2019/03/22 ホークスvsジャズ

テーマはジャズ

試合前に紹介されたのがビンス・カーターが出場試合数で6位なこと。3位はノビツキー。

その間になったのがストックトン&マローン。ビッグマンが多い中で4位にいるストックトンすごい。パスを出す方が凄いのか、得点するほうが凄いのか、という論争がありますが、結論は両方が凄いです。

そして現代のストックトン&マローンがどのコンビかっていえば、トレ・ヤング&ジョン・コリンズじゃないか!?
というくらい素晴らしい連携力を発揮するコンビ。ここで重要なのはストックトン&マローンというのはマローンの方が得点するわけで、現代だとそういうコンビは少ないんだよね。シモンズ&エンビートくらいかな。でもあの2人はコンビ感が薄くなった今シーズン。

ここでヤングのパスが凄いわけですが、隙間を通してデッドモンのゴール下に通したパスは、デッドモンが取り切れないシーンが出てきます。やっぱり受け取るほうの能力も大切なわけで、しかもコリンズは受け取ってから、もう半歩ずらしてレイアップにしてしまう能力があります。

ホークスのオフェンスが良い、って話は一般化された印象がありますが、その中心にいる若きコンビ。
だけど、それだけではなくて3Pで全体が構築するのもホークスの特徴です。開始から15本中10本の3Pを決めたホークスがジャズを圧倒した前半になりました。

◉ゴベアーを狙う

試合開始直後こそジャズがリードしますが、ゴベアーの高さに対してボックスアウトで対抗するコリンズというマッチアップが次第に差を生み始めてしまいました。
内容は極めてシンプルで、オフェンス時にコリンズがアウトサイドに出てくるとゴベアーがついてこないのでした。以上。

デッドモンとアレックス・レンがいるホークスは、コリンズをセンターで起用する時間を設けないことも出来るわけですが、ゴベアーがいる時間(そしてフェイバーズがいない時間)に敢えてコリンズをセンターにしました。
ゴベアーの基本はアウトサイドにはついていかず、インサイドのカバーリング優先です。ヤングとのシンプルなピック&ロールだけでコリンズは3Pラインの外でフリーになれます。

しかし、ここでさらに嫌らしさを発揮するのがヤング。簡単にはパスをせず、中途半端なスピードでゴベアーのヘルプポジショニングを悩ませ、自分へのヘルプが来なくなった瞬間にスピードを上げてレイアップという形も。ストックトン的なのかはわからんが。
このプレーが混じることでジャズはコリンズへのヘルプを簡単には出来ない事情が出てしまいます。だって、ヤング自分で来るから、マークを捨ててローテってわけにもいかない。

ヤングとコリンズのこのプレーは「2人が狙った」というには日常的なプレーです。しかし、ロイド・ピアースは明らかに狙ってフェイバーズがコートにいるかどうかで選手交代させていました。
アレックス・レンとデッドモンも積極的に3Pを狙うタイプなので、日常的なシーンに過ぎない3Pですが、アウトサイドについてこないゴベアーは狙いどころになったのでした。

◉勝ち続けられないジャズ

昨シーズン驚異的な強さを誇ったチームはメンバーもそのままに快進撃、になると思ったら失敗している今シーズン。ドノバン・ミッチェルMVP予想は消えてなくなったけど、それは本人以上にチームが勝てないこと。
その理由をゴベアーのディフェンスとしたのがいつだったか。それは前述のような3Pで攻略されるのではなく、追い込んでもリムプロテクトできていないデータからでした。なお、フェイバーズは出来ている。

そして今のジャズは、少し悪循環に陥っているシーンが出てきます。
前半12本の3Pを決めたホークスですが、ヤングとアダムス2人のPGは0本。ちなみにコリンズも0本。ゴベアー狙って空けたけど打たないっていう。
一方でPG2人で8アシストとパスをさばいたのですが、それは言い換えればジャズのディフェンスが収縮したことでパスアウトが有効に機能しました。

