逆襲させてもらうトンプソン
「コーナーを有効活用してスプラッシュを活かすことが出来ていない」と評したのがゲーム4。全く活躍できなかったクレイ・トンプソン
ウォリアーズが時にやるのは、調子の悪かった選手に次の試合でボールを集めて決めさせること。イグダラのゴール下でスタートした試合は、デュラントがドフリーのドレイモンドをガン無視して、苦しい状況のトンプソンにパスを出してミスになります。
それはある種の予兆みたいなプレーで、ウォリアーズはトンプソンにボールを集めていきます。クリス・ポール相手のポストアップとかね。
カペラが2つ目のファールをすると登場したリバース。ロケッツでもっともよい得失点差らしいのですが、ディフェンスではよく狙われているよね。カリーは苦手なんだっけ。
リバースにマークされたトンプソンはカッティングにドライブからのジャンプシュートで得点していき、マークが変わるとコーナーに近い位置でキャッチ&3Pを連発します。
このシュートがあまりにも積極性の塊で、「もらった瞬間に打つ」って感じなので、デュラントのミスと迷いのないシュートってのが試合前の指示だったことを匂わせます。そして、それに答えてしまうトンプソンのシュート力。ここまでのシリーズについては目をつぶろう。
そんな形はイグダラとルーニーが交代すると完成形になります。細かくスクリーンをかけてくるルーニーによって、少しずつズレを作っていければ、かなり大きなスペースになるのでオフェンスリバウンドを奪っていくルーニー。
ロケッツもたまらずカペラを戻しました。スモールのメリットを使わせてくれなかったくらい頑張ったルーニー。そしてトドメはスクリーンでトンプソンをアウトサイドに出すと、2人が追いかけてしまったのでドフリーになったルーニーのダンク。
3Pとイージーシュート。それこそがウォリアーズを勝たせてきた要素です。なお、一応気になったので巻き戻してみたら、スイッチミスしていたのはやっぱりシャンパートだったことを付け加えておきます。狙い通りのミス。
◉ラッシュこそが
ロケッツはトランジション後でマークが変更されるとハーデンが必殺ステップバック3Pを決めて格の違いをみせますが、同格なのがデュラント。オレ様ディフェンスは相変わらずで、スクリーンに引っかかろうが、ルーニーがスイッチ気味に守ってくれようが関係ないとばかりにハーデンを追いかけます。
それでも成立してしまうのはデュラントの手の長さがもたらすプレッシャーとウォリアーズのローテディフェンス力。
ただし、ここは少し攻略法を見つけていたゲーム4のロケッツ。高めの位置でピックを使い、ハーデンが早めにパスを振ることでカペラがインサイドアタックしていきます。
これをしっかりと押し込むからこそのカペラですが、どうも確率が悪いのが大いに気になるシリーズになっていて、レイアップをミスしたことでカウンター速攻のデュラント。これが決まっていれば互角だった気もしますが、外したことでウォリアーズが完璧にペースを掴んだ1Qになりました。
2Qになってベンチから再登場したトンプソンの逆襲は続きますが、ロケッツが盛り返します。何だろうね。リバースのレイアップかな。もちろん得点はとったのですが、大きな意味での理由はよくわからないけど持ち直しました。
ハーデンがよく頑張ったことにしておこうか。なお、マークがイグダラに戻っています。その方が楽なのか何なのか。そしてタッカー以外はガードみたいなラインナップ
面白いのは、こうなると走って得するウォリアーズです。ゲーム4の4Qでもありましたが、ドレイモンドのボールプッシュですら抜け出せてしまえるのは、フィジカルの差があるからのような。
そしてオフェンスはデュラント。通常営業です。そこにまたもコーナーからカリーがこの試合5本目にして初めて成功の3P。さらにデュラントのワンパスから抜け出して&ワンです。
こう考えるとやっぱり修正として見事なスティーブ・カー。スプラッシュが決めているのは「コーナー」と「トランジション」です。ゲーム4で上回れている部分をしっかりと使いながら、修正としてのコーナースプラッシュです。
それをトランジションを生み出すドレイモンドと、結局は1人で決めていくデュラントによって効果的に組み合わさっています。2人を殺さずにスプラッシュを活かしたわけで、このシリーズ初めての気がするラッシュに成功したウォリアーズが一気に20点差にします。
やっぱりさ「ラッシュ」こそがウォリアーズだよね。
