プレーオフ セルティックスvsシクサーズ①

ゲーム1

セルティックスにはエンビードは止められないだろうし、シクサーズはエンビードディフェンスではセルティックスは止められないだろうし。かといって、共にオフェンスで圧倒することはなくロースコアの展開が基本。そして最後はブラッド・スティーブンスとブレッド・ブラウンの差でセルティックスが勝つ

そんな予想しか出来ない対戦カード。ゲーム1を見てどう思うか確かめてみましょう。なお、眠すぎて、まともに見ていないので想像なのか記憶なのか、わからない雑感スタイルです。

◎テイタム&ブラウンの61点

〇ジェイソン・テイタム
32点 13リバウンド
FG10/21

〇ジェイレン・ブラウン
29点 4アシスト
FG9/16

プレーオフ初日はドノバン・ミッチェルがプレーオフの1試合の得点で歴代3位となる57点、クラッチで上回ったジャマール・マレーの36点、そしてプレーオフデビュー戦で最多得点記録となったドンチッチの42点があり、テイタムも加えて

25歳以下の選手4人が30点オーバー

という新時代を象徴する初日になりました。そこに1点足りずに参加できないのがブラウンらしさなのかな。後半は3P3本ノーミスで決めて、テイタム以上の印象でしたが1点足りなくてカバーになれない男。

テイタム&ブラウンの活躍で勝利を得たセルティックスですが、テイタムが41.5分、ブラウンが39分もプレーしました。シーズンが34分なのでプレーオフになって長くなったわけですが、その内容はちょっとばかり微妙でした。

というのも、この2人のプレーは素晴らしく、何もないところから突破して決めていっての61点コンボはチームの半分以上の得点を稼ぎました。時にはカバーに来ないエンビードを攻めたり、タイスがシールドしやすい方向にドライブレイアップしたりと「エンビード対策」はしていましたが、基本的にはシクサーズの弱みを突いたような雰囲気ではありません。

悪く言えば「テイタム&ブラウンに頼らざる得なかった」ようにも見えたセルティックスのオフェンス。

ラスト2分くらいのオフェンスではリードを持っていたこともあって、ケンバのスピードを中心にエンビードが追いつかないところを攻めていたので、チームの中には明確にシクサーズの弱点を使う意識はあった様子。しかし、どうもガード中心のプレーメイクが上手くいかなくて、ウイングに頼るようにも見えました。

頼れる選手がいるのは良いこと。個人押しで攻めた感じなのは次の試合に不安が残る事。そんな印象です。

もっともシクサーズに比べればテイタム&ブラウンの得点の取り方は、チームが大きくボールを振っていたり、前述の通りタイスが細かく助けてくれているので、チームオフェンスをしていないわけではありません。工夫を踏まえたうえで、最後の個人能力に頼っていた、くらいの話です。

◎エンビードと18ターンオーバー

〇ジョエル・エンビード
26点 FG8/15
16リバウンド

こちらは大方の予想通り、セルティックスのビッグマンたちではエンビードは止められませんでした。FG8/15なわけですが、実はこのうち1Qで5/5だそうです。以降は3/10と一気にトーンダウンしてしまいました。

しかし、5つのオフェンスリバウンドがあったようにエンビードを止めることは出来ていませんでした。そしてバスケット・カウントの記事にはこんなことが書いてありました。

エンビードは第1クォーターで5本すべてのフィールドゴールを成功させる素晴らしいスタートを切った。ローポストを完全に支配していたが、第1クォーター以降はポストプレーする機会がなくなった。「理由はわからない。もう少しアグレッシブにプレーすべきだったかもしれないし、もっとポストプレーを増やす必要があるかもしれない。その点も次の試合に向けて修正しなきゃいけない。気持ちを盛り上げてアグレッシブにプレーすれば結果はついてくると思う」