ゴベアーの高さが強みのジャズは、インサイドへ誘導して追い込むのが得意技です。それは周囲がそこまでヘルプに行かず、マークマンとゴベアーに任せる形です。
しかし、どうも信頼しきれていないのか、収縮するのが早く頻繁にキックアウトからフリーが生まれてしまいました。だから多分、上手くいっていなかった時の名残であり、悪循環。

現代NBAは3P決めないといけませんが、逆に言えば3P止めないといけません。ゴベアーの存在感があるので、インサイドを任せることで3Pも止めていったはずが、ちょっと崩壊しているんじゃないか疑惑のジャズでした。

◉ドノバン・ミッチェルの逆襲

前半に大いに苦しんだジャズですが、オフェンスではどこ吹く風のドノバン・ミッチェルと、高確率のイングルスで何とかかんとかついていきました。

そして後半になると、ディフェンスが機能し始めます。3P決められまくったから、そっちを警戒するっていう当然の形にして、プレッシャーからミスを引き出します。
3Qだけで5つのスティールを奪ったジャズ。そして走ると誰もついてこれなかったドノバン・ミッチェルがダンクを連発し、11点のビハインドをいとも簡単に逆転してしまいます。

ゴベアーもゴール下での強さを発揮して、一気に自分たちのペースに持ってきました。
オールスター明けのジャズは少しばかりペースアップしています。これは相手もいるので一概にはいえませんが、ジャズとしては速攻での得点を増やしました。スティールは減っているけど。ただし、10勝5敗なので結果に紐づいているといえるかはちょっと。

ところがドノバン・ミッチェルがベンチに下がると、ベイズモアの3Pに困らされます。対策したと思っていたらそうでもなかったジャズ。ちょっとチグハグ。

◉ストックトン&マローン

4Q開始4分でホークスは追いつきます。セカンドユニットのやりあいで勝利したホークス。っていうか、そこで勝たなくてどうするんだジャズ。
今シーズンはここでシュートが決まらなくて困り、コーバーを補強したわけですが、3Pの部分は変化してきました。クラウダー以外は。

しかし、ダンテ・エクサムが今シーズンも離脱してしまい、グレイソン・アレンはレベル不足のため結局はドノバン・ミッチェルの代役を手配できない問題が発生しています。
ならばルビオによって鮮やかな連携をしたいわけですが、そのルビオをセカンドユニットに混ぜる選択をしなかったクイン・スナイダー。ディフェンスの問題もあってね。

マイク・コンリーを狙ったことはドノバン・ミッチェルの時間を考えると不可解なのですが、セカンドユニット問題が残る感じからは理解できるものでした。
かつてはストックトン&マローンみたいだったルビオ&誰かですが、ちょっと上手くいっていない感じのローテーションになっています。

この試合はそれ以上に問題だったのが、4Qになって全く決まらなくなったドノバン・ミッチェル。フローターにミドルを外しまくり、遂にはダンクもミスになります。せっかく奪ったリードを台無しにしてしまったスーパーエース。外したからスーパーではないか。

一方のホークスは現代のストックトン&マローンが、鮮やかなパスを隙間に通すヤングと、そこに出てくるコリンズでジャズディフェンスを破壊すると、コリンズはアレックス・レンへの裏パスを通します。
この時、何故かコリンズにゴベアーで、レンにクラウダーだったジャズ。細かい部分の失敗。

この試合FG8/22とストックトンのような正確なシュートがなかったトレ・ヤングですが、12アシストでチームオフェンスを構築しました。コリンズは9点で全然マローンじゃなかった。再配達希望だな。

チームとして前半12本決めた3Pは後半は7本のみ。だけど、勝負所でのみ決めたコリンズでリードを奪うと、よくわからないけど逃げ逃げしました。フリースローばかり。

終盤にジャズは猛烈に追い上げましたが、ラスト7秒で3点ビハインドの中、コーバーをいれて狙ったのに、ラインを踏んでしまいファール貰ったのに2ショットに。それでもドノバン・ミッチェルがオフェンスリバウンドをとって3Pを放つ離れ業をしたけど、リングに嫌われたのでした。