ところが調子が出てきたウォリアーズは全くシュートが決まらなくなります。もうついていけないロケッツディフェンスなのですが、外しまくるスプラッシュ&デュラント。君たち、さっきまで決めまくていたじゃないか。
遂にはデュラントがレイアップすらミスしてしまう始末。お前はゲーム3のカリーか。ドレイモンドはハンドオフプレーの裏を突こうとしてデュラントに渡さなかったらチャージング。キレているけど、自分のミスだぞ。
そんなわけで20点差を残り3分くらいから無駄にしたので57-43と14点差で折り返します。57点とか普通じゃねーか。
◉軽いぞ、軽すぎるぞ
タッカーがいつも通りコーナー3Pを決めて、イグダラがプレーオフらしくなくコーナー3Pを外した後半。ムダうちが目立つウォリアーズ。ウォリアーズってかカリー。ドリブルをクリス・ポールに奪われて9点差になります。
それを再びトンプソン。余計なことはしないけどシュートだけは打ちまくる。1on1を仕掛けるデュラントが45°にいたトンプソンに「コーナーに行け」って指示して、ドライブからキックアウトしたからやっぱりコーナーは考えているのだと思う。まぁ逆サイドのイグダラへ出したんだけど。
ちょっと面白かったのはハーデンのステップバックに足を出していたドレイモンドがノーコールで、しっかり守ったデュラントがコールされたこと。まぁ自分がレフリーなら正確にコールする自信ないけど。
そんなわけで、なんだか「緩い」っていうよりは「軽い」感じの3Qです。お互いに良くも悪くも軽い。軽快なオフェンスなんだけど、軽いからレイアップを外したりしてさ。
カリーは難しいステップバックを決めたと思えば、リバウンドからのパスアウトすらミス。ちょっともう何が何やら。だけど、この軽いリズムはウォリアーズ感もあります。でも軽すぎて、エンドラインのスローインを観ていないカリーがボール無視して走ったりしてさ。
1人だけ軽くないタッカーがスティール速攻やらゴール下ダンクで7点差に縮めます。あとカペラも軽くないからミス多いな。
いやー酷いぞ。まさかセルティックスに続いて、こんなに酷い内容の試合を見せられるとはね。何の日だ。たまに決まるけど酷いプレーをしているウォリアーズに対して、でも追い上げが進まないロケッツ。
あと1つのキーになるのは、この時間が「デュラントに任せる」パターンがとっても少ないこと。軽快さとミスだらけを生み出したのだから、このパターンが良いとは限らないわけだ。
そしてハーデンとシャンパートの3Pで追いつくロケッツ。すると、遂にデュラントに頼んでターンミドルをヒットしてもらって、やっと一息ついた。
ところが、これが大誤算。酷使の代償はふくらはぎの違和感で走れなくなったデュラント。まだリードしているとはいえ、ここまでの内容のひどさを考えると苦しすぎるケガ。
連続ハーデンにゴードン速攻で、あっさりと逆転したロケッツ。それを取り返したカリーでしたが、ハーデンがファールを引き出して同点になって3Qが終わります。
軽すぎてミスが多かったのに、なかなか追いつけず。だけどデュラントいなくなったらあっさりでした。
◉カリー、カリー、クリス・ポール
久しぶりに登場したのはジェレブコ。コーナー3Pで期待に応えます。オフェンスリバウンドもとって、ちょっとずつリズムを作ってくれています。
それに対してハーデンのフローターにシャンパートの3P。ただ、あんなに軽かった試合は重みが増してきます。シュート決まんないし。走り出さないし。
そしてルーニーが登場するとまたも落ち着きが増します。ただ単に地道な努力。ゴール下踏ん張って走るだけ。リバウンドには食らいつけ。本当はここはカペラで圧倒しておきたいのに、それが出来ていないカペラ。
カリーとトンプソンが難しいシュートを決めるも、ゴードンが簡単なシュートを決めて接戦が続きます。カリーの顔が全然違うんだけど。どういうこと。デュラントのケガ以降シュート決めまくりです。
「デュラントがいない方が良いプレーになる」というならまだしも、本当に難しいシュートでも決めているカリー。ゲーム3は何だったんだ。これは危機的状況がもたらした集中力の問題なのか。
で、バカなドレイモンドはクリス・ポールからチャージングとったのに、立ち上がり際にクリス・ポールの後頭部をけってテクニカル。こういうのテクニカルじゃなくて退場で良いんじゃないの。そしたらクリス・ポールの嫌がらせもなくなるでしょ。
