ホーネッツvsブルズ

同じくらいの成績となっている両チーム。ホーネッツは「ケンバがいなくなって弱くなった」と思われがちですが、実際には「ケンバがいなくなったのでチームを作り替える」ことにしたのが成績低下の原因であり、その割にはしっかりと整備されています。

最大の驚きはスターターとしてロジアーと並ぶことになったPGグラハム。セルティックス戦での劇的なクラッチショットを決めるなど、メンタルの強さが目立つ選手ですが、同時にフィジカル面も優れており、コンタクト負けしないのが特徴です。体幹強い系のPGにして、メンタル的にも強気なので強引な突破が功を奏し、だけどパスをしっかりと出すのでムダに飛び込むわけではないっていうね。

グラハム(2年目)ロジアー(4年目)ブリッジス(2年目)PJワシントン(ルーキー)という4人がコアになっており、ケンバ時代のスターターはゼラーしか残っていません。

若手チームとして注目されるブルズやホークスに並びたい野望を持っているので、あれっニックスよりも将来性があるんじゃないの?ってね。

でもロジアーって「もっと大きな役割を担いたい」としてホーネッツに来たのにPGの座を奪われるとか想像もつかないわな。それ以上にグラハムを計画していたならロジアーに高いサラリー払うのってムダな気がするよ。ロジアーが、ではなく、高いサラリーが、ね。

◉アウトサイドシュートのブルズ

そんなことは関係なくラヴィーンを中心としたブルズが早々にリードします。ヴェンデル・カーターの3Pも飛び出て、ていうかヴェンデルの役割が良くわかんないブルズなので3P打たせるなら、それはそれでよいんだけどさ。狙ってんのかわからん。

自己主張しすぎないサトランスキーのゲームメイクからラヴィーンやマルカネンがアタックしていくブルズ。戻ってきたらサトランスキーは3Pを正確に決めてくれるはず。本日はオット・ポーターが不在ですが、ヴェンデルも含めてアウトサイドシュート能力を持った選手を並べるならダブルエース+シューターでわかりやすいね。

〇ブルズの3P
ラヴィーン 40.2%
ポーター 40.0%
サトランスキー 44.7%
マルカネン  27.7%

どこの強豪チームかってくらい高確率が並ぶブルズ。頼むぜマルカネン。

1Qはラヴィーンの3本を含めて6本の3Pで先制したブルズ。そんなチームだったかは記憶にないけど、ラヴィーンとマルカネンがスーパースターになれれれば強力に機能します。でもこれだけの3Pがありながら、勝率が高くないって事はシュート能力以外の部分でメチャクチャ苦労しているわけです。

ベンチからはルーキーのコビー・ホワイトがエースとして大活躍。もう見慣れてきたぜホワイト。個人で得点を奪う能力の高さは素晴らしく、しかもシューティング利用だからインサイドの空いた選手にパスも通しているよ。

〇コビー・ホワイト
25.4分 13.9点
FG39% 3P36%

観た試合はもっと決めていましたけどね。基本的にはアウトサイドの得点力は高く、そのシュートを中心に組み立てていきます。ただし突破そのものとフィニッシュ力には課題があるFG%でした。2Pも3Pもあんまり変わらない。

しっかりとエースムーブしてくれるのでベンチユニットはホワイト中心に組み立て、サディアス・ヤングの4アシストもあって1Qは34-23とリードします。

しかし、この状況に対して2Q序盤のホーネッツはグラハムとモンクの2人ガードを並べながら、ホワイトに対してブリッジスをつけてアウトサイドの自由を封じていくのでした。

◉似ていたホーネッツ

ホワイトはドライブレイアップを決めるも、アシストはなく「エースから始まるパターン」に課題が大きいブルズ。それに対してグラハムもまた同じようなプレーをしていきます。

〇デボンテ・グラハム
33.0分 18.0点
FG41.5% 3P41.1%
7.1アシスト

基本的にFGは低いけど3Pは高く、アウトサイドシュートから構築していくのですが、ホワイト(というかブルズ)と違うのはアシスト数が多いこと。2Q序盤はビヨンボへのパスが悉くミスになり、その片鱗は出てきませんが、タフな3Pを連続で決めていきます。

基本的には無理に突破しないグラハム。出来るだけ自分のアウトサイドにディフェンスを集めておいてパスを出すなり、カウンターのドライブするなりがお好き。モンクと比べるとその能力に差があることがわかります。カウンターをとる上手さってやつね。

この能力を生かして、ブリッジスとワシントンがプレーするスペースを構築するってのも特徴になってきました。共に3Pも打てれば自分でドライブしていく能力もあります。

超簡単に言えば、グラハムじゃなくてハーデンだったら強いチームです。でもロケッツと違って両ウイングはボールを貰ってから勝負する能力があります。単なるシューターではないね。バランスアタックしていくホーネッツ。

