2019/03/20 クリッパーズvsペイサーズ

逃げ切りクリップと追いかけペイサ

開始5分くらい速攻でしか得点できないペイサーズ。オラディポを懐かしむ時間になります。クリッパーズはディフェンスから入るので、そこにハマったともいえるし、試合の入り方を間違えた印象のペイサーズでもあります。
クリッパーズのスターターの弱みはインサイド。だからターナーが頑張ってほしい所でしたが、パワープレーはあまり得意じゃないからね。

リードを得たクリッパーズでしたが、ペイサーズが慣れてきたところで反撃を食らいます。要するにペイサーズが悪すぎただけみたいな。
ペイサーズもまたディフェンスのチームなので、リズムがない時に耐えたからこそ反撃が効きました。追いかける方が得意なのがペイサーズ。

しかし、追いつかれそうになったクリッパーズはルー&ハレルが登場して再加速します。ディフェンス力は落ちるけど、シュートまで辿り着いてしまうルーに困らされるペイサーズ。
クリッパーズの得意技はリードを得てからベンチも含めた多彩なアタックかつ、あまり3Pを多用しない堅実な得点の仕方で逃げ切ること。

先行逃げ切り型のクリッパーズ
逆襲型のペイサーズ

果たしてどちらの流れなのか、わからないまま時間が過ぎていくのでした。
そして両チームとも層の厚さアタックだし、ベンチから登場するサボニスとハレルっていう現代系センターの面白さがあるチームです。インサイドの合わせがあってこそ、輝きを増すアウトサイド。
そのサボニスへのパスがいまいち通らず、ハレルへは良いパスが通ったのでクリッパーズは逆転を許しません。

マイブームはウエストとイーストのディフェンスの違いなのですが、ペイサーズはピックに対してダブルチーム気味のショーディフェンスから、チーム全体がローテーションします。
それは当然、誰かが空くわけでイーストっぽい。クリッパーズは空いた選手に鮮やかにパスをするわけではないのですが、ローテしてくれればミスマッチが生まれるので、そこを使っていきます。

一方でクリッパーズはスイッチ多用とかではないので、ウエストっぽいってわけじゃありませんが、抜かれてヘルプはあるけど基本は1on1で守らせます。
ペイサーズの強さは個の強さではなく、全体の連動性とサボニスの多様性なわけで、ある程度のミスマッチが登場するから抜け出すシーンもあるけど、強引な突破とか出来ないんだよね。

ってことで、結果的にはクリッパーズの方が連携技が目立ちます。ダブルチームにヘルプで動いていくペイサーズディフェンスにより、わかりやすく良い形になる。
微妙な形だけど個人が守る前提でパスを回すよりも個人で仕掛けてくることを促すクリッパーズにより、個人で得点すべきだったペイサーズ。

前半残り3分から得意のディフェンスから追い上げモードに突入したペイサーズでしたが、ガリナリの3Pとハレルのプットバックでクリッパーズが逃げ切りに成功し、6点リードで終わります。お見事ガリナリ。

◉戦術サボニス

ズバッツに守られると3Pを決め、ガリナリ相手ならポストアップでねじ込み、べバリーのレイアップを叩き落せば、プットバックにいったズバッツのゴール下も叩き落すターナーによって追い上げるペイサーズ。
しかし、追い上げると今度はケアレスミスみたいな守り方で逆を取られて決められます。もちろん、クリッパーズがこういうオフボールの動きが出来る選手を集めたからこその得意技。

クリッパーズが先行逃げ切り型というのは、こうやってプレッシャーをかけてくるディフェンスに対して、死角に動いたりして逆を取る上手さにあったりします。
中途半端にインサイドを固めるようなディフェンスをされたら困りそうなのがクリッパーズ。困ったときはルーが登場するわけですが。

それにしてもシクサーズで時に爆発もしていたシャメットはともかく、ズバッツが馴染んでいるのはすごいよね。でもハレルとはプレースタイル全く違うわけだし、決して特別なプレーを見せているわけではありません。
出来ることをただただ繰り返し実行しているだけなのに、上手くいっているクリッパーズ。トバイアスいなくなっても関係ないってのは驚異です。

逆転されそうになると3Pやリバウンドでリードを奪いなおすクリッパーズ。二桁離されそうになるとスティールから奪い返すペイサーズ。

均衡が破れたのはサボニスの登場。それがサボニスのパスをべバリーがカットし、サボニスへのパスもチームで塞ぎ、ディフェンスが機能したクリッパーズ。あまり守れなかったルー&ハレルに加わったジャマイカル・グリーンとテンプルの補強が効いています。
オフェンスは通常通りルー&ハレルでありながら、ジャマイカルとテンプルが中外動いていくので、得点が止まったペイサーズを尻目に、14点リードにしたのでした。

戦術サボニスを読み切られたペイサーズと、読み切るのが難しいクリッパーズでした。あれだな、サボニスを塞ぐことでルーの6thマンアワードを後押ししている形。ディンウィディー!

◉SGA

今更ですが、本日はコリソンが不在なのでセカンドユニットにはホリデーが登場しています。ケミストリー的には悪くないのですが、単純に自力で決めてくれません。今こそ目立つ時だったのに、エースムーブできなかったホリデー。

それでもボグダノビッチ&サボニスで再び9-0のランでラッシュしたペイサーズ。追いかけるのは得意。
するとガリナリとハレルで地味に取り返すクリッパーズ。何だこの試合。延々と同じパターンが繰り返されていきます。心なしかタイムアウトのマクミランが悩ましい顔をしている。

残り6分でタイムアウトを使いテコ入れしたはずが、1分半後に再び。つまり止める部分をどこにするのかってのに悩んでいるし、成功していないペイサーズ。
また、この試合19点でチームハイになったタイリークを引っ張ってしまいます。得点が多い理由は個人勝負で得点できるから。だけど、その取り方だとラッシュにはなりにくいんだよね。

しかし、遂にクリッパーズも得点が止まります。何だろうね。単にシュートが決まらなかっただけかな。残り3分でクリッパーズの4点リードと逃げ切れそうだし、追い抜けそうだし。

ここにきてドライブを決めるのはルーキーのSGA。あれだなシクサーズに見せてあげたいくらいだな。ルーじゃないのかよ。
しかもSGAは連続でドライブレイアップを決めて1分後には8点差に広げたのでした。お見事SGAだし、読み切れるわけないよね。終盤にコートにいないことも多いぞ。

その後もサボニス、タイリークで追い上げるペイサーズでしたが、ちょっと時間が足りなかったし、ルーが3P決めたし。

というわけで、試合開始直後に2点リードしてから、一回もリードを奪えなかったペイサーズ。だけど試合はずっと接戦。
逃げまくるクリッパーズに追いかけるペイサーズ。延々と、本当に延々と続いた試合は、戦術サボニスを止めることで成功したクリッパーズと、試合を決める連続得点がSGAというクリッパーズが少しだけ上回り続けた感じでした。

多分、2点差でも負けていたらSGAじゃなかったと思うんだよね。


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