今度はドレイモンドまで3Pを決めます。テクニカルで集中力が高まったのか。何なのか。そしてトンプソンも3Pで続きます。これはこの試合の流れから言えば当然か。
そして逆にロケッツは何故かハーデンに渡さずクリス・ポールが増えます。見事にルーニーにブロックされるクリス・ポールですが、しつこくアタックした結果、ドレイモンドが退場します。交代で登場はリビングストン。やばい!選手が足りない。
残り1分14秒で4点リードのウォリアーズ。カリーのフローターは外れますが、リバウンドがカリーに落ちてきてファールを貰います。ギリギリのプレーでカリーに落ちてこなければカウンターになっていました。
しっかりとフリースローを決めるカリー。ロケッツはカペラのダンクで返すも、またもクラッチイグダラがゴードンから3Pファールを貰い、さらにルーズボールを制したルーニーで逃げ切ったウォリアーズでした。
◉デュラントは不要なのか
非常によくわからない現象でした。「相性の悪い選手」だとか、「プレーの邪魔になる選手」だとかは良くある話。あるいは「この選手がいると頼ってしまう」ってのもまぁわかる。
この試合のウォリアーズというかカリーに起こった現象は、それらの類ではなく「デュラントがいなくなって集中力を高めた」ってことです。カリーが重要な局面でシュートを決めるのはウォリアーズが強い1つの理由でもありますが、それにしてもこれはないだろうってくらいさ。
3Qはそれはそれは酷かったです。本当にプレーオフなのか疑いたくなるレベルのプレーの連続でした。
デュラントがケガするまでのカリーとケガした後のカリーは別人でした。
〇ステフ・カリー
ケガ前 FG4/14 3P1/8
ケガ後 FG5/9 3P2/3
気分屋すぎるのか、勝負強いのか。もうわけがわからないカリー。これならデュラントなんかいないほうが(サラリーが高いからね)カリーの活躍度が高まって良い結果を生み出しそうです。
スーパーすぎたデュラントを失って帰ってきたスーパーなカリー。その成否はゲーム6で判断しましょう。
〇クリス・ポール
11点 FG3/14 3P0/6
6アシスト 3ターンオーバー
これまで「触れるほどの選手じゃない」から無視してきたクリス・ポール。それは今シーズン序盤から分かっていた問題なので、もう今更触れることはありません。
それを持ち返したのはもちろん1年前のゲーム5の話です。ケガをしたのはクリス・ポール。これがシリーズを決定づけたケガになりました。イグダラとか言ったらだめ。
だからこそ批判されたダントーニ。主力酷使(でもクリス・ポールは比較的休みが多かった)によって勝機を手放したわけです。
迎えたこのシリーズはハーデンとタッカー以外は割と交代させており、そしてクリス・ポールは全然働いていない。その結果、ケガをしていません。ハーデンはケガしてもおかしくないくらい働かされている。
まぁそういうことです。恐ろしい話だし、これでロケッツが勝ったらなんかもうわけわかんないよね。強さって健康です。
〇ハーデン
31点 FG10/16 3P3/9
そしてもう一つ。このシリーズをロケッツが落としたら、やっぱり戦犯はクリス・ポールの気がするのです。こんな活躍をしているハーデンなのに、なんで終盤になって任せなかったのか。
ずっと接戦だったのに、クリス・ポールパターンが増えてロケッツは取り残されました。勝負所でハーデンじゃなかった理由がわからないわけです。
ちょっともう頭の中身の容量オーバーな試合でした。ギブアップです。クレイジーです。
3Qの軽すぎるウォリアーズ
カリーの突然の大復活
クリス・ポールの行動
とにもかくにもチェスゲームとは程遠いシリーズは、全く分からなくなってきました。デュラント酷使のスティーブ・カーは自らの采配をどう考えているのか。見事なトンプソンの使い方から始まったゲーム5は、スティーブ・カーについても頭を悩ませるので、もう考えたくありません。
KD離脱後のカリーの覚悟みたいなのが見えて(多分)なんか泣けました。久しぶりですGSのこの感じ。とは言ってもカリーの3pがシリーズ通して3割以下というすこぶる悪い結果が気になります。POに入ってからの戦術KDに傾倒し過ぎたことによる弊害なのか、それとも単純にHOUの守備なのか。もはやRS中にカリーがどうやってスペース作って3p打ってたかも忘れました笑
あとルーニースターターでイグダラベンチのがやりやすそうな気がするんですがどうでしょう?