決めていればジョーダンだったけど、外したからストックトン&マローンの方が良いよね。ってことで。

◉結局何が言いたかったのか。

試合は時に思った方向に動いてくれないもので、後半になって猛烈にラッシュしたドノバン・ミッチェルが試合を決めてくれれば、それで記事になったのに、前年ながらストップしてしまいました。

逆にヤング&コリンズで決めてくれれば、それはそれでよかったのに、コリンズ得点取っていないし。上手くジャズディフェンスの穴をついたホークスでしたが、ジャズは後半にしっかりと修正に成功しています。何がキーなのかはわからないけど、ヘルプに行き過ぎなかったことだと考えています。

今回のテーマはジャズが強さを取り戻しきれていないということ。それは攻守に少しずつ足りない要素を感じさせることでした。やっぱり、もう1人スターがいないと優勝って難しそうなわけです。レナードかデュラントこないかな。ゴベアーとトレードでADとか。

チームとしての強さにスーパールーキーがのっかっていたジャズは、チームとしての不完全さをミッチェルが補っているような構成になっています。キーになるのはオフェンスのルビオとエクサム、そしてディフェンスでゴベアーのブロックかな。
もうプレーオフまでに修正されることはありません。ならば、対戦相手に合わせた対策がとれるかどうかです。そしてまずは3Pが決まるかどうか。決まれば空いたインサイドを攻略できるはず。問題がもとに戻っているようでいて、「フリーなのに決まらない3P」ではなく、「苦しくても3Pを決めてくれ」になっています。苦しいね。

どうも安定して勝ち続けられないジャズ。ディティールが素晴らしかった昨シーズンは夢だったのか。

2019/03/22 ホークスvsジャズ” への8件のフィードバック

  1. 今シーズン期待外れ扱いされてしまうことが、逆に嬉しくなってしまうジャズファンです。ヘイワードショックからも強さを保てていることで一先ず満足してしまっています。ただこのまま停滞してまいそうなのは残念でもあります。ジャズが優勝候補のリトマス試験紙扱いされる時代が戻ってきそう

    1. キャー!ドMがいますよ、お巡りさん。

      ヘイワードより良い選手を手に入れちゃいましたからね。ただ細かいトレードは裏目に出ているような。

  2. そういえばルビオって今オフで契約終了ですよね。ゴベア⇄ADっていうトレードは魅力的ですけど、来季のPGどうするか問題の方が悩ましい。キャップはそんなに空いてないし、エクサムとネトで回すのもシンドいし、どうするんですかね?

    1. キャップはかなりの問題ですね。ミッチェル、イングルス、アレンで人数は足りるのかもしれませんが、エクサムがフル稼動しないと無理っぽい。

      まぁルビオと再契約は出来そうなのですが。

  3. いつも楽しく拝見させて頂いてます。
    ネットなんかではジャズはPFが物足りないなんて意見も見かけますが、全然そんなことなくて個人的にはもうちょい3P決められる6thマンの方が必要ではないかと思います。
    クラウダーがD良いとはいえちょっとサイズ不足だしOFで穴すぎる…と思うのですが、管理人さんならどこから補強しますか?

    1. 同じくクラウダーをバージョンアップしたいです。だからデュラントかレナード。

      現実ラインは誰かな。クルッツ欲しかったかなー

  4. 個人的にはストックトン&マローンよりもナッシュ&スタウドマイヤーなのかなと思います(^_^)実際ヤングはナッシュの動画をよく見て研究してるそうです。ヤングのプレーメイキング力優れてますよね。それが理由でドンチッチじゃなくて彼を指名したようですしね。トラヴィスGMもピアースHCも元ウォリアーズのようなので何年か後には東のウォリアーズのホークスそして東のスパーズのネッツみたいになって欲しい笑

    1. 確かにヤング&コリンズ視点では、ナッシュ&アマレが似ていますね。

      ホークスがヤングを選んだのは、これからチーム力を上げていく視点では大正解なシーズンになっていると思います。
      ドンチッチはレブロンと比較されていますが、チーム力的にもちょっと似たような部分が・・・。

      ホークスの問題はディフェンスかな。ネッツの方はディフェンス力ある選手を集めて、オフェンスを鍛えたわけで、次のステップに進むためにはホークスがどうするかは注目ポイントです。

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