ピストンズはどう動く?

フロント戦略を考えよう

管理人がNBAをしっかりと見始めてからのピストンズはフロント戦略が最低水準。まずは一番苦しくなったトレードにふれておきましょう。

【2018年デッドライン前】
獲得 グリフィン
放出 トバイアス、ブラッドリー、マルヤノビッチ、18年1巡目(マイルズ・ブリッジス)、19年2巡目

正確には他にも選手が動いていますが、とにかくこのトレードが大失敗でした。「結果的には」ではありますが、マックス契約を得る前に成長させたトバイアス、そしてブリッジスを残していれば、状況は大きく違ったでしょうね。

とはいえ、グリフィンによって昨シーズンはプレーオフに進みました。そこまでは良かったけど、例によってシーズン終盤にケガで離脱してしまったグリフィン。恒例行事。

結局は今シーズンもケガで苦しむことになったグリフィンもあり、トレードやFAでの補強によるチーム強化ではなく、解体を選ぶことになったのでした。

【2020年デッドライン前】
放出 ドラモンド
獲得 ブランドン・ナイト、ヘンソン、23年ドラフト2巡目

さらにレジー・ジャクソンとモリスをバイアウト放出しました。一気にベテランを清算しましたが、後者2人の放出にどれだけの価値があったかは微妙で、本人に移籍を選ばせただけって感じです。

ここで気になるのがドラモンドのトレードの意味です。当初は「ドラフト1巡目を得る」ことを大前提にホークスの提案を断っていましたが、結局得れたのは23年の2巡目ということで大敗北でした。

これならトレードしないでオフに判断を先延ばしし、他に欲しがるチームを探す方針もありました。ただし、ドラモンドの来シーズンはプレイヤーオプションです。本人が契約を選べるので、対価なしで出ていかれる可能性もありました。でもさ、「だったらせめて2巡目指名権を」ってなるのかな?

それよりもむしろ、これで「少なくとも来シーズンのドラモンドのサラリーが発生しない」ことの方がピストンズが選んだ最低限のチョイスだった気がします。

来シーズンのサラリー28.7Mを支払いたくない
対価なしでのFA移籍を防ぐ

当初は後者が強調されていたわけですが、レジーとモリスのバイアウトも成立させたように、前者も含めたサラリー抑制の意味合いの方が強そうです。
なお、ドラモンドは単年28M以上のオファーを得ることはないと思います。まだ26歳でシュート以外は多彩なセンターなので、長期契約でトータルサラリーが上がる可能性はありますが、単年でこんなに払ったらチーム構築できないし。しかもコロナ不況でサラリーキャップもわからないし。

◎ピストンズのサラリー事情

ドラモンドとレジーがいなくなったことで、今シーズンのサラリー負担が少し減ったピストンズですが、それ以上に来シーズンは一気に軽くなります。

なお、ジョシュ・スミスのストレッチしたサラリー5.3Mの支払いも今シーズンで終わります。ネッツもデロン・ウィリアムスへの支払いが終わります。凄い制度だな。

〇来シーズンのサラリー
グリフィン 36.8M
スネル 12.2M(PO)
ローズ  7.7M
ケナード 5.3M
ドゥンブーヤ 3.5M
ブルース 1.7M(TO)
ミハイルー 1.7M(TO)

合計62Mほどです。半分以上がグリフィン。21-22シーズンまで残るグリフィンの負担は重いですが、それ以外は身軽も身軽。主力大放出によって、サラリーキャップの空きがメチャクチャ大きくなりました。

今シーズンのサラリーキャップが109Mだったのですが、殆どのチームがこれを上回っており、トレード成立が難しかった事情がある中で、来シーズンはコロナの影響でキャップが下がる可能性すらあります。現時点でピストンズを下回るのはホークスしかないので、オフの主役に躍り出る事さえできます。

ドラモンドを放出しなければ、ドラモンドの動向次第だったのですが、現時点でピストンズは様々な動きを考えることが出来ます。グリフィンは売れないだろうという予想の中では、致し方ない選択だったのかもしれません。

◎グリフィンとローズとウッド

この状況下でどんな動きをするのかを考えるわけですが、その前に現在のチーム事情に触れておく必要があります。ブルース、ケナード、ミハイルー、ドゥンブーヤという若手たちは大前提として、それ以外に注目されるのがこの3人です。

ケガが多く、運動量が少ないグリフィンの使い道は非常に難しいものがあります。特にドラモンドと組ませるのは苦しすぎました。現代的にはセンターが適正ポジションだと思いますが、これを実行するのかはHC次第かな。

