2年目の憂鬱

大豊作の2017年ドラフト組。だけど2年目になると少しずつ変化することもあるよね。

ルーキーたちを評価する前にやりたいのが2年目の評価。もともとは昨シーズンに同じ企画をやるために、2年目と3年目もみておこうというものでした。2016年ドラフトは大失敗といわれながらも2年目、3年目になるにつれて存在感を発揮するようになっています。

KATクラスの選手がなかなか出てこないのも事実なわけで、しっかりと進化しているかは大切です。今回も6段階評価です。

「S」スター候補
「A」チームの中心適役割
「B」どこのチームでもプレータイムを得られる優等生
「C」試合には出ているけど微妙な活躍度
「D」先行き不安
「F」目指せ!ディンウィディ

ただし、今回はランク別にしていきたいのでFはその他扱いです。パワーランキングを書いたときに上位を後にしたほうが面白いといわれたので、D評価からってことになりますが、これって結構めんどくさいね。全員をいれこむことは出来ません。

◉「D」評価

ソーンウェル(クリッパーズ)

昨シーズンにそこそこの活躍をしたソーンウェルですが、試合に多少は出場するも役割を失ってローテに加わり切ってはいません。分厚い選手層の中で埋もれたわけですが、それだけでなく2年目のウォレスにも押され気味。他にもジェローム・ロビンソンも控えているので、トレードされたいだろうな。
ちなみにチームメイトのテオドシッチも同じく。わざわざユーロから引っ張ってきたのに、なかなかの冷遇させているよ。

TJリーフ(ペイサーズ)

プレシーズンでなかなか良いプレーをしてシュート力でプレータイムを奪いそうだったリーフでしたが、チームの中心ターナー、6THマン候補のサボニス、プレイヤーオブザウィークのヤングがいるチーム状況じゃ致し方ないね。ヤングの契約が今シーズン限りなので、オフが勝負です。

ドロシー(ホークス)

全く印象にないや。ヤングやリン、ハーターとガードが増えているのではじき出されています。ハミルトンなんかも加わってさ。41位指名の選手はルーキーイヤーに出番があったからといって、2年目が保証されるわけじゃないっていう。チーム状況もあって難しい。

オジェレイ(セルティックス)

ルーキーイヤーにディフェンス面で活躍し、3Pを打つことで起用されていたのが、ヘイワードが復帰してきた中で出番を大きく減らしました。プレーオフではアンテトクンポを止める存在にすらなれていたのに、まさかだよね。怖い怖い。
今でも試合に出ればディフェンスの貢献をしっかりしています。だけど、継続して起用したいレベルの活躍かといえばNOですね。サラリーも安いしSFに困っているチームは狙ってみれば。

ジョーダン・ベル(ウォーリアーズ)

ルーキーイヤーはペリメーターを守れるビッグマンとしてドレイモンド・グリーンの後継者的扱いでプレーオフでも活躍しましたが、今シーズンはダメダメ。ジョーンズとのポジション争いに負けただけでなく、試合に出ても右往左往しています。
こちらは層の厚さに押し出されたのではなく、薄くなったのに出番を失っているから深刻。

ドゥエイン・ベーコン(ホーネッツ)

昨シーズンはケガ人なんかもいたしSF不足だったので、時に出番がありましたが、3ガードも頻繁に使う新生ホーネッツのチーム事情に加えて、ブリッジスが加入したことで苦しくなりました。以下、同文。

ディロン・ブルックス(グリズリーズ)

ケガ。でもカイル・アンダーソンとテンプルが加入したし、さらにはホリデー長男まで。オフェンス面ではこの3人を上回れるのですが、そこまで信頼できる結果を残す前にまた離脱。以下、同文。

フランク・メイソン(キングス)

好調なキングスで重要な3人のガードに加え、ヨギ・ファレルもいるのではじき出されました。以下、同文。

スターリン・ブラウン(バックス)

ディヴィチェンゾがドラフトで、カナートンがFAで、以下、同文。と、思ったけどより守れる点もあって少し出番が増えてきました。


というわけで、題名の通りこういう選手が多いわけです。それは1年目にチャンスを得られるだけの実力を示したけれど、無条件で生き残るのに十分な活躍をしたわけではないということ。毎シーズンにサバイバルゲームが続くわけですが、オフの補強でポジション争いが厳しくなったり、上位指名のルーキーに押し出されたりと実力だけではなく、運がないケースが目立つのでした。
だから今回は「2年目の憂鬱」。ジンクスとは違い悪いプレーをしたわけではないけど、プレータイムを失うってことはよくある話なのだ。

フランク・ジャクソン(ペリカンズ)

ここで初めて2年目で活躍できるようになった選手が登場します。ペイトンのケガもあって層が薄い中で、ディフェンスと適切なオフェンスで貢献します。ただし、やっぱり完全にローテーションに加わるほどの活躍は出来ていません。ペリカンズはクラークやフレイジャーも中途半端な扱いになっているよ。ここまでいくと起用するHCにも問題が。

ウェス・イワンドゥ(マジック)

そこそこチャンスを与えられているものの、オフェンスの改善が全く追い付かず、段々とプレータイムを失ってきています。それはもう致し方ないね。シュート力さえつけば、もっと活躍の幅が広がりますが、オフェンスで何をやらせればよいのかわからない。

DJウィルソン(バックス)

出番にも恵まれていなかったウィルソンですが、少しずつ存在感を発揮してきました。本来持っていたのはビッグマンながら広いシュートレンジでしたが、シュート自体はそこまで決まらないけど、今のバックスオフェンスには適したPFです。サンプル少ないけど3P48%決めてはいるから経験積めば。
加えてディフェンスでスピードに対抗できるようになってきつつあるのが、アンテトクンポのファールトラブル時に貢献しています。ここにきて突如、チーム内の序列を上げ始めているのでした。

ライアン・アーチディアカノ(ブルズ)

ブルズの地味なPGはTJマッコネルみたいな存在になれそうな、なれなさそうな。だけどゲームメイクし、ハッスルプレーで盛り上げる気持ちは大いにあります。ケガ人が多いことで得たチャンスでしたが、継続して試したいくらいの結果を残しました。だからペインの方がリリースされたよ。

セディ・オスマン(キャブス)

レブロンのいなくなったキャブスで若手期待株として多くのプレータイムが与えられ、時に万能な能力を発揮しますが、おしなべてみると普通。若手の少ないキャブスのチーム事情がもたらした活躍機会にすぎず、他のチームだったら毎試合プレータイムがあるかどうかもわからない。
しかし、チャンスを手にしているのは間違いないのだから、自分の居場所を確保しないと来年のルーキーに奪われちゃうよ。

D評価は以上です。抜け落ちは結構あると思います。前回が2016年組をドラフト指名順に評価したので、今回は2017年ドラフト組にしています。しかし、その括りではなく2年目となるとほかにも何人かいます。
タイス(セルティックス)、マッキーニー(ウォーリアーズ)、コーネット(ニックス)、ブレイクニー(ブルズ)、シャキール・ハリソン(ブルズ)あたりかな。

そしてD評価には大物が1人いますね。

マーケル・フルツ(シクサーズ)

ドラフト1位は大きなチャンスをもらいました。それはシモンズの良さを削ってまで与えたチャンスでしたが、またも離脱してしまいました。ケガなのか、イップスなのか、戦術なのか、いろいろあるけど活躍していないことには変わりない。フルツにとってアンラッキーだったのはチームが急速に勝利を求めていること。成長する時間が足りない。
さっさとトレードしておくべきだったし、何ならバトラーのトレードに混ぜてサリッチを残してもらうとか頑張るべきでした。そこまで拘ったのに本人もトレード希望とか。
3年後くらいに大きくなって戻ってくるかもしれませんが、今のシクサーズの状況だとなさそうだ。

◉「C」評価

実質はここからが本番です。
試合には出ているけど微妙な活躍度
をC評価としていますが、Dの選手だってプレータイムはあります。 だけど、どんな試合でもちゃんとローテーションに加わっているかといわれると、そうではない選手が多いです。Cになったら、しっかりとローテーションに加わって活躍もしているけど、その座が安泰ではないような選手になります。

ロイス・オニール(ジャズ)

かなり期待していたオニールですが、まさに微妙な活躍度。ディフェンス力は示しているし、3Pもそこそこ決まる。だけど量をこなせていません。クラウダーよりもオフェンスで貢献できると思うから、負けないでほしいところ。

ジャスティン・ジャクソン
ハリー・ジャイルズ(キングス)


プレータイムを得ているジャクソンですが、可もなく不可もないことが多いて感じです。平均的にならしたらそんなに活躍していませんが、SFが少ないチーム事情とマイナスが少ないプレーぶりがオマケでC評価かな。あっジャイルズはルーキーとして登場します。

マリク・モンク(ホーネッツ)

決めるべきシュートを決めることが出来ていないけど、チームに勝利をもたらすことが10試合に1回くらいあるモンク。平均得点が一応10点を超えています。ケンバと共に得点を取る役割を与えてもらえているのだから、しっかり決めろや!

テレンス・ファーガソン(サンダー)

サンダーのスターターもまたシュート力に期待されていますが3Pは30%を下回ります。決めろや!
こちらは得点力を発揮できていない代わりに、ディフェンスやルーズボールで頑張るわけですが、でもディアロの方が良いんじゃないか疑惑もあるので、3P決めろや。シューターとしてスターターなのに平均5点未満はいただけない。

トロイ・クレイグ(ナゲッツ)
モンテ・モリス

クレイグはドラフト組じゃないし、プロとして2年目じゃないけどね。しかし、ケガ人続出のナゲッツでスターターとして平均5.5点です。まぁこの人はオフェンスは最低限でよいわけでディフェンスが主な役割です。そしてナゲッツはディフェンスで勝てるようになってきたので、貢献度は高いよ。
そして攻守にコントロールするタイプのPGとして挙がってきたのが、2巡目指名だったモリス。強気な部分がありながら、ディフェンスでのハッスルが目立ち、マレーをSGにするオプションをもたらしました。昨シーズンでいえばヴァンフリートみたいな存在です。

モンテ・モリスは要注目のPGだよ。

フランク・ニリキナ(ニックス)
ダミアン・ドットソン

ムディエイとの争いに負けたニリキナですが、だからこそ自分の特徴を押し出すようになり、1人でもフルコートでプレッシャーをかけていきます。そのディフェンス力は高く評価してよいし、オフェンス面でも時として大活躍しますが、まだまだシュートがね。時間をかけて育てましょう。
一方で二巡目指名だったドットソンは強気なシューターとして名を上げてきました。トレードの噂も出るくらいに注目されている存在になれたのは、3Pを重視するHCに交代したから。戦術に合わなければ評価はすぐに落ちちゃうよ。

ジョシュ・ジャクソン(サンズ)

戦術に合わないのか、あまりにも成長しないのか。どちらともいえるジョシュですが、忘れてはいけないのはルーキーイヤーには得点力を示したこと。今シーズンはディフェンス力とパス能力を示すようになりました。そう書くと非常に良い選手っぽいですが、マイナスになるプレーがもっと多いので信頼されていません。サンズが起用するのは素材ではなく、戦術能力の高い選手になってきてしまたので、埋もれるかもしれないドラフト4位

ジョナサン・アイザック(マジック)

随所に潜在能力の高さを感じさせるアイザックは、だけどまだまだ素材にすぎない。この人もディフェンス面の方が印象が高く、オフェンスは何すればよいのか迷うシーンが結構あるし、結局はミドルになりがちです。
ただ、もう少しフィジカルが強くなれば、プレー全体が安定しそう。5年かかると踏んでいる素材なので、気を長くして待ちましょう。

ルーク・ケナード(ピストンズ)

ちょっとタイミングの違う左利きのシューターはケガなんかで出遅れましたが、グリフィンがいない試合で28点とるなど、少しずつ存在感を発揮するように。ただグリフィンとの相性があまり良くないんだよね。
スキル系の選手なので起用していけば、中心になるのも近いと思いつつ、戦術的には中心にしたいほどの可能性を感じるのも難しいかもしれません。

OGアヌノビー(ラプターズ)

セカンドユニットのエースとして躍動していたアヌノビーですが、最近見る試合だと全然躍動していない。ラプターズ全体がオフボールの質が落ちているので、アヌノビーのアタックもあまり効果的に決まっていません。
3&Dからの進化をはかる今シーズンですが、チームともども下降気味。それはチームを救うほどの活躍が出来ないアヌノビーともいえるので、評価を落としています。

デリック・ホワイト(スパーズ)

ディフェンダーとして急激に評価を上げているのがホワイト。サマーリーグでは圧巻のプレーをしていましたが、NBAレベルではそうもいかないんだ、と思っていたら、ここにきて十分に通用するところをみせてきました。
先を読むことに長けた選手で特別なプレーをするのではなく、適切なプレーを予想外のタイミングでするようなタイプです。ケガで離脱しているデジョンテ・マレーよりも良くなる可能性すらあります。でもまだB評価はあげられない。1カ月後を楽しみにしましょう。

ザック・コリンズ(ブレイザーズ)

非常に評価しにくいのが、今やNCAAの顔になりつつある八村の同級生。そのプレーは安定してきたし、必要な時にスモールのセンターとしてもプレーしますが、だからといって特別に強いプレーがあるわけでもない。シュート力はストロングポイントですが、試合を決めるほどに得点できるわけでもないし。
ワン&ダンでNBAにはいったほうがよいのか、NCAAで中心選手としてのプレーを学んだほうが良いのか。八村との比較も面白いです。

デニス・スミスjr(マブス)

主にはケガ。だけど完全にドンチッチの影になりそうです。チームとしてもドンチッチに自由を与えており、デニス・スミスが戻ってきちゃうとハンドラーが渋滞しそうな雰囲気すらあります。
そんなわけでかなりの憂鬱がありそうなDSJ。ルーキーシーズンに活躍しても、同じポジションにスター候補が登場すると、すぐに追いやられてしまうんだ。憂鬱。

今回登場しなかったのは、2位ロンゾ、3位テイタム、5位フォックス、7位マルカネン、13位ドノバン・ミッチェル、14位アデバヨ、19位ジョン・コリンズ、22位ジャレット・アレン、27位クズマ、30位ハート、42位トーマス・ブライアントです。彼らは次回に触れます。レイカーズ率高いな。

今回のテーマは「2年目の憂鬱」ですが、実力的な側面よりもチーム事情に大きく左右されるということです。モンクなんかはシステムの中でチャンスを与えられ「実力を示せ」と問われているので、憂鬱でもなんでもなく成長するだけですが、他の選手達は同じポジションにほかの選手がやってきて押し出されるパターンが結構ありました。

・有力選手が加入
アヌノビー、オジェレイ

・強力なルーキーが加入
DSJ、ドルシー

・戦術的変更
ジョシュ、ケナード

など、理由は様々ですが中心選手にならないとサバイバルが延々と続くことがわかります。自分ではどうしようもないことも多いし。1位のフルツに限らず、豊作な割には上位指名選手が活躍しきれていないのが特徴です。

一方で2年目になって、2巡目指名が頭角を現してきたケースもあります。トーマス・ブライアントは特殊な例ですが、ナゲッツのモリスやニックスのドットソンは面白い存在になってきました。
2巡目じゃないですがデリック・ホワイトがスパーズでブレイクしそうなのも素晴らしく、下位指名も捨てがたいし、それ以上にチームにあった選手を指名する大切さを感じます。

2年目なので「下手になった」なんて案件はほぼないわけですが、プレータイムが減ったり、役割が変更されてフィットできなかったりと、成長するのも楽じゃないなぁ。
今回は低評価なので期待通り成長している選手はいないわけですが、主な選手たちで分類していくと

【期待外れ】
もっと成長する、あるいはチームの中心的な役割を担うと思っていたけど、伸び悩んでいるのは

OGアヌノビー
ケナード
ジョシュ・ジャクソン

ロイス・オニール

このあたり。昨シーズンの時点でしっかりと活躍出来ていただけに、もう一歩踏み出してほしかった。アイザックやザック・コリンズは時間がかかるだけで、ちゃんと伸びているから良いけど、1年目にそれなりに活躍していると、2年目のブレークを期待したくなるよね。ケガの人たちは致し方ない。

【ブレイク】
逆に2年目になって頭角を現してきたのは

モンテ・モリス
デリック・ホワイト
ダミアン・ドットソン


下位指名組が多いけど、いずれも身体能力系ではないのも特徴的。ドラフト外で活躍する選手が増えてきたように、NBAレベルに慣れることで力を発揮することが出来るようになったわけです。

こう見ると下位指名の充実ぶりが目立つので、やっぱり豊作なのでしょうが、3年後に同じ評価ができるかは予断を許さないのでした。2016年組がここにきてグッと伸びているように、毎シーズンがサバイバルな世界最高峰のリーグです。

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