ジャズ、クリッパーズに連敗したペリカンズですが、ここは共用範囲内。この後で直接対決が多くあるので、チームが整ってくればOKさ。
ブレイザーズ、スパーズに連敗のグリズリーズ。このペリカンズ戦が終ると強豪との対戦ばかりなので、勝負の3連戦が全敗ってことになると逆転される可能性が高くなります。
それにしても予習って大切です。タイラー・ジェンキンスの回でグリズリーズの戦い方を学んでいるので、試合で起きている現象がポジティブかネガティブかわかりやすくなります。データで予習はおススメ。
◎堅いインサイド
負けられない意地みたいな部分と、そういう戦術ってこともあって両チームのインサイドが堅い堅い。バランチューナス&JJJによって塞がれるグリズリーズとフェイバーズによって塞がれるペリカンズ。お互いに突破しきれず、ザイオンも抑えきられる序盤になりました。
しかし、次第に両チームの戦術的な差異が生じ始めます。グリズリーズは
・ペイント内得点が多く、ゴール下は少ない
・ファールドローが少ない
ってことで、ディフェンスとコンタクトしないで打つのが基本ラインなわけです。堅いインサイドに対しては、得意のショートフローターで決めきりたいわけですが、そこすらもペリカンズが押さえ込んできます。
なので、適切にパスアウトしていくオフェンス。だけど、決めてくれたのはグレイソン・アレンくらいになってしまいました。得意のペイント内で稼げないのは苦しいぜ。
〇前半の3P
アレン 5/6
トリバー 1/2
他 0/16
この時点で試合が終わってもおかしくなかったです。さすがに16本全部決まらないってオフェンスになっていません。グレイソン・アレンがチームを救ったのを初めて見た気がするよ。
もうペリカンズの方針は固まりました。3Pは打たせておこうぜ!(アレン以外)な守り方をしておけばOK。そしたら尚更ペイント内は固くなるよね。
一方でペリカンズ側もインサイドには困りました。強引に決めきる場面もあったものの、決して効率的ではなかったよ。
〇前半のブロック
バランチューナス 3
JJJ 1
カイル 2
ところが全くめげないペリカンズ。ドライブしたらディフェンスにコンタクトしながらシュートを打っていきます。ブロックされても関係なく突破していくことを好みました。
高速ヘルプで守れるJJJがコートにいれば守れていたのですが、全体的にはスピード不足だったりするインサイドなので、段々とドライブに遅れ始めるし、そもそもアウトサイドで止めきることが出来ていませんでした。
なので、ファールが増える増える。そしてフリースローで差がつき始めたのでした。
〇前半のファール
グリズリーズ 17
ペリカンズ 9
〇前半のフリースロー
グリズリーズ 7
ペリカンズ 22
前半は58-51と7点差でペリカンズリードでしたが、3Pが決まらない&フリースローが15本も違う、ことを考えれば小さな点差です。
華麗にディフェンスをかわしてシュートを目指したグリズリーズ
愚直にリングにアタックしてフリースローを得たペリカンズ
両チームのスタイルの差が明確に出て、それが7点という違いを生み出したのでした。どちらかというと戦術的なのはグリズリーズなのですが、だからこそ負けたみたいな前半でもあるのでした。
小さな差は後半に修正すれば良いもの。しかし、見た目は小さいけど、メンタル的には大きかったような後半になっていきます。
◎逆転のグリズリーズ
3Qになっても同じような状況が続きました。唯一違ったのは(JJJ以外は)ファールを減らしたこと。前半得点を稼いでいたドライブからのフリースローがなくなったことで、ペリカンズの得点も止まってしまいました。
〇3Q MEM-NOP
得点 23-21
FG 36%-32%
3P 27%-22%
ファール 6-4
ロースコアですね。プレーオフの戦いみたいな感じ。お互いにプレーを読んで止めきるからシュートが決まらない。3Q中盤にいったんはグリズリーズが逆転したのですが、ポンポンとシュートが決まったくらいで一瞬の出来事。これといって攻略できたわけではありません。
