10-0スタート
試合開始からゾーンをするスパーズ。マジか。これって日常なのかな?
たまに見ると思いもしないことをしているチームがあるから面白いよね。そしてこのゾーンが大いに機能して開始2分で10-0とリードしたスパーズなのでした。
◉何を止めたかったのか
スパーズはオルドリッジがいないので、相手は関係なくゾーンから入りたい事情はあったかもしれません。とはいえ、時間の経過と共に何となく気にしているポイントがわかってきます。
サボニスにプレーメイクさせない
おそらく本日のゾーンの目的はこれです。サボニスのプレーメイクは、ハンドオフ、ピック&ロール、裏抜けなどなど2メンゲームによる細かい崩しがお得意で、しかも2メンゲームを右に左に展開して1度に絡むのは2人だけど、3人目、4人目を巻き込んでいきます。
しかし、ゾーンでしかもインサイドを固めるやり方だと、サボニスが2メンゲームで崩してもスパーズの全体は崩れません。そもそも2メンゲームしにくいんだよね。
これはサボニスがベンチに下がった後でポポビッチがゾーンを辞める指示を出し、2Qになってサボニスが登場すると再びゾーンになったことからも予想されます。
サボニス対策に加えてペイサーズは積極的な3Pを打たないチームで、何らかの形で崩してからの3Pを好みます。多少アウトサイドが追いつかなくても打たれないから効果的。サボニスとターナーは高さで制してくるタイプのリバウンダーでもないし。
効果的だったゾーンですが、1Qのうちに2点差まで追い上げられます。理由はスパーズ側のオフェンスが成功しないとゾーンにならないから。
フォーブスが1人で3Pを連発し、ライルズも続いたスパーズでしたが、デローザンはウォーレンのディフェンスに沈黙しました。無理なシュートを打たないデローザンだし。
次第にペイサーズがゾーンに慣れて攻略するシーンが出てくれば、ウォーレンがスティール速攻。戦略的に成功していたスパーズでしたが、段々と力負けしていきます。
しかし、終盤に出てきたミルズがこちらも3Pで加点し、もう一度10点リードにして1Qが終わるのでした。戦略が成功したけど、そうではない部分でリードしたって感じさ。
◉3Pとペネトレイト
ミルズとの相性が悪いのか、2Qになってもミルズのプレーに吸い込まれるようにファールしてしまうペイサーズ。それにしても決まるわ決まるスパーズの3P。なんと試合開始から11本中8本を決め得点の半分以上が3Pになります。ライルズは4/4
しかし、ゾーンを見せすぎたスパーズでもあるし、2Qになって修正をしているペイサーズも両コーナーから打ちまくり決めまくり。特にマグダーモッドを起用してわかりやすく狙わせ、ウォーレンやホリデー兄が的確にコーナーにオフボールムーブしてきます。
ペイサーズは15本中10本の3Pを決めます。マグダーモッドは4/4.両チームがこれって、おかしいだろ。2Q半分が過ぎると逆転に成功。
このころからペネトレイトが有効になっていきます。そりゃそうだ。スパーズはマレーが次々と。ペイサーズは全員が少しずつ。なのでペイサーズが優位になっていきます。なるほど、スパーズはペネトレイト不足か。
そして沈黙し続けるデローザン。沈黙というか、パスしているというか。
〇前半のデローザン
0点 FG0/2
5アシスト
〇前半の3P
ペイサーズ 12/21
スパーズ 9/16
お互いにFG50%オーバー、3Pも50%オーバーというハイアベレージな前半となりました。それがスパーズとペイサーズの試合ってのは意外だし、試合開始が10-0のランでペイサーズを完封したゾーンだったのも興味深いね。
ペイサーズは2Q中盤からの内容が良かったので、選手交代を控え、ストレッチするターナーのワンビッグにしてドライブ&3Pで戦いました。これがスパーズの予定を大いに狂わせた面もありました。オールスターをベンチに置いたままのマクミランなのでした。
◉デローザンとターナー
デローザンのアタックを3人で囲んで止め、カウンターでウォーレンが決めて11点リードになった3Q開始。ここでデローザンがドライブ&ワンを決めるのですが、レフリーに向かってクレームはいてテクニカル。鬱憤が溜まっていたのがわかります。
ゾーンにするスパーズはサボニスを止めていきます。2ビッグだとどうしてもインサイド-インサイドのプレーが増え、パスアウトした先がホリデー弟で単調になっています。ターナーがウイングになって3P打ちまくればOKなのですが・・・と思ったらサボニスのパスアウトから3Pを決めたターナー。
でもそれを続けないのがぱいなっぽーメンタル。ポストアップか、ピックにいくか迷っている間にボールキープしていたブログドンがマレーにスティールされます。それより簡単に空くんだからウイングから3P打てよ。打てるシーンが来たら迷った結果ステップバック打っているし。