2Q初めにグラハムが連続3P、中盤になるとワシントンとブリッジスで続けて3P。これで6点差まで追い上げます。

しかし、ここからPGがロジアーにスイッチし、ブルズがスターターになるとなーんか歯切れが悪くなります。ボール持ちすぎのロジアーだけど、マークマンを振り切れていないので周囲も動きに戸惑っている感じ。どこのタイミングで合わせに動けばよいのか。

ただディフェンスは機能します。個々がしっかりと守る意識が高く、ブルズの突破力問題もあって1ON1で負けないので大崩れせず、タフショットに持ち込ませます。要するにお互いに守りあっている。

時にラヴィーンに突破されるのですが、ブリッジスが2回連続で後ろからブロック。守れる選手を集めているようなホーネッツの若手たちはブルズを22点に抑え込みました。ただサトランスキーには突破され、パスを振られと微妙に苦労。ブルズ視点で言えばハンドラーの働きに託すしかなかった展開。

ホーネッツも似たようなものなのでグラハムとロジアーがタフショットを打っていき、最終的には26点止まり。最近は26点だと好調とは言えないね。共にFG40%に届かない2Qとなりました。

ブルズが56-49で折り返します。ちなみに3Pは共に40%オーバー。アウトサイドからなら決まるっていうね。

◉トップ→ウイング→センター

グラハムからゼラーへの見事な合わせが決まったホーネッツに対してヴェンデルとサトランスキーの意思が合わないブルズ。しかしブルズが良かったのはヴェンデルにボールがはいると良いパスアウトが戻ってくるので、ラヴィーンがコーナー3Pを決めていったこと。このセンターはパスアウト役で使うのが正しいのか?

しかし、ブルズが良かったのはそこまで。誰かがドライブしても次の動きが合わないし、速攻のチャンスでもレイアップをミスするし、毎度のことですがチームで何したいのか理解できません。

ホーネッツはそんなに確率高くないのですが、ゼラーに合わせていく形が出来ていて、ビヨンボも同じような動き方をやろうとしています。やろうとはしています。整理すると

PGはアウトサイドシュートに引き付けるようなプレーが好み
両ウイングは3Pとドライブを使う
センターは空いたスペース、ドライブに合わせる

普通なんだけどね。その普通の事をNBAでやるにはディフェンスとの兼ね合いがあって簡単ではなかったりします。試合によって活躍する選手が違うのは、その兼ね合い何だと思っています。

3Qは明らかにセンターが活躍しないといけない流れ。ゼラー+ビヨンボで9点、FG4/7、3オフェンスリバウンド。うーん、悪くはないけど、もう少しここが堅実に押し込んでくれれば強いだろうに。

そのセンターの代わりに押し込んでいったのがマービン・ウィリアムス。懐かしいケンバ時代のスターターは、センターに代わってピック役を担い、ロールしての押し込み役になります。ブルズがスイッチしてしまう事情もあり、vsホワイトになった残り2分のねじ込みシュートで逆転。

さらに今度はグラハムからフリーになったビヨンボでダンク。オフェンスリバウンドの流れから繋いで最後はマービンがコーナー3P。マービンはディフェンスでもフル稼働し、ブルズを追い込んでいきました。マルカネンとヴェンデル、ヤングのブルズには機動力もないと追いつけないんだよね。

前半のプレーがグラハム中心のアウトサイドだったことから広がったディフェンスに対してインサイドがフィニッシュしていく非常に論理的な展開を構築したホーネッツ。そこにウイングとセンターの中間役をこなしたマービン。ホーネッツが74-69と逆転して3Qが終わります。

◉あり得ないラヴィーン

バトゥームから裏へ抜けたモンクへのアリウープ
速攻でロジアーからモンクへのアリウープ

開始早々のビッグプレーで一気に11点差まで持って行ったホーネッツ。会場ノリノリ、このまま一気に試合を決める流れになります。

しかし、ここからブルズはラヴィーンとホワイトの個人技任せにしていきます。ただし周囲をダン、アーチディアカノ、カーターで並べるちょっと難しいラインナップ。スモールラインナップ自体はあるあるですが、ダンが交代も出てくるのはサトランスキー。ハンドラー大集合で反撃を狙ったわけです。

このラインナップがもたらしたのはインサイドが空いてラヴィーンが抜け出すシーンが増えた事。そしてインサイドが「ゼラーとの1on1」になればオフェンスリバウンドを踏ん張れたヴェンデル。あとはもう単純にホワイトの超積極的なシューティング。それを生み出してくれるパス判断の良さかな。サトランスキーとアーチディアカノを並べる意味ね。

