ニュー50ラベート

意外なところからやってきた

50点取る選手が珍しくもなくなった今日この頃ですが、平均の3倍もとられるとビックリするよね。シェイク・ミルトンの39点も大いに驚いたけどさ。本日50点とったのはネッツのラベート。試合も白熱していたようなので観察してみましょう。

3Qまではハイライト形式で。とはいえ、いろいろ触れておくことがあったので雑感スタイルだな。

◉ケンバ、バック

セルティックスはケンバが戻ってきました。でもテイタムがいません。ちなみにカンターも戻ってきました。

ケンバがいないとスピード不足だったセルツですが、さすがはケンバって感じのプレーをしていきます。テイタムがいないので比較になってしまうのが残念ですが、いてもケンバの特徴は光っただろうね。

ノーケンバだったセルツはチームオフェンスはするし、ボールもしっかり回すのですが、どうにも個人技頼みのプレーが多かった。ケンバがいても基本のプレーコールは変わらないのですが、スピードで振り回すので、よりディフェンスが動かされています。

単純なピックを使ったプレーでもテイタムが自分で打つために動いてくる範囲があまり広くないし、プルアップ3Pもしっかりと構えて打ちます。それはケンバよりも悪いって事は何もないし、確率良く決めるという意味では大差がないです。

ただ、ケンバの方が横に大きく動くし、シュートまでが早い。その確率は大差なくてもディフェンスは対応のために動かされるし、時間も短くなります。だからよりディフェンスが動く。

ディフェンスが動けばパスワークも生きるよね、ってことで最近の中では最も魅力的に映るセルツ。相手がネッツってことが大きいけどさ。レイカーズやバックスみたいには守れない。

◉懐かしくネッツ

ケガ人でいえばネッツも負けていません。あいつもこいつもいなくて、スターターはディンウィディ、ジョー・ハリス、ラベート、アレン、プリンス。気が付いたら昨シーズンまでのメンバーが4人になっています。クルッツもスターターにすればよかったのに。

ディアンジェロこそいませんが、懐かしのネッツっぽさが出てきました。それをどう説明すればよいかは難しいのですが、

・プレーに迷いがない
・連携がスムーズ

ありきたりですが、この2点が目立ちます。例えばチャンドラーが出てくるとコーナーでキックアウトパスを受け、フェイクからトップ側に戻るプレーをしました。このプレー自体には何の落ち度もないし、ディフェンスを観て判断できています。むしろちゃんと判断できた感じ。

しかし、これがクルッツだったら10回に8回はエンドライン側へのドライブ、もしくはリングに直接向かっていきます。だからアレンはハイポストから逆サイドのゴール下に移動していました。そこにあるのはプレー判断の良し悪しではなく、「誰が何をするか」という点での慣れです。

チャンドラーの判断だと「次のプレー」への繋がりに乏しく、クルッツの判断だと「次のプレー」に動いている選手が多くなりがち。それは慣れでしかありません。

ということでケンバが戻ってきたセルツに劣らず連携の良かったネッツ。ただベンチメンバーが増えるとそうもいかなかったよ。クルッツなんか何してんのかわかんなかった。

◉踏んだり蹴ったり

カーセン・エドワーズが長くプレーするなど、厚みの不足している感のあるセルツのシュートが落ちていくのですが、それ以上にネッツのベンチメンバーの連携が悪いので点差が徐々に開いていきます。そう思っていてスターターが戻ってきたら、同じように悪かったのですが。

2Q15点しか取れなかったネッツ。ケンバにプレータイム制限もあったので、ローテの関係でグラント・ウィリアムスとタイスが並べられると大いに苦しみました。パスを繋いでもスマートやグラントが高速ヘルプでカバーしてきましたよ。

ところがそんな状況なのにヘイワードがコートにいません。こちらもケガで離脱。ケンバが戻ってきたと思ったらテイタムとヘイワードがいなくなるなんて・・・。

もともとベンチポイントがなく、スターターが交代でコートに残り続けてスコアラーになる体勢だっただけに、20点トリオの2人が欠けるなんて苦しすぎのセルツ。それでもディフェンスは崩れず、13点リードで前半を折り返しました。