一方のデローザンは前半がウソのようにドライブから強気に勝負していきます。ところが立ちはだかったのがターナーのブロック。決めきれないシーンが続きます。パスアウトもフォーブスが外すようになり、どうも歯切れが悪くなるスパーズ。唯一奮闘しているようなデローザンだけど、デローザンが決めきれないのも原因のような・・・。
リムプロテクターの役割を果たし、トータルでいえばプラスだったターナー。消されているサボニスが目立たない中で、良くも悪くも目立って二桁リードをキープします。
スパーズはミルズとゲイ、ホワイトを出してオフェンスパターンを変えていきますが、どうにもアウトサイドに頼り切り。心がシューターに寄りすぎたのかポポビッチ。
一方のペイサーズはスパーズディフェンスに苦しんでも、ドライブ&キックアウトを繰り返してディフェンスを崩すし、シュートを打った先にはサボニスが必ずリバウンドに参加しているから、段々とインサイドでの得点も増えていきます。
でも前半のように3Pが決まらないし、何故かマグダーモッドを出してきません。そしてプレータイムが長くなったウォーレンがミスし始める。デローザン担当なんだから同じタイミングでベンチに下げれば良かったのに。
残り2分からゲイやライルズのインサイドで加点出来たスパーズ。しかもキープしていたボールを奪われそうになったロニー・ウォーカーがルーズボールにしちゃったけど何とかキープすると、結果的に空いたゲイへパスが通りダンク。
このまま終わりそうな展開でしたが、ちょっとしたツキもあって8点差で3Qが終わったスパーズでした。
◉3Pに拘るのか
ゲイ+4ガードのスパーズ。ロニー・ウォーカーとミルズの3P、トランジションで空いたゲイのゴール下で一気に2点差にする4Qスタート。セーフティーっぽかったのに一瞬で戻されたペイサーズ。
試合開始直後はガッチガチに固めてサボニスを止めに行ったのに、4Qは動き回って消しに行くのかよ。オフェンスで暴れまわるサボニスなのですが、フィニッシュが甘く、しかも入れ替わっていくディフェンスに戸惑います。
そして残り8分を切ったところで、ロニー・ウォーカーがスーパーダンクで同点に!乗ったウォーカーは更に3P!
ロニー・ウォーカーに求められるプレーって、一般的にみれば論理とは違う所の爆発力であり、スパーズに足りなそうな強引さをもたらすアスリート能力だよね。それが濃縮されて出たような空気でした。まぁポポビッチはそう考えているとは限らないのだけど。
残り6分でスターターに戻すペイサーズ。なんだかすごく珍しい気がします。ラムとオラディポがいないからかもしれませんが、終盤をスターターで長時間戦うイメージがなかった。
ゾーンにしてこないこともあって、ターナーとサボニスのインサイドで押し込んでいくペイサーズ。ピックを使い、ポストアップを使い、オフェンスリバウンドを奪い。大きく離れることはないけど、ちょっとずつ優位を作っていきます。
また守ってもターナーがブロックに飛び、サボニスがカバーに入ってリバウンド。インサイドの強みを存分に使うペイサーズが再逆転。ライルズのみのビッグにしたことが裏目にでたスパーズでしたが、変わらずスモールでフォーブスの3Pで追い上げます。
とてもシンプルでベーシックなブログドンは、ただただミスマッチを使おうとします。しつこくサボニスへ。遂にゲイを出すポポビッチでしたが、交代はライルズなので3Pvsゴール下の形が徹底されます。
弱い部分を塞ぎに行かないポポビッチ。負けない戦術を採用しないポポビッチ。ロケッツと見間違えるくらい3Pばかり打ち、期待に応えるミルズ。デローザンは沈黙。
残り2分。サボニスを狙いまくるブログドンは空かないと見るや自分でいきますがレイアップはミス、それをサボニスが拾ってやり直しのオフェンスも、同じように自分で行ったブログドンが待ち構えていたミルズに当たってオフェンスチャージ。
スパーズはタイムアウトで選択したのが、またもミルズ。それを察知したターナーが止めるも、ミルズはステップバック3Pで外します。
ブログドンはサボニスとのピック&ロール。見事に通ったと思われたプレーは、ホワイトがボールを叩き落としてスティール。
3Pを打ちたそうなミルズ。それを抑えに行くペイサーズによってオフェンスが困ったスパーズですが、最後はゴール下のライルズに届きます。ここで打たせなかったのはターナー。ブロックして残り18秒。ペイサーズが3点リードのマイボール。
よくわからんのですが、レフリーが試合を止め、しかもペイサーズがタイムアウト。ファールゲームの時間だったのにね。まぁ特に問題なくブログドンにボールを渡したのでフリースローは堅実に2本決めます。5点差。
こうなれば3Pだよね。ところがスローインを痛恨のミス。もう意味わからないプレーだった。ライルズがフリーになっていたけどパスが出てこず、デローザンが貰いに行ったので視線を切ったライルズにパスを出したホワイト。