カリーの覚悟ね。その通りかと。逆に言えば本気度が足りないのかな。緩く見えるシリーズの要因かも。
ルーニーをスタートにするのは賛成です。ちょっとベンチユニットの不安定さが際立っているので、イグダラをそっちに回した方が。
ジェレブコもっと使っていいと思うんですけどね。プレータイム少ないのはディフェンスに難があるという判断なんでしょうか。
ジェレブコの場合はシーズンから使われなくなって、何故かこのラウンドでは使われるから、ワンポイントリリーフに過ぎないのでしょう。
お互いが去年のハイレベルゲームの幻想に囚われていて、無駄に対策をしすぎてる気が
スモールにくくらずボガットジェレブコ使って通常営業で十分な気がしますけどね
今のCP3まったく怖くないしビックマンいじめ出来なそう
HOUもCP3をなぜそこまで使うのか。ここまできたらRS同様ハーデン酷使で普通に勝てそうですがね
なんというかお互い通常営業でいいんじゃないか疑惑
ボーガットはどうかと思いますが 笑
幻想はその通りかと。そして現実的に幻想するメンバーが足りないロケッツの方が多くの選手を使って成功しています。ネネイが効いてるし。
デュラント不在で通常営業に戻るかどうか。
GSWが3勝2敗で王手をかけるも主力が怪我で離脱という、去年のカンファレンスファイナルの逆パターンになりましたね。
第五戦はラストプレイでの判定ミスに救われた感じもありますが、KD加入前のGSWの底力が見えたような気がして感動しました。(特に、4Qのクレイの3P)
ドレイモンドのテクニカルはほんとアホだと思いました、ガッカリです。
あと、地味にここ最近のリビングストンの不調?が気になっています。イージーミスやしなくても良いファールが多い気が、、、
KDが欠場もしくは控えめな時の方が、カリーが活躍してる印象を以前から持っていました。
このシリーズ残り試合はKDが欠場するようなので、カリーの爆発に期待したいです。
また解説楽しみにしています!
リビングストンはもうちょっと・・・昨シーズンもあやしかったのですが、プレーオフは良くなってました。
その点ではデュラント抜けて、選手の頭数問題と大きいです。元々1人三役だったので。
今更ですがKDはロケッツ戦全休だらしいです。数年前のウォーリアーズのメンバーですね(バーンズがいないか笑)。この機にそろそろロケッツに勝ってほしいですね
昨シーズンのロケッツなら勝ってましたけどね。
もはやロケッツじゃなくて、ハーデンが勝つって感じで。
ロケッツはまったくファリードが出てきません。
そんなに使えないとの判断なのでしょうか?
第5戦ではリバウンドも取れてないですし
出しても良さそうな気がするのですが・・・
ファリード出すならカペラ出しとけば良いので、そこはまぁ納得かと。ネネイはカペラとは違うタイプだから使い方は違います。
スモールが機能しなければ、カペラを休ませる時間に登場するでしょう。
ルーニーのスタート案は僕も賛成です。ただ、ルーニーの場合とゆーかウォーリアーズの場合とゆう??
スタートだろーがベンチからだろーがあんまり大きな差は無いですが。
でもなんとなくイグダラさんよりルーニーのがイグダラ温存しやすい気がしますし Curryを除いてサイズと平面的走力とのバランスが良い気が。
ルーニーに限らずですが、ウォーリアズにはスクリーナーやリバウンダー ハッスル要員は欠かせませんからね。(ボカットは…まぁ💦)その部分に置いてはカペラ並みに使い勝手が良いのがルーニーの良さです(サラリー低くてなのでコスパ的にはカペラより上)
真逆がクリスポール…
ルーニー対クリスポールの1on1の48分ゲームならクリスポールなんでしょーが(同じようにカペラとのマッチアップだけならカペラが上なのでしょーがそんなに大差つかない気もします)
怪我するのが先な気がするのがクリスポール
爆弾を抱えた34歳?のクリスポールにマックス契約したロケッツのまずさですかね(コスパ的にきついはず)
ハーデンの相方なら他にいるでしょーにとも思えますが、2年前にはいなかったのかなー。
トレードしようにも出来なさそうなので、どーすんだろーロケッツ(もう来年の話してすいません)
ゲーム6を観てから読むと非常に面白い内容のコメントになりました。