ミラーゲーム
迎えた第2戦も見事なミラーゲームでスタートします。
鮮やかなパッシングからべインズのダンク。スクリーンから抜け出したヤングのダンク。
カイリーのミドルにコリソンがミドル。べインズの3Pにターナーが3P。カイリーの3Pにヤングの3P。
ミラーゲームだけど、オフェンスで戦っているのは両チームらしくない。そう思ったらブラウンのドリブルをボグダノビッチがスティール速攻、ボグダノビッチのドライブをブラウンが完璧にストップ。3分で終了したオフェンスタイム。
セルティックスはコリソンに対してテイタムにマッチアップさせます。一方でペイサーズはカイリーに対してマシューズ。それぞれシュート力を気にしているのか、高さで抑え込む作戦。
そしてセルティックスは5分でカイリーとブラウン以外を全員交代させます。その心はなんなのか。ブラウンが抜けて苦しくなったベンチメンバーにテイタムとホーフォードを回すのか。シーズンと違うローテに出ているブラッド・スティーブンス。そしてコリソンにはカイリーになるから意味わからん。
その2分後にテイタムが戻り、さらに1分後にホーフォードが戻ってきます。カイリーはそのまま。入れ替えまくるセルティックス。そしてその間にリードを得ていくペイサーズ。要するに失敗しているわけだ。
それは主にホーフォードの存在。プレーメイクにスクリナーとして細かく絡んでくれるので、いれば数人が絡んだオフェンスになるけど、いないとシューティングみたいなオフェンスに。
というわけでビハインドとなったけど、ホーフォードが戻ってくると途端に機能し始めます。ロジアーがドライブを決めたのもきっかけはホーフォードがマークを入れ替えてくれたから。ヘイワードのジャンプシュートも同じく。
結局1Qはペイサーズの4点リードで終わります。忙しく入れ替えたセルティックスに比べると、落ち着いているネイト・マクミラン。いつも通りのローテで、大きな変動もなく自分たちの戦いをしたのでした。
ただし、セカンドユニットがサボニスのワンビッグでガードを増やしています。プレーオフ仕様でPF3人で回してくると思ったけど、序盤ということもあって温存したのか。
◉書きたいことを見つけられない
ジョセフが流れながらのレイアップを決めた後でバランスを崩しているので急ごうとしたヘイワード。だけど、気を利かせてロジアーを追い回してパスが出るのを遅らせたサボニス。お互いに細かい部分に気を回すよね。
ちょっとずつ、ほんのちょっとずつセルティックスというかカイリーが上回る程度の差しかない両チーム。強引なシュートが決まらないからカイリーって大切にも思えてきますが、それがチームとしての爆発力にはなっていないってのが悩みなわけだ。
そして時間が過ぎていくと、少しずつ総合力でペイサーズが盛り返してきます。なんせベンチメンバーが殆どシュートを決められないセルティックスなので。
そしてリードしたペイサーズに対してホーフォードが出てくると追いつきます。もう延々と同じような展開だな。
たまたま隣にいたバスケ素人が「この両チームって展開遅いし、シュートもなんか決まらないし、他のチームと随分違う」といった2Qは殆ど書きたいこともなく、プレーオフとは思えない内容で進んでいくのでした。
あと、レフリーがスター選手びいきなのは、どうしようもないのかね。
◉カイリーとペイサーズ
後半になってもエースキラーっぷりを発揮するブラウン。ボグダノビッチに張り付き、自由を奪い、シュートのリズムを失わせます。それに対してカイリー番のマシューズはハンドリングとスピードに振り回されます。だけど、またも先行するのはペイサーズ。だから思うのは
チームとしてはペイサーズが上。個人に対する武器があるセルティックス
ということです。エースの存在とエースキラーがいることがセルティックスが戦う重要な要素になっています。それがないと苦しいわけだ。
だけど、プレーオフなのに自分でいかないカイリー。全く得点できなくなるセルティックスは10-0のランを食らいます。ブラウンのマークをかいくぐって3Pをヒットしたボグダノビッチと、自分で行かないことがチームのリズムを生み出しているわけでもないカイリー。
ターナーがテイタムをブロックし、エバンスがモリスのルーズなパスをスティール速攻したことで12点差に広がると、カイリーが動き出します。
