プレーオフ ナゲッツvsジャズ①

至高のファーストラウンドゲーム①

ゲーリー・ハリスが間に合わなかったナゲッツ。これならビーズリーをトレードせず、損してでも今シーズンの優勝に賭けるべきだったのかもと思ってしまいます。オフェンスはMPJがいるので良いのですが、どう守るのか。

マレー&ヨキッチに対して、ドノバン・ミッチェル一辺倒になるジャズ。本当はコンリーについて触れたブロックがあったのですが、子供の誕生で家族のところへ戻りました。普段なら何も言わない理由ですが、今はバブルに戻ってきても検査等で時間がかかりそうなので・・・

コンリーの代役はジョワン・モルガン。・・・って誰だよ。ドラフト外ルーキーが初めてのスターターになったプレーオフ初戦です。

◎これがプレーオフか

両チームらしい堅いディフェンスはミルサップがゴール下に詰めて2連続ミスしたり、クレイグがオフェンスリバウンドをとってもシュートにすら行けなかったり、ドノバン君のドライブもオニールのドライブもギリギリでレイアップを外すとになったり。

実に手堅いディフェンスはマレーのナイスカットもあって、お互いに得点が伸びないスタートです。プレーオフらしい戦いなわけですが、それ以上に普段はノロノロとヤル気があるのかわからないナゲッツが、アグレッシブにシュートを打っていくのが面白い。

イージーシュートは打てないわけですが、ならばグダグダとビシバシとパスを回すのがナゲッツスタイルなのに、MPJが混ざっているのもあるけど、積極的に3Pを打っていきます。特にヨキッチね。

ナゲッツの狙いというか、定番なのはvsゴベアでのヨキッチアタック。ジャンプボール直後からPGしているヨキッチ。ポストアップからミドルを狙っていくヨキッチ。やる気あるヨキッチ。

初めの18本のFGのうち、3Pが11本とナゲッツらしくない。ジャズの弱点であるゴベアを狙うので必然的にそうなっている感じです。1Q中盤に3Pが連続で当たってナゲッツが先手を取る感じに。

ジャズからしてもゴベアの強い部分で勝負するからムリして止めにはいかなかったような3Pでもありました。代わりにインサイドはほぼ完ぺきに抑えていた。

プレーオフな空気満載の1Qでしたが、終盤になると両HCはちゃんとセカンドユニットに移行しました。ここで見事なコントロールをしていったのがモンテ・モリス。ちょっと全体が急ぎすぎだったのを、しつこいくらいにやり直しました。

そしてPJドジアーを見事にフリーにして3P。2本目は外れたけどプラムリーがオフェンスリバウンドから、モリスが空いて3P。ジャズはクラークソンが個人技で返したことで、大きなビハインドにはならなかったけど、押された1Qでした。

31-25。うーん、3P7/14も決まったナゲッツが6点しかリードしていないのだから、ペースを掴んだともいえない気がしたのでした。まぁ1Qは負けていることが多いナゲッツらしくはなかったぜ。

◎「至高」

2Qになっても似た展開。モリスのコントロールからドジアーやグラントが空いていく。こんなに3P打つナゲッツって新鮮。2年前は普通だったけどさ。

PGするプラムリーからハンドオフでグラントのロング2Pも出たから、らしくないぜナゲッツ。

ジャズはセカンドユニットがクラークソン頼みだったので限界を迎え、残り9分残してスターターが戻ってきます。そしてドノバン君の出番です。

3Pを決めれば、ヨキッチ相手のアイソをスピードで簡単に振り切って、ブロックに来るグラントを見てダブルクラッチダンク。そして再びプルアップ3P。苦しくなったらスーパーエースの出番です。

この動きに早く対応するのがヨキッチ。やる気あるぜ。グラントも続いたからゲームプランだったんだろうね。
ハーフコート超えたところでドノバン君がボールを持っているとブリッツ気味に仕掛けるフリをしたり、とにかく早めのダブルチーム対応です。

しかし、今度はミドルラインでファールドローのドノバン君。そしてグラント相手にステップバック3P。1人で同点にしてしまったスーパーエース。これぞドノバン・ミッチェル!!!

ドノバン・ミッチェルといえば、やっぱり2年前のルーキーシーズン。プレーオフでウエストブルック&ポール・ジョージを破壊した怪物ルーキーでした。緊迫するほど強くなるのがスーパーエースさ。

するとチームが好調だから消えていたマレーがタフショット連発でリードを取り返します。こちらも緊迫するほど、っていうかタフショットほど決める気持ちの強いスコアリングガード。

凄かったマレー。ジャズがクラークソンで攻めまくった結果、とにかくカウンターのようにボールを持って行くマレー連発であっという間に10点差。ドノバン君のスーパーエースっぷりを消すタフショットマレー!

