2018/11/11　ラプターズｖｓニックス

未だ１敗でリーグ最高勝率のラプターズにニックスが挑む

◉互角の両チーム

ラプターズは開始からオフェンスが全く上手く行かず、するとレナードのアイソレーションを選択します。チームオフェンスと個人オフェンスの使い分けが出来るのは試合の中で大切なこと。まぁレナードも外して３分くらい無得点だったけど。ターンオーバーだらけ。シアカムが微妙なパスをラウリーに出してミスになるとお互いに自分が悪いというジェスチャー。ウィザーズと違うカルチャー。でもミスだらけで得点が伸びない。

ニックスはそんなミスから速攻が出るけど、全般的にシュートが決まらない。強力なラプターズディフェンスに悩まされているともいえるけど、それでもシュートを強気に打てるから悪くない。ニックスは勝率こそアレだけど、その内容はファンは誰も悲観しないだろうな。それこそレナード役がいればグッと楽になるだろうに。

そんなわけでお互いにディフェンスの頑張りがあって、シュートが決まらずを繰り返します。レナードのシュート全く決まらないじゃん。ニックスはこんな時こそトレイ・バークだけど、そういうわけにも行かない事情もあるからベンチに座ってる。

 

ニックスは出てきたムディエイがカンターにナイスパス。ルーズボールもとって最後はノックスが３Ｐ、そしてムディエイがジャンパーとベンチメンバーで動き出します。

ラプターズはアヌノビーがスティールに、ラウリーのパスからゴール下でリズムを掴むとシアカムの３Ｐも決まり、アヌノビーのポストからバランチューナスとこちらもベンチで動き出す。

ムディエイがバックカット決めて、ヴァンフリートがロングバンク３Ｐ決めてと嘘くさいプレーも飛び出して２５－２５で１Ｑが終わります。ムディエイはジャンパー決めたと思ったら同じような距離からエアボールするし、周囲が見えたパスを出すと思ったら、プレゼントパスするしとプラスマイナスが極端だな。オーバータイムになった試合でも大活躍したと思ったら・・・だったような。

 

◉セカンドユニット再び

珍しく自分で勝負を選ぶアヌノビー。ミドルを決めるけど、次にコーナーへのキックアウトがプレゼントパス。同じ事をデロン・ライトもやったのでチームの狙いでありニックスに読まれている。キックアウトパス３Ｐが重要なオフェンスシステムの１つになった中で、そのパスをカット出来るチームってディフェンスがチームとして考えられているよね。そこにニックスも加わるのか。なお、その後ラプターズはコーナーを囮にしてカッティングで合わせる次の手段が登場しています。

アヌノビーはダンクにゴール下１ｏｎ１で＆ワンと積極的に自分で。対してムディエイのプレーメイクからシュートを打っていくニックス。互角なの凄いじゃんニックス。

しかし次第にラプターズが優勢に。スティールから速攻に走ると追いかけてきたカンターで止まりそうになるものの、後ろからしっかりとついてきたアヌノビーに渡って＆ワン。ファール気味に奪われたのがハーダウェイだけどリアクションしないで追いかければ止められ可能性のある速攻でしたが、ここで走っているのが強いチーム。

 

今シーズンはじめのデロン・ライトは酷いプレーをしていて、シュートは決まりそうもないものばかりとケガの影響を感じさせまくっていましたが、どうやら復調してきた様子でオフェンスリバウンドにも絡むし、ミスした後のリカバリーが早くなり、落ち着いてフェイクでブロックを飛ばして３Ｐも。デローザンをトレードして、ちょっとハンドラーの得点力が懸念だったけど、デロン・ライトが本調子ならラプターズシステムだと十分かな。

これでリードを広げたラプターズですが、スターターが戻ってくるとアレ？

シアカムとイバカがチャンスでミスが多く、レナードも得点出来ないしフリースロー外しまくり。その間に好調のハーダウェイが押し返していきます。ニックスはバーンレイとミッチェル・ロビンソンのインサイドがコンビとしての機能性を増してきたように感じます。基本的にはほぼバーンレイなんだけど圧倒的に高いロビンソンなので、エンドライン際での存在感が素晴らしい。ディフェンスでも動けるビッグマンだからどこへでもブロックに跳んでくるので、ちょっとずつ気にしないといけません。機動力系のコンビだけど平面のバーンレイと空間のロビンソンみたいな。１人じゃダメなんだコンビで良い。

 

そんなわけでセカンドユニットでリードを奪ったラプターズでしたが、２Ｑだけで１３点のハーダウェイの反撃にあってリードを広げるまでは行かず、最後にグリーンのスティールからレナードのフリースローで加点して１１点リードで前半が終わります。２Ｑは得点がはいったね。

〇ＦＧ％

ラプターズ　５９％

ニックス　３７％

この確率で１１点差で済んだのってＦＧ％の割にはニックスのディフェンスが良かったからでした。９スティールと打たせるところまでいかないパターンね。問題はカンターがいるとディフェンスが悪くなること。その分オフェンスリバウンドで助けてはいるのだけど。ムディエイといい、メリットとデメリットの使い分けがね。

ダッドソンのような選手を上手く取り込んでいるし、ミスを嫌がりまくるようなＨＣじゃないけど、チームカラーをディフェンス面にもっていきたいならカンターは苦しいね。ニリキナがディフェンダーだけにその傾向が強そうで。

ラプターズは６１点なのにチームハイがアヌノビーの１１点というバランスアタック。２番目もベンチのデロン・ライトと今シーズンも強いなセカンドユニット。１回ペイサーズとベンチメンバーだけで試合してくれないかな。それよりスターターと紅白戦してくれないかな。

 

◉上手く行かなかった３Ｑ

バーンレイがアウトサイドからの１ｏｎ１を決め、ダッドソンとニリキナが３Ｐで一気に３点差になる後半。以前に観たときもバーンレイは３Ｑにこのプレーしていたな。さらにニリキナとのコンビからバーンレイがダンク。逆にラプターズはグリーンのパスからイバカに３Ｐ打たせますが、それは違うだろ。レナードのミスもあってニックスが速攻。

ニックスは徹底してイバカをフリーにしています。ロビンソンがルーズともいうけど、正しい優先順位です。たまに信じられないくらい決めてくるイバカだけど、あまりリズムは生まれないし、インサイドを閉じている方が堅実。ハーダウェイが当たりまくっているので、ハーダウェイｖｓイバカの確率対決なら勝てそうだし。でも３Ｐ決めるイバカ。さて、どうなるか。

しっかり守ったニックスでしたがショットクロック無くなって難しいミドルを打ったレナードが決め、ムディエイのパスがズレたのをグリーンがかっ攫い、３ｏｎ２なのに３Ｐ打って決めてラプターズがリードを戻します。イバカ作戦は良かった気がするけど、他の所でやられてしまった。

 

レナードのポストアイソレーションを選択するラウリー。しかし守り切るダッドソン。しかし、レナードの３Ｐが外れたのにシアカムにリバウンドをとられます。スティールから速攻のレナードのレイアップをブロックするトリアー。しかし、こぼれたボールを苦し紛れで打つレナードにムディエイがファールしてしまうなど、ちょっとずつ上手く行かないニックス。

ラウリーとシアカムの３Ｐが決まり１４点差に。どちらもカンターは関係ないけど、カンターがいると得点とられる病。ゴール下でフリーになったヘゾニャは遠くからブロックに跳んできたアヌノビーにビビってレフリーにパスしたり。ノックスは強気に３Ｐ決めるけど、流れはラプターズに。