接戦とは違って、スパーズの混迷っぷりが出ているような試合でした。
〇4Qのサボニス
9点 8リバウンド
消されていた鬱憤を、消されなくなった時間に一気に放出したようなサボニス。ゴール下で暴れまわりました。4つのオフェンスリバウンドがスパーズを悩ませた。
〇4Qの3P
ペイサーズ 0/3
スパーズ 6/11
ある意味、この試合のハイライトとなっている数字です。3Qまで15/28と決めまくったペイサーズが3Pアテンプト辞め、ゴール下で加点していったのに対して、スパーズは6/11という素晴らしい確率で決めて27点しかとれませんでした。
オルドリッジもパートルもいないからインサイドで負けたこと自体は仕方ない。だけど、3Pに拘り過ぎているようなスパーズなのでした。決めまくったけどね。
◉おしまい
面白い立ち上がりでしたが、終盤になるにつれて工夫が減った感じなのが悪い意味で印象的でした。ペイサーズは選手が少なめの日でしたが、慌てず、騒がず、打てるシュートをしっかりと打って決め、勝てそうなポイントを使ってきました。
オラディポがどこまで復調できるかわからないし、ラムは絶望しされているので、意外にもこのポジションが困ることに。そこでホリデー弟が伸びるのかどうか。プレーオフまで考えるとちょっと苦しそうだなー。
スパーズはユーバンクスは頑張っていたけど、さすがにインサイドの層が薄すぎ。サマニッチは使えないのか?使わないのか?
こんな時ですらチャンスが与えられないのはどうかと思うぜ。で、メトゥはどこ行ったんだい。ケガしてんのかい?
ということで内容はそこそこ面白かったけど、振り返ってみると後味が悪くなってしまったのでした。
最後に仰っているように、オルドリッジとパートルがいない状況でメトゥにもサマニッチにもチャンスを与えないのは意味がわからないです。4カードでそこまで成功してきたわけでもないのに。
良くも悪くもどことやってもそれなりに勝負になるスパーズですけど、結局勝ち切れなかったりリードしててもあっさり逆転されたりするのはプレイヤー個々の力が足りないっていうことになるんでしょうか。正直、選手しかりコーチ陣しかり現体制下での限界が見えたシーズンかなと思ってます。
選手のレベルが上なら勝てるのも事実ですが、そこも織り込んでの戦略が必要ですよね。
今シーズン最大の特徴は、時間が経過しても特にこれと言って改善しない事だと思います。
過去2シーズンは苦しい時期があっても、そこから改善していったのに。
4ガードは結局何だったのか、となりそうな・・・
今シーズンのスパーズを見ていて思うのはデローザンをハンドラーして使っているのは正解なのかな?って部分です。スリーを撃たないので周りにシューターを揃えなくてはいけず4ガードでディフェンス面で厳しくなる、フォワードとして使っているサイズの問題でペイントアタックも厳しい。結局チームとしてデローザンの有効活用が見つからないまま終わりそうなシーズンです。個々の能力が足りなかったかもしれませんがwhynotさんはスパーズはどのようにすればよかったと思いますか?
一番はミルズ、フォーブス、ホワイト、ベリネリとガードが重複しすぎた事です。
マレーはディフェンスもあって残したかったのはわかりますが、だったらシューター役をガードにすべきではなかった。
やっとライルズが形になってきましたが、ウイングでの3P役が重要でしたし、それがいたらデローザンのハンドラーも問題なかったです。
シューターは増えたけど、ジノビリとはいわないまでも、戦略的に振舞える選手が少なくなってしまいました。
来季のデローザンのプレイするチームが気になります。管理人様としてはどこのチームでプレイするのがもっとも効果的だと思われますか?
ラプターズでプレーするのがどんどん苦しくなってきましたからね。
レイカーズで6thマンが一番ハマりそう。レブロンとADをもっと休ませたいし、需要は大きいと思います。LAだし。
あとはインサイドに困っているホーネッツに行くと、オールスター返り咲くと考えています。
チームも浮上するかなー、そこは若手の成長次第かなー。
サマニッチはまだNBAの水に慣れるのに苦戦しています。メトゥはGリーグへの送還とコールアップを繰り返されてこのような肝心な時にロスターにいないという悔しい時間を過ごしています………
2人ともGリーグでは中々良い動きを見せおり特にメトゥはまあ卒業レベルと言っても過言では無いですね。Gリーグのレベルを卒業出来るからじゃあ試合で通用する訳じゃないだろという声もあり分かるんですが、卒業レベルだからこそ試合でもっと使って次のステップアップをさせてほしいとファンながら思います。
ディフェンスで苦しんでいるように思えるのでメトゥが欲しい試合でした。
オフェンスは知りません。そこも成長しているんですかね?