さて、プレビューでは「ゴベアのファールトラブル」がナゲッツの狙いの1つであり、そうなったら後手後手になるジャズなわけです。それに対して前回の対戦ではクレイグが退場したら一気にドノバン君が楽になったってのもあります。プレビューには書かなかったけどさ。

10点差になったところでクレイグから3つ目のファールを引き出したドノバン君。代役はグラント。ミルサップとMPJもコートにいるのでビッグラインナップを繰り出してきました。

ところがジャズはオニールが3つ目でベンチへ。モルガンが出てきて完全にサイズ負けします。ナゲッツが用意していた特殊な戦略。

ところがこのオフェンスが全く機能せず。笑えるくらい機能せず。だってドライブばかりしてるんだもん。

そしてvsヨキッチでのイングルスの3P、ドノバン君が切り裂いてのレイアップで反撃したジャズ。前半は59-52と7点差で終わったのでした。ディフェンスが悪かったわけじゃなく、これくらいは仕方がないナゲッツね。

バスケの真髄を味わえる「至高のファーストラウンド」と銘打った通りの前半でしたが、最後のナゲッツオフェンスだけは、素人目にもわかりやすいサイズのミスマッチだったのに、利用しないという至高でも何でもないプレーをしてしまったナゲッツでした。

グラントがドノバン君を守れるってだけで凄いのにね。ジャズはゴベアがファールをガマンしたのが後半に生きてくるかどうか。

◎崩れ始めて立て直す3Q

ドノバン君からゴベアへの見事な合わせ、ドノバン君のドライブレイアップ。そしてゴベアはMPJを連続ブロック。ガマンが効いている面と、ドノバン君に頼りすぎな部分と。

ナゲッツはMPJの活躍がチームを救っていることもありますが、やっぱりチームオフェンスへの理解が足りず、マレーのドライブを邪魔したり、ロング2P打って外したり。そしてイングルスに手玉にとられて3Pを食らいます。

ってことで同点になります。前半の終わりから戦略性が欠け始めたナゲッツ。慣れない1Qからのハイテンションのツケが回ってきたのかな。

しかし、今度はMPJが個人技で取り返します。論理性には欠けるけど飛び道具なMPJ。むしろ前半からドノバン君に頼り過ぎていたツケをジャズが払っているような。

3Qのタイムアウトなのに、マレー・ヨキッチ・ドノバンの3人は最後までベンチに座って休んでいました。それくらいのプレーを前半からしていたからね。

しかし、それでもやるぜスーパーエース。ドライブからねじ込み連発に、ニヤングの3Pをアシストで再び追いつくと、右ドライブからユーロステップ気味に左に動いての右手レイアップで逆転するドノバン君。よくわからんプレーだ。

さて、両エースがなかなかベンチに下がらない中で上回っているのはドノバン君。ゴベアのブロックもあってちょっとだけリードを奪う。ヨキッチがね。カバーに間に合わなくなっているんですよ。

前半は苦しくなってきた中でモンテ・モリスが立て直したわけですが、ここでも再び立て直します。いいPGだよね。あまり知られていないだろうけど、マジで良いPGだわ。ヨキッチいるからPG不要なチームってだけでさ。

加えてヨキッチと交代したプラムリーがハッスルプレーでゴール下を支え、なんとか取り返し・・・と思ったら、プラムリーとMPJのハンドオフを掻っ攫ったイングルス。結局ジャズが83-78と逆転して3Qが終わりました。

◎再び始まる熱きバトル

ナゲッツは4Q開始からマレーとミルサップを使ってきます。ここが逆転のしどころです。後半になってナゲッツ側から「至高」感が消えているので、論理的にやりたいところ。

ミルサップがローポストアタックでファールドローするけど、フリースローをミスってしまうわ、ニヤングにコーナーから3P3連発されます。全部外したけど。何してんだミルサップ。

モリスはプラムリーへのアリウープ、ドライブで抜け切ってのレイアップを決めるのだけど、何故かディフェンスピックアップをミスして、クラークソンvsプラムリーになってドライブアタックを食らいます。どうも至高が足りないんだよ。

それでもマレーがドライブからパスアウトして、クレイグとミルサップの3Pで1点差。どうしてもジャズはベンチが弱い。コンリーもいないしね。トニー・ブラッドリーは頑張っているんだけど。

