2019/03/31 ウルブズvsウォーリアーズ

もうひとつの未来

気が付けばバトラーとシボドーだけでなく、ローズもギブソンもティーグもいないウルブズ。プレーオフに出れない予想は当たったけど、ここまで8位ラインから離されるとはね。理由はハイレベルなプレーオフ争いにあるわけですが。

この4試合は全て20点オーバーのウィギンズと多少のケガにも負けずプレーオフがなくなっても試合に出続ける本当に価値がある選手のタウンズ。素晴らしいし鉄人だし。タイアス、オコギー、サリッチを従えて、若い選手で構築する未来のチームに戻っています。

試合開始から崩していくのはvsカズンズ。タウンズはストレッチしての3Pで、ウィギンズはピック利用のミドルシュートで。テイクチャージは得意なカズンズだけど、現代的ではないミドルには弱い。

ウォーリアーズが狙うのはトンプソン。理由は走ってしまうとマッチアップがタイアスになることが多く、トランジションだけどポストアップでミスマッチ利用。

ただ、ウォーリアーズはオフェンスでもカズンズがちょっと邪魔をしていて、トンプソンやデュラントがスクリーン利用からアウトサイドにポップしてきたのに、そこにいて邪魔をします。怒るドレイモンド。お怒りはごもっとも。

シュートが決まるウィギンズ。ちょっとトンプソンっぽい打ち方になっています。
トンプソンの良さは上半身が一定の形で打てること。オフバランスでボールを貰ってもセットの形がぶれない。セットの形がぶれまくっていたことで不安定だったウィギンズなのですが、なんかちょっと固定気味に。

カズンズがベンチに下がったウォーリアーズ。自由に打ちやすくなったカリーが連続で打っていき、インサイドにイグダラがドライブしでリードを得ますが、ウィギンズの3Pでその差は5点のみの1Qでした。

◉カズンズのオンオフ

トンプソン&カズンズのウォーリアーズに対して、PGベイレスといかにも弱そうなウルブズ。ところが追いつきます。理由は走り勝っていたから。ゴーギー・ジェンが目立っていたので、またカズンズか・・・。

ローズに託して周囲がハードワークスタイルだったセカンドユニットですが、ベイレスが弱いので逆にしっかりとボールを回すようになったし、オコギーとケイタ・ディオップもしっかりと走るから、むしろチームとしては良い感じに。トリバーは3Pね。

デュラントが再登場すると、あっさりとリードを奪い返すウォーリアーズ。デュラントが決める、ってのもあるけど純粋にトランジションに移行しにくい形になっていきました。戻っているデュラントだとオフェンスは強引にいけない。

よく靴が脱げるデュラントさんは、本日もドライブした瞬間に脱げてコケると、触れていないサリッチにファールコールがあったりしてさ。

カズンズを下げて例のハンプトン5にしたウォーリアーズは、鮮やかなオフェンスでカリーが3Pとカットプレーを決めれば、デュラントとトンプソンも3Pで続きます。そしてディフェンスでもウルブズをシャットアウト。

デュラント、トンプソン、トンプソン、カリーと3P連発であっという間に16点差。カズンズ抜きなら前半で勝負ついていたんじゃないかってくらい。楽勝ムードのウォーリアーズになった前半でした。

ちなみにタウンズもベンチにいたから、カズンズがいなくてもインサイドを攻められなかったのも大きいよ。

◉驚きの3Q

そんなカズンズのゴール下で始まる3Q。すでに70点のウォーリアーズ。ファールをもらいに行って、逆に無駄にオフェンスファールしたカズンズがベンチに下がると、カズンズを全く止められないジェンがハードファールしていきます。

その一方でマイボールになると急がせるサンダースHC。つまりスピードで何とかしろっていう意思表示をしています。トランジションなら勝てそうなわけだ。勝てそうっていうか、それしか勝つ可能性がなさそうというか。

そんな走る形が機能したわけではなく、レフリーにクレームしてはフィジカルにプレーしてファールコールされるドレイモンドとカズンズで圧倒されていたはずのウルブズは点差を縮める事が出来ます。しかもデュラントがレイアップミスしてくれるおまけつき。

そして次第に足が止まり始めるウォーリアーズ。ポストアップしても足を止めすぎているからヘルプにスティールされるし、リバウンドへの参加が遅いから押し込まれたり。これって急いだウルブズがスタミナを奪うことに成功したのか。大体はカズンズとドレイモンドのところだし。

でもさ、トンプソンのミドルもカリーの3Pも外れてさ。2Qにトランジションで決めまくった反動といった方が良いのか。ウルブズのシュートも大して決まっていないのですが、点差は少しずつ縮まっていきます。

前半2人で37点を奪ったカリー&トンプソンは3Q不発。残り1分切ってカリーがレイアップを1本決めたのみでした。

決めまくったわけじゃないけどペースをあげてシュートの機会を増やしたウルブズが、シュートが全く決まらなくなったウォーリアーズを18点に留まらせ、同点に追いついたのでした。タウンズなしで追いつくという驚きの3Qになったのよ。

