ECSF ヒートvsバックス

ヒート2-0バックスで迎えるゲーム3

ゲーム1で覇気のなかったヤニス。ゲーム2はムリにでもパワーアップしようと動いている印象で、そこはヒートも止める気持ちが満点という空気がありました。ヒートが狙っていることは、わかりやすいと思うのだけど、それは映像集めて考えたい・・・なんて思っているとシリーズ終わるんだよね。

ゲーム2はお互いにファールが問題になるという極めて変なクローズをしました。最後にやらかしたのもヤニスさん。ここまでDPOYをけちょんけちょんにするとはさすがに良そうだ出来なかったぜ。スポルストラがすごいのか、アデバヨがすごいのか、ドラギッチとバトラーがすごいのか、それともヤニスがダメなのか。ここで起きている現象を説明するのはかなり難しいです。

1つだけわかっているのはヒートが充実していること。それをどうやってクリアするのか。

◎同じ狙い

7時半放送開始だと、45分くらいにティップオフだと思っていたのですが、始まるの早くない?

バックスと言えばインサイドに起点を作って、アウトサイドをボールムーブさせて3P打つのが特徴ですね。ヒートがすごいのはインサイドをしっかりと止めながらも、アウトサイドまでしっかりとチェックに行っていること。普通はヤニスを複数で止めたら間に合わないから「誰を諦めるか」なんだけど、ブルックがゲーム1でタフショット決めていることもあって、誰かを空けることもなくチェイスしています。

バックスのディフェンスといえば、しっかりとハンドラーを抑えに行くことを優先し、インサイドは収縮。だから相手は3P打てるってのがありますが、例にもれずヒートもトップから両コーナーまで「空くポジション」をしっかりと把握して3Pを打っています。つまり現象として

バックスは3Pを狙っているがヒートディフェンスはチェイスしている
ヒートは3Pを狙っているがバックスディフェンスは空けている

僕らの常識は「シュートはフリーの方が決まる」なので、そりゃあヒートの方が良いオフェンスになるよね。ちなみに、たまにシュートはディフェンスがいた方が決まる選手ってのもいます。昔、地域じゃ有名なシューターと試合したときに、3P決められまくったんだけど、途中でそんな気がして勝負所でマンツ―辞めてゾーンにして、空けて外させて勝ったことあります。レベル違いだけど。

それがゲーム3となると、いろいろと明確になってきました。ゲーム1ではヤニスのカバーは厚かったですが、クラウダ―もイグダラもアデバヨも1人で止めちゃうから、よりアウトサイドを追いかけるヒート。

そしてゲーム3ともなれば「どこが空くか、感覚的にわかる」ようなヒートは、バトラーが中に外に見事なパスを通しています。バトラーがここまで完璧に出来るってのは、それだけバックスの動きがわかりやすいってことです。なので、ヒートの方が3Pチームみたいに打っていきます。

バスケットの鮮やかさは完璧にヒート。まぁそうでなきゃ5位シードが連勝はしてないわな。バックスだってゲーム3ともなれば、アジャストすることはあります。1つは最も大切なこと。

ヤニス、頑張れ!

1on1で止められていたらバックスの戦術は成立しません。より強気にインサイドを攻めていけ!という姿勢がはっきりします。そしてクラウダ―もイグダラもアデバヨも止めていきます。変わらんよ。ただ、ただ、ファイトするヤニス。

ヒートはメイヤーズ・レナードが登場します。ケガが良くなったのか、オリニクがいないからなのか。理由はよくわかりませんが、基本的にはオリニクと同じ役割で、シュータービッグマンになります。シュートが決まらなかった以外はやっていることは同じ。

これに対してブルック・ロペスがポストアップを増やしました。レナードとオリニクで対応を変えたてのはよくわからず、おそらく「ヤニス1枚でインサイドを攻めるのではなく、ブルックも使おう」なんだと思います。3Pを改善するためには、まずはインサイドを攻めるべきってのは、ロケッツやウォリアーズと似た発想。違うのは個人技に任せること。