ディフェンスでは足が動くのでわかりやすいフリーが生まれにくくなります。ただしやっぱり小さいことと、動けるマービンが登場したことで、付け込まれてしまいます。スイッチでカーターがアウトサイドに出ていくとゼラーにオフェンスリバウンドをとられる。

これで完全な得点の取り合いに持って行ったブルズ。マービンにゴール下を決められてはラヴィーンが3Pとドライブで返していきます。要するに3Pの分だけちょっとずつ追い上げる。

これがまた決めまくるラヴィーン。お前はカリーか、ってくらい決めまくる。インサイドを攻略されまくっても関係ないとばかりに3Pを決めていくラヴィーン。

この4Qでブルズは30ものFGを放ちましたが、そのうち14本がラヴィーン。そのうち9本が3P。打ちまくるぜラヴィーン。

ホーネッツは好調のマービンを使いながら、しっかりとインサイドでフィニッシュしたビヨンボ。そして残り3分でロジアーが3Pを決めて残り2分22秒で8点リードを保ちます。

しかしコミュニケーションミスからあまりにも簡単にホワイトにシュートに持って行かれると、ロジアーがヴェンデルとの1on1なのにターンオーバー。ラヴィーンのレイアップが落ちてもオフェンスリバウンドを取られるなど、終盤になって必要なプレーが出来ない感じに。

残り1分。ダブルチームを仕掛けたホワイトに対して冷静にパスを出すグラハムからロジアーが3P。同じくダブルチームから空いたビヨンボのダンク。終盤になっても落ち着いているグラハムのプレーで勝利は間近。

ブルズはラヴィーンのシュートミスをヴェンデルがダンク。それでも残り残り45秒で8点ビハインドと苦しいぜ。

ラヴィーンは苦しい体勢でも時間をかけるわけにいかないのでロング3P。それでも決めてしまって5点差。

ファールゲームで残り32秒でフリースローラインに立つのはロジアー。しっかり決めて7点差。3ポゼッション必要だよ。

ラヴィーンはまたもロング3P。これがバックボードに当たって決まるスーパーショット。あんびりーばぼー。残り23秒4点差。またファールゲームはロジアー。1本外してしまい5点差。

アーチディアカノがドライブするも3P打ちたいのでパスアウト。受けたホワイトは打ち切れないのでドライブレイアップに。3点差にしてファールゲームはグラハム。こちらもしっかりと2本決めて時間だけが減って残り15秒。

ラヴィーンが行くも止められるのでパスを出して最後はサトランスキーが3P。2点差。

その後のスローインが問題に。近くにいたグラハムにパスを出したロジアー。だけど、そこにはブルズの選手が3人。ロジアーはフリーだけど3人に囲まれてパスを出すことも出来ないわけだ。そして奪い取ると寄りにもよってラヴィーンがボールを持ちます。

そのまま決めれば同点だったけど、3Pラインの外へ移動したラヴィーン。下がりながらの劇的な3Pはこの試合49点目にして、13本目の3Pとなって劇的な勝利をブルズにもたらしたのでした。

あり得ない勝ち方。あり得ないラヴィーン。ホーネッツの後悔は最後の最後で出したロジアーのインバウンドパスくらい。たったそれだけで逆転されるのかっていう。

〇ザック・ラヴィーン
49点 3P13/17

何て夜だ!!!

◉どっちが成長するのか

大逆転のブルズですが、ラヴィーンの大活躍がなければ不可能だった勝利。そしてそれはラヴィーンに大活躍してもらう大前提のチーム構成という事。ベンチからはホワイトね。

超簡単に言えばラヴィーンをレナードクラスになると信じてのやり方です。いや、シカゴだからマイケル・ジョーダンか。それくらいの大活躍してくれよっていうね。大切なのはカリーじゃないのよ。カリーへパスを出してくれるイグダラとドレイモンドはいないので。サトランスキーはいるけどさ。

これをどう捉えるのかは難しい問題です。しかもこうして成功してしまう試合があるのだから尚更ムズカシイネ。ラヴィーン自身も定期的に40点ゲームをしている印象があるしさ。ハーデン的にプレーさせてみるとかね。

前回感じたヴェンデルのムダ使いは、ちょっと解消されましたが、代わりにマルカネンは消えていました。ロケッツというよりもドンチッチ&ポルジンギスなのかな。でもドンチッチはインサイドプレーとアシストが上手いからラヴィーンとはかなり違うしな。

ハンドラー並べて大成功したブルズ。そっちの方向に舵を切るのかどうか。少なくともサイズがあってシュートの上手いハンドラーであるサトランスキーの獲得は大成功みたいです。