マシューズを抜いてレイアップ。エバンスにプレッシャーをかけてターンオーバーを促し、突然のプルアップ3P。カイリーがパスすると受け取ったロジアーはミスするし、モリスはレイアップ外して逆速攻でターナーのダンク。
だけどカイリーは1人で3Pをヒット。もうこの試合はセルティックスじゃなくてカイリーvsペイサーズです。何もできていないチームメイト(ホーフォードとブラウン除く)に対して、1人で得点を取っているカイリー。
さすがにこれで追いつくわけもなく、ペイサーズが11点リードで終わります。あまりにも酷すぎるセルティックスの面々。「カイリーが不調」ってなら個人の問題だけど、チーム全体の停滞っぷりが・・・。
◉チームケミストリー
カイリーがベンチに座る4Q開始ですが、ホーフォードが自分で決めていきます。そこまではチームメイトを助ける仕事がメインだったけど、困った感じかな。
ホーフォードはサボニスのチェックを受けながらタフなミドルも決めてカイリーのいない時間を何とかしていきます。1年前はこんなはずじゃなかったのにね。もしくは狙いどころのないペイサーズ相手ということで困っているブラッド・スティーブンスなのか。
流れが変わったのはエバンスがフリースローを2本ともミスしたところから。3Qにはボグダノビッチもフリースローを外しているし、自ら潰していくペイサーズ。
そしてテイタムがヤングをかわしてのドライブダンクで一気にセルティックスペースになると、今度はペイサーズが全くシュートを決められなくなります。
そして再び登場したカイリーが3Pで1点差にします。どうしようもない流れ。こういう時のオラディポがいないので、何をすればよいのか、ボグダノビッチのアイソレーションを使うのは違うだろうに。
そしてレイアップをミスするマシューズ。マクミランは何でそんなにマシューズを信用しているのか。まぁエバンスでも大した違いはないか。
カウンターのセルティックスはまたもカイリーが3Pで逆転します。もう止めようがないカイリー。それでもマシューズのディフェンスを信用するマクミラン。相手にしないカイリー。こういう時にエースを止めるのもオラディポ。
マシューズはさらにルーズボールファールもコールされてしまいます。なお、引っ張ったのはホーフォードの方なんだけどさ。セルティックスが4点リードで残り3分半で、やっとマシューズの3Pが決まります。やっと働いた。
さらにボールムーブからボグダノビッチが3Pで再逆転しますが、セルティックスはヘイワードがミドルで応戦。それをvsホーフォードにしたボグダノビッチが3Pで再逆転。
必死でカイリーを守ると、苦しい中でドライブしたブラウンがレイアップをミス。コーナーからテイタムの3Pも決まらず。残り1分でペイサーズが2点リード。
ボグダノビッチのアイソレーションを今度はブロックしたホーフォード。そしてボールプッシュするブラウンがディフェンスを引き付けまくってコーナーのテイタムへ。3Pが決まって逆転のセルティックス。
ペイサーズはボグダノビッチに寄ってきたのでターナーへ。打てそうなターナーだけど、打たずに次のハンドオフを狙い、結局はマシューズの3Pが苦しく外れます。そしてテイタムはドライブから、上手く合わせたヘイワードのゴール下に。
最後の最後で、カイリー以外が輝き始めたセルティックス。攻守に粘り強い対応で、ギリギリのプレーを成功させました。さらにペイサーズのスローインは激しく守るセルティックスディフェンスに阻まれ、阻まれたならもう1度タイムアウトでよいのにマシューズは唐変木なパス。
最後もテイタム、ヘイワード、ホーフォードと繋いで最後はテイタムのダンクでフィニッシュし、2勝目を挙げたカイリーと仲間たちでした。
◉オラディポの穴
そんなわけで足を引っ張りまくったマシューズ。オラディポの穴を埋める存在として期待されたわけですが、むしろいなかった方がよかったんじゃないかという出来でした。
個人の印象を誤解を恐れずに言えば、マシューズとエバンスの存在は「プレーの良し悪し」ではなく、あの特別だった「驚異的なチームケミストリー」を乱している気がします。あくまでも印象の話ね。
誰かがミスしても全員で取り返す感じだったけど、この2人がね。うーん、なんともなぁ。
カイリーも似たところがあるけど、プレーオフってこともあって戻りも早いし、チームケミストリーは感じなくてもそれぞれがやるべきことはやっているよね。穴になっている選手はいない。
