オールスターの4Q

+24の魔力

リクエストがあったので4Qだけの感想です。

◉+24ターゲット

3Q終了時点の得点が多い方+24点を取ったチームの勝利

相変わらずのハイスコアゲームになったオールスターですが、このフォーマットが生み出したというか、コービーの「+24」という数字が生み出したのが、ディフェンスをしっかりやる空気でした。ハイスコアが続くので24点はあっという間です。だからまじめに守ろうぜ。

これが+32点だったらどうなっていたのか。ディフェンスが緩くなっていたかもしれないし、あるいはディフェンスが強すぎて試合が終わらなかったかもしれません。絶妙だったぜ+24。

◉元気な方が強い

3Q終了時点でチームヤニスがリードしていましたが、チームレブロンが逆転しました。追いつかれた最大の理由は、4Q開始時点のメンバーがそのまま試合終了まで残ったチームヤニスに対して、クリス・ポール以外は途中交代だったチーム・レブロンの元気度だったと思います。

交代からしっかりと点差を詰めて追いついたチーム・レブロン。まぁ長引いたら、どっちも同じように疲れていったから「試合を決めた」とまではいえませんでしたが。

ところでチーム・ヤニスのメンバー構成も気になりました。

ケンバ、ラウリー、ヤニス、シアカム、エンビード

機能していなかったユニットでした。特にエンビードが自分がアタックする以外は邪魔になっていて、ヤニスとシアカムは消えていたのでした。これが得点が伸びなかった理由であり、ADしかビッグマンがいなかったチーム・レブロンは途中まで明らかに優勢でした。

好調だったケンバ+ディフェンスを考えながら組んだユニットでしたが、交代しなかったことも含めてニック・ナースの失敗が大きかったのでした。

◉No.1ラウリー

ラウリーとシアカムをコートに残したのはニック・ナースならでは。ひとつには身内びいき。もうひとつには自分のチームの選手を休ませないというスパルタっぷり。オールスターで疲労を溜めても仕方ないという発想に乏しかった。

しかし、効果は抜群でした。ラウリーの存在は読みの鋭さで何度もテイクチャージに結び付けていたし、いたるところでカバーをしていました。事前の選手紹介で

こんなことを書きましたが、何故「現代最高のバスケIQの持ち主」としたのか、ディフェンスの巧みさを感じてもらえたのではないでしょうか。

ところで、MVPはレナードでしたが、4Q途中までのレナードの存在感は抜群でしたし、唯一といっていいほどにドライブから抜け出るプレーが通用していました。そこからキックアウトもするし、パーフェクトだったぜ。

なのですが、終盤になるとレナードが消えました。シアカムがデートを申し込んでひたすらに付きまとっていたぜ。

どうもニック・ナースのテストが働いていた気もする4Q。誰が止めにくいのかを考えながら、どうやったら止められるのかを試していたような・・・。考えすぎかな。

◉ハーデン、お前もか

試合を終わらせる3Pを決めたはずのハーデンでしたが、その直前にラウリーが見事なフロッピングでのテイクチャージを果たしました。このプレーはかわいそうだったハーデン。でも、その後もファールドローの上手さは際立っていましたね。

ところが、試合を終わらせる次のチャンスでドフリーになりながらシュートを打たずにキックアウトしたハーデン。ディフェンスのスイッチミスで生まれたチャンスに自分で打ちませんでした。

後にレブロンに詰め寄られていましたが、在りし日のJRスミスを思い出させるボーンヘッドなプレー。フリースローミスも含めて

ハーデンは勝負弱い

とプレーオフで言われてしまうんじゃないかという真剣なディフェンス合戦でヒーローになり切れないハーデンでした。

ちなみにチーム・ヤニスはハーデンのディフェンスを狙っていたとか。でもビッグマンが多くてポストアップになってしまい効果が低かったし、ケンバがドライブ勝負したらエンビード、ヤニス、シアカムに合わせるのが難しかったので狙いにくかったのでした。エンビードじゃなくてバトラーあたりを起用すべきだったと思うぜ。