そして終盤になると逆にペリカンズのハートが3P2本決めたので再度リードを奪い返しました。前半はアレン、後半はハート。ベンチメンバーが飛び道具で得点するって大切です。
〇JJレディック
29分 16点
3P3/7
〇ジョシュ・ハート
25分 15点
3P2/3
うーん、レディックの使い方はもうちょっと、って感じですが、ハートの方は超便利。理想的な6thマンかもしれません。本人は嫌でしょうが。ペイサーズあたりが掻っ攫って、第2のTJウォーレンにしたりして。
後半は沈黙してしまったグレイソン・アレン。まぁそこまでの活躍を求めてよい選手なら、もっと重宝されているよね。それよりも、本日はジョシュ・ジャクソンの出番がありませんでした。膠着した状態では有効なオプションだった気がしますが、勝利への欲が出てしまったのかタイラー・ジェンキンス。
一時の逆転はグリズリーズに悪い影響を与えたかもしれません。思いきった飛び道具を使ってほしかった3Qは前半の流れを受けて、よりロースコアになってしまった。強いチームになるには、いろんな要素が必要なんだと思わせるグリズリーズと、まだ完成度が低いペリカンズの象徴的な時間だったかもしれません。
◎踊らされたモーラント
タイラー・ジェンキンスがベンチからジョシュ・ジャクソンを送り込まなかった理由は、ここ2試合でのモーラントとJJJの大活躍にあります。若き2人がプレーオフに進むためにステップアップしている中で、わざわざチャンスを奪い取るのは長い目線ではマイナスさ。
〇ここ2試合のモーラント
【ブレイザーズ戦】
41分 22点 11アシスト
【スパーズ戦】
37分 25点 9アシスト 9リバウンド
ともに敗れはしたものの、モーラントは止められない存在として、常にチームをリードしてきました。苦しい状況でも信じることが出来るエースとして成長してきているのです。ところが、この試合では完全に止めきられてしまいました。
〇モーラント
39分 11点
FG5/21
3P1/10
8アシスト
本日のメインマッチアップはホリデー。ジャズ戦ではドノバン・ミッチェル以外はボールを持つことすら許さなかったディフェンダーは、モーラントを止めきってしまいました。
とにかくドライブをさせてもらえないモーラント。伸びやかなレイアップに行くことすらできず、ホリデーのプレッシャーに押し切られます。しかも、ホリデーはスクリーンに対してもアンダーで守り、ドライブ優先の守り方
「自由にプルアップ3Pを打っていいぜ」という守り方をホリデーにされたら抜けるわけがありません。そして、打たされて外していったモーラント。特に後半は超イージーに打てるのはわかっているので、ドライブの形から3Pに戻って打つのですが、決まらない決まらない。
最終的には前半でチーム全体が沈黙してしまったことが、モーラントに響いてしまった印象です。もともと3Pを打たないタイプながら、チームメイトも決まっていなかったので、楽な自分が打っていく。でも、ちょっと迷いがあるぜ。
10本もアテンプトがあったことは、「オレがチームを勝利に導く」という強い意志があって素晴らしい。これが出来るルーキーは滅多にいないぜ。でも、これを決めきるまではいかなかった。若かったモーラント。
違う見方をすれば「それでもドライブに行くべきだった」のかもしれません。グリズリーズ自体が志向していないゴリゴリ路線。何が正解かは、モーラントがこの失敗を糧に成長するか次第です。
なお、JJJは22点。そのうち14点が4Qでの得点となりました。こっちも頑張っていたし、大事な場面でポストアップからホリデー相手の見事な1on1を決めました。ただ、どうしてもプレーメイカーとしては苦しいんだよね。フィニッシュに行くまでのルートが正しかったのか悩ましい後半になりました。
◎ザイオンとイングラム
4Qに試合を決めるオフェンスをしたのが、この2人。