後半開始ですが、ケンバがベンチでトレーナーにマッサージを受けています。膝が痛い様子。そのため、コートではブラウンをエースとしたプレーが展開されていきます。もっとも、ヘイワードがいなくなったことでブラウンかケンバはコートに置いておきたく、だけどプレータイム制限があるケンバなので温存したのかもしれません。

◉もっと酷いネッツ

そんな状態のセルツに対して点差を離されていくネッツ。3Q終わって84-67と17点差なのでした。とにかく酷かった3Qのネッツ。良かったのは1Q序盤だけだったね。

世にも珍しいネッツブログだった当ブログですが、その良さは「再現性あるオフェンス」と「読ませないディアンジェロ」という非常に相性の良い組み合わせが活かされていたからです。

ところがどうにもディンウィディがピリっとしない。ディフェンスの良いセルツにプレーを読まれてしまっています。裏をかけないんだ。そして、そんな時の切り込み役のラベートも3Q無得点。

アトキンソンは怒ったのかラベートは5分、ディンウィディも7分しか起用せず、テンプルやチオザにPGをやらせます。チオザって誰だよ。

連携もなければ突破力も足りないようなネッツ。主力を欠きまくるセルツのディフェンスを全く崩せませんでした。本日の主役であるラベートはここまで14点のみ。

3Qで69点しか取れない相手に17点差なのでTDガーデンは楽勝ムードに包まれていました。

◉きっかけもなく

引き続きチオザをPGにするアトキンソン。普通のパサータイプのPG過ぎてネッツらしさはないのですが、それが逆に読まれていたオフェンスとは違うものを生み出してもいます。とはいえ3分経過して6点。これといって爆発する空気はないし、セルツとしても熱量をもって守っていません。

久しぶりにクルッツの見事なオフボールカットからの&ワンなんかも出ますが、ジョーダンがドフリーにしているタイスがミドルを決め、ブラウンはピックを使ってファールドローするので二桁リードをキープしていきます。

ちょっと計算外の事が起き始めたのは残り8分から、スマートが守っているのにスピードで振り切ってくるラベートへの対応に困ったこと。余り想定していないスマートがバカスカ抜かれる事象。

そこでマークをブラウンにスイッチします。でも自分でべランスを崩したようにも見えたラベートがファールコールを貰い、前半で3つもファールしていたブラウンが守りにくくなってしまいました。

ここを前後してロバート・ウィリアムスにハックを仕掛けたり、グラント・ウィリアムスに打たせたりしますが、どっちもしっかりと決めちゃって残り5分半で11点リード。

67点で4Qをスタートしたネッツは6分半が経過して88点。ディンウィディを使わずベンチメンバー+ラベートの布陣は、これまでよりは良かったけど特筆するほどの結果は残していなかったのでした。

◉踏んだり蹴ったり転んだり

戻ってきたケンバが3Pを決め、グラント・ウィリアムスはラベートを止め、ブラウンのドライブによって、残り4分10秒でで104-91。

ところがこのプレーの後でブラウンがモモの裏を痛めてしまいます。ケンバが戻ってきたら、テイタムとヘイワードとブラウンがケガした。

しかもそこからブラウンはプレーできていたのでコートに残り、これがトランジションを生み出してしまったかもしれません。間接的だけど。

オフェンスパターンに乏しいネッツは出来るだけ早い段階でシュートを打ちたく、トランジションに持って行っては3Pを打つのですが、これが連続で決まっていき、一気に反撃します。

ラベート、チオザと3Pを決めれば、前に出てきたディフェンスに対して裏抜けダンクのラベート。しかも抜けられたのがまたもスマート。ちょっとブラッド・スティーブンスとしては想像していなかったであろう事態です。

落とさないラベートが3Pを決めて残り1分半2点差とするも、ケンバのパスからロバート・ウィリアムスがダンク&ワン。何故かこの時間にコートにいたロバートは、タイスと交代します。

ジョーダンがフリースローを決めるもブラウンが3Pで返し、残り50秒6点差。チオザがミドル、そしてまたスマートをぶち抜くラベート。ファールで止めるスマート。

残り20秒で3点リードのセルツ。ラベートは3Pを打ちますが決まらず、リバウンドを抑えたのはタイス。ファールゲームでフリースローとなります。しっかりと2本決めたタイスで残り10秒5点差。