お互いのスターターが戻ってくると落ち着きを取り戻します。ドノバン君からモルガンの3P、マレーからグラントの3Pと共にエースに寄ってくるディフェンスをチームメイトでズラスことができるように。ヨキッチも休んだことで判断力が戻った様子で、リバウンドからのタッチダウン速攻を決めます。

ドノバン君が個人突破して決めると、やられてばかりだったクレイグはオフェンスリバウンドで取り返します。ただ、MPJ(イングルスのマーク)を起用してきたナゲッツに対して、ドノバン&イングルスのツーメンゲームをすると鉄板なジャズ。

ディフェンスはジャズのミス待ちになってしまい、オフェンスで取り返すしかない感じのナゲッツ。残り5分からマレー&ヨキッチを連発します。

で、連発して決めるマレー&ヨキッチ。ジャズがドノバン君以外が打って外した間に逆転します。でも、その次のオフェンスで3P決めるドノバン君。ウケる。

ってことで始まりましたよ。勝負強い両エースによるクラッチ勝負。至高のファーストラウンド・ゲーム1に相応しい展開です。

なお、ドノバン君が8秒オーバーっていう下らないミスをしたけどね。

◎クラッチ・タフ

エグイぜ。エグすぎるぜ!

クラッチ・ドノバンが3P、ドライブ、ファールドローと得点を重ねるけど、マレーがプルアップ3Pでアンサー。なんだこの戦いは。

観てるかリラード?
後継者っぽい2人が戦っているぜ!

止まらないドノバンとマレー。ただ、ここでナゲッツはMPJを諦めてモリスを出してきます。これで、少なくともドノバンに2人行ってパスを出させ、後は外れるのを祈る。

1本成功すると、その後のオフェンスでマレーがタフミドルをヒット。タフショットマレー。

しかし、今度はドノバン君が単独アタックのタフショットミドル。えぐいぜ。何だお前ら。

残り30秒でやっと外したマレーのタフショット。しかし、これをヨキッチがオフェンスリバウンドでファールドローしてフリースロー2本決めて2点リードに。

残り22秒。ドノバンアタックでファールドロー。これでクレイグがファールアウトします。本日は21分半しか働かせてもらえなかったエースキラーですが、だからこそドノバンが止まらなかったとも言えます。

ナゲッツのラストオフェンス。マレーからヨキッチ、ヨキッチは上手くドライブに行くもゴベアのブロックが気になったかレイアップをミス。

ってことでオーバータイム突入です。はぁー恐ろしき若手スターたち。なおゴベアのファールは5つ。ジャズもギリギリです。

◎オーバータイム

先手はマレーの見事なヘジテーションスネークドリブルからのリバースレイアップ。美しいぜマレー!ナゲッツの公式Twitterは動画あげてくれないんだよね。

ジャズはドノバンからゴベアへのパスが3連発でミスに。見た目としてはゴベアのポジションが少しずつ悪いのだけど、どうもこの2人が合わないことが増えてきました。なんだろうね。

スローインからゴベアに渡すだけのプレーなのに、ヨキッチを振り払う動きで足が止まったゴベアとかね。なお、そのオフェンスでは珍しくヨキッチからマレーへのパスが意思疎通出来ず。プレーオフは自分で得点するべきっていうね。

マレーはレイアップをミスするもリバウンドを拾ってコーナーのモリスへ。3Pが決まって久しぶりの5点リード。

ナゲッツはドノバンへのダブルチーム&パス要求作戦が効いていて、キレイにフリーを作られるのだけど、どうも決められないジャズのメンバー。ミス連発。

そして強引に間を突破しようとしてドリブルがディフェンスの足に当たってしまったドノバン君。マレー&ヨキッチから最後はヨキッチの3Pで9点リードに。

タイムアウトのジャズは何故か、ドノバン君ではないプレー選択でクラークソンがプットバックみたいにねじ込み。次のオフェンスは単純にドノバン君が3P。

しかし、いずれもその後のオフェンスでタフショット・マレーが取り返す。クラッチ・ドノバンとタフショット・マレーの戦い。1週間前の再現、いや1週間前のバージョンアップゲームはナゲッツが制したのでした。

◎振り返るぜ

プレーオフだからね。振り返りましょう。

ナゲッツはいつになく試合開始からハイテンション。その中で唯一マレーだけはスロースタートでした。それでも2Qになってドノバンアタックされると、本領発揮とばかりに取り返す。

