八村とシクサーズ

プレシーズンゲーム

1週間以上、試合を観ていませんでした。どうせ来週からは毎日見るわけだしさ。気になったのはNBA楽天は試合終了後3時間くらいでタイムアウト他をカットした形に編集してくれるのかってこと。毎日1試合観るのには非常に大切な機能でした。それがなくなったらブログに支障が出ます。

1年前はプレシーズンも観ていましたが、その中ではゲームレポートの書き方を悩んでいる面があって、試合展開なんて文字で書いても仕方がない時代になってしまったので、どうやって表現していくかです。

一応、辿り着いたのは30チームあるので、1日2チームを効率よく見ても1つのチームは1カ月に2試合にしかならない事。だから試合展開よりも「各チームの特徴が何か」を探していく作業であり、ゲームレポートにするのでした。

本日はウィザーズvsシクサーズですが、対戦としてではなく2チームの感想みたいなことを意識して書くのがゲームレポートになっています。前半は特にそんな感じで、終盤になっても接戦だったら試合展開を書きたいねと。

さて、ベン・シモンズがお休みです。プレーメイカータイプのガードが少ないチーム事情。

ウィザーズはもういろいろ休み。フロントが組織的な部分を見直すって事でコート上にはない変化がウィザーズの目標です。さっそくビールと2年の契約延長に成功したので、ひとつの山を越えました。

そして本日のスターターには、八村、ボンガ、トーマス・ブライアントと若手が並び、それをイシュがコントロール、エースのビール以外は未知の世界が展開されることになるのでした。

◉キング・八村

さっそく八村から触れましょう。若手たちの中で最も期待されるドラフト9位は、ホーフォードとのマッチアップです。もちろんプレシーズンなので、時間は長くないけどね。

ハンドラーとして動き回りながらもテンポよくボールを動かすことが出来るイシュにより、ボールを持った瞬間にホーフォードに張り付かれるようなことはなく、キャッチ&シュートの3P、ドリブルシェイクからのミドルを決めた八村。ホーフォードが相手でもシュート力+スピードの部分で得点を上げました。ポジティブ。

ただディフェンスではホーフォードに簡単に押し込まれました。エンビードのところへヘルプに行けるシーンも殆どなく、守れていないわけじゃないけど、何を守りたいのかはよくわからない状態。

これが八村の問題なのか、ウィザーズの問題なのか、何とも言えませんが、元々不安が大きかったポジショニングを中心としたディフェンス問題は継続しているし、「どうせウィザーズだから多めにみてもらえる」ようなことになります。ルーキーなので初めから全ては出来ないので見守っていくしかありません。

それでもチームとしては守れなくても果敢にプレッシャーをかけることもあり、そこから運動量豊富なイシュと若手たちが増えたことで、ウィザーズは良く走ります。まぁウォールがいたからその頃から走っていたけどさ。

ところが総じて八村はトランジションへの参加率が低くなりました。特にトーマス・ブライアントが参加してくるだけに「あれっ八村は?」みたいなことも多く、結論的にはシューターみたいになっていました。シクサーズがビッグラインナップでインサイドへ進入しないってものあるのですが。

要するにキングみたいなプレーをしている八村。もっと献身的に動こうぜ!ってのが感想でした。個人のマッチアップはそこそこ通じてるのですが、マッチアップで終わってしまっています。以下にマッチアップさせないで攻めるかがNBAというか世界のトレンドなので、可能性は感じさせるけど、まだまだっていうね。

◉戦術バータンズ

ところが、これがベンチからバータンズやワグナーが登場することで印象が悪くなりました。

意外にも八村、トーマス・ブライアント、バータンズと3人を並べてきたウィザーズ。そのファーストプレーはバータンズとトーマス・ブライアントによるダブルスクリーンからビールがドライブレイアップ。殆ど見たことがないダブルスクリーンの間をハンドラーが抜けていくっていうね。

全くスクリナーになれていなかった八村ってのは、そういう役割なのだと思いましたが、交代要員のバータンズがファーストプレーでスクリーンです。あれっていう。

八村が下がるとバータンズはわかりやすくストレッチ4として3Pを打っていきます。もらってからが早いので、パスを出す方も出しやすければ、ディフェンスも広がります。オンボールプレーをしていた八村に比べると地味だけど効いていたバータンズ。