ザイオンはいちいち規格外。やっているプレーが異常なので、比較の仕様がない。ディフェンス吹っ飛ばしてもバランス崩れないし、連続ジャンプしちゃうのおかしい。
コーナーでボールを持つと、トップにフリーの選手がいるのに自らドライブしてエンドライン際から飛びあがってのゴール下は「ディフェンスがいるとことに突っ込んで決める」という批判したくなるスーパープレーでした。
リードを得た中で時間を使いながらオフェンスをしたい場面だったのに、トランジション気味で3Pを打ってしまうイングラム。しかし、これが決まって試合は決着しました。
どちらも非論理的なプレー。負けたら敗因にすらなりえるプレーでしたが、決めきるからスターなんだ。特にザイオンはFG9/21と、かなり苦しんだ試合でしたし、そもそもチームの主力って感じじゃないのですが、印象的な場面で決めちゃった。
と、いうことで最初から最後まで強引さを持ってプレーしていたペリカンズ。上手くオフェンスを展開したグリズリーズ。勝ったのはメンタリティの差でペリカンズという試合でした。確かにグリズリーズにはこういうタイプが足りないのかもね。
◎混沌とペリカンズ
8位争いが大変なことになってきました。管理人は知らなかったのですが、4ゲーム差以内だとトーナメント実施なのね。現在の勝敗は
グリズリーズ 32勝36敗
ブレイザーズ 30勝38敗
スパーズ 29勝37敗
ペリカンズ 29勝38敗
キングス 28勝38敗
サンズ 28勝39敗
グリズリーズは8連敗もあるので、ブレイザーズが2勝差を埋めるのは現実的になってきました。セルティックスに負けたのは痛かったけど、勝てるレベルまでは来ているわけだし、2~3勝は期待できる。
【グリズリーズの残り試合】
ジャズ
サンダー
ラプターズ
セルティックス
バックス
【ブレイザーズの残り試合】
ロケッツ
ナゲッツ
クリッパーズ
シクサーズ
マブス
ネッツ
スパーズは高速バスケが読まれてきたものの、エンビード相手だったので見事に逆転勝利・・・のはずが、やらかしてしまいました。一番勝てそうな上位チームだったので、ここからが苦しい。何が苦しいかっていうと、ジャズとナゲッツは遅いチーム、ペリカンズとロケッツは早いチームなので、高速バスケでメリットが生まれるかがわからないのです。
【スパーズの残り試合】
ナゲッツ
ジャズ
ペリカンズ
ロケッツ
ジャズ
ペリカンズはアンパイのウィザーズが残っており、上位チームがゼロっていう対戦カード。一気に6連勝でフィニッシュすれば、34勝まで辿り着きます。
【ペリカンズの残り試合】
キングス
ウィザーズ
スパーズ
キングス
マジック
キングスが踏ん張れるかどうかになりましたが、キングス自体もペリカンズに連勝すれば自力に近い形で前を向けます。でも、試合内容は酷かったなぁ。付け焼刃の高速バスケに負けちゃダメでしょ。日程はそこそこ恵まれているのでチャンスは十分にあります。
マブス
ペリカンズ
ネッツ
ロケッツ
ペリカンズ
レイカーズ
直接対決がなく、蚊帳の外な感じのサンズですが、しれっと連勝。マブスに勝ったのは大きい。さすがスターターが強いチーム。
クリッパーズ
ペイサーズ
ヒート
サンダー
シクサーズ
マブス
相手は強いけど、イーストの3チームから2勝できれば・・・結構大変だなぁ。
スパーズはユタに連勝しているので残りの2試合もすべて勝てばあるいは…とちょっとだけ期待しています。まあ今の高速バスケのスタイルではなかったわけですが。でもユタにはゴベールがいるから高速バスケがメリットになるんじゃないかと思ってましたが違いますかね?
グリズリーズはJJJがシーズンアウトになってプレイオフに進んだしても面白みが少なくなってしまったので、コリンズとヌルキッチが戻ったブレイザーズか不思議なサンズがプレイオフに進むのが面白そうな感じがしています。
ゴベアーは意外と走りますよ。
ジャズは単純に自分たちが走らないで、じっくりと押し込んでくるか、スパーズに巻き込まれて崩壊するかかな。
選手層が薄くて、体力勝負なら勝てます。体力勝負に出来るかどうか