◉決めきれないエース

ウルブズにとってケガの功名みたいになっていたのは、カズンズに対してタウンズのマッチアップになったこと。そして、これがカズンズを退場に結びつけます。ファールばっかりしている両センター。

なお、ベンチからボーガットが出てきたから別にカズンズに拘る必要はなかったはずだけどね。

またウルブズはレイノルズというGリーグ上がりもディフェンスに奮闘すれば3Pを決めと、スターター酷使だけでなく若い選手を信じ切れず、台頭しにくかった時代と違う雰囲気になっています。ベイレスが3Pにレイアップで9点リードになったウルブズ。

ウォーリアーズはトンプソンがキャッチミスしたり、ドレイモンドは油断したのかパスに反応しなかったりと集中力を欠き、さらにタウンズがスピンムーブで抜け出すと、腕をひっかけ続けるドレイモンド。イライラ。

残り4分半で後半初めてシュートを決めたトンプソン。それはオコギーにコーナー3Pで返されるも、デュラントも3P。タウンズはポストからねじ込む。カリーが3Pだけどトリバーが3Pにファールを貰う。

オフェンスが良くなってきたウォーリアーズだけど、しっかり返すウルブズで残り2分でも6点差。勝利が近づいてきたウルブズ。

イグダラにダンクを決められるけど、デュラントはまたドライブ時に躓いてラインクロス。ただ、ウルブズは何故か未だにベイレスを出していて、そこに連続で打たせて外させたウォーリアーズ。残り50秒でカリーの3Pで1点差にします。

タウンズがミスでボールを失うもデュラントのレイアップをブロック。ところが今度はウィギンズがドレイモンドにボールを奪われファールコールされます。ウィギンズがドライブしてファールコールされたのに、何故かドレイモンドのフリースローになると、これを1本決めて同点に。

最後もウィギンズが2つのシュートを決められず、あと1本決めていれば勝てそうだったのに、両エースが決めきれなかったウルブズでした。

◉オーバータイム

何故か、やっぱりベイレスのウルブズ。まぁそれは関係なく、カズンズがいないインサイドをタウンズが攻めていきます。外しても外してもリバウンドで押し込む。ドレイモンドは止めてはいるんだけどさ。

さらにタウンズはディフェンスでドレイモンドをガン無視してドフリーにするけど打たず。逆に3Pフェイクでドレイモンドを飛ばし、ドライブからパスアウトでベイレスの3Pが決まり6点リードのウルブズ。ベイレスで正解だったか。

前半は「カズンズがいなければ・・・」だったけど、オーバータイムになって「カズンズがいれば・・・」になっているウォーリアーズ。ドレイモンドを無視してヘルプに行き、遅くなってもドライブだけは止めようとします。

でもドレイモンドもタウンズを止めます。ゴール下まで侵入されなければ止めることが出来る。そしてデュラントのトランジションに繋げるとファールで止めたウィギンズがファールアウト。代役は何故かレイノルズ。

タウンズがリバウンドを押し込み、さらにトランジションでフリーになったオコギーが3Pで9点差にしたウルブズ。勝利が現実になってきたところでカリーがあっさりと3P。簡単には終わらせない。

今度はデュラントがタウンズを止め、トランジションに移行するも、飛び込んできたデュラントがパスキャッチしたところでベイレスがボールに触りマイボールに。本日は良いところ以上にダメなシーンが目立つデュラント。

残り1分で6点差といよいよ勝利が目の前に出てきたウルブズはタウンズの3Pが外れるもオコギーが飛び込みオフェンスリバウンドで時間を消費し、残り30秒に。でも、マイボールにしたら8秒で3Pを決めたカリー。終わらせないカリー。

ファールゲームになりベイレスがフリースローをしっかりと決められず4点差。タウンズはベンチへ。カリーの3Pは外れるもドレイモンドがリバウンドを押し込み2点差。今度はファールされたオコギーがフリースローを・・・また1本外し残り5.4秒で3点差。

カリーの3Pで追いついてしまうウォーリアーズ。しかし、ファールが残っているウルブズ。でも4点プレーも怖い。

カリーとトンプソンへスクリーンをかけたデュラントがトップに出てきて3P。これにファールしたケイタ・ディオップ。全くファールには見えないけど、これを決めたデュラント。

が、シュート前のファールとコールされます。キャッチ&シュートなのにシュート前になるのかも不思議だし、だったらスローイン前のファールでフリースローじゃないのか?