これでブルックがFG3/3と決めまくりました。基本はヤニスがベンチにいる時間ね。そんなわけで1Qは3P決めていくヒートと、インサイドを攻めるバックスで30-29とバックスがわずかにリードします。レナードが1本決めていればヒートが上回っていたので、互角とみるのが正しいでしょう。

◎「らしさ」で解決

2Qもヤニスが休んでいる時間にブルックがポストアップします。レナードは関係ありません。ここで逆サイドのエンドライン(マークはコーナー)にいたディフェンダーがヘルプに来ます。ヤニスへの対応と同じです。ちなみにエンビードにこれをやるとパスミスしてくれます。

ブルックはこういう時にパスがそんなに上手くないのを認識しているので、ムリせず・・・いや、ムリして打ちます。リスクは低い。成功率も低い。でもファール貰っていました。

そこでアデバヨが登場すると、そもそもボールすら持たせないディフェンス。すると次のオフェンスからポストアップせずに3P待ちになるブルック。大体ヤニスに起きている現象と同じです。アデバヨにひいちゃうんだよね。

そうなるとアウトサイドのチェイスは楽になるし、そこは純粋な1on1で止めに行く。だからミドルトンに負けることもあるし、ジョージ・ヒルにドライブされることもある。

ただし、バックスはドライブの強い選手がブレッドソーくらいしかいません。マジで個人勝負でしかないヒートのディフェンスですが、ここのディフェンス力で負けそうなディフェンダーが誰もいません。ドラギッチも含めて。

しかしミドルトンが頑張ります。苦しくなってもターンシュートを決めきるし、ファール貰うし。そしてマシューズがムービングからの3Pも決めてコートを広げてくれたので、ノーヤニスでリードを広げたバックス。ちょっとした工夫と「頑張れミドルトン」。ブルックもコーナーからのドライブでガードみたいな鮮やかなダブルクラッチだし。

一方のヒートオフェンスはちょっとトラブル。ゲーム2は見事なバランスアタックで選手交代しても変わらぬプレーで、オン・ヤニスとオフ・ヤニスでバランスが変わるバックスを上回りましたが、本日はそうはいきませんでした。

1つには、全く速攻が出せないこと。前半0だってさ。リスクを減らすオフェンスしていたバックスの効果が出ています。前述の通り、3Pでは攻略されまくっているので、こうやってイージーショットを減らすことで対抗してきたわけです。

イージーショットだけは打たせない

はい、まるまるバックスらしさですね。あくまでも「らしさを強調する」ことで改善させるのがブーデンフォルツァー。そんなこともあってハーフコートでもドラギッチのインサイドアタックをぶ厚くカバーします。ただし、収縮というよりはヤニスとブルックのカバー徹底みたいな。

そのためアデバヨが空いて、合わせのプレーは出てきますし、ショートレンジのジャンパー決めちゃうプレーオフ・アデバヨ。だから結構面白い現象が起きています。

ドライブからキックアウト3P
インサイドでアデバヨへのアリウープ

こんな華麗なシーンが度々出てくるヒートオフェンスだから、完璧にバックスを攻略している感じなのに、そこまで得点が伸びないっていうね。ハンドラー許さないディフェンスのバックス。

〇前半の3P
ヒート 11/25
バックス 8/19

立場が逆転したみたいに打ちまくって決めまくったヒート。バックスもマシューズとミドルトンで確率はキープできました。

〇前半のヒート
FG成功 17
アシスト 14

そして殆どの得点にアシストがついたヒート。それだけ鮮やかに攻略していたわけです。だけどハンドラーは許さないバックス。これで57-50でリードを奪ったバックスでした。

なお、ヤニスがフリースローを5本ミスってこれなので10点差になっていたも良かったよ。ヤニスは7点のみなのでヒートディフェンスは本日も強烈。それをミドルトン14点とブルック13点で補いました。ゲーム1と一緒じゃん。

◎ヤニスとヤニス

後半もヤニスにマークされるから、結果的に3Pが打てるクラウダ―へのパスがしっかり出てくるヒート。ブルックが3Pで対抗するバックス。ヤニスがスピンムーブでクラウダ―を抜いてのレイアップもあって、互角って感じなのですが、ちょいとブレッドソーがやらかします。

ピック&ロールに来たアデバヨのスクリーンに対して、されるがままになったので、後ろからアデバヨを追いかけ、リバウンド時に思いっきり押してフレグラント1.スローインでドラギッチをブロックしないでボールをもらいに来てスティール速攻。デティールで負け始めます。

そしてミドルトンとヤニスの個人技に頼り始めるバックス。オフボールの動きから崩していくヒート。差が生まれていくぜ。しかも、バトラーがフロッピングな3P打ったらファールコールされないけど決まってしまった。

時間なのでヤニスとブレッドソーを下げるバックス。するとブルックとヒルが3Pで加点します。何が起きているかといえば、まず人任せなヒルは、ボールを離した後でオフボールでディフェンスの薄いところを突こうとします。スターターにはないオフボールでの崩し。加えてヤニスはボールを持つと仕掛けるのか、パスするのかイマイチ読めない(クラウダ―にビビりがち)なので、チームのリズムが悪い。

なので、この2人がいない方がブルックはやりやすそうです。特にこの後でカッティングからヒルのパスをもらってレイアップ&ワンでした。強いわけじゃないけどね。ヒートのディフェンスもヤニスがいない方が守りにくそう。

バトラーやイグダラの3Pでヒートが1点差にしてはブルックが取り返す展開に。うーん、それは良いけど、ディヴィチェンゾやカナートンはどこ行ったんだ?

ちょっと違う話をしましょう。シーズンが終わったチームはHC交代が話題になります。まさかスティーブ・ナッシュを引っ張ってくるとはね。その中にはマクミランみたいな案件も出てくるわけですが、単に戦術不足なだけじゃなくて「変化が必要」な時もあります。

バックスはブーデンフォルツァーになってヤニスの活かし方が抜群になり、3P活用で突如として戦術力に優れたリーグ最高勝率のチームになりました。しかし、その初期の頃って今よりも慣れていないのでヤニスもスムーズじゃなかったことがあります。そんな時に両コーナーからのカッティングも1つの武器でした。

それがヤニスが慣れてくると、変なカッティングはスペースを消すし、そもそもヤニス無双なのでコーナーは3P待ちが増えました。マービンが加わりましたが、役割は基本的に待ちの3Pです。それがヤニスを止められると機能性を失うのは当然と言えば当然か。こういう要素を忘れはじめるとHC交代も必要かなーってなります。まだ早いんだけどさ。

「ヤニスがいない方が上手くいく」のはこういう時ですね。周囲の動きが活発化する。なんだけど、ヒル以外は活発化してくれないのが今のバックスの悩みです。

1回休んだヤニスが再登場すると、周囲をガードで固めます。これでヤニスにパスが渡る前に2,3つのパス交換、ヤニス自身も止まった状態からの勝負ではなくなり、ちょっとリズムが出てきました。止まって仕掛けたら見事に止められたけど。

加えてヤニスのディフェンスがインサイド担当になったので、アウトサイドのドフリーも減り始めました。ヘルプのヤニスなので、どうしてもそういうことはある。そんな事情から互角だった3Q前半が、終盤になると差がついて、30-25とバックスが5点リードを広げます。ほんの些細なことで差がついただけなんだけどさ。

87-75と12点リードで4Qに臨めるのは、少し安どしているであろうブーデンフォルツァー。あとはクローズできるのかどうか。

◎バトラー劇場

そんなことを書いていたら、ハイポストで止まってボールを受けて、何するか悩んでいるヤニスに対して、ディヴィチェンゾが見事なカッティングで合わせます。そうだ、それだ。ディヴィチェンゾかカナートンが必要な理由にして、ヒートがヤニスを守りやすそうにしていた理由でもあるぜ。

4Q序盤がドラギッチスタートのオフェンスになるヒート。ただマークのヒルが「簡単にはスクリーンにかかってくれない」ことで、プレーコールが成立せず、何度もやり直すことになります。これで苦労しまくったヒートなのですが、しつこく繰り返していると、誰かしらが空いてギリギリで成立します。

で、よく見ていると空けちゃうのが大体ブレッドソー。これ書いているときミドルトンのコーチングの映像が出ているのですが、1つ止めて、2つ止めて、3つ、4つとなるごとにディフェンスはズレるから、コーチングは大切。そういうのが弱い選手で攻略されちゃうのは、レベルの高い攻防ではありますが、狙われてんのかってくらいブレッドソーなのがすげー。

両チームに差はなかったような4Q序盤でしたが、最後の最後で決めることが出来るヒートが3分半で8点を縮めます。

そしてここからバトラー劇場

ヒルとブルックのスイッチ誘導からインサイドミスマッチになると、飛んできてオフボールスイッチするバトラー。ブルックvsバトラーだってかなりのミスマッチなんだけど、止めるぜバトラー。

アウトサイドからのドライブでスピンすると、そこにはヘルプのバトラー。掻っ攫って速攻
3P外しても自分でオフェンスリバウンドのバトラー。もちろんファールドロー。

凄くシュートが決まりまくったわけじゃないけど、「そこにいる」のが常にバトラー。ウエストブルックみたいな活躍の仕方で一気に点差を詰めます。ミドルトン相手の1on1からミドル・・・でファール貰っちゃって残り6分で逆転します。速攻以外はフリースローだった気がするからバトラー劇場。

ヤニスを戻すバックスですが、離されまくって3Pが決まらないぜ。決めたのは理不尽速攻からのダンクくらい。ただ、また救ってくれたのはヒル。ヤニスをマークしたそうなヒートに対して、空いたインサイドにスルスルっとね。

終盤のシーソーゲーム。ヤニスはチームを勝たせることが出来るのか?バトラーは出来るぞ。

◎勝負弱いバックス

ブルック、ミドルトン、ヒルと3Pが決まらないバックス。っていうか、フリーで打たせているヒート。ヤニスに対して収縮しているのがよくわかります。これは周囲に決めさせるのが正しい選択肢です。決めてくれなきゃチームが弱いってことだ。

ところが決まらないとリバウンド争いが激しくなり、最後はバトラーがファールをもらいます。これがボーナススローでヒートの得点になるんだからバトラー劇場。

そしてハーフコートでもバトラーのパスからアデバヨ、バトラーのパスからクラウダ―の3P。

ヤニスのパスから3P決まらないバックス
バトラーのパスから決めまくるヒート

これが終盤のエース対決。残り1分で7点差になります。しかも、この3~4回のオフェンスでヤニスを経由していないバックス。ミドルトンが打っては外す悪循環。

そしてコーナーでボールを持ったブレッドソーがミドルトンに戻そうとして痛恨のターンオーバー。手にボールがつかなかったブレッドソー。このシーンが終盤のバックスを示していた気がします。なんで、3P決まらなくなるんだよ。

〇バックスの3P
3Qまで 11/27
4Q 0/10

まぁヒートが勝負強かったのは確かですが、それ以上に勝負弱すぎたバックス。しかもさ、前半に書いたことがこのレベルで実現してしまった。書いていた管理人がビックリ。

しっかりと3Pをチェイスした3Qまで ⇒ 3P決まる
インサイド重視に切り替えた4Q ⇒3P決まらない

フリーになったら決まらなかったバックス。さすがに4Qの守り方だとヤニスが得点するのは難しいよ。そんな時に助けられなかったチームメイトだし、それでもヤニスからのパスアウト徹底で良かったと思うのに、ミドルトンに打たせるためにタフショットになっていきました。

勝負弱かったバックス。ヤニスではなくバックス。まさかの3連敗なのでした。次の試合に行くから、まとめはなしです。

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