラウンのダンク。
ラウリーがまたもドライブを決めるも、それしか決まらないラプターズ。シアカムのポストムーブはブラウンにブロックされます。テイタムはアヌノビーに止められているんだけど、そこから効果的なパスが出てくるのにシアカムからは出てこない。。。
残り35秒でセルティックスが2点のリード。タイムアウトのナース様はシアカムにスローインさせるのでゲーム2とは違います。選んだのはヴァンブリードの3P。これが決まらないけどアヌノビーがリバウンドを奪い、走りこんできたヴァンブリードがリバースレイアップで同点。
ノータイムアウトのブラッド様。マジか。ケンバがガソルにつっかけるので、ヴァンブリードと2人で追いかけたうえで、簡単にガソルサイドから抜かれ、ヘルプに来たラウリー。ゴール下ドフリーになったタイスに見事なパスを通したケンバで残り0.5秒2点リード。すげー
タコ・フォールを起用し、スローインを守られます。スロワーがラウリーなので、ラウリーのシュートはないぜ。でも、この選択が上手くいきます。
ボールをもらいに来るのはヴァンブリードやシアカム。これにプレッシャーをかける結果、逆サイドのコーナーで空いていたアヌノビーを見逃さなかったラウリー。タコ・フォールよりも高いロブパスを通すと、アヌノビーは通常よりも小さなフォームで打った3Pがブザーと同時にリングに吸い込まれました。
◎ラストプレー
劇的な結末でまさかの逆転勝利を得たラプターズ。でもその前のセルティックスから触れましょう。
タイムアウトなしで行ったケンバですが、これがガソルをコートに残していた弱点を見事につきました。ブラッド様は事前にここまで指示をしていたのでしょう。時間もあったし、ケンバのスピードでガソル狙いは正しい。しかも、スマートがオフボールでマッチアップ変更をさせているので超いやらしいし完璧でした。
そしてケンバからタイスへのパスも完璧。時間を使いきっての2点は完璧としか言いようのないプレーでした。15点しか取れなかったけど、管理人の評価を上げていくテイタムのパスと言い、個人技の強みからチームに波及させることが出来ているセルティックスでした。
正直、0.5秒で逆転シュートを食らったことは、セルティックス側にはノーチャンスだったよ。時間も残さずに決めたラストプレーは称賛するしかありません。
そんなプレーからカムバックしたラプターズも、エースキャラではなくてサポートのアヌノビーってのが印象的なフィニッシュになりました。ゲーム1からセルティックスは「アヌノビーまでは抑えきれない」とばかりのディフェンスをしていましたが、どうも見えていないことが多かったラプターズ。普段は自分たちが仕掛けるのに、仕掛けられたら弱かった。
でもラウリーは違うよね。ということで、「熱くなりすぎ」と書いた前半をどうしようか悩んじゃう管理人。
31点8アシストのラウリーは3P2/8と本日も決まらなかった。それでもクラッチの弱かったラプターズを1人で救うプレーで終盤勝負を制しました。そして3P3/5だけでなく、テイタム担当になれば1ON1を止めるし、ゾーンの真ん中でチェイスしまくるし、ラウリーに次ぐ45.5分もプレーしたアヌノビーが、ひたすら地味に貢献していた中で、初めてヒーローになれた試合でもありました。
思えば2年前もルーキーながら1人だけレブロンに対抗していたんだよね。完璧に守った挙句、見事なブザービーターも決められたけど。
ゲーム3もまた「戦力(個人能力)のセルティックス」という違いははっきりしました。それもテイタムのアシストが2戦連続6まで伸びるので、止めに行ってはやられているラプターズ。まぁそれでも最後はラウリーとアヌノビーで上回ったとさ。
とはいえ、ギリギリの勝利には変わりありません。セルティックスも完璧なラストプレーだったしね。いい加減シアカムがチームを救わないとね。
お疲れ様です。
アヌノビーのシュートが入ったときは思わず叫んでしまいました。
クラッチタイムのセルツのシュートが完璧すぎて完全に0-3になると思ってました。
奇跡で返したラプターズですが、シアカムかヴァンブリートがステップアップしないと勝ちきれなさそうですよね。
個人的にはシアカムよりもヴァンブリートにガッカリしています。
こんなに打開できなかったっけ?
セルツのディフェンスが良すぎるから?うーん。
ラプターズはスターターのミニッツがとんでもないことになっているので、ベンチに活路を見いださないと勝てても後々苦しそうですね。
テレンス・デイビスのエネルギーにはセルツもそこまで対処出来てないので、上手く取り入れても良さそうですが。これもまたニック・ナース的な動きですしね。
マット・トーマスとラウリーで攻めるのも悪くないのですが、今はアヌノビーが決めてくれてるので、そこまでじゃないのかなー
ここまで全然ミニッツのなかったカンターをあそこで使い、4点くらいとったらすぐ下げるところでなんか笑いました。まさにゾーンに対してあそこなら関係なく勝てるだろうと。
シアカム・ヴァンブリードはまだディフェンスすればよいですが、もうガソル使わなくてもよくないですか?いっそブーシェの方が何かはしてくれそうかと思います。
突然のカンターが効果的でした。あと、コーナーにガード置くので、そこから展開するのも狙ってますしね。ナースの策が決まったけど、割とギリギリでした。
ガソル使わないで、スモールで良いじゃん!とは思ってます。そんな時はアヌノビーがセンターを守っちゃうのですが、そうするとテイタムどうすんだ? という悩みがあるんだと思います。
プレーオフになって2人のウィリアムスが地味に活躍してるのが嬉しいです。この2人が経験積んでステップアップしてくれれば、来シーズンもボストンの未来は明るいと信じてます。
ロバートは一芸センター
グラントは多彩なディフェンダー
ブラウン&テイタムがいるチームで必要になってくる選手を求めてますよね。このドラフト戦略は上手いです。特にグラントをわざわざ1巡目ですから。
にしてもグラントの3P決まりすぎ!