なかなか面白かったホーネッツ。センターがもう少し良い選手なら・・・というか「ボールを受けてワンステップでシュートに行く」が出来る選手かどうか。カペラが素晴らしい理由でもあり、能力だけと思われたジャレット・アレンが結果を残している理由でもあり、ゴベアーが成長した部分でもあります。

ゼラーが重用されているのはステップを使ってこれが出来る事。ビヨンボには苦しいだろうね。せめてカンターあたりを獲得できていればもっと機能したかもしれません。

このバスケの良い部分は「論理的でありバランスアタック」な部分ですが、悪い部分は「全員が質の高い選手じゃないと機能しない」ってことでもあります。

グラハム、ブリッジス、ワシントンと揃えたことで期待も高まりますが、さらに質の高いセンターを連れてくるとなると苦しい部分もあるよね。まぁワンステップで決める能力があれば成立するんだけど。

もう一つはこのバスケをすることで成長していく事です。ベテランだから成長しないって事はなく、必要なプレーをドリルで高めていくことに年齢は関係ありません。

が、1年前も良いバスケをしていたけど、そこから伸びなかったボレゴ流ってのも事実。個人が成長していく環境なのかは難しいんだよね。サンダーとかオラディポにしてもポール・ジョージにしても論理性のないオフェンスだからこそ成長していったわけだし。

ということで、実はブルズパターンの方が選手は成長しがち。このままラヴィーンとホワイトには大きな負荷をかけていく方向性もありなわけです。どうせまだ優勝は出来ないんだから、個人を鍛えに鍛えようぜ。ってね。

個人に負荷をかけているブルズ
チームオフェンスの中で個人の役割は限定的なホーネッツ

こういう表現をするとわかりやすいのかな。サンダーからMVPが3人出たように、MVPクラスの選手で構築したいチームは前者なんだよね。ジョーダンとローズに続く系譜か。

ホーネッツvsブルズ” への4件のフィードバック

  1. CHAはドラモンド欲しがってるという記事を見つけて少し気になっていたのですが、確かにセンターのアップグレードはしたそうな雰囲気は感じます。
    あと、ボレゴ流は伸びないというのもなんか納得、プレイタイムを割とスッパリ切るんですよね。
    グラハムが目立ち出してベーコンは完全に出番なくなりましたし、エルナンゴメス、MKGは今シーズン全然出てないですし(エルナンゴメスはロスターにも名前見ないからもしかしたらケガかも)、PORのテリー・ストッツが我慢して起用してシーズン終盤でなんとか形にしているのを見るともう少し色々試してもいいのかなぁとは思います。
    マーヴィン、MKG、ビオンボの契約(みんなお高め)が今シーズンで終わるので来季に向けて色々動きやすいはずなのですが、ここのフロントはそういうところ上手くないから不安の方が大きいです

    1. ドラモンドを手に入れるのは良いかもしれません。
      ピストンズが何を考えているか次第ですが、グラハムを信じるならレジーもひきとってあげてロジアーを放出するとかね。
      そういったギャンブル的な動きと若手を信じて構成するのが下手なフロントってイメージありますからね。

      そもそもスーパースターをFAでゲット!みたいな青写真あるんですかね?
      基本はペイサーズ路線が正しいし、ボレゴに合っているので、しっかりとしたサラリー計算で選手を構築しないと・・・。未知数すぎる。

  2. 勝利には改善点を有耶無耶にしてしまう力もありますからね
    再建チームなので問題だらけ
    ガード相手のポストをきっちり狙うのは良いけど、DFが寄ってきた時のキックアウト用のオフボールでの動きが無かったり
    ハンドラー意識しすぎてビックがインサイドガラ空きにして簡単にスコアされたり

    なかでもロジアー問題はわりと深刻ですね
    スクリナーとして優秀なコディとしっかり空いたスペースに移動するウィング達とやっていて次に繋がる動きが意識できていないので
    CHAに足りないgo to guyでハードワーカーなので好きな選手ではあるんですが契約的に3年スターターはほぼ決まりなのが輪をかけて

    2年前とは違う理由で「もっとモンクを使え」と思います。数字にはあまり出てませんが周りを使う能力は安定して発揮できるようになってきました

    GMからスモールマーケットなのでUTAやSASをロールモデルにしたいという発言がありましたし全員アタックで生き残っていくしかないのです

    1. スパーズをモデルにするにはスターが足りないんですよね。
      あくまでもビッグ3がいて、優秀なスカウトでレナードを指名して・・・というほどのスターは獲得できていないので。
      ジャズもドノバン・ミッチェルいなかったら凡チームでしたし。

      となるとペイサーズ路線だと思うので、個人能力よりも周囲との関係性を作れるタイプを優先するってのも必要だと思います。
      個人のパフォーマンスではなく、チームのパフォーマンスを伸ばせる選手ですよね。ロジアーにもそれを求めていそうなボレゴですが。

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