2018/11/17 セルティックスvsラプターズ

開幕ダッシュに成功したリーグ首位のラプターズがカイリー率いるセルティックスに挑むと煽られた試合

◉カイリー率いる

酷いオフェンスをしているセルティックスについては、その中身を考えてみようと思って調べたのですが、あまりも誰もが平均的にダメになっているので書くのも嫌になるのでした。まだ「ヘイワードが悪い」の方がどれだけ楽なことか。試合を観ていてもモリスが打ち過ぎなくらいで、でもモリスは決めているしね。

結局ダメなのでカイリー頼みに変えていったセルティックスは、その豪華メンバーとは裏腹に本当にカイリーに率いられるように。1人だけ変なタイミングで打っても決まるし、むしろそんなアッサリとパスをしないで欲しいとすら思わせるプレーがあるくらい。1Qも斜め上に跳びながらの3Pとか難しいシュートを次々と決め、引きつけてアシストと絶好調で12点を奪いますが、他にまともだったのは3Pとゴール下で構成して両方を決めたブラウンくらい。テイタムはダンクに行ったシーンは良かったのに、謎のエースムーブで難しいシュートを打つし、ヘイワードはいるのかいないのか。

ベンチからモリスが出てくるとしっかりと決めるのだけど。だけど、それって流れを良くするシュートなのかはよくわかんない。イバカとの競り合いで粘り強く決めて力こぶをアピールしたけど、別にパワフルで決めたわけじゃないぞ。

 

カイリー時々モリスのチームになっているセルティックス。しかし、そのカイリーがいない2Q序盤はヘイワードがしっかりと引っ張り、スピードコントロールしてのレイアップや引きつけてのアシストでしっかりと構成出来ています。ちなみに最近はあまりスマートのゲームメイクがよくないというか、みんなが決めないから機能しないので、控えPGにヘイワードの方が面白そうなんだけどね。スマートはカイリーと一緒に出た方が良い。

このヘイワードのプレーメイクによって連続得点となり、セルティックスは二桁リードを得ます。オフェンスが酷かったチームがカイリーの個人技で得点を奪っていき、ヘイワードに作られたチームオフェンスでリードを得たのでした。

 

◉ラウリー率いる

ラプターズはTDガーデンのコールにも悩まされてしまい、パスを繋いでもあまり効果的になりません。そんな時はレナード。カイリーみたいな難しいシュートは外すし、絶好調でも何でもないけど、ショートレンジのシュートを沈めていきます。凄いプレーをしなくても得点が増えるのは非常に良いこと。イバカやシアカムもそれに続き、まぁそれなりに個人技で押し込んで行くラプターズ。セルティックスと違って誰もが難しいプレーをしないことで押し込むよね。

しかし、この試合はラウリーが全く決まらない。時々あるラウリー絶不調の試合は大抵負けているんだよね。基本はコントロールなのに強気が売りのPGはたまにオーバーヒートするので。全体的に好調って訳ではなく、フリーで打った3Pの確率もそこそこのラプターズ。でも、何となく、何でもないようなシュートで繋いでいきます。セルティックスの2桁リードに騙されそうだけど、調子よくないから堅実にいくラプターズ。

ベンチメンバーになってもアヌノビーが個人技で攻めていきます。セカンドユニットに加えられたことで昨シーズンのようなディフェンスと3P専門みたいな立ち位置ではなく、エース的な仕事をやる気のアヌノビー。難しいシュートを決めるわけじゃないのがテイタムとの違い。良い意味で。

そしてセカンドユニットのPGヴァンフリートも全く決まらない。2人のPGがストップされているので、まぁガマンしようぜって感じ。それをバランチューナスのオフェンスリバウンドで話されない程度についていくよ。

 

2Qに二桁ビハインドになってちょっと面白かったのは、ラプターズが当然の様にレナードで行くのだけど、これを止めるジェイレン・ブラウン。ゴール下に侵入されてもブロック。今シーズンあまり観ていなかったエースキラーの働きは、相手が強いからこそ目立つわけです。でも、何故かマークをスマートに変更するセルティックス。最後のブロックの部分で高さがないから怖くないらしいレナードはスマート相手だと決めていくのでした。

ダニー・グリーンの3Pも決まって追い上げるラプターズは、やっとラウリーがレイアップを成功し、今度はモリスが相手になったレナードがミドルを決め、1点差に追い上げます。さらにラウリーがスティールしてコーストtoコーストの速攻レイアップは外れてしまう。強気なんだけど、決まらないときはもう。そんな時に限ってカイリーがミスしただけなのにファールコールまでされちゃってさ。オーバーヒートするラウリー。ヴァンフリートも3P決まらないし。