うーん、自分の周囲で何が起きていたかを理解していないのか。コーチ陣は何か伝えていなかったのか。アグレッシブなだけで解決する問題ではなさそうなんですけどね。

この試合のシクサーズは18ターンオーバーですが、そのほとんどが「チームメイトとの呼吸が合わない」ようなミスではなく、強気にボールマンを潰しに来たセルティックスディフェンスのディフェンスによって導かれたターンオーバーでした。

エンビードに限らず潰しに行っていたので、大きな狙いとしては「シクサーズが望むボールムーブをさせない」という状況だったと言えます。そこに狙いに乏しいオフェンスをするシクサーズの特徴が合わさって、エンビードがポストアップする前にシュートなり、ミスなりに繋がっていました。

さて、本日の試合だけを考えても、ドノバン・ミッチェルが止まらないためナゲッツはダブルチームの行く形でパスを促しましたし、何よりラプターズはそもそもが相手に判断を促す守り方をしてきます。つまり

オフェンス側にリアクションをとらせるディフェンス
オフェンスは適切な判断をする必要がある

こんな状況が生み出されます。思い起こすは2年前、セルティックスに追い詰められたシクサーズはTJマッコネルをスターターにして勝利を得ましたが、まぁそういうことだよね。ディフェンスが何しているかを考えてゲームを作る選手が必要だ。

ベン・シモンズの離脱も大きかったですが、そもそもミルトンをPGにするってのは何がしたいのかわからないぜシクサーズ。果たして本職のネトを使うのかどうかがゲーム2のカギです。なお、使ったところで・・・な可能性もあります。

これをやるならトバイアスとかをトップに持ってきた方が面白いんだけどね。セルティックス側もやりたいディフェンスがしにくい状況を作るパターン。あとはホーフォードか。無理だろうな。

◎グラント・ウィリアムスの2分

タイス、ロバート・ウィリアムス、カンターの3人でエンビードに対抗していたセルティックスですが、4Qになって突然グラント・ウィリアムスが2分だけ登場しました。エンビードはベンチです。

この時のプレーが良かった・・・とかではありません。本人はまぁ普通に2分間頑張っただけ。ただ、ローテの人数絞っているのに、何故4Qになって起用してきたのか。

エンビードは動きが遅いのとスクリナーを一生懸命やる感じではないこと。それ以上にシクサーズのガード陣はプルアップ3Pを積極的に打つ感じではないので、セルティックスはピック&ロールに対して、エンビードをインサイドにいれないことを優先するような守り方をしていました。

それに対してエンビードがいない時間にセンターをグラント・ウィリアムスにすると早めのスイッチ対応でマークを受け渡していました。要するにピンポイントでホーフォード対応のディフェンスをしていたのです。僅か2分だけどセンターの交代で違いを作れてシャットダウンしようとしたディフェンス力は、4Qを34-22と圧倒する要因でもありました。

とにかく4Qになってからのセルティックスディフェンスは圧巻。テイタム&ブラウンが長時間プレーしているとは思えないほどに、早い収縮と適切なローテでシクサーズにチャンスを与えませんでした。

4Qになってブラッド・スティーブンスが意図的にディフェンス強度を上げたのだとしたら、ちょっと太刀打ちできないだろうなーと思ったし、そんなことできるのかな?という疑問もあります。ただ、この2分間だけは意図的に上げてきていることがわかったのでした。

◎アレック・バークスの15本

シクサーズの方はマイク・スコットとコルクマズが少しプレーしましたが、サイブルとアレック・バークスがベンチから出ていく7人ローテが基本でした。そして、バークスは15本のFGアテンプトがあったのでした。

バークス自体はアグレッシブで良かったのですが、これがエンビードとトバイアスと同じ本数でした。逆にサイブルとミルトン、そしてホーフォードはアテンプトが少なかった形です。

問題なのは、エンビードがボールをもらえなかったとはいえ、これがチームとして意図していたオフェンスなのかどうか。マーク変更もしながらトバイアスで勝負したくはなかったのかどうか。Jリッチの積極性にも任せてしまったんじゃないか。