ここでウィザーズの狙いが少し出てきました。八村とバータンズをストレッチ5にすることで明確にスペースを広く使いたい様子。イシュとアイザイア・トーマスが加わったことでどうするのかと思いましたが、構図としてはわかりやすくなっています。

トーマス・ブライアントがわかりやすくパスアウトをしていたので、狙いは明確。献身的に支えるインサイドが必要なので、頑張っているしひたすら地味なことを繰り返していたトーマス・ブライアントでした。

その役割を引き継ぐのがベンチから登場したワグナー。ボンガも含めてほぼレイカーズの2軍と化しているウィザーズですが、エンビード相手に頑張りまくるワグナーは印象的であり、テイクチャージすればオフボールでエンビードを振り回しまくってイージーレイアップに持って行ったワグナーてのも印象的でした。

時間は短かったけど、これだけ奮闘できるならば長いシーズンでは出番が出てくるはずです。なお、ボンガについては殆ど印象がないからね。バータンズとワグナーが活躍しまくると「八村じゃなくてレディッシュの方が良かったんじゃないか疑惑」は出てしまうかも。

そんなバータンズとトーマス・ブライアントの3P&ハードワークが目立ち始めると、当然ビールが楽になってきて次々にドライブを沈めたので、ウィザーズは逆転に成功します。試合開始直後はシクサーズペースでしたが、バータンズの登場はウィザーズがやりたいことを明確にしてくれました。

イシュ、トーマス・ブライアント、バータンズの3人がプレーを構築し、エースはそこではなくビールってのはビール中心にプレーが構築されていた昨シーズンとは違います。

よくわからないことをしていた試合序盤からの劇的な変化が訪れた2Qだったので、八村の存在意義ってのが問われてくるし、ウィザーズが今勝ちたいのか、勝てるチームするために若手を育てるのか、って部分で天秤に乗せている感じでした。

◉ノープレーメイカー

気が付いたら二桁ビハインドになっていたシクサーズ。非常にわかりやすくプレーメイカー不足です。不足どころか誰もいなかった。

ディフェンスが効いていた時間帯はボールを奪ってからの速攻がイージーに決まっていましたが、オフェンスの終わり方が良くなったウィザーズに対しては、トランジションなしではどうにもこうにも。

前半は54-44で10点ビハインドで終わりますが、FG16/40、3P2/15と明確に課題を残しました。トバイアスとエンビードの2人を除くとFG8/26です。全員が決まらないっていうね。その2人もフィニッシャータイプなので、個人で決めるのがお仕事。

ホーフォードのみが5アシストと1人だけチームオフェンスを組み立てようとしていましたが、全体としてはオフェンスに困っていたね。トーマス・ブライアントとワグナーがしつこくコンタクトディフェンスしていくので、苛立っていたエンビードがオフェンスファールやトラベリングをしていましたが、基本はその状況にしてしまったチームの問題かな。

なお、前半終了間際の2プレーで6点取ったエンビードに救われた。

この問題はビッグラインナップにした時点である程度、織り込み済みのはず。本日はベン・シモンズが不在で、他にもガード陣が出ていないので仕方がないと踏んでいたのでしょうが、「チームとして何をしたいのか」がよくわからないのでした。

思えばブレッド・ブラウンHCはスーパー低迷期から、マッコネルなんかを見出して見事なパッシングオフェンスを構築してきました。そこに加わった才能は際立った個人能力がありながらもチームオフェンスをしていきました。

パッシングオフェンスに相応しくないメンバー構成にしてしまったシクサーズGMはHCのことをどう考えているのか。そしてブレッド・ブラウンは、このメンバーにパッシングを仕込むのか、違う道を選ぶのか。

おそらく勝てないとクビになるシーズンなのに、自分の良さを追求するか、現状で何が良いかを悩むのか、変な状況になっているブレッド・ブラウンでした。そんな印象の前半。

◉後半は省略

後半になり流石にマズいと判断したのか、単にJリッチを休ませたかったのかトレイ・バークスがスターターになったシクサーズ。それに対してビールはお休みのウィザーズが圧倒していきます。

次々にエンビードを攻略していくトーマス・ブライアントが3P、ドライブレイアップ、ゴール下で合わせてのダンクと一気にラッシュ。どれも個人で攻略なんて出来ないので周囲との関係性からエンビードを翻弄しました。翻弄って事はシクサーズの周囲が悪いんじゃないかっていうね。

その中で蚊帳の外な空気だった八村がキックアウトパスを受けての3Pで早々に20点差になりました。やっぱりこれがウィザーズのやりたいことなんじゃないかっていう象徴的なストレッチ3Pでした。

どうしても組み立てられないシクサーズはタイムアウト明けにホーフォードから始めます。プレッシャーがないからシンプルに組み立てることが出来たホーフォード。パスの連続からバークスがコーナー3P。

しかし、トーマス・ブライアントのドライブにファールしたエンビードがオフェンスでも八村にチャージング。エースのファールが増えるのでチャレンジしたけど、やっぱりチャージングってことで4ファールとなったエンビード。

プレシーズンなので、気にせずコートに残しましたが、実質的に「ここで勝負あり!」みたいな試合になりました。その後もワグナーに3Pを決められると、次にドライブされたらフレグラントファールしたエンビード。イライラ負け。

シモンズがいれば全く違うでしょうが、それでもシクサーズのオフェンスはプレーが構築できず苦しみまくりました。一方でビールがいなくなってもプレーは構築できるウィザーズは、テンポの良いボールムーブとシューターを混ぜた形で効果的なボールムーブになりました。

いつぞやのギャンブラー並べてあたりを待っていたシクサーズが方針転換しすぎで笑えてしまうし、ちょっとそっちの道に進んでいるようなウィザーズでした。

なお、シクサーズが相手だからなのかわかりませんが、前半のバータンズに続き、後半はワグナーを八村、トーマス・ブライアントと並べました。こっちもビッグラインナップかよ。

ポジティブに観れば八村の存在がもたらした柔軟なラインナップ構成なので、戦術的に適応できていないような八村でしたが、ラインナップの中では貴重な存在になっています。ワグナーが3P外しまくったけど、それが決まってくれるなら、より重要な存在になれそうです。

結局のところ、個人はチームがあってこそ、チームは個人があってこそ、そんなプレシーズンゲームでした。所詮はプレシーズンだからね。

◉意外だったよウィザーズ

ウォールのケガ、ビールの契約延長、八村の指名、アイザイア・トーマスの獲得

ニュースになった要素はそんなにポジティブじゃなかったのに、ニュースにならなかった要素でチームを作り変え始めているウィザーズ。イシュの獲得はわかりやすかったけど、バータンズ、ワグナー、他にもジョーダン・マクレーが気持ちの良いパッシングと献身的なプレーでチームを支えました。

ウィザーズの問題はとにかくトランジションディフェンスが悪かったこと。オフェンスは良くても、気持ちよくプレーしている時は良くても、っていう典型的なチームでした。

そこに加えたのは頑張ろうとする選手達だったのか。非常によく頑張っていた印象の若手たちです。ハードワークって大切。これがシーズン通じて出来れば本物ですが、良い試合だけ見て判断するってわけにもいきません。思ったよりも楽しみはあったってことで。

シクサーズはこの手のオフェンスに弱いことはわかりました。まぁでもJリッチとシモンズがそれを許さないんだろうけどね。

あと、この両チームの対戦で思ったのは八村ってトバイアスっぽいのかも。トバイアスくらいドライブからのフィニッシュが上手くなればスピードも活きるのだけど、今のところスピードがあってもドライブフィニッシュがないから、ミドルシュートになっちゃうんだよね。

八村とシクサーズ” への1件のフィードバック

  1. トバイアスっぽさはありますよね今のところ。
    このままいってトバイアスの様に得点の取れる3番手エースタイプのストレッチ4になるのか、ディフェンスで体を張れて外も上手いマーカスモリスになるのか。こっちに関してはちょっとプレーぶりが古いタイプなのでかなりの変貌が必要ですよね。

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