〇グリフィン
15.5点
FG35%
3P24%
4.7リバウンド
3.3アシスト

このグリフィンの使い方は考え始めると難しいので割愛しましょう。そもそも「勝てるチーム」として「再建するチーム」として、グリフィンへどんな期待をしているのか、あるいはしていないのか。後者だとグリフィンには不幸なキャリア終盤が待っているかもしれません。

それに対して、何年も苦しんだローズは、現代のプレースタイルに適合し始めました。ケガによる能力低下もありますが、それ以上に現代NBAとは違うプレースタイルって事に苦しんでいた印象でしたが、バランスをとれるようになってきた。

〇ローズ
26分
18.1点
FG49%
3P31%
5.6アシスト

といっても昨シーズンとそんなに数字はかわらないのですが、6THマンという役割に慣れた事もあって、安定してきた感じがあります。何よりも注目すべきはFG%の高さ。3Pがないけれども、かわりにインサイドで得点できるかつてのパターンでバランスを取り始めました。なお49%はキャリア最高です。

こちらも真面目に考え始めると1つの記事になるのですが、、、ていうかローズで1つ書こうかと思ったけど、今シーズン既に書いているからな。

何はともあれ「ローズは使える」となっているのですが、バランスをとれるようになっているのは、言い方を変えればローズ仕様のチーム構成も必要なわけで、スターターにするか、6THマンを継続するかで、チーム事情は変わってきます。

なので、5年前ならスーパーコンビと言われたであろうグリフィン&ローズは再建というチーム事情の中で、どんなことをさせるのかは難しいものがあります。とはいえ、ともに契約を残している中で、ピストンズに残ったビッグネームなので、活用することが必要になります。

再建チームの中で役割を与えるのか
グリフィン&ローズで勝てるチームを作るのか

このどちらの選択を取るか次第でオフの選択は大きく変わってきます。両パターンで考えてみたいと思いますが、その前にもう1人クリスチャン・ウッドについても触れましょう。

〇ウッド
21.4分
13.1点
FG57%
3P39%
6.3リバウンド

24歳のウッドはバックスでもペリカンズでも、大きな可能性を感じさせるプレーをしていたものの、賭けてみるほどの評価は得られませんでした。しかし、グリフィン離脱後のピストンズでは一気に「賭けるだけの価値」を示し始めています。

で、なんとなくウッドが重要なのは、単に若手有望株ってことだけでなく、ローズと組ませるとインサイドのスペースを空けてくれるし、グリフィンと組ませても中外のバランスがとれそうなことです。再建に舵を切るといっても、ある程度の結果は残しつつってことでいえば、グリフィン・ローズ・ウッドの3人を残すかどうか、使うかどうかで方向性が変わってきそうです。

契約が切れるウッドなので、ピストンズが最初にお金を使うのがウッドとの再契約になりそうです。

◎FAで主軸を獲得する

キャップスペースがあるということは、マックス契約を提示してFAを狙えるわけですが、トップFAのアンソニー・デイビスをはじめとして、この状況のピストンズに来たいかってね。クリッパーズやネッツみたいに勝てることを証明した再建チームじゃないとトッププレイヤーは得られないよ。

ってことで、考えられるのは「トップではないFAを集めて勝てるチームにする」ってことです。その意味では、このオフは狙い所の選手がいます。

〇ブランドン・イングラム
なんの迷いもなくマックス契約をゲットできる立場です。でも、ペリカンズがマッチするでしょう。以上ですが、必ず提示しておくべきですよ。なんせ、ピストンズには柱になる若手が足りないんだ。

〇モンテロズ・ハレル
グリフィン、ウッドとのトリオは形になりそうです。グリフィンがケガで使えない可能性も考慮すると、賭ける意味はありそう。

〇ボグダン・ボグダノビッチ
若手に賭ける、それもマックスを提示するなら狙い所かもしれません。そこまでの可能性を感じているか次第です。

この3人は再建というベースも含めた中で、若手層の強化になります。若手といっても中堅にはいってくるくらいなので、グリフィン&ローズのベースを残しつつ、主力に中堅を迎え、伸ばすべき若手はドラフトで揃えるって流れはとてもスムーズです。

◎プレーオフを狙う

一方で「あくまでもグリフィン&ローズを主軸」にして「プレーオフに進む」ことを前提にするならば、違う選択肢も出てきます。

〇デマー・デローザン
プレイヤーオプションの選手は何人かいますが、その中で現実的にFAになって移籍を選ぶ可能性がありそうなのがデローザン。スパーズ側も再建に進みたそうな事情と、8月に31歳になるデローザンなので長期契約を狙うなら来年よりも、今年FAになった方が良さそうだからです。

ケーシーがHCということで、3年70Mくらいを提示すれば獲得できる可能性もありそうな気が。ただローズとの相性は悪いよ。現実的に最も可能性がありそうなスター選手がデローザンだと思います。

〇ガリナリ
こちらは完全FAの中では最もエース格になれそうな存在。勝ちに行くならガリナリを選びたいし、高いシュート力でインサイドも担当するのはローズ&グリフィンにも合っているだろうし。ガリナリが大型契約を得られるとは思えないのですが、ただリーグ全体として不足気味のポジションなのでガリナリの人気自体は高いと思います。本人が何を優先してチームを選ぶか次第です。

〇ドラギッチ
ローズは6THマンとしながらも主力として活用するために、エースガードを狙うならデローザンよりもドラギッチ。ゲームメイクから得点・アシストと働いてくれます。非常に魅力的な存在になるはずですが、エース格としてはワンレベル落ちます。

もしもプレーオフを狙って戦うならば、この3人を狙いたいところです。でも、まぁそこに未来がある匂いはしませんね。でもグリフィン時代を真剣に考えるならば、勝負をかけないといけない2年間とも考えられます。要は直ぐに再建モードにするか、グリフィンとの契約が切れた後で再建モードにするかの差です。

いずれにしても、この3人に高いサラリーを提示する余裕があるチームは少ないので、ピストンズにだって可能性はあるってことです。

〇フォーニエ
プレイヤーオプションなのでFAになりそうにないのですが、ピストンズの事情を考えるとフィットしそうなシューティングエースなので最も高いサラリーを積む価値がある気がします。一般的にはフォーニエに賭けるっていう選択肢はマジックしかとらないでしょうが、ピストンズはどんな評価しているのかな。

◎ペイサーズ路線

エース格じゃなくって実力者を狙っていくのがペイサーズ路線。自分たちのチームカラーに合わせて動くことが大前提です。じゃあピストンズってなんだって言われると苦しいんだけどね。

元々はディフェンスとカウンターみたいなのが特徴でしたが、ローズ&グリフィンが路線違うんだよね。だからノールールで選んでみる実力者で、サラリーがそこそこで住みそうな選手達。「そこそこ」ってのがポイントですね。複数人を獲得していくのが大前提

〇ガソル
〇イバカ
ラプターズのセンターは共にFAになります。現在のサラリーは高いのですが、年齢もあるので下げることは可能。

〇ミルサップ
〇フェイバーズ
元ジャズの2人は対抗馬。こちらは共に単年契約を受け入れてくれるでしょう。まぁでも、単年なら大人気だろうから、ピストンズに来るとは思えないんだ。

〇ジョー・ハリス
〇バータンズ
両方を手に入れたら面白いチームが出来そう。しかし、こちらは多くのチームが狙うはずなので、獲得競争に勝たないといけません。勝ったうえで戦術的に上手く活用しないといけませんが、それは出来そうな匂いがしない。

〇ティーグ
〇ハークレス
〇コーリーステイン
うーん、コンセプトがわからないな。ガード・ウイング・センターとバランスよく3人取ればそれなりの補強成功なんだけどね。

他にも有力FAはいるのですが、プレイヤーオプションや制限付きFAがどこまで市場に出てくるのかコロナもあって難しそうです。ピストンズにとってはバッドニュースだ。

ビッグネーム皆無で、プレーオフに進む

これが最近のトレンドであり、トレンドの先には大物FAをラストピースとして呼び込むってもの含まれます。キャップに余裕があるなら複数の選手を呼び込んでチーム力で勝ちに行く選択肢は現代NBAらしさです。HCを誰にするかが問題になるけどね。

◎ビジネス路線

キャップスペースがあるチームは商売をするケースがあります。ありますっていうかネッツとホークスです。不良債権と化している高額サラリーの選手を引き取って、代わりにドラフト指名権を集める形です。

ピストンズには、この数年は勝負をかけるために指名権を手放し、また弱くもなかったので上位指名権を得ることもなく、絶対的な主力となる若手がいません。現在はドゥンブーヤがスケールの大きなプレーをしていますが、粗削り過ぎてスターになる逸材かどうかは未知数。