やり直しのスローインはコーナーでカリー。これをステップバック3Pという難しすぎる形で決めたカリー。マジで追いついてしまった驚異のカリー。デュラントも決めたのに形無しというか、カリーのためにシュート前の判定したみたいなレフリー。

残りは0.5秒。カリーがいないウルブズ。

これをタウンズへのアリウープという作戦を採用すると、タウンズが飛ぶ前にユニフォームを掴んだデュラント。これでフリースローをもらうタウンズ。ボーナス1スローじゃないからスローインが放たれてさえいればシュート前ファールになるのか。

1本目を決めたタウンズが、2本目を明らかに低い弾道にして外してフィニッシュしたのでした。

終わってみれば、とにかくデュラントが悪目立ちしまくった試合になったのでした。レフリーに「シュート前」と判定されなければ4点プレーでヒーローになっていたのに、それが最終的にはタウンズへのファールで敗戦の原因になったわけさ。明らかに掴んでいたから言い訳のしようはない。

◉若いはずのウルブズ

一生懸命に失われた1年間を取り戻そうとしているウルブズ。若さで勝ち切れない形が明確に出ている試合になりましたが、これを繰り返してチームってのは強くなるもの。

この展開だとバトラーで勝利していた昨シーズンですが、その部分は失われた反面で、チームとしてはケガ人がいっぱいいて苦しい個人能力なのに、チームとしては昨シーズンの内容よりも良いからこそウォーリアーズに勝てたわけです。

これから経験を積み重ねなければいけないって時に、ベテランスターを加入させることは「リスク」というよりも「成長を妨げかねない」ということを証明しているような試合でした。

奇しくもこの勝利によってナゲッツが勝率でウォーリアーズに並ぶことになりました。ベテランスターではなく若手の成長に費やした昨シーズン。ミルサップはいるけどさ。プレーオフに出れなくても、こんな試合を繰り返すことでチームって成長するんだろうね。

だからタウンズが試合に出続けているのは価値があること。ブラッド・スティーブンスじゃないけど、タンクしないことでドラフト指名権を失ってもチームは強くなるんだよね。

見事だったのはカリー。見事になり損ねた上に敗戦に繋げたデュラント。それよりもコートにいないから経験値を積めなかったカズンズ。プレーオフ未経験のスター選手はどうなるのか。

2019/03/31 ウルブズvsウォーリアーズ” への9件のフィードバック

    1. 需要あるかなぁ?

      それよりデットヒートを繰り広げているピストンズとマジックとネッツとヒートの方が需要・・・ないか。

  1. ウエストとイーストのそれぞれで、ウォリアーズの一番の対抗馬になりそうなチームはどこだと思いますか?

    1. ウエストはナゲッツ
      シュート力があるので火力対決でも打ち勝つ要素があります。ただし、ボロ負けリスクもあります。ミルサップがドレイモンドを上回ることと、マレーの「うっかり」ディフェンスが無くなる事が重要

      イーストはバックス
      ヤニスを止める術がデュラントくらいなので、そこをヤニスが上回ってしまえば。カリーはブレッドソー嫌いそうだし。

      ラプターズはラウリーの健康次第。健康ならオープンコートでシアカムも躍動し、最後はレナードが決め切る形に持っていけます。

      ロケッツはサードオプションがなく、ハーデン頼みになってしまったので苦しい。ハーデンなしで勝った試合みたいにバランスよく攻めた方が終盤に効いてくるはず。それを出来そうになくて。

      1. ナゲッツとバックスにはある程度の期待はもてますよね。ロケッツはハーデンが物凄いけど4勝できるイメージが湧かない。ラプターズはラウリー次第ですか。なるほど。

        話は変わりますが、ウエストは現時点の順位でプレイオフ一回戦が行われれば最高だと思ってます。ヌルキッチのケガさえなければブレイザーズがどんなパフォーマンスをみせるのか結構楽しみだったんですけどねー。

        1. ブレイザーズのオフェンスはウォーリアーズみたいになってきていて、後は得意のディフェンスで上回るみたいな雰囲気だっただけに残念です。
          ここにきてカズンズを止めるっていう余計な仕事も増えただけに、ブレイザーズには厳しいかな。

    1. あれ、「ネッツは一段上で」と書きたいのに、ピストンズとマジックが驚異的に粘り強いメンタリティで一発勝負の強さみたいな試合を繰り返しているので、ちょっとわかりません。ヒートはウェイドいるし。
      ペイサーズとセルティックスがそれぞれ試合を多く残しているので、彼らがどこまで力をいれられるか次第かな。

      負けられないマジックと、負けても5位のペイサーズというメンタリティの違いが大きかった試合でした。

      1. ウェイドのファンとしてはスイープ上等でもプレーオフは絶対見たいので次の二試合が山かなと
        BOSさんに二連勝すればかなり楽になると思うので、ダメダメBOSさんであることを祈っています
        でもダメダメBOSを引いても負けそうなぐらいローテがきつくてきつくて涙
        Jリッチにジャスティスにマグルーダーいないとかヤバすぎ
        ゴランは波デカすぎだし、ウェイドは疲れが見えるし、ハッサンは集中力ないし、もうウェイターズの理不尽3Pが入り続けるのを祈るしかないって言う
        他のチーム負けないし、ヒートだけ普通にBOSに連敗して結局現役ASいる3チームが順当に残りそう
        はぁ・・・

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