タイムアウトから急ぐネッツは4秒でラベートのドライブからジョーダンのダンクに。セルツは万全を期すタイムアウトでスローインをデザインします。

しかし、これでボールを入れられず、再度タイムアウト。

やり直しは無事にワナメイカーに渡すのですが、あっという間に囲まれてクルッツとヘルドボールに。当然ジャンプボールに勝利するクルッツなので残り1.4秒でタイムアウトのアトキンソン。よくここまでタイムアウト残っていたね。

セルツは5人が3Pラインの外に広がって守ります。3点差だから当然の選択だけど、これを観るのは珍しい。ネッツは当然のようにラベートを狙うわけですが、ゾーン気味に守っていたことでパスが通ってしまいます。そして3Pを打つラベートに対して3人で囲んだセルツ・・・ファール。3つのフリースローで同点となるのでした。

先日のロケッツ戦を思い出すようなセルツでしたが、立場は逆。スローインは最後はケンバに渡したかったでしょうが、ムリすることも出来ずって感じでした。ラストディフェンスも裏目にでてブラッド・スティーブンスらしさに欠けたゲームクローズでした。まぁ選手がいなすぎた。

〇4Qのラベート
26点 FG7/10 3P4/6

1年前のキングス戦を思い起こすぜ。あの時と違うのは守れなかったこと。その代わりにガンガン得点を奪いました。その中心にいたラベートは26点ですが、スマートをぶち抜きまくったのでカバーが間に合わなかったセルツでした。

なんと4Qで51点を奪ったネッツ。
いや51点も取られたセルティックス。

3Qまで69失点、4Qだけで51失点

◉踏んだり蹴ったり転んだりタックルしたり

この試合のプレータイムが0分だったオジェレイがオーバータイムになって登場します。なんだそれ。ブラウンがコートに戻れないからの措置ではありますが、オジェレイの位置づけって何なんだろう。

そしてスマートがドライブからジョーダンへの低空タックルでオフェンスファール。6つ目となってファールアウトします。

主役6人が全滅のセルティックス・・・結局オーバータイムは2点しか取れませんでした。

対するネッツは11点。ネッツじゃなくてラベートが11点。オーバータイムの全得点をラベートが奪ったのでした。凄いのはラベート以外が4つのFG打っているのに全部外れた事だけどね。

ラベートのスピードは止められないし、止められそうなガードをつけると高さのミスマッチでターンシュートを決めてしまったラベート。しかもドライブしてはパスを振っていたので、守りにくかったね。

◉エマージェンシーの51点

そんなわけで4Q以降で37点を奪ったラベート。これで51点となった試合でしたが、むしろそこまでのプレーが悪かったことで批判されるような状況でした。それはラベートだけでなくディンウィディやジョー・ハリスにも当てはまり、この2人は3Qに交代してからコートに戻ることはありませんでした。

〇クリス・チオザ
8点 3P2/3 
4アシスト

そんな危機的状況を救った陰の主役がチオザ。誰だよお前。あまりにも読み取られていたオフェンスに意外な選手が登場したことでわかりにくくなったこと。そしてラベートに託しまくったことがセルティックスファンにとっては悪夢のようあ試合にされてしまいました。

要はパスを出して3P決めたくらいの活躍度なんだけど、エースが機能するならそれで十分って事だ。コービーとフィッシャーみたいな。

ラベートはスマートを何度も抜いており、ここは大きな誤算となったセルティックスでしたが、とはいえこの事態を想像するのも難しかったので、批判することも出来ません。それよりも次の試合からどうするんだっていうね。

ネッツの方もたまたま勝てただけで、どうなるんだろうね。ラベートの活躍の影にはオフボールで動き回るジョー・ハリスがいないことでスペースが出来ていた事、自分で打開するディンウィディがいなかった事なども含まれるのでした。ラベートは6thマンが適任だったかも。

51点のキャリアナイトでしたが、そこにあったのは両チームの頭を悩ませる事態だったのでした。

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