ってことで例のHC対決問題に落ち着くわけです。2分間にわかりやすく手を打ってきたブラッド・スティーブンスと、両エースのアテンプトが伸びなかったシクサーズ。

一方で、この積極性は試合が決まったと思われてからの反撃にも繋がりました。それは全員がアグレッシブだから何をしてくるのかわからないし、1ポゼッションに時間をかけずにオフェンスも出来る。シクサーズらしさってのも表現できていたのも事実ってことです。

本来はシューター的に打たせたいミルトン。エンビードへのパスを阻害される中では、ミルトンとのオフボールスクリーンで工夫とかしないとなぁ・・・。バークスの積極性がもたらした反撃と、アテンプトが多いっていうチーム全体の課題と。これを続けていくと負ける未来も見えているだけにさ。

◎ゲーム2とヘイワード

そんなわけでテイタム&ブラウンの好調がゲーム2にも続くとは思えないし、さすがにエンビードにアタックさせる工夫をしてくるでしょう。それくらいはしてくるさ。

しかし、セルティックスが判断を促すような攻めのディフェンスをしたときに、やっぱり一気にペースを握れそうな匂いがした試合でした。細かい工夫もまだ手元に残している感じ。

シクサーズ側はどこかで圧倒するような時間を作らないと勝てそうにないぜ。それは積極的なアタックをするバークスなんかもいるから作れないわけじゃないよ。意図的には作れないだけで。

そんな時にセルティックスはケンバやヘイワードが的を絞らせないようなプレーをしてくれるのですが、ケンバはどうもイマイチな試合でした。そしてヘイワードは4Qで足首をひねってしまいました。スターターが長くプレーしたように、ちょっとベンチに不安がありそうなので、悩ましい問題です。オジェレイはどうした。

予想通り、ブラッド・スティーブンスの牙城をブレッド・ブラウンでは崩せない匂いのしたゲーム1でしたが、愛弟子ヘイワードのケガという不安要素がどう転ぶのかがゲーム2のポイントになりそうです。

プレーオフ セルティックスvsシクサーズ①” への7件のフィードバック

  1. テイタムはサイブルにつかれたときに苦労していたようですがスタメンをホーフォードからサイブルに替えるべきだとおもいますか?

    1. どっちがスターターかは、どっちでも。サイブルの方がテイタムを抑えるのは、まぁ当然といえば当然ですね。
      問題はホーフォードをスターターで使って、どんなメリットを生み出したいのか不明な事。特にメリットがないならサイブルの方がよいですよね。

      テイタムのディフェンスを狙って疲弊させるのも一つの手段です。ホーフォードでテイタム狙いは悪くないんだけどなぁ。

  2. なぜシクサーズはケンバを狙わなかったんでしょうか?明確にケンバ狙ったのはトバイアスの一回だけな気がします。

    1. そうなんですよ。だからシクサーズはそういうチームなんですよ。ケンバのデメリットを何も享受しようとしない上にエンビードがポストアップもしていない。はぁ~~~

  3. シクサーズ、正直、このシーズンは無駄だった。次のHCが勝負だが、まあきっと無理だな。

    1. ブレッド・ブラウンがダメなHCなわけではなく、こういうHCってことなので、それに合わせてACも選ばないといけないし、ロスターも考えないといけません。リバースだって似たようなものですけど、フロントは考えてチーム作っています。

      ってことでGMなんですよね。トラスト・ザ・プロセスからGMは入れ替わっているので、そこがね。

      1. こめんとありがとうございます。そうなんですよね。なんかあるとここはヒンキーだったらどう判断してたかな、、と考えます。。
        ブランドは経験無しの割にはやってる方だとは思うのですが、HCに合わせたチーム作りというよりは自分の好みのチームな気がします。
        ピアース以降ACも毎回変わる状況なので、ブラウンも変えてあげた方が幸せかなと言う気が。
        ただコランジェロが辞めざるをえなくなったラッキー;-)の後のGM選びを見るに次のHC選びも駄目そうだなあ、と。逆に今シーズンもっと駄目でシーズン中ウドカが昇格がスムースだった気がします。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA