2019/02/27 ラプターズvsセルティックス

どちらに分があるのか

バックスに先を行かれているイースト優勝候補の両チーム。プレーオフを考えると情報収集も大切です。試合前に注目と紹介されたのはテイタムとシアカム。なるほどシュート力と体幹の強さのテイタムにスピンムーブのシアカムが直接マッチアップしたら面白いね。
残念ながらシアカムと対したのはモリス。で、テイタムはアレ誰だろうか。ラウリーだったりグリーンだったり。
その意味はスマートがレナードのマークになるって事です。ちょっとバランスが悪い気がするディフェンスマッチアップです。便利なスマートがいるのに、カイリーとテイタムがガードとマッチアップってどうなんだろうか。

そんな懸念は関係なく、試合はラプターズのシュートが決まらない展開で進んでいきます。セルティックスの方はなんか、ちょっとアレですが、まぁそれは通常通りです。
ラウリーがいることでレナードのワンマンっぷりが発揮されないこともあって、良い感じなのにシュートがダメなラプターズと、ダメな要素も許容しながらしっかりとシュートを打っていくセルティックス。互角って感じです。

ベンチからジェイレン・ブラウンやヘイワードが登場すると、なんだか奇妙なゾーンを始めます1-3-1みたいな雰囲気でヘイワードがトップでマークを受け渡すのだけど、なんだろうか。
観察しようとしたのですが、普通のピックでヘイワードがはがされるとマンツーとあまり変わらない状況の上、コーナーが空きまくったので早々にゾーンを辞めてしまったのでわからなかったよ。

じゃあそれでラプターズがリードしたかというと、ブラウンが連続で得点していき、互角は続きます。最近はセルティックスを見るたびにブラウンのオフェンスが目立ちますが、重用されることはないよね。
また、ブラウンがいたほうがテイタムがやりやすそうなのも気になりました。カイリーがボールを欲しがったのを無視してインサイドにポジションを取ったテイタムにパスしたブラウン。リーダーに怒られるぞ。

セルティックスのスターターは全体的に判断が少しずつ遅い。スマート以外。それは個人の部分では気にならない程度の遅さですが、4人も繋がると気になる遅さです。
それに比べるとブラウンは判断が早い。でもそれって「判断力がある」のではなくて「思い切りが良い」ってだけです。ロジアーもこのタイプだよね。
スマート、ロジアー、ブラウン、テイタムで上手くいった昨シーズンの理由がそんなところにもあったのかな。という印象を抱いた1Qでした。途中から得点が伸びた両チームが30点を超えたよ。

◉ガソル王と忠臣ラウリー

スパーズ戦のラプターズはセカンドユニットのまずさが気になりました。それをリンが個人技で何とかしたのですが、好調だったアヌノビーにボールが渡らず、果たして意味があったのか。
しかし、リンを気に入った雰囲気で長い時間プレーさせています。アヌノビーはコーナー専門家となり、でもパスも来ないから宝の持ち腐れ。
アヌノビーとテイタムとブラウンの3人をエースにしたウイングチーム作ろうぜ。ペリカンズさんよろしくね。

しかし、本日は一工夫。早めに登場したリンを下げてラウリー&ガソルにします。まるっきりコンリー&ガソルなところに動き回るパウエルとマコーが加わって、とてもやりやすそうなガソル。
ガソルってかなりの王様キャラだよね。常に回りが動き回ってくれ、それを操るのが仕事。自分で仕事するよりも、仕事させるって感じ。ターンシュートをエアボールするくせに、全体が動き回る中で、あまり動かずに機能させています。

すると決まらなかったシュートが次々に決まり始めます。たまたま決まっただけともいえるけど、ガソルの生み出すリズムが機能してシュートが決まった印象です。ラウリーもね。
1人だけ蚊帳の外にいるのがアヌノビー。なお、マコーは相変わらずシュートスキルがない。

しかも、このユニットはディフェンスが強力でした。穴がなかった。唯一の欠点であるガソルのスピードをフォローできてしまう4人に囲まれたことで、一気にラプターズが二桁リードを奪ったのでした。
ガソル王による民主主義政治って感じ。

こりゃあやっぱりスターターじゃなきゃダメだな。と思わせたセルティックスのオフェンスでしたが、スターターが戻ってくると、より止められてしまいます。ただ止められるのだけど、シュートはそこそこ決まるから、結果的には同じくらい。
ガソル王の政治が終わったラプターズは、今度はパスを供給するラウリーによって特典が止まらなくなります。今シーズン序盤はこのラウリーがいるからこそ強かったラプターズ。その姿を思い起こすかのように、全員が気持ちよくパスを受けてシュートを打っていきます。
時にラウリーはレナードがドライブしたところにブラインドからスクリーンをかけてノーマークのダンクにする賢さも。

ガソル時代には動き回ってスコアラーの役割を。レナードと組んだら周囲にアシストするパサーの役割を。忠臣から中心。そして常に黒子も役割も請け負ってくれるラウリーによって、前半は66―45とラプターズが圧倒したのでした。

そんなわけで後半はながら見モードになります。

◉HCとエースと

追い上げたいセルティックスはそこそこオフェンスで対抗していきますが、そうなると何となくレナードで押し込んでおけば良い感じのラプターズ。時間を使いながら大ケガしない、ミスしないことが大切なのが20点差です。

スマートではなくモリスがレナードのマークになると、フィジカルにあたり、ファールばかりになります。基本的にモリスはフィジカルディフェンスの人だから、押し込んでくるタイプには強くても、左右に抜けてくる選手には弱い。
ファールコールされていくモリス。すると予想外の手段に出たセルティックス。レナードのマークがカイリーになります。

これがタイムアウトを挟んだわけでもなく、モリスがファールしたところで自然とマークを変更しました。本人が言い出したのか。
なので当然レナードのポストアップを使うラプターズ。だから早めのヘルプが準備されると、1人がインサイドにカットしディフェンスを引き付け、すかさず逆サイドコーナーのフリーへパスしたレナード。
これっていわゆる3人連携なわけですが、ちょっと前に同じことをシアカムのポストアップからもやりました。人に寄らずにシステム化されているラプターズ。

そしてセルティックスには、ちょっとこの3人連携ってのはないよね。あっても2人が絡んで、3人目はコーナーで待っているパターン。
話を戻すとカイリーがマークになったことでレナードを全面的に押し出し、それをチームオフェンスで攻略したわけです。レナードがボールを持つと動きが止まりがちのラプターズでしたが、やっぱりラウリーがいるといろいろ違います。ラウリー絡んでないけど。

セルティックスがよくわからないのは「レナードを止めたい」ってことならばブラウンを使えばよかったということ。その後で登場したブラウンはレナードのポストアップを止めました。
別にレナードが長時間プレーし続けるわけでもないし、エースを止めに行くならブラウンを合わせれば済んだ話だし、テイタムでもモリスでもスマートでもベンチに回す選択肢は多かった。それをしないでは何故なのか。情報収集か。

さらにカイリーはシアカムにもポストアップを決められます。なお、結構ファールしていたカイリーですが、ほとんどコールされなかった。
オフェンスでもボール運びでスマートがカイリーに渡すと、嫌がるようにすぐにスマートに戻すシーンも。ふてくされているようにしかみえなのでした。

20点差で迎えた後半。それでも修正して追い上げてしまうのがブラッド・スティーブンスが絶賛された理由でしたが、論理性のかけらもなかったし、策をめぐらせたり、相手の弱点をついてくる雰囲気にもかけていました。
そしてレブロンみたいに追いつくために、ステップアップすることが出来なかったカイリー。

前半で勝負がついた試合は、後半になってもそのまま経過して行った試合だったのでした。
バックスとラプターズ。どちらに対しても違う形で力負けしたようなセルティックスでした。

◉ラウリーのチーム

ラプターズはうーん、まぁ大勝しているし良いわけですが、その理由ってやっぱりセカンドユニットの強さだったよね。それをクリエイトしたのがガソルとラウリー。それはポジティブだよ。
ならばヴァンフリートとリンはどうするのか。レナードもまたラウリーいないとだめだしな。ダメっていうか、レナード以外の働きがね。

そんなわけでラプターズのエースは間違いなくレナードであり、困ったときもクラッチタイムもレナードに頼ることになるし、ミスマッチになったら迷わずレナードを使います。大エース。
しかし、このチームを構成しているのはラウリー。ラウリーがいるからこそ全員が持ち味を発揮しているし、オフェンスの形を作る中心はラウリー。ディフェンスでフォローするのもラウリー。

要するにラプターズはエースとリーダーが分業制です。結局のところ、ウイングにエースがいる方が強いってのは、リーダーとエースの分業制って気がしてきます。ブログトンもね。
まだガソルがどれだけやれるのか、不安要素も多いのですが、ラウリーさえ健康ならば、いろんなパターンを使えそうなラプターズでした。

2019/02/27 ラプターズvsセルティックス” への4件のフィードバック

  1. なんともいえない試合でした。リーダーシップやチームの雰囲気、といった数値化できない要素に振り回されてスティーブンスの良さが吸い取られているような…。ヘイワードPGの試合がいちばん『らしい』試合でしたが…うーん

  2. ESPNの試合後の記事みると、スマートが「一体感がない」とか言ってて、フラストレーションが溜まってるような感じがしました。スティーブンスもポポみたいな引き絞めるタイプのコーチじゃないと思うんで、空中分解しないか心配です。

  3. 点差詰めにカイリーがやり返しにくるかと思ったらそうでもなく、なんだか俺抜きでラプターズに勝てるならやってみてくれよって考えてそうでした。
    リンの重用ぶりは…うーん良く分からない。スコアリングよりはバスケIQ高いらしい?のでコントロールしてくれるといいんですが。
    トレードしない決断をしたのならアヌノビーが好調のうちに色々やらせてみてほしい。スコアリングはリン、パウエル、(戻ってきたら)ヴァンブリートでやるからアヌノビーはディフェンス頑張れって考えられてそうな気がします。ディフェンス専門にするには早すぎるし勿体ないよー…。

  4. セルティックスはオールスター明け酷すぎます。
    悪化するってなんだよ。
    というかブラウンスマートカイリーテイタムホーフォードにスターターを変えて欲しい。それでどうなるかはわからないけども。
    カイリーに関しては夏にサインアンドトレードでも模索してみましょうか。(仕組みイマイチわかってないけど)
    プレーでチームを引き上げれないならリーダーを語る資格はないよ。

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