◉DPOYヤニス

チーム戦術に乏しいオールスターでしたが、これだけのスターが並んでいるとチームじゃなくて個人に集中しとけばOKみたいなディフェンスでした。両チームともに自分のマークマンを止めれば良かったから締まっていた。

そんな中で段違いの性能を発揮していたのがヤニス。レナードもいたけど、ヤニスの場合は多少遅れても追いつくから見た目が良すぎる。レブロンをシャットダウンしてしまうのはヤバいって。

DPOY争いがどうなっているのかわかりませんが、モンスターなオフェンス以上にクレイジーなディフェンス。ヤニスのそばでは打ちたくないね。オフェンスで消えていたけど、コートに残しておきたいのはヤニスがいるだけで守れてしまう気がするから。

◉レブロンvsケンバ

チーム・レブロンで出続けたクリス・ポールですが、ポイントゴッドというよりもコーナーシューターでした。しかし、途中で気が付きました。自分をマークしているケンバをレブロンに擦り付ければ個人技で得点できると。レナードが目立たなくなった理由でもあります。

レブロンへスクリーンに行きスイッチを促すクリス・ポール。スイッチしたくないヤニス。地味にヤニスとクリス・ポールのオフボールの戦いが重要になっていきました。

そして拮抗した展開の中で、数少ない機会だったけど、明確に優位に立てたレブロンが見事なドライブダンクでチーム・レブロンが王手をかけることになりました。

戦術不足のオールスターという面が大きいですが、真剣勝負の度合いが強まってディフェンスの激しさが増した展開はプレーオフの予行練習みたいでもありました。そんな中で例によって「ディフェンスの穴」が生み出すディスアドバンテージを感じずにはいられなかったケンバ。

ケンバもディフェンスを頑張っていたし、悪いって程ではありませんでしたが、どうしてもサイズが違いすぎた。

そしてラストプレーもミスマッチになってのADvsラウリーのゴール下でした。総じてチーム・レブロンの方がミスマッチを誘導して上手く利用しました。チーム・ヤニスはどこからどうやって攻めたいのか、いまいちでしたね。それがHCなのか、ガード陣なのか、それともビッグマンジャマだったのかはわかりません。急造チームの1Qで判断する内容ではありません。

◉観客が・・・

勝ったチームが指定したチャリティ団体に寄付するという事で、それぞれの応援席にも熱気プンプンムンムン。それは良いのだけど、そこばかり映すし、彼らは良い席で観ているし、なんとも言えない感じでした。まぁでもそこまでは良かった。

でも、試合が終わったらなだれ込むように選手のところに駆け寄らせているのはどうなんだ。スマホ持って撮影しているだけじゃないか。個人的に嘘くさいというか、演出じみた感じとがとても嫌でした。

◉ディフェンスしようぜ

オールスターの課題が解決したような4Qだったのは良い傾向でした。ただ、クロックがないから選手のローテがしにくかっただろうね。どうしてもスターターを終盤にもってきたいわけだから、3Qまでのプレータイムをかなり減らしておいてあげないとダメですね。ここのさじ加減が求められそうです。

初めての試みであり、4Qが24点しかないだけに両HCの判断は難しかったと思います。このフォーマットに適した戦い方は誰も慣れていないので、ディフェンスを強めて真剣勝負になった良さとは違う課題が生まれてしまうのでした。

オールスターの4Q” への2件のフィードバック

  1. リクエストした者です。
    非常に面白い記事をありがとうございます!

    管理人さんと同じく、自分もヤニスのディフェンスが最も印象的でした。
    一方アウトサイドがない分、インテンシティの上がるゲームになると、オフェンスではレナードなどに比べると少し劣る印象を受けました。

    昨年はラプターズにストップされた彼ですが、今年はどうなるのでしょうか。

    1. 今年はヤニス止める選手が、
      シアカム&アヌノビー&RHJと充実しているラプターズ
      必殺オジェレイのセルティックス
      エンビード?のシクサーズ
      ってことで、やっぱりラプターズが敵でしょうね。

      ヒートはよくわかんないっす。イグダラ先生。
      ペイサーズはターナーがわかんないっす。

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