後半になって再び大人しくなったマレー。でも逆転されて迎えた4Qは初めからコートに立って反撃にはいり、それはオーバータイムになっても続きました。

マレーが勝負強いのは周知の事実でしたが、ここまで見事にアンサーしたのは流石に珍しい。

〇ジャマール・マレー
36点 9アシスト
2P7/11
3P6/9

なんだこの確率。これでタフショット打ちまくっているからね。それでも36点なのでマレーはスタミナを上手くコントロールして戦えたと言えます。1週間前は復帰戦で肩で息をしていたけど、本日は最後まで笑顔でした。

〇ニコラ・ヨキッチ
29点 3アシスト
2P7/14
3P4/7

一方でハイテンションだったヨキッチは3Pを良く決めたものの、最終的にはマレーよりも少ない点数に。要するに余力を残せたマレーってことですが、それもヨキッチが序盤から得点してくれたからでもあります。

マレー&ヨキッチというコンビが上回ったゲームでした。

〇ドノバン・ミッチェル
57点
7アシスト
9リバウンド
2P13/18
3P6/15

パーフェクトだったドノバン・ミッチェル。これで負けるとか可哀そうなわけですが、それがワイルド・ワイルド・ウエスト。パーフェクトなスーパーエースだけど、同じくコンビでこれをやられたら勝てません。

2年前はウエストブルック&ポール・ジョージを粉砕したわけですが、マレー&ヨキッチは完成度が遥かに高かった。あとルビオがいなかった・・・。

ということで、どうするんだジャズ?
スーパーエースのパーフェクトなゲーム1を落としてしまいました。

ドノバン君とイングルスしかプレーメイクできず、あとはクラークソンの個人技のみ。ゲーム1にして底が見えてしまった。至高のゲーム1でしたが、だからこそこれ以上何があるんだ?

まぁコンリーと、それ以上にボグダノビッチがいない時点で、ジャズは追い込まれていました。至高の戦いでしたが、それ故にゲーム2以降はどうなんだろう・・・と思ってしまったのでした。

まぁそれでもやりかねないのがドノバン・ミッチェルなんですけどね。ナゲッツはゲーリー・ハリス不在が響いている中で、勝ててラッキーなゲーム1でもありました。マレー様様

プレーオフ ナゲッツvsジャズ①” への8件のフィードバック

  1. ドノバンにレギュラーシーズンもこれやれとは言えないですが、必要とされてる時にこれが出来る子なんで、やっぱコンリーじゃないってなりますね。

    1. ボグダノビッチは良かったけど、ガードがやっぱり。ルビオが恋しいですね。ジョージ・ヒルでもガマンするからさぁ。

  2. ドノバン・ミッチェルa.k.a.スパイダは、自分はスーパーでチームとしてはやっと人並みという雰囲気が何やらリラードinブレイザーズに似ている気がするので、まさしくネクストリラードかも、、
    結局、元気な方が勝つという考えでいうと「プレータイムシェア」だけでなく、「プレー内容のシェア」という面が必須になるのかなぁ。と思いました。
    ニックナース最強!!!

    1. ニック・ナースはシェアするからディフェンスもフルパワーだし、捉えどころのないオフェンスになるし、天才!

      ただ、こうやってドノバン・ミッチェルみたいに、最後まで攻守にフルパワーな激レア選手がいると、覆してくることがあります。それが昨シーズンのレナードでしたし。論理を破壊する理不尽も大切です。

  3. ドノバン・ミッチェルのスーパースターぶりを改めて実感するとともに、早くも仰るとおりジャズの底が見えたような気がします。これ以上何があるかっていうとイングルス&ゴベアのツーメンゲームとクラークソンの個人技大爆発くらいじゃないですか?

    1. ヨキッチにプレッシャーかけるディフェンダーもいないですし、動かせるコマが何もないように思えました。なので次の試合は60点取ってもらうしかないのか

  4. 早速レポートありがとうございます。1stから面白いのが魔境ウエストですねぇ。マレーほんと凄かった。OTでのレイアップかっこよかった。タフショット決め続けるマレーほんと好き。でもタフショットばかり打って確率悪いと糞味噌批判されるから次の試合心配です。MPJはディフェンス課題ですねー。あそこでスパッと替えて最後まで出さなかったのは好判断かなと思いました。引き続きナゲッツの試合と多分最後になるだろうレブロン対メロが楽しみです

    1. ブレイザーズに飽きていたのですが、確かにレブロンVSカーメロが最後だと思うと、観たくなりますね。

      2年前もカーメロを狙いに狙われましたが、MPJみたいな弱点があるとしっかりと使ってくる冷静さもドノバン君の凄い所でした。マレーはもうちょっと自分がイケる自信優先みたいな。
      ジャズはマレーのタフショットが外れるの待ちですかね。。。

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