ブレイザーズvsスパーズ

注目はPFです。

なんだかデジョンテ・マレーが活躍しているらしいですね。そして新加入のトレイ・ライルズがスターターになっています。ジャズのトレーニングを「きつすぎる。ふざけんな」と発言したライルズがスパーズでスターターってちょっとウケます。

対して結局はアンソニー・トリバーがスターターになっているブレイザーズ。ザック・コリンズじゃあ・・・ってことなのか、それともベンチの得点力を確保したいのか。お互いに新加入のPFの働きをみたいものです。観れるかはわかりません。

◉ストレッチするPF

ストレッチするトリバーからインサイドのホワイトサイドに良いパスが通るも外すホワイトサイドで始まります。ライルズの方はリラードのドライブに対してヘルプで止めると後ろからマレーがバックファイアー。

なるほど、そういえばマレーのシュート力はデローザン中心になったスパーズには不安材料でしたが、マレーとライルズっていうのは良いコンビになれそうです。シュート力勝負のライルズと動けるマレー。スイッチ対応も出来るし、シーズン通して注目してみたい案件。

ただ、スパーズのオフェンス面はデローザン中心なのでそんなに目立たず。ドライブ&パスアウトの連続で3連続3Pのブレイザーズはその3本目がトリバーでしっかりと3&Dを活かしています。

スパーズのディフェンスはインサイドカバー重視なので、リラードとマカラムのドライブに複数で対応ししっかり止めますが、パスアウトが効果的に決まります。 4本目の3Pをマカラム、5本目をリラードが決めて15点リードになるブレイザーズ。 なお、ホワイトサイドにもミドルレンジから積極的に打たせています。

スパーズはオフェンスが成功しません。PFだけどアウトサイドで全く空かないライルズ。やっと空いたのはホワイトサイドがゴール下を決めて倒れている間にトランジションを仕掛けた時。トリバーがオルドリッジを守ったので空いたライルズが初めて良い形でドライブしますが、ノーチャージエリア前で構えたトリバーがテイクチャージ。

序盤はこの2人の差というか、ストレッチを活かせているブレイザーズと使い切れていないスパーズという差が響いています。

ベンチからホワイトとミルズが出てくると少し改善します。USA代表がベンチメンバーのスパーズ(笑)マレーが悪いというよりは組み合わせ的にデローザンが楽になってきました。ゲイやパートルなども出てきて、やっぱり昨シーズンからのメンバーは強いね。

ブレイザーズはベンチからラビジエリ、ヘゾニャが怪しいプレー。怪しいっていうか堅実性が低いから、良いプレーをしても最後のところで止められることが増えていきます。まぁ新加入が多いとこうなるよね。

ただ、1Q最後はヘゾニャの3Pとラビジエリのプットバックダンクで締めたので、ブレイザーズが14点リードに戻して終わります。頑張った新加入。

◉パスを出せ

ヘゾニャは更に2Qもオープニング3P。ちょっとした変化というか、ブレイザーズらしさみたいのは、リラードがいるので、ヘゾニャといえども特攻オフェンスはせず、リラードの指示に従ってボールを渡します。基本はボールムーブしてからのプレーになるので、「何やってんだか」みたいなプレーは少なくなっています。ディフェンスは別ね。

そのリラードがいなくなるとPG的に振舞わせます。おそらくトップにおいて「パスをしろ」と促している気が。自分で全てをやってはいけないルールがつけやすいトップという気がします。

一方で自由を与えられていそうなサイモンズ。リラード&マカラムの居ない時間をハンドラーとしてこなしています。自由ってのは「パスを出す」という信頼でもある。ただ上手くいかなかった2Q序盤。

イージー気味のシュートが落ちまくります。スパーズからすると試合開始であんなに3P決めたんだから、レイアップを落としてくれないと割に合わないわ。そしてホワイトが次々とカウンターを食らわしていきます。これで一けたに戻します。

でもマカラムが戻ってきたらサイモンズが連続速攻。いいねサイモンズ。マカラムとリラードの間みたいなプレイヤー。軽い感じで抜けていってスムーズなフィニッシュ。マカラムに続いてMIP取らないかな。

ブレイザーズはさらにベイズモアがディフェンスでマレーとデローザンをブロック。これで波に乗るブレイザーズ。かと思ったらホワイトサイドがオフェンスファール連発。デローザンにかわされファールしないようにサイモンズが諦めたのに体ぶつけて&ワン食らったりして、ガマンしきれないホワイトサイド。

そしてマレーとデローザンでドライブ攻略していくスパーズ。殆ど3P打たずに攻め込んでいます。マレーも凄いわ。こんなにオフェンシブな選手になって戻ってくるとは想像もつかなかった。素晴らしいハンドリングでするっと抜けていく。殆どスペースないのに抜けていく。