ムディエイがアヌノビーをブロックし、自分で持って行って上手いパスフェイクからレイアップ打つけど外すというプラスなのかマイナスなのかというプレーを発揮し、トリアーも周囲を見ながら的確に３Ｐ打ったり、ドライブからダブルクラッチするけど外し、最後にムディエイがジャンパー決めたけどヴァンフリートに決め返されて３Ｑが終わります。１００点まで到達してしまったラプターズ。１Ｑ２５点だったのにな。

 

ムディエイはスピード一辺倒の突破を辞めてどうなるかと思ったけど、周囲への首振りフェイクが上手くなって、ゴール下が混雑するならストップジャンパーも選択するようになり、非常に良くなったんだけど、どうしてもレイアップを決めきれないのね。ディアンジェロかよ。あともう一歩でプラスの選手になれそうだけど、その一歩って遠いんだよなぁ。

 

◉触れにくい

しかし、レイアップじゃなければ決まるらしいムディエイがコンタクトしながらドライブを決めきります。カンターもゴール下でバランチューナスに勝って得点。

ヴァンフリートからのアヌノビーの豪快なダンクで対抗し、バランチューナスへも素晴らしいパスを通すヴァンフリート。プラスばかり生み出すＰＧ。デロン・ライトからもバランチューナスで今シーズンも強いセカンドユニット。

今シーズンはケガもあって出たり出なかったりのアヌノビー。プレーオフでの活躍もあって期待株なのですが精神的に不安定なのかと思ったら、この試合は積極性が素晴らしく自分でプレーメイクするし、積極的に打っていくし、コーナー３Ｐとリバウンドダンクしかしていなかった昨シーズンから一皮むけようとしているようで。ディフェンス面も元々素晴らしかったけど、よりプレッシャーでボールを奪いに行くような雰囲気。カウンターで抜かれるけど。両面ともレナードの匂いがプンプンするので、本当にお手本にしているのかな。

 

残り７分もあるけど時間を使いながら攻めていくヴァンフリート＆デロン・ライト。シュート決まらなくても３回に１回はバランチューナスが拾ってくれる感じ。あとはイージーシュートと３Ｐを許さなければって感じかな。４Ｑだけで１３点８リバウンドのバランチューナスで堅実に過ごしたラプターズでした。

３－２ゾーンで真ん中にアヌノビー、下の２人がバランチューナスとモンローという飛び道具を少しだけやっていた。もっと観たかったね。

レナードがＦＧ２／７なのに相変わらず強かったラプターズ。よく出来たチームワークだよね。ところどころアイソレーションなんだけど、それがまた嫌らしい。どういう発想で出来上がっているのだろうか。アヌノビーやバランチューナスが個人技で決めているのだけど、でも個人技だと思ったら、ちゃんと合わせる選手がいたりしてね。マネしたいけどマネ出来ないであろうラプターズ。

とても良かったけど、良すぎて書く事がないや。アヌノビー頑張って。

 

ニックスはカンターの浮き具合がシャレにならない。バランチューナスと似たような感じなのにチームの中での立ち位置が全く違うのはなんだろうね。ポルジンギスがいたら役に立ちそうだけど、現状ではムディエイやトリアーのプレーメイクとも合わない雰囲気。

というかムディエイの方も評価が大きく割れそうなプレーぶり。間違いなく成長して良くなったのだけど、周囲がどのタイミングで動いて良いのか理解しにくいのだろうね。ナゲッツだと動き出しが早いのだけど、ニックスだと仕掛けてから動き出すのかな。微妙な差異だけど出てこなかったトレイ・バークの形が機能したチームだけにリズムの違いに苦しんでいそう。

プレータイムシェアしているニックスは、今の時点で誰かに絞るのも難しいから致し方ないって感じ。横一線だけど何だかスターターの５人は噛み合ってきただけに、セカンドユニットが気になるね。個人の質ではセカンドユニットの方が良さげで、ただスターターの方がディフェンスが良い。

いずれにしても慌てずにやっていくだけという雰囲気しかなかった。ラプターズが良すぎてこっちも触れにくかったな。