完全に負けパターンのラプターズなのですが、それでもレナードいるし2点差にして前半が終わったのでした。

 

◉負けている方が強い

今シーズンの不調がどこへやら、カイリーに率いられて前半絶好調だったセルティックスはFG49%、3P40%だったのですが、前半ラストのカイリーのレイアップで得た2点のリードのみでした。ラプターズはFG41%、3P28%なのにね。

シュートが好調とか、リバウンドがこぼれてくるとか、レフリー運があるとか、いろんな要素があるから試合の結果はその時々で違うわけですが、この両チームのスタッツとその結果の点数を観ると、やっぱり現時点ではラプターズの方が強いなと思うわけです。

両チーム共にディフェンスが良いだけに、この差ってなんだろなと思うわけですが、ラプターズの方が簡単なシュートを打って決めていたよね。その簡単なシュートって所謂ショートレンジのジャンプシュートが多かったかな。レナードだけでなくイバカなんかも。

セルティックスのオフェンスで強さとして上回れそうな雰囲気があったのはヘイワードのプレーメイクの時間でした。鮮やかな合わせでシンプルなシュートを生み出してくれるヘイワード。でも本調子からはほど遠い。絶好調のカイリーだけど自分が決めまくるし、引きつけてのイージーシュートを生み出してはくれるけど、ヘイワードの方が良い流れを作ってくれそう。でも、ヘイワードに託せるかといったらムリじゃね。そんな悩みを抱えていそうなブラッド・スティーブンス。

 

ニック・ナースの方は祈るしかないって感じ。頼むからシュートを決めてくれよと。両PGで1/11じゃ勝てるわけないよね。セルティックスは2人を警戒してはいるけど、別にダブルチームで仕掛けているわけじゃないし。たまにテイタムを当てているのは、サイズのある選手に対してラウリーが迷うのを狙っているのだとは思う。

レナードも活躍しているけどFG6/14と決めまくっているわけじゃないので、もう本当に祈るだけ。良いプレーをさせて良いセレクションにもして、レフリーのコールに悩まされ。

 

◉謎ラインナップ

前半のFG73%だったカイリーがフリースローは2本とも外し、さらにパスミスで逆転されて始まる3Q。ブラウンのマークがシアカムなので、そこそこ抜いていくのだけど、ヘルプがきてからの合わせが弱いというか、パスが悪いというか、シューターが待つ角度が悪いというか、どうにも続かないセルティックス。じゃあもうカイリーが自分で行けば良いのだけどvsイバカになったのに何故かドリブルを止めちゃったりしてさ。

でも変わらずオーバーヒートのラウリーがミスしたり、レナードが腕を叩かれているのをレフリーが無視してくれたりで、何となく対抗出来ています。あと、あれだ「イバカに打たせとけば良いや」作戦も実行中。決まり始めると恐ろしく決めるけど、平均で言えば大して決まらないのに打ち続けてくれるイバカだから、他の選手に打たれるよりはフリーにしちゃえって感じの作戦が成功しています。ちなみに前の試合は欠場していたイバカ。

セルティックスは前半にプチ成功したスマート、ロジアー、カイリーを並べる3ガード作戦をとりますが、これでカウンターを食らいます。小さいラインナップなのに思い切りよく打たないから、ドライブも効果的じゃないし、かといって打っても外れたらリバウンドをとられてしまいます。今シーズンのセルティックスのメンバーでこのラインナップにする価値ってなんなのかな?

スマートがドライブからねじ込むけど、シアカムvsカイリーで高さだけで押し込まれたりさ。ラプターズが走れるビッグマンで構成されているだけに、メリットに乏しく、ちょっと良く分かんなかった。そんなこんなしている間にラウリーが無理やりのプルアップ3P決めちゃったよ。打つべきじゃないと思うけど決めるのだから。テイタムの膝蹴りを顔に受けてのフリースローも決めて10点リードになるラプターズ。論理的過ぎるからHCの采配が問題。

 

しかしベンチメンバーが増えると途端にオフェンスが悪くなったラプターズ。前半にタックル食らったアヌノビーがケガで戻れないので、ラウリーとヴァンフリート並べています。バランチューナスのアタックはベインズに止められ、シアカムにはジャンプシュートを打たせ、そしてラウリーは変わらずタフショット。その間にテイタムがミドルを連発しヘイワードもミドルでセルティックスペースに。こっちもこっちでよくわかんないぞラプターズ。

そしてラウリーが難しいパスを狙ってスティール速攻され、リードが台無しになって3Qが終わるのでした。何この展開。セルティックスの3ガードよりもラプターズの最後のユニット構成の方が理解に苦しむ。なんで不調のPG2人を並べたんだ?

 

◉判断ミスで変わる流れ

でも、あれだった。デロン・ライトが出てきたけど、見事に抜いたのにレイアップすら外したから致し方ないのかも。ニックス戦のライトは良かったけど、ケガの影響が残っているのか今シーズンは不安定なライト。ちなみに前のピストンズ戦ではグリーンがケガしたこともあってマラカイ・リチャードソンをプレーさせていたけど、出番がないのは相手に合わせた考え方なのかな。

レナードのポストへのパスをカットされるヴァンフリート。ディフェンスでもスイッチミスでテイタムの3Pになってしまいます。ちょっと酷いな。こういうのがないから強いラプターズなのに、ミスと簡単なシュートを打たせていたら流れは変わってくるよ。カイリーが裏抜けしたときにバランチューナスのブロックがあるのに横からヴァンフリートがファールして1点差に。

今度は戻ってきたグリーンがスイッチの判断ミスでカイリーに3P決められ、獲れないルーズボールに飛びこんだことでカイリーの速攻、味方に指示をしている間に抜かれたりと前半と違い、判断の悪さで得点されていきます。グリーンの判断ミスが多いな。それを抜きにしても決めすぎのカイリー。でもシアカムとライトが取りかえしていく一進一退の展開に。

 

カイリーとテイタムがスイッチを促し、何故かvsレナードにしての3Pがミスになり、その間にスマート相手のポストアップをきめたレナード。さらにテイタムのよくわかんないパスから速攻のレナード。今度はレナードがよくわかんないパスミス。で、オフェンスリバウンドに飛びこんだグリーンが6つ目のファールで退場します。正直、退場して良かったと思うくらいのミスのオンパレードだった。でもアヌノビーがいないし、ヴァンフリートも酷いからライトに。

再びカイリーの連続得点で1点差になると、今度はレナードがミドル。エースの戦いだけどカイリーが決めまくっているから、レナードの方が不利そう。しかし、カイリーが1本外したリバウンドからカウンターのレナードからライトが3Pを決め、逆にモリスがラインクロスと脇役の働きには差が。でも大事な場面でターンオーバーするラウリーに対して、ドライブダンクのテイタムとセカンドエースはセルティックスに分がある。ラウリーなんなんだよ。

残り24秒でレナードのシュートが外れるとリバウンドをとったシアカム。しかしこれがルーズボールファールでヘイワードのフリースローで同点。このルーズボールファールまでフリースローになるルールは試合をつまんなくするよね。ラプターズは再びヴァンフリートをいれて、選択するのはレナードによるアイソレーション。誰もスクリーンに行かず、選択したのはミドルで決まらずオーバータイムに。なんでヘイワード辺りを選ばなかったんだろうか。

 

◉オーバータイム

ヘイワードのカットプレーで始まりますが、このカットがなくて苦労していたのでちょっと修正したのかな。しかし、ブラウンを使わずにヘイワードの意味は全く分からない。そう思ったらターンシュートも決めちゃったヘイワード。久しぶりに4点リードします。するとヴァンフリートを出してきたニック・ナース。案の定、ミスマッチを使ってテイタムがアタック。オフェンスファールぽかったけど逆にディフェンスファールになってラッキーだった。

タイムアウト明けで何とか決めるラウリー。決め返すテイタム。プルアップ3Pを外すラウリー。そのオフェンスリバウンドでシアカムが退場します。まぁこれは仕方ない。で、カイリーに簡単に抜かれたヴァンフリートで勝負ありって感じでした。

最後まで2人のPGが足を引っ張ったラプターズでした。

 

シュートが決まらないときのラウリーとヴァンフリートは悩ましい。セルティックスは2人のプレーメイクに関してはある程度の対策があるのだと思うけど、別にシュート自体はいつも通り打っているので単純に外した感じ。そこにダニー・グリーンまで判断ミスが続くという非常事態だったラプターズ。

内容的にはラプターズの勝利って感じでしたが、そんな判断ミスが続いた上に、逆にセルティックスはわかりやすくカイリーのアタックばかりにしました。止められなかったラプターズというか、カイリーを止められないだけで実はチーム的にはそこそこ止めていたのに、やらかした感が強い。やらかすのがラプターズの伝統だけに、早くもプレーオフが不安になるね。