だからこそドゥンブーヤにプレー機会を十分に与えることで、成長を促すことは忘れてはいけません。

今年のドラフトはこのまま行くと5位指名となるので、よほど運が悪くない限りは有望株を期待できます。そんな点も含めて、FAで補強するよりも若手に経験を積ませることを優先するのは悪い作戦ではありません。

彼らが3年くらいで成長した頃にグリフィンとの契約が切れ、FA選手を狙うことも出来れば、現在のキャップスペースを利用して未来のドラフト指名権も集めておけばパーファクトなので、理想を追うならキャップスペース商売に手を出したいところです。

ただし、ちょっと懸念もあって一時期と違って「不良債権化している高額サラリーの選手」が減ってきました。代表格のチャンドラー・パーソンズも契約が切れるので、残っているのはバトゥームくらいかな。でもホーネッツが指名権を手放してまで清算する必要もありません。

細かく言えばオット・ポーターをはじめとして「不良債権ではないけどサラリーの高い選手」はいるので、細かくトレードに絡んでいく事は可能なのですし、他にもハリソン・バーンズなんかを漁夫の利的に手に入れることが出来るかもしません。

ビジネスに手を出すだけの価値はあるけど、案件は乱立しないだろうから、細かく堅実に手を出していく強かさが求められます。

若手に切り替え、ドラフト指名権を集める。ということが出来れば理想なのですが、リーグ全体の傾向として、そんなに簡単ではなさそうってのがポイントです。

◎ピストンズは何を選ぶ

ということでキャップスペースが大きく空くピストンズが取り得る選択肢は

①若手エース格FAにマックス契約を提示
②ベテランエース格FAに長期高額契約を提示
③ベテラン中堅核FAを複数人集める
④若手にプレータイムを与え、ビジネスで長期計画

近年のピストンズの傾向としては若手の有望株を選ぶのは下手で、②に行きそうな匂いですが、わざわざドラモンドを諦めたくらいだから①を狙っているのだろうと捉えています。もちろん④かもしれませんが、成功する気がしない。

いずれにしても複数の選択肢を持つだけの余裕を作れただけにオフの判断は非常に重要となります。③と④の組み合わせでリーグ全体のトレード市場の中心になるのが最大の成功でしょうから、上手く実力派FA選手を書き集め、その後にトレードでドラフト指名権に変えたいところです。

果たしてピストンズは、意外な主役に躍り出ることが出来るのか?

ピストンズはどう動く?” への8件のフィードバック

  1. 記事の通りグリフィン獲得がすべての発端ですが、昔はドラモンドとガード達のチームで魅力的だったのに焼け野原になった感が否めません。
    ドラモンドがポイントセンターやストレッチ5に成長する道はなかったのか。

    1. あれは勿体なかった。特にトバイアスとドラモンドの相性が良かったんで。
      グリフィンの実力以上に、長期契約に悩まされてしまってまい、ドラモンド放出になった気がします。

  2. ドラモンドが外から3割満たないぐらいの3打っても何も脅威じゃないからストレッチ5になる必要は無かった
    ポイントセンター路線も周囲の動き出しあって初めて活きるのにオフボールの動きがそこまで良くないDETでそれはあまり意味が無い

    若手路線に面白そう
    ラメロ
    ケナード
    ブルース
    セクウ
    ウッド
    とか

    1. 実際には殆ど打たなかったですが、同じ条件でやっているのが今シーズンのアデバヨです。ドラモンドがポイントセンターやるには動かないグリフィンが邪魔で。

      1. 失礼しました。
        ドラモンドはまだ二十代中盤。
        グリフィンを取った時点で若干見限りがあったのでしょうが、まだまだ育てれたのではないかと。

        グリフィンが来る前からインサイドは狭かったので、あの頃、ピック後にドラモンドがポップするといった戦術や、ミドル、ハイポストからの攻め手を増やせたら違う道があったかと考えてしまいました。

  3. ガソルを試してほしいです。グリフィンにリムプロテクターは難しそうですが、圧力は本物なのでザック神2.0のイメージで。
    トレーニングメニューを調整すれば、爆発力系からタフネス系に身体を作り変えられると勝手に信じています。

  4. この記事を見ていずれウッドの単体記事も書かれるのかな~と思っていたところ、丁度昨日Coach Danielがウッドを特集していて笑ってしまいました。
    やっぱり目の付け所が似ているような感じがしますね

    1. 次回なんて丸被りです。元々、使いたかった数字がハマってしまいました。

      多分、戦術というよりは「新しいコンセプトは何か?」を探しているのと、スーパープレーではなく「重要なディテールは何か?」を探しているのが似ているんでしょうね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA