30分で書く超雑感です。
ゲーム4の感想を箇条書きすると
・トランジションはラウリーのラプターズ優勢
・ハーフコートはシクサーズ優勢
ということでした。まずはラプターズ側から触れましょう。
◉ラプターズの修正と対策
・レナードのアイソは周囲の足が止まる
・しかもアイソは読まれていて止められている
というのが大きな問題点だったラプターズ。しかし、毎試合ハイスコアのレナードが示すように、これらの改善点は非常に簡単で
アイソ以外なら良いオフェンスが出来る
ってことです。そして前半のラプターズはほとんどアイソをしませんでしたし、レナードが止められるシーンは僅かでした。
もちろん1on1のシーンは混じりますが、アイソではないので、シクサーズのヘルプは少しずつ遅れており、ゲーム4では「止められる」シーンというのが完全に囲まれる状態だったのに対して、レナードにディフェンスが寄ってきても「ドリブルで移動できる」くらいでした。
この試合は大差になりましたが、ダニー・グリーンの3Pが決まったことが大きなリードを生み出しており、そこまでパスが出てくるようになったという事です。
つまりそれだけオフェンスセットを修正してきたラプターズ。レナードが潰されるシーンを嫌い、シアカムにすら45°からの3Pが生まれています。では何故、それが出来たのかと考えると、再びゲーム4の内容に戻ります。
・シクサーズはスイッチ後のピックアップにルールがない
このシリーズを追いかけているわけではない管理人からすると、かなり衝撃的な内容だったゲーム4。それがゲーム5でラプターズが修正していることから、本当にゲーム4で明確になったことなのかもしれません。
とにかく「スクリーンへの対応」、つまりスイッチかファイトオーバーかという判断とそれに加え「マークの受け渡し」が凄まじく悪いシクサーズ。時にレナードを空けてしまうシーンすらあるのです。
それは「スクリーンへの対応」が決まっていないとか、「ローテが下手」というだけでなく、もっと戦略的に「ラプターズの何を優先して止めるのか」ということが曖昧ってことです。
なお、唯一ハッキリしているのはシアカムに打たせろってことです。ドフリーにされているし、マークをエンビードにしてヘルプ対応とかもやりやすいし。この試合はシアカムが決めたことも大きな要因でした。
総じてラプターズが前半に大きなリードを奪えたのは
・シクサーズディフェンスの弱点を明確に利用した
・空いてくる3Pをしっかりと決めた
この2点です。グリーンを空けてしまったことで3本全て成功し、あえて空けたシアカムが2本決めたのでオフェンスは大成功となりました。
◉シクサーズは何をしたのか
シクサーズがもう1つ悪かったことは、ラプターズのシュートフェイクにポンポン引っかかったことです。有名なデローザン対策は「シュートブロックに行くな」です。フェイクに引っかかったら罰金100ドル。
それくらいシュートフェイクを多用してくるのがラプターズでもあり、「誰の何を」止めるのかは重要なのですが、あまりにもシクサーズのディフェンスはブロックをしたがります。シアカム以外には。
これが目立った理由は単純にラプターズが先手を奪ったことだと思います。要するに焦ってガマンすることが出来なかったシクサーズ。若すぎるんだ。
オフェンスでもリズムが悪いのに追いつきたいから早打ちしては外していました。それを前半からやる意味なんてどこにあるのか。ガマンしているナゲッツとの大きな差を感じた試合になりました。
「自分たちのリズムの時は強い」なんていうのは当然のこととして、リズムがない時にどうするかでチームの安定度が決まってきます。ハーフコートオフェンスが良くなったはずが、個人が耐えられないし、そこに戦略が存在しているのか怪しいシクサーズでした。
ハーフコートが良い
その理由はスペーシングが改善したことであり、要素になるのがエンビードのポジショニング。ハイポストに陣取って起点となり、周囲のオフボールでディフェンスを乱していくのが効果的なゲーム4でした。
しかし、なんで突然ここにポジションを移して機能しているのか不思議だったわけですが、ものの見事にゲーム5ではハイポストに陣取りませんでした。ローポが多かった印象であり、ストレッチしている印象。
つまり、ゲーム4で突然繰り返されたように感じたオフェンスパターンは、やっぱり「突然の産物」みたいなものだった可能性が高いわけです。自分たちのオフェンスパターンとして刷り込まれていないから、再現度が高くなかった。
典型的なピック&ロールとエンビード起点のオフボールは鳴りを潜めたゲーム5。「シクサーズの方がハーフコートで上回る」ことで互角だったゲーム4から、ハーフコートで上回れないゲーム5になったのでした。
それぞれプレーオフという連続した対戦カードにおける「対策と修正」においてラプターズに完敗した印象です。ならば、シクサーズは何を改善事項に指定していたのか。
おそらくベン・シモンズの積極的なアタック。っていう事前情報もあったしね。ゲーム4では消えているどころか足を引っ張っていたシモンズ。もっと積極的に行けとバトラーに言われたとか何とか。
しかし、試合開始からドライブしてはミスになるシモンズ。借りてきた猫状態。そう「借りてきた猫」なんだ。
シモンズが機能しない理由はシモンズ単体ではなくチーム全体の事情なので、そこだけ積極的になったところで特に意味がないのでした。ドライブしたところで周囲が動いてくれるわけでもないし、シューターポジションを陣取るわけでもない。
ラプターズからしてもシモンズをある程度リングから遠ざければよく、それでいて周囲に密着マークする必要もないのでした。レディック以外には。
またこの現象はベンチメンバーが増えた時間になると明確で、トップでボールを持つシモンズに対して、残りの4人がペイント周辺にいることもあったのです。それでシモンズに何をしろというのか。
せめてベンチメンバーの時は控えセンターをモンローってのは辞めて欲しい。モンローが悪いのではなく、シモンズが飛び込むスペースを消してどうするのか。ボールデンでも良ければトバイアスとスコットによるスモールラインナップでも良いじゃないか。
というわけで23分で書く雑感は、シクサーズ側のちぐはぐさが目立ったのでした。言い方を変えれば「何をするのか明確にしてきたラプターズ」と「行き当たりばったりなシクサーズ」という印象を強く残したゲーム5でした。
シクサーズはそれでも今POで6勝してます。何をすべきか徹底されていないと評した対BKN初戦から変わらず来てしまった感じですか。戦術戦略整理はされてないけど一発の重さの積み重ねで上回った時に勝ってきた6勝みたいな。
マコネルが毎回皺寄せを受ける傾向ですね。ハーフならシュートのあるマコネルでは。
ネッツはシュート外しすぎましたしね。基本的に自分たちのリズムが良い時間は強いチームってのに変わりはないので、追い込まれないとわからない部分でした。
シモンズよりも今はマコネルでしょうね。まぁ2人同時にだすと、それはそれでまた違う味が出てきますが、フィニッシャーが足りないので苦しいかな。
ブレットブラウンの無策さが露呈する展開ですね。まあ毎年の事ですが。
ブレッド・ブラウンの件は、もう今更って感じですね。
それよりもこういうチームにしてしまったフロントのミスが目立っています。
もう少し賢いタイプのロールプレイヤーを見つけられなかったのか。マコネルの成功を全く信じていないような動きです。
マコネルはしばらく第一線から離れてますからね。根本的ですがマコネルは間違いなくバスケの頭が良く、冷静な優良選手という評ですね。TORならラウリーのような。
あと、マコネルは実は気が強い。2年前からゲームウィナーとかも決めてますし。