残り1分10点差あったのですが、そこからゲイがこの試合初めての3Pを決め、守ってもマカラムとの1on1を守り切ったことで51-45と6点差に詰め寄って終わります。

マレーのプレーが素晴らしかったけど、いまいち結果に結びつかなかった印象のスパーズでした。

◉走るオルドリッジ

2本目の3Pをフォーブスが決めてワンポゼッション差になってスタートした後半は、相変わらず合わせるのが下手なホワイトサイドへのパスが連続でミスになり、フォーブスがまたも3Pを決めてスパーズの流れになります。

ホワイトサイドは集中力が切れたのか、スタミナが切れたのか、あるいはそれを見越したオルドリッジが仕掛けたのか。そんなに必要ないシーンでも全力で走ってゴール下に行くオルドリッジへの対応の遅さが目立ち、それが最終的にリバウンドの差になってきます。

明らかに1つ1つのプレーで後れを取っているホワイトサイド。トリバーが2人分守ってカバーしていますが、ハーフコートでのオルドリッジを捕まえきれなくなります。なお、ザック・コリンズはいないのね。ベンチに控えるのがラビジエリだから交代させにくいブレイザーズ。

ってことで、遂にリラードからスティールしたマレーからデローザンのダンクに繋がり、スパーズな空気満載です。でもオルドリッジの走りを忘れないでね。おそらくそこからリズムが生まれたよ。

逆転されて諦めたテリー・ストッツ。ヘゾニャをいれてトリバーにオルドリッジを守らせます。で、守れてしまうポストディフェンスの達人トリバー。凄いディフェンスするな。マレー並みに効きまくっています。オルドリッジを守りながらヘルプで止め、速攻をコースにはいってノーファールで止めきる。クレイジーなトリバー。

しかし、オフェンスがどうしようもないブレイザーズ。全く決まらなくなったアウトサイド。それはマレーがリラードを抑えていることも関係しています。こちらはもうリラードがボールを貰う事を放棄しています。密着されているので、敢えて貰いに行かず、マカラムに任せるのですが決めきれないマカラム。

全く決まらなくなるブレイザーズ。どうしようもなく決まらない。それに対してオルドリッジが止まってもデローザンが決めていくスパーズ。ゴール下で粘り強いデローザンが、エースとしての仕事をしまくり、二桁リードに変えていきます。

アウトサイドに頼るブレイザーズに対して、デローザンはよりショートレンジまで運んでいきます。マカラム、サイモンズ、マレーとすり抜けていく選手と違って、パワフルに仕掛けていくデローザン。プレースタイルっていろいろだ。

3Q最後はデローザンが仕掛けると見せかけてのパスからミルズが3Pを決めて82-71とスパーズが11点リードで終わります。両チームともに規律があり、ディフェンスへの意識も高かった見ごたえのある試合ですが、その中では目立ってしまったホワイトサイドでした。オルドリッジの走りが生み出した両チームの差だったと思います。

でも結果としては3Qだけで18点のデローザン。12点のフォーブスが引っ張ったスパーズオフェンス。こういうのも面白い時代になってきましたね。フォーブスなんて冷静にシュート決めただけなんだけどさ。

◉19点リードにしたスパーズ

4Qになっても流れは変わらず。スパーズのオフェンスを止められないブレイザーズ。特にミルズの動きは素晴らしく、オフボールで動き回りつつ、時にスクリナーになっておいてからコーナーへ移動しての3Pとどうしても対応できない形を増やしていきます。

ミルズに気を取られたらベリネリが3P。運動量で凌駕していくスパーズオフェンス。ローテーションを繰り返しいるブレイザーズのディフェンスは素晴らしいのに関係ないぜミルズ。

一応、触れておくとブレイザーズは全員がしっかりとローテーションとヘルプポジションを取り続けているので、こちらも運動量が多い。ただ、そこまで追いかけても決めてしまうミルズのシュート力もズルいレベル。

そんなディフェンスでパワーを使っているようなブレイザーズ。オフェンス時にどうしても切り替えが遅くなり、全体が重たくなっていきます。6分経過時には15点差に。もう苦しいかな。

ブレイザーズはアミヌとハークレスがいなくなったとは思えないくらいディフェンスが組織されていました。個人としての素晴らしさを感じさせたのはトリバーとベイズモアくらいですが、全員がハードワークするのは当然として、ポジショニングとカバーリングがしっかりとトレーニングされていました。