セルティックスはカイリー頼みなんだけど、それはそれで頼んどけば何とかしてくれて良いじゃないかと。まぁでも決めすぎ。今シーズン4試合目のFG60%オーバーにして初の40点オーバーでした。それくらいやらせ続けたって事ね。

 

まぁなんというかラプターズの方が強いと思う試合だったよ。だけどラウリーとカイリーの間にある差があまりにも大きすぎたから、繰り返される可能性も否定できない試合でもあったのでした。これで3連敗のラプターズ。ピストンズ戦は終盤になってレナードがスタンリーにターンオーバーをさせれらまくって、この試合はラウリーが絶不調と噛み合わないというか、最後にエースに託す形が大失敗しているね。

 

2018/11/17 セルティックスvsラプターズ” への10件のフィードバック

  1. ラプターズにとっては勝てる試合でしたね、アヌノビーが後半出られなかったのもきつかったのかなぁ。
    セルティックスは昨季のプレーオフ観てからだと、ヘイワードとアービングが復帰したら大幅に強くなると思いましたが今のところそうでもない感じで。
    ロジアーとか俺はもっと出来るのに!って思ってそう。

    1. アヌノビーとパウエルがいなくて、グリーンがおとぼけだったので痛かったですね。
      アービングのプレーが驚異的な割には・・・って感じです。そしてアービングみていたらロジアーに出番がないのは致し方ないだろうと。

  2. アヌノビーまでいなくなったのは痛かったです。
    ラウリーの不調はペリカンズ戦見てるみたいでした。エキサイトするから調子の上げ下げが激しいんですかね…ペリカンズ戦ほど絶望感はなかったですけど、ピストンズ戦に続いて接戦を落としてるんでプレーオフが心配です。
    テイタムはオフのコービー塾の影響が悪いほうに出てるのですかね。おっしゃる通り厳しいミドルをよく打ってる印象です。
    そういう厳しいシュートをあっさり決めてしまうアーヴィングはスーパースターでした。

    1. アーヴィングはちょっとスケールアップした感じがあります。でもシーズントータルのFGだとそんなでもないので、こっちも上げ下げがありますね。ボール独占した方が決まりやすいのかもしれないですし。

      ラウリーはね。だったらパスに専念してくれても良いのですが、不調なときほど難しくてもシュート打つイメージがあります。

  3. とりあえずリベンジできてよかったです。
    このチームのカイリーは異分子であることも大きな役割なので時にはあれでいいんですよね。調子が悪い日はパスを散らす姿勢も見せてるし。
    逆にいえばテイタムがそうなってちゃ困るんだ。流れの中で得点を重ねるのが去年のテイタムの最大の魅力だったのに。
    ただこのカイリー頼みっぷりだとPOは流石に厳しい…。

    1. 後半のテイタムは良かっただけに、もう少しガマンして欲しいというか、多分アーヴィングだけならそこまで問題ないのですが、モリスとかもいるから辛いんじゃないのかなーと思っています。役割は流れの中でプレーすることだけど、あまりにもボールがこないとね。ヘイワードに奪われて、出番のないブラウンよりは良いじゃないかと思いますが。

  4. ポストンは騙し騙し勝ち越してはいるがケミストリーの面でバランスが悪い。カイリーにはやはりインサイドで格となりしっかり得点出来るプレイヤーが会う気がします。ロースター的に昨シーズンの出来から過大評価気味の今のうちにテイタムや指名権も手放してもアンソニー デイビス取りを行った方が良い気がします。

    1. その話が良く出るけど、アンソニー・デイビスを手放すわけがない。ホリデーも引き取ってくれないと再建モードに出来ないし。

  5. 自分も3ガードの時間帯の意味が分かりませんでした。そもそもカイリー調子良くてロジアーも思い切り良くいけない今の状況なら3人同時にする意味は?と。
    ロジアーの役割が微妙に、、
    あと、ブラウン4Q終盤、OT出てなかったですね。もう少しシュートの精度上げて欲しいのかな?
    カワイの存在を薄めたディフェンスは凄かったのに。
    あと、今季のセルティックスはペイント内の得点少な過ぎですよね。ほぼ30点差つけて勝った一昨日のブルズ戦でもペイント内得点は負けてました、
    どう改善すべきなのか、、

    1. 3ガードにしてしまうのに、ペイント内が悪いってのが二重苦なんですよね。
      そこをテーマに書こうとしたのですが、説明がつきにくい内容でした。カイリーがいなければ散々なチームなのか、それとももっとペイント内を有効利用できているのかは、ちょっと気になります。ブラウンのポストアップとか減りに減った気がしますし。

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