ブラウンでボグダノビッチを消しに行くセルティックスですが、ペイサーズはダブルスクリーンで意地でも引きはがそうとしており、それらは悪くない流れです。総じてペイサーズの方が内容がよく、チームとしての強さがありました。
だからといって、競り合う中で勝てるかどうかは、最後の一手次第です。それが驚異的なチームケミストリーだった昨シーズンに比べると、4Qに押し負けています。セカンドユニットの大爆発ってのもないわけで。
37点のカイリー頼みだったセルティックス。本当に何とも言えない内容なのですが、それでも2連勝という結果が全てです。そして最後にはチームとしての強さが出てきて勝利を手にしました。結果が次の内容を生み出すのも緊迫したプレーオフです。
ミラーゲームな両チームなのですが、バランスブレイカーのカイリーと、試合終盤に差が生まれたケミストリー。内容が良かったけど、ペイサーズが何を改善すればよいのか悩んでしまいます。
善戦はするけど勝てない
そんな今シーズンで終わってしまうのか。ホームに戻って、何か変えてくるのかどうか。マシューズがカイリーにボコボコにされただけに、マッチアップ変更は必要だと思うのですが、選手を信じぬくことを好むマクミランはどうするのか。
個人的な感想ですが,マクミランにはメンバーを信じ抜くことを貫いてほしいと思っています。グレンジャーを放出してチームが完全崩壊したトラウマがあるということもありますし。
ペイサーズはそういうカルチャーなんだと諦めて,オラディポがいればなぁという幻想にすがるしかないのかとも思いますけれど,カイリーだって年がら年中スーパースターでいられるわけでもないわけで多少の期待はあります。
でも,来シーズンに向けて有能なオフェンスコーディネーターはほしいですね。ディフェンスに比べてオフェンスはどうも戦術にロジックが見えないです。
オフェンスのロジカルな問題はシーズン序盤から取り組んできたわけですが、結果的にエバンスが個人技やりすぎるし、ターナーは積極性足りないし。
果たしてロジカルなのか、それとも個人のスキルアップなのか、割と難しかったりします。少なくともターナーが打ちまくる勇気があれば、もう一歩違う展開もあったのではないでしょうか。
バックスは論理的だけど、あれがペイサーズにあっているかっていうとムリですしね。適切な人材を探さないといけません。
セルティックスはホームで何とか勝ちきりましたね。試合ではアービング、終盤のテイタム、ブラウンと記事のような活躍が確かに印象に残ったのですが、チームトップの+19を残したロジアーはどう見えていましたか?
確かに追い上げる展開の時には必ずいた印象なのですが、プレーや動きはあまり記憶になくて、、
ロジアーは偶然というか、違いをもたらした要因ではないと思います。ただホーフォードと一緒に出るようにコントロールされていた気がするので、その点で得失点差も伸びたのかもしれません。
横からですがペイサーズのセカンドユニットが苦しかったのがロジアーのプラスマイナスにつながったのかなと思ってます。
2連勝したとはいえ次はアウェイですから油断はできないですね…
ディフェンスでオフェンスの拙さを補うのはもうこれしかないような策だと思います。
ありがとうございます。
確かに第2戦のセカンドユニットはあまり良くなかったですもんね。
今日はターナー、サボニス、ヤングに仕事をさせなかったのが大きかったですね!
このまま、第4戦も頑張ってもらいたい、、
良い試合は出来ているからこそ連敗はなかなか厳しい現実です。
オフェンスはサボニス次第ですからしつこくスイッチさせるか、外から打ってストレッチさせるかで何とかなりそうな気がします。3試合連続でやられないでしょう。
ディフェンスの方はカイリーの相手は密着系のマシューズよりディレクション系の方が機能すると思うんです。ターナーのブロックとヤングのヘルプで何とかなるかなと。
話題のマシューズですが個人的には最良の補強だったと思うんですが、前提は今期を勝つ為にです。1st敗退ならプレータイムをホリデーとサムナーに与えるべきだったとなります。
ほとんどの選手が今期限りの契約なので、ここで終わるのは忍ないですから。
マシューズの補強は論理的にはあっていたと思うので否定は出来ないのですが、このチームの特別感からは大きく逸脱してしまったイメージです。それはやってみないとわからないし、やってみてもマシューズが悪いと結論付けられない内容なので、否定するのもかわいそうなのですが。