それは全員が動き回るわけで、ハークレスやアミヌみたいに個人を止めてくれないことで動き回らされたともいえます。

そしてザック・コリンズがいないことでビッグマン不足になっていたこの試合。ホワイトサイドの弱点をスパーズが徹底的についてきた気がします。多分。多分だけどね。それでもラビジエリすらも予想以上に頑張っていたので、このチームでプレーすることでホワイトサイドも変わるのかもしれません。

ていうか、ザック・コリンズってここで伸びなければヤバいんじゃ・・・。ただ、選手層と連携、そして鍛えてきた運動量と戦術はスパーズの方が上って感じの試合でした。

そう思っていたら、ブレイザーズが猛烈に追い上げ始めました。マジか。

リラード、マカラムにサイモンズを加えた3ガード。それにフッドとトリバーというスーパースモールにしてきたブレイザーズは、ドライブするとオープンな状況を生み出し、マカラムとリラードが飛び込んで得点していきます。

それは守るのが苦しい形のはずですが、なんとかしちゃうぜトリバー。超トリバー。マジトリバー。お前のディフェンスどうなってんだ。ただ、スパーズがブレイザーズに合わせてしまっていて、デローザン、ミルズ、フォーブス、ホワイトとこちらもスモール。

オルドリッジだけで蹂躙できるはず、という狙いでしょうが超トリバー。

※このブログでは管理人がトリバー大好きはお馴染みです。

ホワイトがドライブで切り刻んでもいきますが、試合終盤が近づくって事は異常なオフェンス力を発揮するリラード。ハイアーチのタフ3Pを決めれば、巧みにファールドローして、スパーズが2点とっても3点取り返す。4Qだけで18点のリラード。

デローザンが抜けてきたらトリバーがヘルプに出ていき、オルドリッジをサイモンズがカバーする。鍛えられたディフェンスをスーパースモールでも実践し、残り1分でリラードがダンクで1点差に持って行きます。

スパーズはまたもホワイト。マジでジノビリ。スキルの引き出しが多いホワイトはトリバーがヘルプに来たならさらっとフローターを決めきります。4Qだけで10点のホワイト。なおエースデローザンは0点。

今度はリラード。ドライブレイアップで取り返す。しぶといリラード。残り25秒で3点差。ここで当然のリラード3Pでしたが決まらず。オフェンスリバウンドをサイモンズが奪ってトリバーの3Pに繋げるも、こちらも決まらず。

デローザンがフリースローをミスしてくれたので、残り7秒でもう一度チャンスがあったブレイザーズでしたが、またも外したリラード。残り1秒でもう一回チャンスのあったリラードですが3度目もミス。何とか逃げ切ったスパーズでした。

そしてトリバー絶賛の機会を逃した管理人でした。

◉分厚かったスパーズ

3連勝のスパーズ。毎試合のように接戦しているのが信じられないくらい充実した内容でした。特にマレーは長い手を使ってバックファイアーがあるから、常に警戒しないといけない厄介なディフェンダーに。

「足りなかったキラーディフェンダー」というのが昨シーズンの感想ですが、キラーディフェンダーってレベルじゃない存在感は、ロバーソンみたいだ。

オフェンスではカイリーみたいにスルスルっと抜けていく。スピードの使い方が絶妙すぎるし、そこにシルキーなハンドリングで抜け出ていきます。ただカイリーみたいなシューティングスキルがないからね。

そのマレーがいなかったからこそ台頭したのがホワイトとフォーブス。1年前とは大違いで落ち着き払ったプレーのフォーブスと、10年目みたいなホワイトのプレー。3Qのデローザンから4Qのホワイトと中心が変われるって強いし、分厚い。

ベンチのミルズは強力。ベリネリのシュート力も手伝って止めにくいオフェンスに。ライルズはいまいちだったけど、ゲイのディフェンス力もあって分厚い。分厚い。

しかもキャロルが出ていないじゃないか。今シーズンはキャロルの獲得が大きいと思っていただけに、不在でもこれだけやれてしまうってのは恐ろしく分厚い。ロニー・ウォーカーはどうするんだってくらい分厚い。

これでクリッパーズとの試合がみたいなー。この分厚さがどれだけ通用するのか。あるいはレブロン相手にどんなプレーをするのか。今シーズンも侮れないスパーズでした。

ブレイザーズは強かったけど分厚くなかった。うーん。キャロルくれないかな。キャロルがいればスモールがやりやすくなるわけで、ヘゾニャだとそこまで信頼できないよね。オフェンスは3ガードを並べれば済むわけだから、4番ディフェンスが出来るウイングが欲しかった。

両チームの強さは同じくらいの印象ですが、スパーズの戦力の分厚さとスタミナに落ち目があったブレイザーズのインサイドって感じの好ゲームでした。

ブレイザーズvsスパーズ” への12件のフィードバック

  1. Why notさんはベリネリのPTについてどう思いますか?
    ディフェンスや将来性を考えるとロニーのPTを割くべきだと思うのですが、ベリネリのシュートりょくも捨てがたい…
    選手層が厚いがゆえの贅沢な悩みですが、どのように配分していくべきでしょうか。

    1. ベリネリくらいのプレータイムならばロニーが伸びるかどうかわかりません。
      そしてデローザンとマレー、そしてホワイトも良いだけにベリネリというよりも、この3人のような役割をすべきロニーは使いにくいんでしょうね。

  2. ザックコリンズの名誉のためにコメントすると、前戦のマブス戦で肩を脱臼?して欠場してるはずです。
    マブス戦見てましたが結構痛そうでした。
    もちろんマブス戦ではスターターでしたよ。

  3. トリバーおじさんウルブズにいて欲しかったよぉ
    今の体制が昨シーズンから機能してれば残ってたかなぁ

    1. 本当にね。ウルブズはシーズン前に意地でもバトラーを放出しシボドーと別れておくべきでした。
      昨シーズンは一体何だったのか・・・。

  4. マレーが戻って来てくれてディフェンスとホワイトの幅が出来て嬉しいんですけどゲームをクロージングさせるのがスパーズは去年苦手なイメージです…。それが出来るともっと良い気がするんですけど…

    1. どうにもデローザンとオルドリッチのコンビが機能しなかった問題ですね。個人では2人とも良かったのですが、分断されていたような。
      リードしている中でテンポを落とすと個人技に頼るので、クローズする時はそこがキーになりますね。ディフェンスもアレですし。マレーがエース潰してくれれば改善するんじゃないですかね。

  5. PORは選手がこれだけ変わった割には頑張っていますね。プレシーズン終盤から開幕2戦まで兎に角ペリメーターディフェンスが出来なかった。こんなにフリーで3P打たせて、決められてどうするのという位酷かった。流石にストッツも3Pだけはチェックに行けと言ったみたいで、この2戦は改善された方です。
    ホワイトサイドはインサイドに張り付いているだけなら結構働くんですよね。だから数字は残る。得点も取るし、FG%も高く、リバウンドは相変わらず強い。でも、他との連携が全く出来ない。オフェンスでのP&Rも駄目だし、ディフェンスもスイッチしたら終わりみたいな感じですね。これからどれだけ改善出来るのか見ものです。1年で必ず結果を出さなきゃいけない立場ですしね。
    トリバーはアミヌの代わりとしてディフェンスは頑張ってますが、オフェンスが全く駄目。4戦目で初得点です。もう少し得意の3Pを決めてくれると良いのですが、そのうち決めてくれるでしょう。
    シモンズは頑張っているし、ベンズモアのディフェンスも思ったより良い。ペゾニャはやっぱり要らないですね。セカンドユニットで昨年のターナーみたいな使い方をしたいのでしょうが、中途半端過ぎてフィットしなそうです。コリンズは普通で、ラビジエリは使い方次第では成長が期待出来ます。ペゾニャのPTを削ってもう少し使いたいですね。
    2-30試合やれば連携も出来そうなので、格下には負けないでしょう。リラードは去年よりも更に良さそうです。外が駄目でもペネトレートやファールを貰ってのFTも相当増えそうです。周りも上手く使うしね。この数年がピークの選手でしょう。やっぱりエースの居るチームは接戦には強そうです。今日は駄目でしたけどね。

    1. ちょっと勝ち切れなくなってきましたね。ガードコンビは優秀だけど、それだけじゃ勝ち切れないのか。
      インサイド陣がどうしても結果を残しきれないというか、終盤になると良いプレーが出来ない。スタミナかな。

  6. 走るオルドリッジによってホワイトサイドの弱みをついた(ホワイトサイドという弱みをついた)という見方は流石です。活躍してないようで、きっちり貢献してたんですね。

    マレーのディフェンスが予想通り武器になりそうなのと、ドライブが予想外に武器になりそうなのはポジティブ要素でした。しかし、それをするならデローザンと組まない方がいいって話になりませんか?

    今シーズンもベンチメンバーが出てきてからが勝負っていうのは変わらなそうですね。でもキャロルとウォーカーを持て余しそうで残念です。キャロルは相手のスモールラインナップ対策で使われるんだと思っていましたが使われなかったので…。使い所がまだ見えてきませんでしたね。

    1. キャロルって出れるけど出番がない感じなのですか?
      展開的には使う場面は多かった気がしますが、ゲイの方が優秀なのも事実。誰かがケガしないと出てこないのかもしれません。

mori へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA